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「まともに練習もしなかった」原晋監督が後悔する“スカウトの失敗”…「絶対やってはいけないことがあります」青学大“選手採用の掟”とは?
posted2025/01/02 06:00
text by
原晋Susumu Hara
photograph by
JIJI PRESS
今年も箱根駅伝が開幕する。前回大会で駒澤大から王座を奪還した青山学院大は、どのような王者の走りを見せるだろうか。
率いるのは原晋監督(57歳)。かつて予選会突破が目標だったチームは、なぜ常に注目を集め続ける強い集団に成長したのかーー。その秘密を解き明かす、原監督著『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』(アスコム刊)から、「『来てください』とお願いするな」の章を抜粋して紹介します(全3回の1回目/#2、#3につづく)。
率いるのは原晋監督(57歳)。かつて予選会突破が目標だったチームは、なぜ常に注目を集め続ける強い集団に成長したのかーー。その秘密を解き明かす、原監督著『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』(アスコム刊)から、「『来てください』とお願いするな」の章を抜粋して紹介します(全3回の1回目/#2、#3につづく)。
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採用する側が絶対にやってはいけないことがあります。それは、入社後、入部後に影響を与えるような関係性をつくらないことです。
スカウトの現場で“お願い営業”は一切しない
よくあるのが、優秀な人材を獲得するために、相手に対してどうしてもへりくだりがちになることです。その姿勢は良くありません。なんとか採用にたどり着けたとしても、それが遅かれ早かれ組織を壊す火種になります。勝てる組織をつくりたいのなら「来てください」とお願いしないことです。私も、スカウトの現場で「ぜひ、一緒に戦いましょう」という言葉は口にしますが、いわゆるお願い営業は一切しません。
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もちろん、採用する側の「とってやる」という姿勢も良くありません。これでは、入社した段階から、会社や上司の顔色をうかがいながら仕事をすることになります。それだけで、その子の能力発揮の妨げになってしまいます。私の場合はそもそも弱小チームからのスタートだったので、そういうことはありませんでした。