ハイテク新車が続々と発表され例年にない注目を集める「
NY国際オートショー2014」。実は、その会場に行ったのには、もう1つ別の理由があるんです。それは自動車業界で、『女性を対象にしたマーケティング』（Marketing to women）が実際に現場でどんな感じで行われているかを調査する、という理由。
近年、米国ではあらゆるモノやサービスの購買決定の60～90％（特にブランドものは85％）を実は女性が決めている?!、という驚きのデータが明らかに・・・。
彼女（She）と経済（Economy）からなる造語
"She-conomy"という専門情報サイトや、その名も
"The 85 Percent"という専門マーケティング会社まであるほど。
特に、昔から伝統的に男性向けの商品で、組織運営も男社会のノリでやってきた自動車業界には激変をもたらしてまして、ここ10年ほど、"
This Volvo Is Not A Guy Thing"（ボルボは男のものじゃない: Businessweek）とか、"
Transformers: Women And The Automotive Industry"（改革者たち、女性と自動車産業: Forbes）など等、ビジネス専門の新聞や雑誌の特集記事も増加中。さらに、なぜ女性の方が購買決定権を持っているのかを分析した"
Who Makes the Call at the Mall, Men or Women?"（お店で買うのを決めるのは男それとも女？: WSJ）やその内容をさらに掘り下げた"
Women Control about 80% of Household Spending: A Look at the Numbers"（家計の約80％は女性が管理: Trendsight）といった記事も･･･。
さらに女性は、男性より社交性があり（More Social）「口コミ」をどんどん広めてくれる、ということも明らかに。
まぁ、女性の方が社交性があるというのはずっと昔から指摘され続けてることなので驚きませんけど、近年、インターネット上でTwitter、Facebook、YouTube、その他各種ソーシャルメディアが爆発的に普及した関係で、
ソーシャルメディアを活用するための重要な統計データの1つとして、改めて女性の社交性の高さが注目を集めるようになってるんです。それに加えて、米国社会では上述の『女性を対象にしたマーケティング』の進化＆発展が巻き起こっているということで、これまでのマーケティング業界にはなかった斬新な観点の発想や仕掛けもいろいろ登場中。
例えば、男女の身体的機能（脳やホルモン分泌や網膜細胞?!とかまで）の違いを参考にする方法とか･･･。
男女差に起因する様々な現象が、迷信とか都市伝説ではなく科学的にいろいろと証明され、ちゃんと説明がつくようになったのも『女性を対象にしたマーケティング』の進化＆発展への追い風になってるのでしょうね。今では
『なぜ女の子は相手の顔をじっと見るのか?』とか『なぜ男の子はいつもよそ見ばかりしているのか?』なんてことまで、科学的に説明がつくんですよー。
せっかくなので、以下、『女性を対象にしたマーケティング』を考えるうえで役立ちそうな
科学的に証明された男女の身体的機能差を3つと、ドライブ中の男女の違いがよく分かるYoutubeビデオをご参考まで。
1. 男性は女性よりも空間認識能力が高い
これは脳内だけじゃなくて、実は目（網膜）に違いがある。
男性の目（網膜）は女性より分厚く、桿体細胞につながるM細胞の比率が多い。
M細胞は、モノの形や位置や動きを判断するWHERE経路をたどり脳とつながっている。
また、M細胞は目（網膜）の中央部以外の所に広がっている。
そのため男性は、顔を向けて見ている方向の中心よりも周辺部がよく見え、
女性よりも視野が広く、動きのあるものの位置や形やスピードに敏感にできている。
ただし、中央部は見えにくいので男性はいつもキョロキョロしがちになる。
2. 女性は男性よりも色がよく見え、色に敏感
女性の目（網膜）は男性よりも色を見分ける細胞が多く、色に敏感にできている。
しかも、目（網膜）の中心部に集まっている。
そのため女性は目の中心で対象物を捉えようとしがち。
その結果、視野が狭くなり、動きのあるものを見るのは男性より苦手。
なお、女性（特に幼い女の子）が相手の顔をじっと見るのもこのため。
3. 女性は男性より長生き
日本人には常識ですよね
その分、長く消費活動に関わる、という見方ができます
How Guys/Girls Drive
同じ車の運転でも男女ではかなり違いがあるようで・・・
『女性を対象にしたマーケティング』については、これまでケースバイケースで、時折、触れてきてたと思いますが、ちゃんとまとめたことなかったので、今回とりあえずざっと基本的なお話だけ書いてみました。あと、アメリカの女性マーケティングに関係する理論や事例をいろいろ調べて研究していくと、必ず自動車産業関連の事例が出てくるんです。それでオートショーってわけなのです。
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