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地方カメラマンのなんでもあり~の日記です。


by st-nature

GITZO GT2941L Manfrottoギア付きジュニア雲台#410

レポートが遅くなりました。まずGITZOのバサルト三脚GT2941Lですが、最初に手に持った印象は「軽っ!」、「ちっちゃ!」、「大丈夫!?」でした。今までジッツォやハスキーの重くてでっかい三脚しか使ったことがなかったので、正直こんなので仕事してもいいのかなぁと思ってしまいました。三脚のみで全伸高184cm、重さは1.8kgです。これにマンフロットのギア雲台410を乗せると合計約3kgになります。前のハスキーハイボーイ4段の4.2kgと比べると1.2kgも軽いのですが、足(三脚)が軽くて頭(雲台)が重いので、なんだか結構重たく感じます。また、ウレタンなどのレッグウォーマーも付いてないので持ちにくい上に固い物にぶつけたりするとパリッと割れてしまいそうな感じがします。
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バサルトという素材は玄武岩を粉砕し高温で溶融して作られるそうですが、パッと見た感じ普通のプラスチックのようで、カーボンと比べるとどことなく頼りなく見えてしまいます。しかし実際にはかなり強靱な素材だそうなので、そのような心配はいらないようです。フィーリングは好みにもよると思いますが、国産のベルボンやハクバのカーボン三脚のほうがいい感じです。脚の伸縮やロックリングの回転も国産モデルのほうがスムーズですが、これはまだ使い始めなのでアタリがでていないということもあるようです。ある程度使うとスムーズになってくるのではないかと思います。
この三脚を購入するまで知らなかったのですが、おフランス製のジッツォはイタリアのマンフロットに吸収されてマンフロットの傘下に入ったそうです。made in FRANCE かと思っていたらmade in ITALYになってました。今やジッツォの三脚もマンフロットが製造しているのかもしれませんね。なんでも聞くところに寄るとイタリア製になってから精度が落ちたとか、、、、、。実際のところはどうなんでしょうか。

GITZO GT2941L Manfrottoギア付きジュニア雲台#410_f0148962_11495665.jpg上にも書きましたが、脚は素材がむき出しで、ぶつけるのが怖かったので、マンフロットの後付けレッグウォーマーを取り付けました。これはマンフロットの055シリーズ用なので、この三脚には少々長さも太さも大きかったです。取り付けはファスナー式で、動く場合は両面テープで固定するようになっていますが、この両面テープの糊がべっとりとしていて、貼り付けてもジワァーっと動いてしまいます。なのでこのテープを溶剤で拭いて取り去り、新たに両面テープで貼り直しました。これには結構苦労させられましたが、これでだいぶ持ちやすくなりましたし、多少の衝撃からも守ってくれることでしょう。見た目だけですがパイプが太くなったので、しっかりしたような感じがします。


そしてマンフロットのギア雲台#410。1.22kgと少々重ためですが、静物を撮るには最高の雲台です。水平・垂直出しも簡単で、今までの3D雲台のようにパーン棒を締めたときに僅かに傾くのを計算に入れる必要がありません。遊びが全くないので微調整も簡単です。作りもしっかりしていて、中判カメラはもちろんフィールドタイプならシノゴでも大丈夫そうです。
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使用方法は奥の手裏剣型ダイアルをグイッと時計方向に回してギアを開放し、その状態で大まかにパーンした後、ノブで微調整します。

長所ばかりのようですが、実は欠点も結構あります。まずひとつは手裏剣型ダイアルも微調整の回転ノブも結構固い。最初は指先が痛くなりました。回転ノブは固くないといけないと思いますが、手裏剣型ダイアルはもうちょっと軽くてもいいんじゃないでしょうか。
GITZO GT2941L Manfrottoギア付きジュニア雲台#410_f0148962_11521611.jpg
それから、マンフロットの雲台の多くが見上げ角がたったの30°しかないこと。建築物など、大きく見上げて撮りたいときはいったんクイックシューのプレートを外して反対向きに付け替え、前後逆向きにカメラをセットしなければなりません。

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縦位置撮影時の傾きも90°まで。三脚をまっすぐに据えられれば問題ありませんが、いつもそうとは限らないのでもう少し余裕が欲しいところです。

また、手を放した状態でパーンをフリーにすることができないので、動くものの撮影は不可能です。手裏剣型ダイアルに改良を施し、ギアを開放した状態でキープできる機能を付けて欲しいところです。(もともとそのような用途で使う雲台ではありませんが....。)欠点も結構ありますが、商品や建築物を撮影してみるとその良さがよく分かります。ちなみにその撮影直後に今までの雲台を使ってみるとまどろっこしくて仕方がありませんでした。


この雲台の「重い」という欠点を克服するため、、、、、ではありませんが、いつもの買い物癖が出てしまいました。Manfrotto115 3ウェイ雲台です。軽さだけならボール雲台という手もありますが、いかんせん私は自由雲台が苦手なのです。
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写真は#410と同じタイプのクイックシュー(プレートアダプター394)を取り付けています。せっかく軽い三脚を買ったのに頭が重くて実際の重量よりも重く感じるのがイヤだったので、ついつい買ってしまいました。安かったし。(ヤフオクで6,980円) で、感想ですが、上のギア雲台に負けず劣らずのお気に入りです。

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これは非常に面白い雲台で、例に漏れず見上げ角は30°なのですが、縦方向を前に180°ターンさせた後、横方向を縦横任意の位置にパーンさせることで、このような見上げ角を得ることができます。(360°回転するので、どの位置でも固定できます。)ただしカメラと三脚の軸が大きくずれるので、ブレには細心の注意が必要です。
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これを利用して、カメラのグリップが下になる縦位置も可能

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これが通常の縦位置。

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こんなことも。舞台撮影時など、狭い場所で三脚を2本据えなければならないときには有効に使えそう。もちろんブレには細心の注意を払って。

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通常の横位置

この雲台も軽い割りにはしっかりしていて(実測630g)、中判~フィールドタイプ限定ならシノゴまで使えそうです。頭が軽くなったので、体感的にもかなり軽くなりました。移動が多い撮影の時はこの雲台を使用し、静物の撮影にはギア雲台#410を、、、と使い分けることになりそうです。また、この二つの雲台にはパーン棒がありませんので、俯瞰気味の撮影時にパーン棒が胸に当たるということがありません。今まであまり気にしていませんでしたが、無くなって初めてその良さに気づきました。これは最高かも。

ただ残念なことに、この115雲台は現在はもう製造されていないようです。いろいろ探してみましたが、私が購入したヤフオク以外では見つけることができませんでした。マンフロットのカタログにも載っていません。一回り小さいジュニア雲台056やマグネシウムの460MGがありますが、パーンのレバーがノブになっているので重たいカメラを載せたときの締め付けがちゃんとできるのか心配です。115は超お気に入りなのですが、、、、。
by st-nature | 2008-07-01 23:13 | カメラ・機材