「満席の新幹線でも何とか席に座る裏技」とか書いてるのは困る人が増えると思うんだけど。
これの話。
満席の新幹線でも何とか席に座る裏技 | nanapi[ナナピ]
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年末年始や、平日の最終電車など指定席が満席のときでも、自分ひとりなら座れる座席を確保する確率があがる方法があります。
新幹線には、急病人、国会議員などのために空席をもうけてある
鉄道詳しい方には一般的のようですが、新幹線には指定席満席の状態でも4席程度緊急用空席がもうけてあることが多いです。
ちょっとずるいですが、この座席に座ってしまうというのがレシピのポイントです。
鉄道系システムに携わってた俺からハッキリ言わせてもらう。
こんなものは、裏ワザでも何でもない。単純に迷惑な話だ。
この「裏ワザ」を喜々として実行するアホのためにシステムが過去に改修された。
現在、新幹線に限らず、JRの特急、私鉄の特急等、
「座席指定券」を発券する、座席割り当てシステムでは
この「緊急用空席」がランダムな座席に割り当てられるようになっている。
逆に言えば、以前は「緊急用空席」は固定されていたのだ。
例えば、車掌室の近くや、トイレがある連結側の近く等、
緊急時に対応できるスペースが近くにある場所に確保されていたのだ。
なぜランダムになったのか?理由は簡単だ。
鉄道を良く利用する人、鉄道に詳しい人が、
座席指定券を駅で購入せずに特急に乗りこみ、
そして「緊急用空席」に座り
「この席はいつも空いてるのを知ってるもんね!
さぁ!座席指定券を発行してくれ!!」
とやる事が後を絶たなかったからだ。
で、ある鉄道会社がランダムに「緊急用空席」を割り当てるように
システムを改修したようだ、との話を受けて、
俺が携わっていた鉄道会社のシステムも
それを追うようにランダムに割り当てるようになった。
(俺が仕事でその鉄道会社と関わっていた頃にはすでにその改修は終わってたが。)
新幹線はかなり前から、ランダム割り当てになっている。
要するに新幹線では、迷惑な客がそれだけ以前から存在したという事だろう。
現在では、多くの鉄道会社のシステムでランダムに
「緊急用空席」が割り当てられるようになっているはずだ。
車掌室の近く等の「分かりやすすぎる」場所から現在は避けて確保されるようになっている。
実際たまたま空いてるのか「緊急用空席」なのか、見た目ではわかりにくいだろう。
ではなぜ、車掌は「緊急用空席」の乗車にすんなりと応じるのか?
単純に「車内で嫌な客にゴネられても面倒。」だからだ。
「行先までの特急券、座席指定券は駅でお求めください。」
なんていうニュアンスの車内アナウンスを聞いた事はないだろうか?
駅で座席指定券を購入せずに乗り込んでくる客は、
はっきり言ってすでに「迷惑な客」でしかない。
そんな客が、停車する駅が少ない、特急の車内で車掌相手にゴネだしたら?
想像するだけでも面倒だ。
ナナピに喜々として「裏ワザ」として書いたこの方は、
「あ〜また面倒な客がキタよ。」と思われながら対応されている事に気づいていないだけなのだ。
本当に体調が悪くなった時は、もちろん遠慮する必要はない。
自由席券で乗り込んで、立ってたんだけども、
すんげぇ気分が悪くなってきた、もうダメだ、座りたい、って事もあるだろう。
その時は車掌さんに、素直にそう言えば良いだけだ。
「緊急用空席」はそのためにあるのだから。