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「日本人で1億円超は2.5%。安定的なGK」Jリーガー年収ウラ事情…じつは“オランダと同格”「世界標準だと、かなりまとも」識者が調査

posted2024/12/13 11:03

 
「日本人で1億円超は2.5%。安定的なGK」Jリーガー年収ウラ事情…じつは“オランダと同格”「世界標準だと、かなりまとも」識者が調査<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

Jリーグで“1億円プレーヤー”の1人とされる川崎の家長昭博。欧州メガクラブとの財務格差は大きいが、日本の雇用状況は世界標準だと悪くない部類のようだ

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阿部博一/小野ヒデコ

阿部博一/小野ヒデコHirokazu Abe/Hideko Ono

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 Jリーグのシーズンが終わり、移籍や契約満了のニュースが多く流れる。その中で選手視点で現状と“ネクストキャリア”をどう考えていくべきか。元プロ選手と、アスリートのキャリアを追うライターの2人が契約・収入事情など幅広くリサーチした著書『サッカーで、生きていけるか。プロへの道筋と現実、ネクストキャリアの考え方』(英治出版)から一部転載でご紹介します。
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いちばん稼げるポジションはどこか?

 ポジション別に日本人選手の平均年俸を見ていくと、興味深い事実が浮かび上がります。

 FWの平均年俸がいちばん高く3135万円、GKが1778万円でいちばん低いです。一方で、平均年齢はFWがいちばん低く25.1歳、GKはいちばん高く28.5歳となっています。

 これにはさまざまな要因が考えられますが、得点を求められる攻めのポジションでは、「速い」「強い」といったフィジカルや「クリエイティビティ」が重要視される傾向があります。一方で、DFやGKなど守りのポジションではフィジカルも重要視されますが、それにプラス「経験値」がより重要視される傾向があります。

 J1の日本人選手全体で31歳以上の選手は約21%しかいませんが、GKだけで見ると約36%を占めており、そこには40歳以上の選手も2人含まれます。また、GKというポジションのスタメン枠はひとつしかありませんが、「控えのGK」は不可欠です。普段のトレーニングパートナーとしての役割も重要視されるので、「控えのGK」は試合に出なくとも、意外と安定的で長くサッカー選手を続けることができる立ち位置と言えるかもしれません。

意外と年功序列な日本人プロサッカー選手

 プロサッカーは実力主義という印象がありますが、年齢と年俸の相関を見ると意外な事実がわかります。日本人選手の年齢と年俸の相関は0.49であり、正の相関関係にあります。つまり年齢が上がれば年俸も上がる傾向があるのです。実際に年代別に選手の平均年俸を見てみると、18~19歳がいちばん低く474万円、36~40歳がいちばん高く5184万円となっています。

 第1章で述べたように、特にJ1は非常にレベルが高いので、18~19歳の高卒選手が入団してすぐに主力になるのは至難の業です。ただ、一般的にはサッカーのプレーレベルは26~30歳がピークだと考えられるので、日本人選手の年俸には、プレー以外の部分でのチームへの貢献度も加味されていると言えるかもしれません。

 ちなみに、外国人選手の年齢と年俸の相関は0.35となっており、日本人選手より弱いです。外国人選手はより実力主義で評価されているのかもしれません。

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