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最高のAI体験を目指す「Copilot+ PC」。新SurfaceもAIでより使いやすく
2024年6月18日 06:07
日本マイクロソフト株式会社は17日、次世代AI PC「Copilot+ PC」に関する報道者向け説明会を実施した。説明会ではCopilot+ PCについてや、Microsoft Surfaceの新モデルが紹介された。
説明会では、同社執行役員 常務 コンシューマー事業本部長 兼 アジアゲームマーケティングリードの竹内洋平氏や業務執行役員 コンシューマー事業本部 モダンライフ戦略本部 本部長の小澤拓史氏、業務執行役員 コンシューマー事業本部 モダンライフ事業部 マイクロソフトデバイス戦略本部 アジア統括本部長の水田琢也氏が登壇した。
Copilot+ PCは、最先端のAIモデルや40TOPS以上の性能を有するNPU、1日中利用できるバッテリ駆動時間を備え、まったく新しいAI体験を実現すると謳う次世代AI PC。同社はCopilot+ PCであるMicrosoft Surfaceとして、ノートPC「Surface Laptop」および2in1「Surface Pro」を18日に発売する。価格は20万7,680円から。
冒頭に登壇した竹内氏は、Copilot+ PCに関して、AIをより多くのユーザーに使ってもらうためにプラットフォームの再創造を行なったと述べた。Copilot+ PCでは、NPUの搭載やOSの最適化、Microsoft Copilotの実装により、AI機能を最大限に活用できるようチューニングされている。
こうしたシリコン/システム/ユーザー体験の組み合わせにより、Copilot+ PCはローカルでのAI機能を省電力かつ快適に利用でき、クラウドとローカルを連携させた同社の考える最高のAI体験を実現する。同氏は、Copilot+ PCがPCにおける歴史的な変革を起こすと語った。
同氏は、18日より発売するCopilot+ PCのラインナップも紹介したほか、Copilot+ PCによってユーザーがもっとやりたいことができるようになることを願っていると述べた。
小澤氏は、Copilot+ PCの詳細説明として、Copilot+ PCならではの機能をデモを交えながら紹介した。同氏は、Copilot+ PCはこれまでで最も速く、最も高性能なWindows PCであると述べ、従来のWindows PCより基本的な性能が向上しているだけでなく、Copilot+ PCでしか体験できないAI機能を通じて、高い生産性と創造性を提供できるとした。
NPUの搭載やOSの再設計などにより、5年前のPCと比較して最大5倍となるバッテリ駆動時間を備えるほか、NPUも40TOPSの性能を持ち快適なAI体験を可能としている。セキュリティ面も万全だといい、ファームウェアレベルでデバイスを保護する。
同氏は、Copilot+ PCならではのAI機能として、リコール、イメージクリエイター、コクリエイター、Windows Studioエフェクト、ライブキャプションの5つを説明した。
リコールは、PCで過去に作業した内容を探索して呼び起せる機能。以前見たがどこにあるか思い出せない資料やWebページ、メールなどをプロンプト入力で探し出し、アクセスすることができる。
リコール機能は、Windows Insider Previewから提供を開始し、近日中にWindows Updateとして追加される。デフォルトではオフとなっており、Windows Helloの登録が必須となり、PCの前にユーザー本人がいることを確認するステップを用意する。
イメージクリエイターは、フォトアプリに実装されたテキスト入力による画像生成機能。創造性の強度を調節できるスライダーを用意し、AIによる画像生成作業を、ローカルかつ生成数の制限もなしで快適に実行できる。
コクリエイターは、ペイントアプリに実装された、手描きイラストとテキスト入力による画像生成機能。イメージクリエイターとの違いとして、ユーザーが描いたイラストをもとに画像が生成される。
創造性スライダーを備えるほか、水彩や油絵といったスタイルのオプションも用意し、ユーザーは生成したいイラストをAIにサポートしてもらいながら作成できる。
Windows Studioエフェクトは、被写体をアニメやイラスト調にするエフェクト機能や明るさの自動調節機能を備えたWeb会議向け機能。AIを活用した背景ぼかしや顔の補正などができる。
ライブキャプションは、動画内の音声言語をリアルタイムに英語翻訳し、字幕を生成できる機能。44言語に対応し、ライブ配信や録画など種類を問わず動画の英語字幕を生成できる。
Copilot+ PCでは同時翻訳に対応し、多言語が飛び交うWeb会議などでもすべて英語に翻訳してリアルタイムに画面上に字幕を表示できる。同社は日本語字幕の対応を目指しているという。
水田氏は、Microsoft Surfaceシリーズの最新モデルとなるSurface LaptopとSurface Proを紹介した。Windowsによる最高の体験を体現すべくWindowsと並行して設計開発されているSurfaceは、高い性能はもちろんのこと、使い勝手や質感、デザインを追求している。たとえば、筐体は指1本で開けることができ、キーの感度もそれぞれの指の強さにあわせて調節されている。
こうしたSurfaceの特長はそのままに、AI機能を実装したCopilot+ PC準拠のSurface Laptop/Proは、45TOPSを処理能力を発揮するSnapdragon X Elite/Plusを搭載することで、あらゆる人に使いやすいモデルに進化しているという。
ノートPCのSurface Laptopは、さらに薄くなったベゼルと大画面を持ち、バッテリ駆動時間は15型モデルで22時間、13.8型で20時間を実現する。前機種よりパフォーマンスが86%向上しているほか、新たにCopilotキーとハプティックタッチパッドを備え、誰にとっても使いやすい設計を謳う。
2in1のSurface Proは、ディスプレイにOLEDをシリーズで初めて選択できるほか、4K対応の超広角カメラとAIのスタジオエフェクト機能により高品質な撮影も可能。前機種よりパフォーマンスは90%向上しているという。
着脱式のキーボードでは、本体から外してもシームレスに使い続けられるフレックスキーボードを新たに用意し、画面とキーボードをそれぞれ最適な位置に置いて作業ができるようになった。スタイラスペンもAIを活用し、ユーザーが入力できる場所であればどこでも書くことが可能になっている。
同氏は、Copilot+ PCを利用することで、ユーザーは日常生活や仕事、クリエイティブな活動で多くのことを達成できると考えており、Surface Laptop/Proがユーザーの良き相棒になれることを確信していると語った。
イベントではこのほか、Copilot+ PCのラインナップ展示や、日常生活の中でのCopilot+ PCの使用をイメージした体験ブースなども用意されていた。