総菜はあるのに… 閉店前の“安売り” 「ケーキ」で行われない理由
駅ナカやショッピングセンターなどの総菜店では、閉店前になると、総菜を完売させるために安売りを行いますが、ケーキ店では、ケーキを安売りしないことが多いように思います。なぜでしょうか。
駅ナカやショッピングセンターなどにある総菜店では、閉店前になると、売れ残りの総菜を安売りして、完売させることが多いです。しかし、ケーキ店では、閉店前でも売れ残りを安売りしないことが多いように思います。ケーキは生もので、基本的に販売した当日が消費期限であるにもかかわらずです。
なぜ、総菜は閉店前に安売りするのに、ケーキは安売りしないことが多いのでしょうか。飲食店コンサルタントの成田良爾さんに聞きました。
小規模店舗では安売りも
Q.総菜店が、閉店前に売れ残りの総菜を、利益を落としても安売りするのはなぜですか。
成田さん「総菜が売れ残って廃棄することを防ぐためです。昨今は“フードロス削減”という考え方ももちろんありますが、多くの総菜店の場合、売れ残った総菜を廃棄してしまうと、全ての原材料費分が損失になります。安売りをして、粗利益が少なくなったとしても、損失を出すよりはよいという考えから、安売りをしています」
Q.では、なぜ、ケーキ店では閉店前になっても、売れ残りのケーキを安売りしないことが多いのでしょうか。
成田さん「確かに、閉店前に安売りをしていないケーキ店が多いように思われがちですが、個人経営など小規模なケーキ店では、安売りをしている店もあります。一方で、著名なパティシエがいるケーキ店や、ブランディングされた洋菓子専門店の多くは、閉店前にケーキが残っていても、安売りはしません。安売りをすると値崩れが起きて、ブランド価値が下がるためです。
小規模なケーキ店でも、値崩れを防ぎたい気持ちはありますが、どうしても、原材料費分くらいは売り上げないと経営の維持が困難なため、安売りするのです」
Q.製造したその日に売れ残ったケーキはどうなるのですか。
成田さん「売れ残ったケーキを毎日廃棄する店もあれば、手直しして、翌日に販売する店も実際はあります。廃棄する場合は、業者に依頼して廃棄処理します。中には、ケーキ店で働くスタッフや関係者に配る店もあります」
Q.売れ残ったケーキを安売りせずに廃棄すると、利益はもちろん、材料費や人件費も全く回収できません。それでも、安売りしない方が、メリットがあるのでしょうか。
成田さん「ケーキは、誕生日やクリスマスに食べたり、贈り物にしたりするなど特別感があり、多少、価格が高くても売れる商品です。売れ残った日に安売りすると、ケーキの特別感がなくなると同時に値崩れしてしまいます。また、客が安売りを狙って買いに来るようになれば、結果的に売り上げも落ち込んでいきます。
ケーキ店としては『ケーキは特別な食べ物なので、少々値段が高くても買う』という“顧客イメージ”を持たれることがよいのです」
Q.ケーキ店で12月25日の閉店前に、クリスマスケーキを安売りしている店を見たことがあります。クリスマスケーキの場合はなぜ、安売りするのでしょうか。
成田さん「一般的にクリスマスケーキは12月25日まで、おいしく食べられるように製造されています。また、クリスマスが終わると、世の中は正月ムードに一気に切り替わるため、ケーキの需要が落ち込みます。仮に、スポンジなどを再利用して、別のケーキをつくり、再販売したとしても、なかなか消費期限までに売れにくいので安売りをするのだと考えられます」
Q.もし、どうしてもケーキを通常価格よりも安価で購入したいときはどうすればよいでしょうか。ケーキ店以外で購入した方がよいでしょうか。
成田さん「個人経営のケーキ店などは普段から、常連客に売れ残りそうなケーキをサービスするところもあるようです。最近では、スーパーなどの量販店や、ホールセールクラブ(会員制のディスカウントストア)などでも、ケーキを安く販売していますね」
(オトナンサー編集部)
チンケなプライド!自己満で私利私欲の馬鹿はフードロスなんか関係ない。
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