Realtek NIC利用時のESXi 6.5インストール方法メモ

先日、Windows7にVMware Workstation Proを入れていた自宅のデスクトップ機のWindowsを潰して、ESXi 6.5を導入しました。この際にNICがRealtekであったため少々手こずったため、そのメモです。

なお同様に困っている人は多くいますので、そんなに目新しい記事ではありません……作業の際は、以下の雑木林さんの記事を参考にさせて頂きました。

ちなみにESXiというのはVMware vSphere Hypervisorに含まれるコンポーネントのひとつでしかない(らしい)ので、本来は「VMware vSphere Hypervisor(ESXi)」と書くのが正しいようです。が、いちいち書くと長いので、以下単に「ESXi」と書きます。

環境

ダメな例

ESXiはNICのドライブ対応が非常に悪く、RealtekのNICではデフォルトでは認識されず以下のように"No Network Adapters"と言われてインストールが止まってしまいます。

IntelのNICであればほぼ確実に対応しているのでIntel製NICを刺してしまうという案がありますが、ここではRealtekのNICを認識させるべく頑張ります。

全体の流れ

基本的に、VMware PowerCLIを使ってRealtekのドライバ入りISOファイルを作る。という流れになります。

  1. BIOS設定でIntel VT-xを有効にする
  2. vmwareアカウントを作成し、ライセンスキーをメモっておく。
  3. PowerShellをアップデートし、PowerShellの設定を変更する
  4. VMware PowerCLI 6.5をダウンロードし、インストールする。
    1. インストール後、PATHの設定をおこなう
  5. ESXi-Customizer-PSでISOファイルを作成する
  6. 作成したISOファイルをCD-Rに焼いて、ブートする

まずはじめに、BIOSでIntel Virtualization Technologyを「Enabled」に設定しておきましょう。

vmwareアカウントの作成とライセンスキーの入手

ESXiの利用は周知のとおり無償ですが、ダウンロードにはVMwareアカウントを登録する必要があります。またESXiは無償とはいえライセンスキーを登録する必要があるため、こちらのキーの入手が必要です。

2017年11月現在ではESXi6.5は以下のリンクでしたが、コロコロとリンク先は変わるようなので、「vSphere Hypervisor download」などで検索してたどり着くとよいでしょう。


このように、ダウンロードページに合わせてライセンスコードも表示されます。これをメモしておきます。

PowerShellのアップデートと設定変更

バージョンにもよりますが、Windows7ではPowerShell 2.0がデフォルトとなっています。これをPowerShell 4.0以上へとアップデートします。

PowerShellのバージョンは、$PSVersionTable と入力して表示される「PSVersion」で確認できます。これはWindows10なので、PowerShellは5.1です。

PowerShellをアップデートする場合、Windows Management Framework 4.0をインストールします。

PowerShellの設定変更

PowerShellはデフォルトでは安全側に倒されており、任意の.ps1ファイルが実行できないRestrictedモードになっています。

PS C:\Users\ozuma> Get-ExecutionPolicy
Restricted

これを一時的にUnrestrictedモードへ変更します。この作業には管理者権限が必要なため、PowerShellは右クリックして「管理者として実行」した上で作業します。

> Set-ExecutionPolicy Unrestricted

この設定は危険を伴うため、作業が終わったら最後にRestrictedに戻しておくようにしてください。

> Set-ExecutionPolicy Restricted

VMware PowerCLI 6.5のインストール

VMwareの各種PowerShellツール、PowerCLIをダウンロードします。こちらのダウンロードもvmwareアカウントが必要です。

上記のリンクも変わる可能性があるため、PowerCLIで検索してたどり着くと良いでしょう。

インストール自体は簡単で、ダウンロードしたインストーラを実行するだけです。

PATHの設定

PowerCLIのインストール後に指示されますが、PATHを通す設定が必要です。私の場合は以下となりました。

> $p = [Environment]::GetEnvironmentVariable("PSModulePath")
> $p += ";C:\Program Files (x86)\VMware\Infrastructure\vSphere PowerCLI\Modules\"
> [Environment]::SetEnvironmentVariable("PSModulePath",$p)

参考:https://blogs.vmware.com/PowerCLI/2015/03/powercli-6-0-introducing-powercli-modules.html

ESXi-Customizer-PSのインストール

続いて、実際にRealtekドライバを取り込んでESXiのインストールディスクISOファイルを作成する、ESXi-Customizer-PSをインストールします。

こちらの「Download latest version」よりダウンロードします。こちらは物自体はps1スクリプトひとつだけですので、インストールは不要です。適当な作業ディレクトリに置けばよいです。

ISOファイルの作成

先ほどのESXi-Customizer-PSで、Realtekドライバ入りのISOファイルを作成します。まずVMware PowerCLIを起動し、先ほどESXi-Customizer-PSのps1ファイルを置いた場所へと移動します。

続いて以下のコマンドを実行します。

PowerCLI C:\Users\ozuma\local\vmware> .\ESXi-Customizer-PS-v2.5.1.ps1 -v65 -vft -load net55-r8168
  • -v65:ESXi 6.5のISOを作成
  • -vft:詳細よく分からない。ESXi-Customizer-PS利用で依存関係をうまくやってくれる設定らしい(?)
  • -load:組み込むドライバを指定
  • net55-r8168:Realtek 811Fはこのドライバに入っているため、これを指定します

これを実行すると、少々時間がかかりますがISOファイルが作成されます。あとはこのISOファイルをCD-Rに焼いてブートし、通常通りESXiのインストールをおこなうだけです。

補足

昔のVMwareを使っていた方は、「VMware vSphere Clientはどこ?」と思うでしょうが、ESXi 6.5では完全にWebインタフェースに以降されました。このためvSphere Clientは不要です。

ChromeなどWebブラウザだけでコンソール作業も全ておこなえるのは、なかなかすごいですね。