懐かしの金銀
ポケモン金・銀がバーチャルコンソールで配信されていた。3dsでプレイできる。懐かしい。
初めてプレイしたのは小学生のころだった。サンタさんがゲームボーイカラー(クリアパープル)と一緒にくれたのを覚えてる。
金と銀は同時発売で出てくるポケモンも一部異なる。どっちを選ぶのか少し悩みそうだが、俺はクリアパープルを選ぶくらいに正しい小学生男子の感性を持っていたので一瞬で銀を選んだ。銀のほうがカッコイイからだ。周りの友人らも銀ばっかりで、親戚のお姉さんが金で遊んでたのを珍しがったものだ。
ポケモン金銀にはコガネシティという街がある。そこはポケモンの世界では結構な大都会で、デパートやラジオ局、駅なんかもある。民家が数軒あるだけの集落を適当に通過して来た主人公はここで初めて大人の世界に触れる。
そう、スロット屋がある。
それは大人の遊び場。コインを購入し、リールを回し、絵柄を揃えてコインを吐き出させる。777が揃えば300枚のコインが貰えて、そのコインを集めて色んな景品と交換できる。ここでしか手に入らないアイテムやポケモンなんかもいる重要な施設。
ただ小学生のころはこんなの全然やらなかった。タマムシシティではコインを9999枚集めるとたくさんの人々を痙攣させたポリゴンってモンスターと交換出来るんだけど、ポリゴン自体にそんなに魅力が無い。全然777揃わなくてコインがどんどん吸い込まれていくのに9999枚はどう考えても無理だろって思って目指すことすらなかった。
スロットマシーンなんてよくわからん遊びより、ポケモンを戦わせてる方が何倍も楽しかった。
それから20年、僕は休日に本物のスロットマシーンばっかりやる人になった。
懐かしのプレイ
小学生の頃はスロットのことなんて何もわからなかった。適当にリールを止めてコインを失っていた。
しかし今ならスロットめっちゃわかる。ポケモンのタイプ別相性よりわかる。エスパーって何に有利なんだっけ?
懐かしの世界に行こう、今の知識を持って。
名前とか決める画面で既に懐かしさが溢れて止まらない。これ本名がマサオ以外でマサオを選択する人っているんだろうか。
ヒノアラシにゲキアツと名付けいざ冒険の旅へ。スロット屋のあるコガネシティ到着まで3時間くらいかかってるんだけどそこまでの冒険は5行くらいで説明するぞ。
・序盤で「お母さんにお金を預ける?」って聞かれて適当に連打して「はい」にしちゃって、毎回バトルで得た金の25%もの金額がお母さんに引かれることになった。スロットするにあたってめっちゃ不便なんだけどこれなんなの? 資産運用とかしてくれんの?
・スロットの軍資金を稼ぐため、道中のトレーナーをほぼ全員倒した。勝つとささやかながら賞金がもらえる。勝ったら数百円程度のお金が貰えて、負けたら所持金の半分が奪われる。レートどうなってんだ。観客みんなこっちに賭けてんの?
・ジムリーダーを任されてる身でありながらポッポを出してくるアイツを倒した。ポッポとか、ジムリーダーとしての意識が低すぎる。もし俺が鳥ポケのジムリーダーを任されたら最低でもオニドリルくらいは用意するつもりだ。
・マダツボミの塔というクソみたいな名前の塔に登った。塔の中心はウネウネしたでっかい柱なんだけど、30メートルもの巨大なマダツボミが柱になったと言い伝えられてるらしい。それもうマダツボミじゃないだろ。マジンガーZよりデカいじゃねえか。
・虫のジムリーダーとも戦った。コイツはストライクも出してきたのでめちゃくちゃわかってる。そう、ジムリーダーたるものそうでなくてはいけない。アイツはポッポなんか出して国の助成金とか貰ってるのかな。
コガネシティに到着したのでまずデパートに向かった。そして
わざマシン含むアイテムを全て売った。スロットの為だ。
そして軍資金は15000円ほどとなった。スロットをするには少々心もとないが勝てばいいのだ。
スロットGOGO
よし、たどり着いた。
すっかり夜になってしまったがここは24時間営業だ。夢のよう。
店内にはヤバイ女もいた。
「弱虫ペダル」という女性に人気のあるアニメのスロットが出た時、「絶対普段スロットとかしませんよね?」みたいな女性たちが台の前に列を作って順番待ちしている奇妙な光景を見たことがある。スロットってそんな「そろそろ代わって」みたいな感じで代わるやつじゃないんだけど列になってた。マスクしてイヤホンしながら待っていた。
僕は隣で別の台を打っていたんだけど、あの人たちは絶対に当たりの演出が見たいのかジャブジャブお金をつぎ込みまくってた。
「もう かつまで やめないわよ!」
コガネゲームコーナーも同じくらいにアツい空間なのだろう。
さあ、僕も早速15000円を全てコインに交換だ。
貸し出せよなんでコインケース持参前提なんだよ。
あれこれどこにあるんだっけと店内を徘徊すると、またヤバイ客に出会った。
なにもそこまでしなくても。
世の中には負けたらトイレとかをぶっ壊して帰る人もいるらしいので、コインケース破棄くらいはかわいいものなのかもしれない。
この前打ってたら隣のジジイがボタンをグーで殴ってて怖かった。
コインケースはおばあちゃんの下くらいに落ちてた。
たいせつポケットという謎のポケットにしまわれた。
50枚1000円。20スロだ。普通のスロット屋と同じだ。
軍資金の15000円は750コインとなった。
サンドが700コイン、ミニリュウが2100コインで交換出来るので、とりあえず3000コインくらいを目標に増やしていこうと思う。
それとちゃんと勝ちたいのでこんなものも買った。
この終わってる機械、これがカチカチくんと呼ばれるスロットの子役をカウントするカウンターだ。
ちなみに本物のスロットで使ったことはなく、この記事を書くために買った。2000円くらいする。
※カチカチくん
子役をカウントする機械。これを使っている人がたくさんいるお店は終わってると言われる。
カウントしたところで勝てるという話でもないし、店によっては追い出されたりするらしい。
ちなみに何万もする一眼レフも買ったんですが初めて撮る画像がカチカチくんになるとは思ってもいませんでした。
というわけで準備も整ったので、早速こちらのスロットを攻略していきたいと思う。
攻略1:目押し
くるくる回るリールを狙って「7」で止めるというものだ。
やってみたが実物のスロットより簡単だ。たぶんある程度動体視力のある人なら簡単に狙えるはず。僕はフェンシングをやっていたので動体視力は抜群である。
2つなら簡単に揃う(リーチ)。ただし3つ目は全然揃わない。
ちなみにビタ押し(1マスのズレもなく止めること)をしている。
一般的にスロットはボタンを押したタイミングで常に止まるというものではない。最大で4マスくらいズレる。
ゲームのスロットだからもしかしたら止まるかなと思ったが、ビタ押ししてもズレる。
そしてズレる場合、
大当たり(777)は揃わない。
内部的に当たっていないと揃わないのだろう。フラグの判断はレバーオン時なのか、停止時なのか。
何度かやっていたら1~2度揃ったが、毎回狙うのは結構疲れる。
なによりも、
リーチしても降ってくるゴローニャ(岩)に邪魔され続ける。
なんなのコイツ? 何で邪魔すんの?
ところで全然コインが減らない。
777を当てたというのももちろんあるが、子役確率が異常だ。
50回回した結果、チェリー(6枚)9回、ゼニガメ(10枚)2回、ピカチュウ(8枚)4回という結果になった。
ちなみに777も一回当たっている。
素晴らしい。現実で一日中打ち続けたい。
ゴローニャに外されるのをなんとかしないといけない。
攻略2:良台狙い
こんな奴がいた。
この台は出やすいと言っている。もちろん譲ってくれるとかではない。ただの自慢だ。
おそらくポケモンの世界にもスロットの設定差があるのだろう。
※設定差
スロットは店側によって6段階で当たりやすさが調整されている。6が一番当たる、1は死ぬ。
僕は6なんか人生で打ったことあるのだろうか。
6だ。
このコガネゲームコーナーで設定6を掴むしかない。
多分カチカチくんで1つ1つカウントしていけばある程度の設定差は見抜けるはず。
しかしそんなのダルい、上のグラサン野郎が譲ってくれればそれでいい。
「朝はグラサン野郎がいない」
なんとなく覚えていた小学生の時の記憶を頼りに早起きをした。
良い台の為に早起きをしてスロット屋に行く、現実世界でもほぼしない事をゲームでしている。
1度だけ朝にパチ屋に並んだことがあるのだけど、整理券渡されて「40分後にまた並んでください~」と言われた。仕方がないので近くのマックに入ったら同じことを考えてる連中がズラリと集結していて笑ってしまった。あんな治安の悪いマック初めて入った。
8時くらいに確認したら本当にいなかったので確保に成功した。
かつまでやめない女はずっといた。
攻略3:ゴローニャ狙い
カチカチくんはいちいちカウントするのがダルいから片付けた。
邪魔され続け、ゴローニャの降ってくる回数が5回~9回だということを突き止めた。平均7回だ。
なので目押しでテンパイ(リーチ)させて、右端のリールは7マス手前で押せばいいのでは? という仮設が成り立つ。
攻略の為、頑張ってリール配列を文字に起こした。
7 7 7
亀 ☆ 鼠
鼠 亀 ☆
☆ 桜 亀
桜 鼠 桜
7 ◎ ◎
亀 ☆ 鼠
鼠 亀 ☆
☆ 桜 亀
桜 鼠 桜
◎ ◎ 鼠
亀 ☆ ☆
鼠 亀 亀
☆ 桜 桜
桜 鼠 鼠
こんな原初のテキストをお見せして申し訳ないが、リール配列はこうだ。多分合ってる。
桜……さくらんぼ(6枚)
鼠……ピカチュウ(8枚)
亀……ゼニガメ(10枚)
☆……ヒトデマン(15枚)
◎……モンスターボール(50枚)
7……大当たり(300枚)
右リールの7の7マス下は☆(ヒトデマン)なので、コイツを狙えばいい。
ヒトデマンは3匹いるから、右リールのモンスターボール下のヒトデマンを7のリーチライン上に狙おう。大丈夫、練習すればみんなできるよ。
揃わない。コインが減っていく。
完璧に7マス前で止めているのにゴローニャが7匹ってことが無い。おかしい。
ちなみに上の画像中段チェリーなんだけどなんにも起きなかった。
※中段チェリー
左リールの中段にチェリーが止まること。多くのスロット台での激レア役(1/16000とか)で、大当たり確定+素晴らしい恩恵がある場合が多い。
何故か北斗の拳のスロットだけは1/200くらいで出て当たるわけでも無く、多くの初心者がわざわざ写メを撮ったりとぬか喜びをする。
そして何度か打っていて気づいたことだが、完璧に目押しをしてもズレることがあり、その時は必ず子役(鼠、☆、桜、亀)が揃った。
左の第一停止からズレることも多々ある。
なのでおそらく、どの役が成立するかという成立役のフラグはスタート(回転開始)で立つ。
そうだとすれば、左に狙うのは7では無い。
最終攻略:DDT打法
大事なのはもちろん7だが、モンスターボールの払い出しも50枚と結構イケている。
そう、子役は取りこぼしてはいけないのだ。
なのでモンスターボールを取りこぼす7を狙うのは適切ではない。左のリールは最大で4マスしかズレないからだ。
7 7 7
亀 ☆ 鼠
鼠 亀 ☆
☆ 桜 亀
桜 鼠 桜
7 ◎ ◎
亀 ☆ 鼠
鼠 亀 ☆
☆ 桜 亀
桜 鼠 桜
◎ ◎ 鼠
亀 ☆ ☆
鼠 亀 亀
☆ 桜 桜
桜 鼠 鼠
なのでこの場合、2つ目の7を狙うと◎は無視されてしまう。
なので◎(モンスターボール)を左リールの中段~下段に狙うのが正しいDDT打法となる。
※DDT打法
スロットにおいて子役を取りこぼさない打ち方。どんなスロットもまずここから。
DDTは dichloro diphenyl trichloroethaneの略で使用禁止になった殺虫剤の名前が由来らしい。スロットする奴らが考えることは意味がわからないですね。
左のモンスターボールを下段で止めると、ズレる範囲が
桜
7
亀
鼠
☆
桜
◎
となるので、最大4コマのズレで全ての絵柄が3マス以内に入るから、全ての役が拾える。
4コマズレるから◎を真ん中に止めても大丈夫。ビタ押しじゃなくても大丈夫。大丈夫、さっきより簡単だよ。
スタート(レバーオン時)に役が成立しているのだとしたら、これが正しいはず。
ハズレや他の役が成立していた場合、7までリールが滑る(ズレる)必要が無いので、左リールに7は出現しない。
これは実践で何度も確認した。
これを言い換えると、
左リールのモンスターボールを下に狙って、7まで図柄が滑った場合、内部的に大当りが成立している。
ということになる。
わかりづらいと思うのでお見せしよう。
これ。これは7を狙って止めたのではなく、下段に◎を狙った。そしたら7が滑ってきた。
これが一確なのだ。
※一確
第一停止で大当りが確定すること。歓喜の瞬間。
隣で打っていたオッサンが一確の瞬間にめちゃくちゃ成し遂げたみたいな顔をしたことがある。
あとは目押しすれば777が揃う。ゴローニャの邪魔も受けない。
ちなみに台を変えこの打ち方に切り替えたことで777が揃いまくったので持ちメダルは3000枚近くになっている。
ストレートにピタッと揃うと気持ちがいい。
ちなみ適当に止めても揃う。
第二リールは勝手に合わせてくれるし、第三リールは勝手に動く。
わざと1マスずらした下に止めると、ゴローニャが9個という限界も超える。
この打ち方の良いところは余計な演出を見る必要が無いことだ。
ハズれるゴローニャを見る必要がない。淡々と打って、第一停止で7が出たら大当たりだ。適当に打っても揃う。
良い台も確保し、取りこぼさない攻略法も見出した僕は1時間で3800枚に増やした。
ポケモン金銀のスロットの攻略はこれだけだ。
「早起きしてグラサンがいた席に座り、モンスターボール図柄を左リールの中段~下段に狙う」
これで最大効率でコインを増やしていけるはずだ。みんなも明日から学校で自慢しよう。
新たな仲間(ミニリュウとサンド)も手に入れ、僕は次なるスロットの聖地、タマムシシティまで駆け上がる……!
はずだったんですけどロクにポケモン育てて無かったからアカネのミルタンクにボコボコにされて、アイテム全部売って所持金も無いので詰みました。
1000枚くらいコインはあるんですけど、これ、日本と同じで換金は出来ないのでしょうか。
(おわり)