玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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天元突破グレンラガンのTV版をラスト27話まで見た

 アニメブログを掲げていたが、すっかりガンダムブログですらなくなり富野ブログというかGレコブログになってしまったのだが。
 ダーリンインザフランキスの放送前に再放送されて録画していた天元突破グレンラガンを12年経ってやっとこさ見た。一回通してみただけなので雑です。
 本当に僕は録画したり買ってるのに見てないのが多い。


 富野ブログになってしまったので需要はないかもしれないのだが、知人でガイナックス好きのさめたパスタとぬるいコーラさん http://samepa.hatenablog.com/ に一応お知らせしようと思いまして。
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 中島かずきさんの来歴をざっと読んだのだが。今更。

 劇団☆新感線がアニメと交流を持ち始めたのはオーバーマン・キングゲイナー殻だったように思うので(要出典)富野ファンとしても気になるのだが。


 まあ、内向的だが実は熱い主人公と、兄貴と、それとロングライフル、っていう主人公チームが狭い世界から出ていこうという前編がもろキングゲイナー。




 ただ、キングゲイナーではシルエットマシンが「形そのものからエネルギーを出す」という設定だった割には特に図形とかデザイン的なシルエットのフォーミュラー(公式)が説明されていなかったのだが。ドリルのアイディアは今石監督かららしいが。螺旋という形の意味性と力とかDNAで云々というのはキングゲイナーより具体的になっている。


 あと、キングゲイナーではキングゲイナーがブラックメールのコートを着たり、ゲインのオーバーマンのエンペランザが心の声を聞かせるプラネッタのコートを着たり、アイディアは良かったんだけど回数が少ないギミックがあった。グレンラガンでは合体と変形(のインフレーション)と分離がロボットギミックの全体をテーマになっていてキングゲイナーより一工夫あった感じの後発作品。最終決戦でヒロインとタンデムするのは共通だが、同じロボに仲間が乗ってるのはイデオンというよりガンバ?ゲッター?


 まあ、螺旋の種族がどうこうというのはYAMATO2520でやってたわけで、それはどうなん?とは思ったのだが。まあ、DNAはわかりやすいよねえ。富野監督も初期はGレコのキャピタルタワーはDNA的にねじれているというデザイン案を出していたが(没になったが)。


 というか、まあ、キングゲイナーをガイナックスでやろう、というだけでなく、中島かずきさんが編集者時代から懇意だった永井豪先生と石川賢先生とダイナミックプロのゲッターロボの影響も強いし、モロの宝島とかガンバの冒険とかの出崎統作品も切り取ってきた感じがある。つくり手が好きなものをパッチワークしていくのはガイナックスの基本でもある。


 ほんで、全体的には面白かったのだが。


 ニアがどういう風に出生したのかとかはよくわからんかったのだが。
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 当時はキャラデザがすごいって話題になっていたような。
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 どうも勢いでやってしまっているゲッターロボやキングゲイナーに比べてみると、「やってることや起きてることがちゃんと説明されている」という点でわかりやすいと思った。ゲッターロボとか富野監督はある意味狂気に片足を突っ込んでいるが、元編集者の中島かずきさんは、若干冷めた部分もある。
 オーバースキルの原理などを完全に放棄して勢いとか気合とかゲイナーのピープルやゲインに対する鬱屈した感情とその裏返しの爆発で突き抜けたキングゲイナーに比べると、「親切なアニメだなあ」って思う。(富野アニメが説明しなさすぎではあるんだが)
 まあ、巨人の星とか梶原一騎漫画も熱血の割に必殺技の説明はこってりするのだが。しかし、敵の必殺の逆転技を受けたときに「まさかこうやって逆転したのかー」とかラスボスって言いますかね???まあ、ここはジャンプ漫画文脈とかもあるし、戦闘の説明をやるかどうかの是非は個々の作品の演出判断でやるかどうかなのだが。
 炎の転校生要素もあるので、完全な熱血というより、熱血パロディが一周回って熱血扱いされる系のアレなのか。


 富野監督の最新作のGのレコンギスタはほとんど説明せず一瞬のビーム・サーベルの交錯で決着するので、黒澤明監督の用心棒くらいのスピード感の路線。どっちがエンタメとして正しいかは保留。


 僕は富野係なのでキングゲイナーの話をしてしまうが。勢いでやっているかに見えて凍りついた悪魔であるオーバーデビルのアイシングゲートなどでダンテの神曲とか、キルケゴールの「絶望」のモチーフを入れ込んでいると12年前にブログで解説したことがある。キングゲイナーは明るいアクションアニメに見えて、ヒロインのサラが微妙にうざかったり、富野監督らしい鬱屈がすこーしだけある。(ゲイナーの立場からすれば腹を怪我している時はすぐに手当をしてほしいのであって、サラがシンシアに道徳を教えるとかはあとでやってほしいと思うだろう)
nuryouguda.hatenablog.com

 でも、キングゲイナーはモチーフを描いていてもそれを言葉で説明はしない。腹を怪我しているゲイナーをサラが抱きしめて、愛情表現するけど、ゲイナーはちょっと痛くて鬱陶しそうな顔をしたかもしれない、という微妙なラインで演出する。
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 実はキングゲイナーのBDも数年前に買って1クール目しか見てない。なんとなく冬にしか見たくないアニメなので。


 なので、グレンラガンはちょっと言葉が走り過ぎかなあって思ったのだが、言葉の韻の踏み方というかリズム感が気持ちいい、つかこうへいからの系譜の演劇的長台詞の快感もあって、そういう効果も狙っているんだろうなって思うので、全否定はできない。
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 ロシウがウザいと言われているそうだが、富野アニメに比べたらめちゃくちゃ素直。シモンもカミナもニアもヨーコもがんばるけど、最後には運命をかっこよく受け入れる。



 戦闘シーンの説明でも、認識や次元がどうとか説明くさいけど、荒唐無稽な物理法則を無視したアニメなので、セリフの気持ちよさやスケール感の驚き感が重視で、特に理系的な計算の厳密性はない。


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リボルテックヤマグチ No.062 天元突破グレンラガン
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 すごい宇宙で銀河系を手裏剣にして戦うのがすごいという評判を聞いていたが、それも次元の狭間での出来事なのであまり「人が生きている銀河系を踏みつけにしてまで戦う」という破壊のカタルシスはなかった。技術的限界もあるのだろうが、銀河系が銀河系の形のまま手裏剣になるので、銀河系に見えず、アニメの部品が動いているという感じがして、若干紙芝居っっぽいと思ってしまった。重力とかダークマターとかを考えたら、銀河系ってもうちょっと粘っこい感じだと思うんだけど。


 ただまあ、そういう理屈はともかくハッタリでのスケール感が重視なのかなあ。


 実際にそういうロボットや宇宙の星が動いているんじゃなくてアニメの素材が動かされているようにみえるのは、今石監督がしたと噂のカレカノの紙人形芝居やフリクリの漫画アフレコから続く「止め絵素材をギミックにする」って言うのの延長線かなーって思った。
 パンストやニンジャスレイヤーやルル子など、高畑勲監督の「アニメだから強調できる現実感」とは違う、「アニメは素材の積み重ねということを視聴者も作り手も自覚した上での面白さ」、みたいなのが今石監督の感覚なのだろーか?
 ただ、これは今石監督のオリジナルって言うわけでもなく、むしろディズニーの古典でのアニメの芝居のさせ方の一つの基本であるスカッシュアンドストレッチの延長でカートゥーンではこっちのほうが主流だったりもして。
 ジャパニメーション的なSFや出崎統作品のエッセンスのストーリーとガイナックスの素材はなんでも活かす(庵野○すの偽造PC画面など)という当時の演出の風習とディズニーのアニメの基本などがミックスされて、グレンラガンは世界的に人気になったのかなーって思う。



 しかし、無理を通して道理を蹴っ飛ばす話なんですが、2大ボスの螺旋王とアンチスパイラルが引き際に主人公を承認していくのがサッパリしているというか、ちょっと甘い。
 世代交代を裏テーマにしたかったのはわかるのだが。


 もうちょっとアンチスパイラルにも情念が欲しかったというか、スパイラルネメシスという架空のものが起きるからそれを止めるために人類をいじめるっていう動機はちょっと弱い。架空の存在の人が架空のものを理由に架空のいじめをするの、虚無。
 スパイラルネメシスや螺旋力に対するアンチスパイラルさんの絶望感とか拘泥などがあればもっと・・・。とは思うのだが、そうすると勝利の爽快感やかっこよさが減るので難しい。


 というか、実は僕も同時期の大学生時代に書き始めた脳内妹が主人公の小説のラスボスをそういう感じのカギ爪の男みたいな感じにしようと思っているので、ココらへんはちょっと敏感なのだが。(もちろん、オチは先行作品と違うようにするつもり)(18年間も書き続けているのに半年しか進んでないっていう。一応、劇中で4年位で終わる小説のプロット)
 しかしまあ、僕のように病気で寝込んだり他人の作品にあれこれ言ってばかりのクズと違ってちゃんと作品を量産している中島かずきさん、今石洋之監督にはかなわないなあって思う。


 「説明セリフが多い」(かと言って理論があるわけではないので、勝つための段取りを盛り上げるセリフ、と言ったほうが正しいか?)、
 とは言ったものの、役者と動画の勢いや熱さもあるわけで、格好良さや迫力はあった。


 とりあえず入眠不全の不眠症と覚醒困難の過眠症を治すために一時間クールダウンするので、感想はこのへんで。ちょっと文章の順番がおかしいけど、寝るべき時間をオーバーしてしまったので、遂行せずに終わる。



 しかし、熱い作品な割に、漫画版攻殻機動隊で批判されていた不老不死の老害みたいな理屈っぽい感想を書いてしまったな。(まあ、見るのに2年もかけているという時点でなあ)
 もし、僕が12年前の大学を留年してダラダラしていた25歳の頃に見ていたら、もうちょっと熱くなれたのだろうか?トップ2も劇場版しか見てないしなあ。



 Gレコにも取り組みたいのだが。



 ちなみに僕は邪悪な人間なので、実はグレンラガンのコンプリートBOXを持っているのですが。持っているけど開けないオタク。設定資料とか膨大だし、読もうかどうしようか。映画版もどうすっかなー。
天元突破グレンラガン COMPLETE Blu-ray BOX(完全生産限定版)



 しかし、ガイナックスの庵野秀明の後釜を育てていこうという戦略がトリガーとカラーに分裂してしまったというのは、ニントモカントモ。

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nuryouguda.hatenablog.com
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 ちなみに、僕の誕生日はキングゲイナーの日です。誕生日プレゼント募集中です。
ROBOT魂 OVERMAN キングゲイナー キングゲイナー&ガチコ 約130mm ABS&PVC&PET製 塗装済み可動フィギュア
 キングゲイナーの立体物は海洋堂の500円シリーズが安いのに最高だと思う。



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