好きなことに、正直。

漫画家沖野れんのブログ。作品紹介や雑談をゆるゆると。

「余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話」コミカライズを終えて


完結記念にイラスト描きました。

最後はやっぱり2人笑顔でね!

 

 

改めましてご愛読いただきまして本当にありがとうございました!!

最後まで描ききることができて感無量です。

 

私にとって初めての商業連載でとても緊張したのですが、最終的には毎話楽しく描くことができました。

最初の頃はぎこちなかった作画もだいぶ良くなり(それでもまだヘタですが汗)担当さんからのネームの赤字も少なくなっていったりして、成長を感じられて嬉しかったです。

途中で映画にもなったりして、作画者としても一人の視聴者としてもとても楽しむことができました。

 

原作を最初読んだ時は余命短い人同士で出会うという設定がとても斬新で、泣きながら一気に読んでしまったのを今でも覚えています。

ただの悲恋物語ではなく、短い時間でも愛する人に出会える喜びや、人生を全うすることの大切さなど、大事なことを学べた気がします。

私ももっと自分の人生を大事に生きよう…そんな気持ちになりました。

 

描いてる時は随所で泣きながら描いていました。

原作は別の方とはいえ、自分で自分の描いた漫画に泣けるとは思っていなかったので(そもそも感動系のお話を描いたことがないのだけど)いかにこのお話の感動がすごいものなのか身を持って体感してました。

 

キャラクターたちもみんな愛おしくて、ピュアな美少女春奈ちゃんも、自分を変えることができた秋人くんも、強気なのに恋に不器用な三浦さんも、みんなみんな大好きです。

 

改めまして、読んでくださった皆様、森田先生、ブリッジとポプラ社の編集担当様、単行本デザインしてくださったデザイナー様、携わってくださった全ての皆様に感謝申し上げます!

素晴らしい作品をコミカライズすることができて本当に幸せでした。

この経験で確実に私も成長できましたし、これからの漫画家活動にも活かしていきたいと思います。

 

 

 

ここからはちょっと没カットや初期ラフなどのご紹介を。

最初のカラートビラは実は3案出してまして。

下記は採用されなかった2枚です。

下の方は実は2話のトビラに再利用させていただいてます。

こちらですね。

 

担当様から「没にするのもったいないからトビラで使ってみては?」とアイディアをくださったのでやってみました。

結果完全没にならずに済んだので感謝です!

 

これ見ても分かるんですけど最初は2人の表情暗く描いてたんですよね。

最初読んだ時は悲しい印象が強かったのでそうしてたんですけど、担当様に「泣かせずに笑わせて」と言われ、自分でも描いてるうちに気づきました。

これは悲しさを伝える物語ではなく、2人が短い間でも出会えて幸せだった喜びを伝えなくてはいけないのだと。

なので最後の方は特に、笑顔での絵を多くしています。

 

こちらは一番最初に描いた秋人くん。

担当様より「モブっぽすぎる!」と指摘され、今の秋人くんに。

今見るとほんとにモブっぽすぎてダメですね;;

最初は小説の挿絵に引っ張られてしまったんですよね。

小説ならこれでもいいけど、漫画では特徴なさすぎてダメですね。

秋人くんをパーカー男子にしたのは私の個人的な趣味…もあるのですが、特徴をつけたかったから&今時の高校生感を出したかったから、というものあります。

 

初期春奈ちゃん。

あまり変わってないですが、ちょっと雰囲気違いますね。

 

 

 

 

ストレートヘアバージョン三浦さん。

ストレートも可愛くて捨てがたい…!のですが春奈ちゃんがストレートなのでやはり差別化したくカールヘアにしました。

強気なイメージから分かりやすくギャルっ子にしちゃいましたね。

ちなみに私の中では勝手に、普段から癖っ毛で更にそれを活かして自分でもヘアアイロンで巻いている…という設定にしていました。

 

初期絵里ちゃん翔太くん。

こちらもあまり変わってないですが、ここから更に特徴をつけて今の感じになりました。

 

 

妹の夏海ちゃん。

最初はボブカットでしたがお母さんもボブで被るので2つ結びに変更。

 

 

こんなところです。

最初のものを振り返るとやっぱり拙くて恥ずかしいですが、懐かしくていいですね。

 

 

 

最後に改めて原作小説について。

コミカライズでは描けなかった部分がいっぱいあるので、原作未読の方はぜひ読んで欲しいです!

どうしても全てを漫画にすることはできないのでカットしたりアレンジした部分が多くあります。

それぞれ読み比べてみるとすごく面白いと思います。

私も初めてコミカライズを経験して、小説と漫画の表現の違いや面白さの違いを改めて実感しました。

 

漫画ではちょっとしか登場しなかった妹の夏海ちゃんとか、同級生の高田くんとか、原作ではもっと秋人くんとの絡みがあって面白いです。

特に高田くんが…本当に漫画ではちょこっとしか出せなくて申し訳なかったです;

あとは秋人くんの葛藤とか苛立ちとかも、小説ではもっと表現されているのでぜひ読んでほしいなあと思います。

 

続刊の三浦さんが主役のアフターストーリーもすごく面白いのでぜひ一緒に楽しんでほしいです!

二人に置いて行かれて、恋も叶わなかったかわいそうな三浦さん…最終的に自分の幸せを掴み取ることができたのか?必見です。

 

原作小説はこちら。

アフターストーリはこちら。

 

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3巻の詳細が出ましたらまたお知らせしますー。

 

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