カテゴリ
【熱い季節】ドラゴンボート・ペーロン 連載中:【空想中古店・沼カメラ】 連載中:カメラマニアックスEX第二部 連載中:レンズグルメ入門編第二部 連載中:お気に入りレンズ選手権 連載中:レンズマニアックスEX第四部 完了:フィルムカメラで撮る 完了:カメラマニアックスEX第一部 完了:歴代カメラ選手権 完了:カメラの変遷・総集編 完了:デジタル名機対決 完了:お気に入りカメラ選手権 完了:レンズグルメ入門編第一部 完了:レンズマニアックスEX第一部 完了:レンズマニアックスEX第二部 完了:レンズマニアックスEX第三部 完了:年代別レンズ選手権 完了:年代別マクロ選手権 完了:続・特殊レンズマニアックス 完了:続・レンズマニアックス・プラス 完了:続・匠の写真用語辞典 旧ブログへのリンク
最新の記事
ブログジャンル
以前の記事
2025年 03月 2025年 02月 2025年 01月 2024年 12月 2024年 11月 2024年 10月 2024年 09月 2024年 08月 2024年 07月 2024年 06月 2024年 05月 2024年 04月 2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 検索
|
2024年7月14日(日)に、大阪市・天満橋の大川 (地下鉄/京阪の「天満橋」駅前)にて行われた、 正式名称「天神祭奉納 2024日本国際ドラゴンボート 選手権大会」(以下、「日本選手権」)の模様より。 本記事は「前編」として、この大会での、競技 カテゴリーの「スモールの部」(10人漕ぎ)と 「選手権混合の部」(20人漕ぎ、男女各8名以上) の模様と結果を紹介する。 今回が今年初のドランボート系記事だが・・ コロナ禍以降、ドラゴン/ペーロン界も様相が少し 変わってきている。まずは、いくつかの地方大会は、 コロナ以降、まだ復活していない事がある。 それと、コロナ禍の時代では、秋に感染者数が減って いた傾向があったので、例年、春や夏に行われていた 大会が秋の開催となり、以降も、そのまま年1度の開催を 秋の季節(10月~11月)に行う大会が増えた事。 また、近年、色々と「異常気象」が言われているが、 6~7月の各地での「集中豪雨」、7~8月の「猛暑」 9~10月の「大型台風の襲来」等を避けるようにもなり、 大会を実施しやすい時期に、開催日が集中してしまう。 (参考:近年の7~8月での40℃近くの猛暑は、屋外 スポーツの実施そのものにおいて非常に危険性が高く、 ドラゴンボートに限らず、この時期のスポーツ大会等を 自粛する世情が急速に広まっている。実施するとしても 様々な猛暑対策が必須であり、それを何も意識していない ケースだと、何か起きた際に大きな問題となる事だろう。 なお、今年から高校野球(甲子園)も、朝夕開催の 2部制が導入される模様だ) その為、本年は結構重要な大会の「日程被り」が複数 発生しているのだが、それは又、その大会の観戦記事の 時に説明する。 そんなこんなで、今年2024年、関西圏での初のメジャーな ドラゴンボート大会が、本「日本選手権」となった。 天候は、曇り(朝の内時々雨、午後から少し晴れ間) 最高気温約30℃だが、じめじめしていて蒸し暑い。 雨が降っている間は、やや暗く、陰鬱な感じである。 風は午前中無風、午後からは0m/s~2m/sの向かい風。 大阪湾の満潮時刻は午後3時頃(この前後、少し河川の 流れは遅くなる→レースはタイムが落ちる) だが、いずれも環境条件の変化としては軽微であり、 1日を通じての(同一チームでの)タイム変動は、数秒 程度という感じに収まっていた。 本大会は「天神祭奉納」と冠しているように、日本三大祭り である「天神祭」の一環として行われている。 天神祭自体は、例年7月24日・25日に行われている、 コロナ禍の時期では規模縮小もあったのだが、今年くらいから 奉納花火等を含めたフル開催に戻る(戻った)模様だ。 (参考:昨年くらいから、各地の花火大会は有料観客席 のみとする風潮が高まっている。この措置は賛否あるとは 思うが、個人的には、過去に行った様々な(無料)花火大会 での酷い混雑を思い出し、混雑緩和にも繋がる有料化は、 悪く無い風潮だと思っている) 本大会の開会式では「大阪天満宮」の宮司さんや巫女さんが、 大会の水上安全を祈願する神事を行う。 なお、本大会において、朝のうち雨が降っていたのが、この 神事が終了すると、とたんに雨が上がる、というケースが 過去何度もあった。勿論、この梅雨明けの時期の特有の気象 条件だと思うが、何度も続くと、「ありがた味」がある。 さて、本大会は1988年から開始された、日本で最も古い (起源を持つ)「ドラゴンボ-ト」大会である。 しかし、日本各地での「ペーロン」や「ハーリー」等と いった様々なボート競技は、もっと歴史が長く、例えば 数百年に渡って開催されている大会もある。 そうした各地でのボート競技のレギュレーション(ルール) を統一化したのが「ドラゴンボート」である。レギュレーション の代表的なものは「漕手数の規格化」「性別や年代の規格化」 「直線のみ(ターン無し)での競技である事」等がある。 ドラゴンボートは、一応アジア圏が本場となるが、日本のみならず 西欧圏でも良く行われている。基本的にアマチュアスポーツで あり、プロ化(興業化)されているという話は殆ど聞かない。 日本国内における「ドラゴンボート」と呼ばれる(そのルールに 準ずる)大会は、地方大会を含め、概ね20程度であろうか・・ (注:「ペーロン」や「ハーリー」等の地方独自競技を含める と、これは、数十という多数の開催数となる) 基本的に、どの大会も、年に1度の開催となっている。 近年ではコロナ禍等で中止となっている大会も多いのだが、 私は、年間の平均で10大会程度を観戦/撮影している。 (今年は日程被りが多いので、もう少し減ると思う) 本大会は、前述のように「天神祭奉納」という性格から、 1988年~2000年代前半までは「天神大会」と呼ばれていたが、 2000年代後半から、会場変更、レース距離の短縮(現在は 250m戦)、カテゴリーの明確化を行い「日本選手権」と してリニューアルされた。 現在、国内ドラゴンボートの最高峰の大会と呼ばれていて、 本大会で決勝進出や入賞、優勝ともなれば、「我がチームは 日本でX位である」のような言い回しを行っても良いという ドラゴン界(選手達)での暗黙の了解だ。 (ただ、いつまでも、そう名乗る事はできないが・・) さて、まずは本「日本選手権」のカテゴリー分けだが、 以下の4つとなる。 *大阪知事杯:スモールドラゴンボート関西選手権 こちらは10人漕ぎである、20人艇を、そのまま使い 漕手達は、適宜、間隔を開けたり、中央に集中して レースに臨む。10人(専用)艇に比べて、タイムは あまり出ないが、まあ、全てのチームで同等条件だ。 *選手権シニアの部 :(20人漕ぎ、漕手40歳以上) *選手権混合の部 :(20人漕ぎ、漕手男女各8名以上) *選手権オープンの部:(20人漕ぎ、漕手条件なし) 3つの「選手権」のカテゴリーは、年間ポイント制に より、翌年の各世界大会等での代表チーム選考を兼ねる。 (参考:稀に海外強豪チームが参戦して、これら選手権の カテゴリーで入賞した際には、国内チームのみを代表選考 対象とする) それと、コロナ禍前まであった「女子の部」は、現在 休止中だが、復活する可能性は十分にある。 さて、まずは<スモールドラゴンボート関西選手権> のカテゴリーから見ていこう。 このカテゴリーは、本「日本選手権」に併設される形で 2010年代中頃から始まっている。 名称は順次変遷し、当初は「普及の部」、後に「スモールの部」 現在では、前述のように「大阪知事杯」を冠している。 以下は「スモールの部」のように省略しよう。 なお、別途「スモール選手権」が、滋賀県(琵琶湖)で 行われているが、そちらは公式戦であり、優勝チーム等は 前述の海外の大会への代表出場権の選考も兼ねている。 「スモールの部」だが、出場チームの一覧は以下となる。 本「スモールの部」への出場チーム数は、21と多い。 ドラゴンボートは、元々(概ね1990年代~2000年代) 20人漕ぎが「レギュラー(普通)」であったのだが、 近年では世情やライフスタイルの変化により、なかなか 20名もの選手を集める事が困難となってきている。 なので、2010年代からは、各地(日本も、世界も)の 大会において10人漕ぎのドラゴンボートの比率が増えていて 現代2020年代では、国内ドラゴンボート大会においては 20人漕ぎの方が、むしろ少ないくらいだ。 また、20人漕ぎがメインの大会でも、ほぼ必ず、10人漕ぎ の部を併設している(1000m選手権を除く。それと、これは ルールが規格化されている「ドラゴンボート」での話であり、 その類似競技、例えば、各地でのペーロンやハーリー等の レギュレーションでは、それぞれの漕手数は大会次第だ) また、(本大会での)「スモールの部」は、メンバーが 集まり難い、あるいは遠征しにくいチームが参戦しやすい カテゴリーである。つまり、古豪(ベテラン)のチームだが 現在ではアクティビティ(活動)が低下しているケースや、 遠方(海外を含む)からの参戦の場合等だ。 ただ、近年の「円安」の世情からは、海外から日本に 観光等の目的で来る「インバウンド」には好都合だと思うが、 逆に日本から海外を訪れる「アウトバウンド」は厳しいし、 日本人が国内旅行をするケースでも、そのインバウンドの ブームと物価高騰に乗じて、宿泊費や滞在費の高額化が 顕著である。 昨年(2023年)くらいから、各ドラゴンボート大会で、 遠方参戦のチーム数(比率)が減少している。 ここは「表立った理由」としては言及されてはいないが、 チームの実情・内情としては、これは大きな障害であり、 10人や20人が遠距離の大会に遠征する際の費用の高騰は メンバーの一部等が「お金がかかるので行かない」とか 反対する事は、まあ、十分すぎる程に有り得る話だ。 近年の世の中は「値上げの世情」であり、賃金上昇が 物価の上昇に追いついていない事から、節制のムードが 高まっている。 だが、スポーツや趣味の世界にまで、そうした物価高騰が 影響を及ぼすのは、あまり好ましくないと思う。 バブル経済期(1990年前後)を越える株価であり、その 当時、土地やゴルフ会員券等が投機的に高騰したように 近年でも様々な趣味的な商品分野で「投機(転売)」が 発生している。 これらは正常な経済の状態とは言えないが、消費者側で よく世の中の動向を見て対応していかないとならない。 (追記:本記事執筆後、株価は大きく下落している) で、個人的に困る事は、「カメラの値上がり」であり、 新品カメラの平均入手価格は、この10年でおよそ3倍、 中古品はさらに顕著で、転売目的となっている高額商品 ばかりである。 私も、ここ数年間は、高騰した新品カメラは何も買って いない状態であり、古い時代のカメラを壊さないように 丁寧に使い続けるしか無い。 今、高額カメラを買う訳にはいかない、それは、まるで 今年の6月頃に、野菜の「キャベツ」が、不作により、 一玉600円以上もした時と同様だ。通常の数倍も高価ならば 「値段が下がるまで、しばらく、お好み焼きを作るのは やめておくか」等と節制するのが正常な金銭感覚であろう。 なお、「うなぎ」も同様。ここ数年で2倍近くも高騰して しまっているのに、「土用の丑の日」に、毎年習慣的に 食べているという理由だけで、鰻を購入してしまうのは、 いったい、どうなのだろうか? まあ、カメラやレンズに関しては、今、高価なそれらを 買う事は愚行だと思っている、できるだけ速やかに不自然な 「カメラバブルが弾ける事」を期待するしか無い。 余談はさておき、「スモールの部」の話に戻る。 3艘建てから5艘建てと、レースにより若干の出走数の差が あるが、直前で欠場したチームが出た事等が理由だ。 スモールの部のレースフロー(流れ)だが・・ 予選各レースにおいて1位になったチームは、そのまま午後の 準決勝戦に進む事ができ、1位以外のチームは敗者復活戦に 進む。敗者復活戦でも2位までに入れば準決勝に進めるので、 概ね、その時点では強豪チームが順当に勝ち上がる事と なるので、組み合わせによる運不運や不公平さは殆ど無い。 ここで、過去5年間の(本大会の)スモールの部での 3位入賞までのチーム名を挙げておこう。 *2019年7月14日 曇り時々雨、最高気温26℃ 1位 Phillipine Alliance(比) 2位 La Salle (香港) 3位 うみひ(静岡) *2020年 コロナ禍につき大会中止 *2021年11月7日 晴れ、最高気温21℃ 1位 東京龍舟マスターズ(東京) 2位 関西龍舟バーバリアンズ (兵庫) 3位 ageha(神奈川) *2022年7月17日 曇り時々晴れ、最高気温32℃ 1位 bp next(大阪) 2位 潜海龍スモール(広島) 3位 おこしやす宇治川・源平・龍舟祭(京都) *2023年7月16日、晴れ、最高気温34℃ 1位 La Salle (香港) 2位 潜海龍(広島) 3位 桜ノ宮艇庫前9時丁度(大阪) 上記のように、例年、入賞チームには、大きなばらつき がある。(→同じチームばかりでは無い) 理由は、コロナ禍等で、出場チームが安定していなかった 事があるのだが・・ しかしながら、上記入賞チームは その全てが「専業チーム」となっている。 専業チームとは・・ ドラゴンボート界では日本の場合 プロ制度はなく、全てがアマチュア(サークル、社会人、 学生、その他団体)である。専業チームは「日常的に ドラゴンボートの練習を行い、各地での複数の大会に 毎年のように出場をしている」という定義としている。 できれば、地方大会等での入賞経験があれば完璧だ。 「専業チーム」は、私が独自に言っている言葉であり、 ドラゴン界での用語ではないが、近年では、その用語も 選手層には定着しつつある。 専業チームに含まれないケースは、例えば地元で1年に1度 行われる大会にのみ単独で出場する地元チームであるとかだ。 それでも実力値の高い地元チーム等は「準専業チーム」と 呼ぶ場合もある。 で、上記「スモールの部」の過去数年間の入賞チームは 全てが「専業チーム」であるから、ビギナーではない。 逆に言えば、ビギナーのチームが、フラリと本大会に参戦 しても(よほど他のボート系競技等での経験値を持たない 限りは)入賞は、まず不可能という事になる。 また、多くの専業チームは、他の20人漕ぎカテゴリー等 での出場を兼ねている。例えば30人の選手が居るチームは、 20人漕ぎに1チームを出場させ、10人漕ぎにも出場する次第だ。 それか、本来は20人の(レギュラー)チームであるのだが、 たまたまメンバーが揃わず、10人漕ぎの部に出場するケースも ある。 あるいは、海外からの参戦チーム等で、元々、来日選手数が 少ないケース。それでも、できるだけ多くのレースに出たい 為、20人漕ぎと10人漕ぎに、ほぼ重複して参戦する場合もある。 (注1:ルール上、同一漕手の重複出場が可能なカテゴリーと、 それが不可のカテゴリーがある) (注2:コロナ禍の期間(2020年~2022年)では 海外からのチーム参戦が制限されていた) なお、重複出場可能の場合でも、後半、準決勝や決勝戦等で 連続出場となってしまうケースでは、物理的/体力的にそれが 無理なケースもあるが、そこは「自己責任」での出場条件だ。 つまりルール上では、各・出場レース間では、30分間の休息 (インターバル)の時間を置く事となっているのだが、それが 出来ないケースもあり得るし、そもそも、交替式の乗艇に 間に合わないケースもある、という事になる。 さて、「スモールの部」には、海外からの参戦チームも多い。 概ね、アジア圏のチームが多いのは、やはりドラゴンボートの 本場がアジア圏であるからだが、西欧圏でもドラゴン競技が 行われていない訳ではなく、稀に、ヨーロッパ等からの参戦 チームもある。 彼ら、海外参戦チームの出自は、概ね以下の3通りだ。 1:国を代表するような本格的ナショナルチーム。 非常に強く、日本のチームでは手も足も出ない事も。 2:日本への観光がてらで大会に参戦するパターン。 この場合、実力値は不定であり、強い場合も、そうでは ないケースもある。 3:企業チーム等で普段から現地と日本間での交流があり、 両国を行き来しているような選手達が多いチーム。 こうしたチームの場合、日本語での会話が通じる事も 多いし、いくつもの大会に参戦する「常連チーム」もある。 本大会での海外からの参戦チームは以下となる、 スモールの部: SUN SHINE DRAGON BOAT TEAM(新西龍)(香港) Sea Luck Dragon Boar Club(緑海龍)(香港) Mr. CaNoe Taiwan(台湾) 混合の部: 香港日本龍(香港/日本) オープンの部: Sea Luck Dragon Boar Club(緑海龍)(香港) これら以外にも、日本在住の外国人を多く含むチームも いくつかあり、近年でのドラゴンボートの大会は、かなり 多国籍化している。ドラゴン界での公用語は決まっていないが 英語を使えば殆どの選手達とコミュニケーションは可能だ。 上写真は、「OCTドラゴンボート倶楽部」 大阪工業技術専門学校の生徒達のチームであり、毎年 メンバーは変わるが、留学生を多く含む。 主に建築技師を目指す専門学校であり、留学生でも 日本語が堪能な事から、海外での優秀な生徒達が集まって 来ているのだろう。 同校は、本「日本選手権」の会場のすぐ近くにある。 たまたま、この天満橋でボート大会をやっているのを 見た同校の教師の方が、生徒達に大会参戦を勧めた模様。 確か本大会には2015年の「普及の部」(現:スモールの部) からの参戦開始で、その年、いきなりの3位入賞となった 事から、すっかりドラゴンに嵌り、以降、連続出場を続けて いる。ただ、生徒達は毎年、入学と卒業を繰り返している のでメンバーは一定ではなく、当初の3位以上の入賞歴は 残念ながら無いが、決勝戦進出ともなれば大いに盛り上がって いる次第である。 スモールの部への国内からの遠方参戦のチームには以下がある。 チーム☆ニライカナイ(東京等) TAITAM X DRAGONS(東京他) TAITAM TOKAI DRAGONS(愛知/東京等) ageha(神奈川他) Umihi(静岡、他)(↓写真) さて、「スモールの部」の見所だが、前述のように 国内からの参戦チームは、ほぼ全てが「専業チーム」であり、 それらは一定のレベルの実力値を持っている。 逆に言えば、メインチームに準ずるサブチームの場合では、 (例:関西龍舟ジーニー)たとえ初参戦であったとしても、 だいたいの実力値は予想がつくわけだ。 実力が不明なのは海外勢だ、ここも前述したが、海外からの チームは「ガチ」の強豪チームの場合と、観光がてらの 中堅チームのケースが両方存在する。 観光がてらのチームは、国内中堅チームと良い勝負、または 国内強豪チームならば勝利する事もできるが、本格派の 強豪チームとなると、国内強豪チームでも、勝てない場合 もある。 今回の「Mr. CaNoe Taiwan(台湾)」は、ガチの強豪 チームであった。カヌー系(あるいはドラゴンか?)での 同国トップクラスのチームらしく、世界にも通用するらしい。 予選から他チームを10秒以上も引き離し、そのタイムは 驚異の58秒、これは20人漕ぎの国内超強豪「bp」の予選 タイム57秒と、ほぼ同等である。 彼らの漕ぎを見ていると、ストロークが異様に長い。 「皆、腕が長いんじゃあないのか?(汗)」と思う程に、 体の前面の遠くまで、腕をいっぱいに伸ばし、そこから 水中の非常に長い距離をストロークする。 推進力が極めて高い漕法であり、日本国内のチームでは、 これに相当する漕ぎ方をするチームは無いと思う。 なお、このレースを一緒に観戦していた、元ドラゴンボート の選手で、今はチームが活動休止中で、「綱引き」競技を 主体にやっている方からの話だが・・ 「台湾は、綱引きも強い国なんですよ。 ドラゴンと綱引きって、筋肉の使い方が似ているのです」 との事である。 台湾チームは、そのまま準決勝進出、さらには決勝に進み、 順当に優勝となった。 B決勝(下位決勝戦)と、決勝戦の順位は以下の通りだ。 下写真は、「Mr. CaNoe Taiwan(台湾)」の表彰式の 模様である。 スモールの部で、国内チームでの、最高順位は3位に 入賞した「関西龍舟ジーニー」(兵庫)であった。 ご存知、関西圏の強豪チームの「関西龍舟」(関ドラ)の 若手を多く含む新チームである。 (恐らく、映画「アラジン」の登場人物からの命名) さて、ここからは<選手権(男女)混合の部>の 模様に進む。(↓は出場チーム一覧) 例年の話だが、本大会の混合の部は大激戦区である。 地方大会であれば優勝可能で、本・日本選手権でも入賞が 可能なクラスの強豪チームが、10以上もあり、それらが 準決勝あたりで、決勝の出場5枠を争う。決勝に進めた 5チームは、その時点で、どこが優勝しても不思議ではなく、 トップから5位まで、ほんの2~3秒差(半艇身程度の差) という混戦が毎年繰り広げられている。 ただ、僅差だとは言っても、例えば、0.5秒の実力差は、 そう簡単に縮まるものではない。なので、混戦の中でも そこから抜け出して優勝できるチームは、ほぼ決まってくる。 そして、その「混合の部」の優勝チームは、次の年でも 連覇できる可能性が高い。 それと、ゆるやかな世代交代があり、過去10数年の歴史を 見ても、連覇は、だいたい3年間程度までだ。 現在における優勝候補筆頭は「東京龍舟(軍団)」である。 サブチーム「TOKYO DRAGON」を従え、昨年2023年の本大会 では、磐石のワンツーフィニッシュ(1位、2位を独占) ワンツーは、10数年前の「関西龍舟」以来、本大会では 2度目の出来事だったと思う。 じゃあ、今年も「東ドラ」のワンツーとなるのか・・? だが、そう簡単にはいかないだろう。本大会でのワンツーは、 滅多に起こる事では無いし、長期間、その実力値(他のチーム との差異)を維持していく事も難しい。 じゃあ、「東ドラ」のワンツーは阻止されてしまうのか? しまうのだったら、そのチーム何処になるのか? そうならず、東ドラの黄金期は、まだまだ続くのか? まず、そこが、この「混合の部」の最大の見所となる。 また、近年での「混合の部」の様相だが、ドラゴンボート 以外のボート系競技(例:カヌー等)の(主に)女子選手 を加えてチームを編成する事が多くなってきている模様だ。 具体的には、「チーム未来 with HOCCK」や「INO-G」 「ビューティープレミアミックス」「Teamみつひろ」 等があると思うが、異競技漕手比率等の詳細は不明だ。 まあ、ドラゴン「専業」という状況では無い次第であり、 こうした異競技コラボチームの今後の状況には要注目だ。 さて、混合の部の予選において、1分を切ったチームは 以下の3つとなる。 58秒:関西龍舟シンバ 59秒:東京龍舟 59秒:すいすい丸 もっとも、これは、ある特定の時間帯のタイムなので、 風や水流等のレース条件が変われば、数秒程度の タイム差は出てくる。そして1分00秒以上にも、 強豪チームがゴロゴロと居る次第であり、上記の3 チームがそのまま優勝争いを繰り広げるとは限らない。 注目すべきは「関西龍舟(軍団)」の躍進であろう。 関西龍舟は、初期メンバーの黄金期が2010年代初頭に あり、その頃、本大会で「ワンツー・フィニッシュ」を 達成していた。 しかし、その後はメンバーの改変期が長く続き、毎年 何処かの大会では優勝できるのだが、本「日本選手権」 での優勝が無い時代が長く続いた。 だが昨年2023年、「関西龍舟ムファサ」がシニアの部で 優勝。ここが転機になりそうな気配があり、今年の 関西龍舟は、幅広い年代層(若手が多い)を集めて、 実に、4チームでのエントリー(参戦)であり、これは 本大会での最大勢力となっている。(↓写真は一部) 関西龍舟は、以下の4チームをエントリーしている。 シニアの部:関西龍舟ムファサ(昨年優勝) 混合の部 :関西龍舟シンバ、関西龍舟バーバリアンズ スモールの部:関西龍舟ジーニー(本大会3位入賞) 混合の部の予選、敗者復活戦を経て、準決勝への進出 チームの一覧を以下に挙げておく。 もう既に、この状態で、本大会の決勝戦常連チームが ズラリと出揃っている。ここからは、各チームが秒差の レースで戦い、決勝戦進出(5チーム)は、コンマ秒差の 戦いとなるだろう。 なお、ここで、過去5年間の「選手権混合の部」の 上位3位までの戦績を挙げておく。 *2019年7月14日 曇り時々雨、最高気温26℃ 1位 東京龍舟 2位 すいすい丸 3位 INO-G *2020年 コロナ禍につき大会中止 *2021年11月7日 晴れ、最高気温21℃ 1位 磯風SD 2位 東京龍舟 3位 関西龍舟シンバ *2022年7月17日 曇り時々晴れ、最高気温32℃ 1位 東京龍舟 2位 関西龍舟シンバ 3位 すいすい丸 *2023年7月16日、晴れ、最高気温34℃ 1位 東京龍舟 2位 TOKYO DORAGON 3位 すいすい丸 ざっと纏めておくと、まず「東京龍舟」の戦績は 磐石であり、本大会でも優勝候補の筆頭となっている。 2021年優勝の「磯風SD」は、コロナ禍により、本大会での 「女子の部」が開催できなかった際、女子超強豪チームの 「SUPER DOLPHIN」と、男子超強豪の「磯風漕友会」との スペシャルコラボチームである。あくまで臨時編成なので、 常に彼らが、そのチームで活動している訳ではない。 2位以下では、かつて本大会で4度の優勝経験を持つ 埼玉の「INO-G」(↓写真)が注目だ。現在、メンバーの 改変期ではあるが、本大会でも勿論準決勝に残っている。 「すいすい丸」(京都)は「日本一を目指す」チームである。 ここで言う「日本一」とは、ずばり、本「日本選手権」又は 琵琶湖での「スモール選手権」での優勝を勝ち取る事だ。 「すいすい丸」での、両選手権大会での最高順位は2位である、 あと1歩、優勝に届かない時期が長く続いている。 いずれかの時期で、ブレークスルーがあるとは思っているが、 それが今年なのかどうか?は、まだ分からない。 「関西龍舟(シンバ等)」も、前述のように、長らく 本大会での優勝から遠ざかっている。 ただ、これも前述のように、なんだか今年は様相が変わって きているので、「躍進の年」になるのだろうか・・? さて、準決勝を終え、本大会での決勝戦進出チームが決定した。 (以下、レーン順) 1レーン:INO-G(埼玉) 2レーン:TOKYO DRAGON(東京) 3レーン:すいすい丸(京都) 4レーン:東京龍舟(東京) 5レーン:関西龍舟シンバ(兵庫) 状況だが、準決勝で関西龍舟が軽い蛇行により、1秒の ペナルティが加算された模様だが、問題なく決勝に残れている。 「すいすい丸」は、初のポールポジション(3レーン)と なったが、予選や準決勝での好タイムが維持できるならば、 悲願の初優勝も視野に入ってきている。 「東京龍舟/TOKYO DRAGON」のワンツーフィニッシュは、 今年は少々厳しいかも知れない、「関ドラ」と「すいすい丸」 が好調だからだ。 私の(個人的な)順位予想だが、 1位2位争い:東京龍舟 vs 関西龍舟シンバ 3位4位争い:すいすい丸 vs TOKYO DRAGON と想定した。 1レーンの「INO-G」は、今日のコースコンディションだと 若干の不利があると見ている。その根拠や要因は明白では 無いのだが、今日のここまでの予選から準決勝で、1レーンを 引いてトップでゴールしたチームが1つも無いという状況だ。 準決勝最速タイムの「すいすい丸」を優勝候補としない理由も 明白なものは無いが、あえて言うならば「競り合いの経験値」 であろうか。「すいすい丸」とて、地方大会では数え切れない 程の優勝経験を持ってはいるが、これは、国内最高峰の 「日本選手権」であり、それに加えて、彼らの悲願である 「日本一」を目の前にして、そのプレッシャーは半端無いもの となるだろう。 ちょっとこの「壁」は高いかも知れないと見なしている。 ゴール近くの撮影ポイントで待機していると、応援をしている 人達の中に知った顔を見かけた。1人の女性が話し掛けてくる。 女「ワタシを覚えていますか?」 匠「はい。毎年、東京龍舟のお友達を応援している方でしょう? 沖縄のボート競技出身のお友達、現在は東京龍舟のメンバー として漕いでいらっしゃる。昨年、お友達といっしょに集合 写真を撮りましたね」 女「はい、その通りです」 匠「昨年は、東京龍舟とTOKYO DRAGONは、1位2位を独占 しましたが、今年は、ちょっと厳しいかも知れません。 今年、お友達は、どちらの艇に?」 女「え~と・・(他の友達と相談、確認している) ”東京龍舟”の方ですね、後ろの方に乗っています」 匠「龍舟の方ですか・・ するとまあ、勝ち目は5分5分かな。 でも、優勝できると思いますよ、あと数分で結果が出ます、 応援してやってくださいね」 女「はい、彼女(お友達)は、やってくれると思います」 さあ、混合の部の決勝戦が始まった。 ゴール地点からなので、スタート等の遠距離の写真は撮り難い。 主に肉眼で様子を見ていこう。 序盤では、各チーム、ほぼ横一線、いや、1レーンのINO-Gが やや出遅れたか? 100から150m、ここで5レーンの関ドラが 頭を取ったか? でも、こうした肉眼での観察は、斜めに コースを見ている。つまり、奥の5レーンの方が早く進んで いるように見える錯覚がある。各レースで、この錯覚は起こり 後半、観戦しているポイントに近いレーンのチームは、急速に 追い上げていくように見えるのだが、それも角速度の錯覚だ。 すると、思ったよりもタイム差はついていない模様だ。 3レーンの「すいすい丸」はどうか? どうもクルージング (100~200mのあたり)で、少し差をつけられている模様。 先頭集団は「関西龍舟(シンバ)」vs「東京龍舟」だ。 ほぼ差は無い、ラスト数十mでのスパート勝負となるだろう。 さあ、200m地点を過ぎた、残り50m、ここからは連写撮影の 開始だ。 ドラゴン艇の速度は、この決勝戦だと約4m/sだ。(1秒間で 4m進む、時速約14km強) 今回の使用カメラ(デジタル一眼レフ)の連写速度は、毎秒 10コマである、近年のミラーレス機では、より高速の連写が 可能な機種もあるが、それらの全ては、残念ながら連続連写が 出来ないで、数秒間程度で高速連写が止まってしまうし、 電子(撮像素子)シャッターの仕様では、動体歪みの発生に より、動く被写体の撮影には適さない。(=そのような新鋭 ミラーレス機も所有はしているが、本競技の撮影には適さない ので、持ってきていない) この一眼レフ(NIKON D500)ならば、最大200コマ(20秒間) の連続連写が可能で、ドラゴンボート(群)を約80mの長い 距離に渡って、ずっと追い続ける事ができる。 (参考:AFやAEは間欠連写で適宜リセットする。 測距点は中央固定とし、測距点手動変更や自動選択、 又はAI被写体選別等は、絶対に行ってはならない。 (→主役となる被写体が、シーン毎に変化する為) また、必ず機械式シャッターのモードを選択する事。 勿論、三脚は使わず、手持ち撮影100%で追いかける。 600mm級望遠の場合、ISO AUTOの低速限界設定を1/500秒 程度に設定しておく。ズームの場合、画角変化によるF値の 変動を防ぐ為、望遠端の開放絞り値以上に設定しておく。 その他、色々とカメラ設定があるが、要点は上記の通り) 200m地点で見かけ上の順位は、5レーン「関西龍舟」が トップで、4レーン「東京龍舟」が2位のように見える。 だが、これも角度の錯覚があるので、実際は横並びだ。 ゴールラインに到達した時に真横になる位置から撮影して いるので、勝負の決着は、残り20m程度の状況だ。 秒10コマの高速連写中、1枚1枚でボートは約40cm進む、 今回使用カメラは、一眼レフなのでミラーが高速動作するが 高速動作の隙間(時間間隔)においても、被写体が見やすい (=ミラーによるブラックアウト時間が短い)カメラを 持ってきている。ちなみに、簡易防塵防滴機能があるので、 今日のような「曇り時々雨」の天候でも、問題なく撮影が 継続できる。なお、晴天時には晴天用のカメラとレンズを 持ち出すし、大会のコースと撮影地点での距離感でも、必要な 機材は変わる、それぞれに最適な機材を持ち出す事は必須だ。 連写中、40cmづつ進むボート群が、カクカクとストップ モーションのようになるのだが、脳内で補完されるので、 肉眼で見ているのと、そう変わらない視覚だ。 最後の最後、やはり「東京龍舟」(4レーン)が僅かに リードした状態でゴールラインを切った。 決勝タイムは以下の通り 1分02秒28:東京龍舟(4レーン) 1分02秒35:関西龍舟シンバ(5レーン) 1分03秒40:すいすい丸(3レーン) 1分04秒59:TOKYO DRAGON(2レーン) 1分05秒72:INO-G(1レーン) 1位と2位は、約0.07秒(約30cm)という僅差であった。 「東京龍舟」を応援していた、当該選手の友人達は 友「勝ちましたので、ねぎらいに行ってきま~す」と 乗艇桟橋の方に向って走っていった。 ↓は表彰式の模様、「東京龍舟」は、これで本大会3連覇だ。 2位となった「関西龍舟(シンバ)」だが、関西龍舟軍団 として、本大会では、かなり「手ごたえ」を感じたのでは なかろうか? 本大会では、他のカテゴリーでも、関西龍舟 軍団は、万遍なく入賞している。 後は、来年以降、本「混合の部」での10数年ぶりの優勝を 目指すだけである。 勿論、「東京龍舟(軍団)」は、それを阻止しようとするし、 他のチームにも、それぞれ勝ちたい(勝たなくてはならない) 理由や目標が存在する。 来年以降の本大会も、また楽しみである。 ---- では、本記事は、このあたりまでで、 数日後に掲載予定の「後編」記事では、本大会における 「選手権シニアの部」と「選手権オープンの部」の模様を 紹介していく。
by pchansblog2
| 2024-08-04 07:47
| 【熱い季節】ドラゴンボート・ペーロン
|
ファン申請 |
||