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「増田=はてダ=はてブ」 はてな匿名ダイアリー概念まとめ2019

そろそろ今年の統括的な季節が来ていますが、皆さんいかがお過ごしですか。時候の挨拶をしたところで早速本題です。

 

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この辺についての話について一度まとめてみようと思います。自由研究ってやつです。一応この記事の続編です。

 

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なお今回は「増田とは何か」をある程度わかってる人向けに書くので「増田……?」という人は上の記事を読んでからどうぞ。

 

結論

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「クラス」というので比較的若い人が増田を読み回しているということなのだが、この増田の真偽はともかく本当に「比較的若い層」が増田をよく読んでいることがTwitterでぼちぼち検索かけていたら実体が見えてきた気がするのでそんな事例を沢山集めたら超長くなったので「増田の主な利用層に新たな枠、若いオタク層が加わった」ということが確定したよっていうハナシ。去年似たような記事書いてるので時間ない人はそっちと大体趣旨似てるのでそっちでよろしく。

 

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では増田についてのいろんな事例の話して行きますのでよろしく。いろんな話があるから超長いよ!

 

増田の用法問題

現段階でこんな感じではなかろうかというものを作ってみた。随時更新、改定していきたい。

増田とは

①はてな匿名ダイアリーの略称。

「――を見る」

②はてな匿名ダイアリーの投稿者を指す。

「――の意見に賛成する」

③はてな匿名ダイアリーの閲覧者を指す。

「――たちの意見を募りたい」類語:おまいら

④はてな匿名ダイアリーの投稿者が自称する際に用いる。

「――は就職して辛かった」

⑤はてな匿名ダイアリーに投稿する、閲覧する。

「――を書く」「――してしまう」

 

増田の呼称問題

正式名称は「はてな匿名ダイアリー」で、「アノニマスダイアリー」から「増田」なのだけど、増田が広まるに連れて様々な呼び名が生まれている。以下特徴的な呼び名をしているツイート及び増田を例に出しながら紹介していく。

匿名ブログ、匿名ダイアリー

かの「保育園落ちた」増田が脚光を浴びたとき「匿名ブログ」として紹介されたためにこの呼称が多いかと思ったのだけど、意外と少ない。誤差の範囲と思って取り上げないけど、「はてなの匿名ダイアリー」という表記は結構見られた。

 

匿名はてなダイアリー、匿名はてなの呼称はまま見られる。

 

これも「匿名はてなダイアリー」の例。

 

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この増田は「元増田」という用語を使用しながら「匿名はてな」を使っている。

 

「はてな匿名ブログ」の例。

 

「はてなの匿名ブログ」の例。「はてな」というサービスと「匿名ブログ」が合体したのだろうか。

 

「はてな匿名ブログ」の例。

 

はてなダイアリー

意外とこの呼び名が多かった。「はてなダイアリー」は最近終了したはてなの別サービスなのだが、大事な「匿名」が抜けてしまうパターンはかなり多く見られる。

 

「匿名ブログ」と「はてなダイアリー」が混ざったパターン。

 

文脈からここの「はてなダイアリー」は増田の事だと思う。

 

この「はてなダイアリー」も従来の「はてなダイアリー」ではなく増田を指すものだと思われる。

 

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増田の中でも「はてなダイアリー」。

 

後述するが「お気持ち」というワードからこの「はてなダイアリー」は増田であると推測できる。

 

「はてなダイアリー」はサービス終了しているのでこれは明らかに増田。

 

はてなブログ

これを見かけるとちょっとギョッとする。

 

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前回も取り上げたけど、「はてなブログ」とあるのでどこかのブログのコピペなのかも思ったらそうでもなかった例。「はてなで書くブログ」は皆「はてなブログ」である。

 

「はてブロ」のリンクが増田の例。

 

はてブ

はてブは大抵「はてなブックマーク」の略称であるので、はてブの民は「なんで増田とはてブが混ざるんだ」となると思う。各用例で解説を入れていく。

 

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「はてブロ」というワードがあるので「匿名のはてブ」は「はてなブックマーク」のほうだろうか。

 

明らかに増田を指して「はてブ」と言っている気がするが、もしかしたらブコメ込みで「気持ち悪い」という意味かもしれない。

 

「はてなブックマーク」由来か「はてなブログ」由来かは不明。

 

「はてブのエントリー」とあるので「はてなブックマークのエントリー=増田」と呼ばれたのだろうか。

 

この例は上記の例の裏付けになると思う。「はてなブックマークのエントリー=増田」に見えるのかもしれない。

 

もうひとつ裏付ける言説。増田を認識する際、一緒に認識するサービスははてなブックマークであり、はてなブログじゃないんだなぁ。

 

 意訳するなら「ブックマークに入れておいた匿名ダイアリーを読んだ」ということか。

 

 トピ主、スレ主

主に増田内で見られる。「元増田」はまだ見かけるが、「トラバ先」などという言葉はそろそろ死にかけている。

 

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自分を「主」と呼称するのはどこ発祥の文化なんだろう。

 

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釣り感が否めないが、「トピ主」使用の例。

 

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「スレ主」使用の例。

 

もはや呼び名など関係ない

上記の通り、「はてな匿名ダイアリー」は現在混沌としている。もはや何て呼んでいるかなど問題ではない。各自好きに呼べばいい。

 

もう何が何やらわからない。

 

ヲタクが喜ぶ時も使えるサービスです。

 

「このはてな」という表現が危なっかしい。

 

 前の「はてな」と「はてな匿名ダイアリー」の違いは何か。

 

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増田内でも「はてな」呼びがあった。

 

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「はて匿」、そこで略すのがまぁ普通だよな。

 

「はてな増田」=「はてなはてな匿名ダイアリー」 

 

 「お気持ち匿名はてな」

 

 「お気持ち文」

 

 「匿名長文はてブ」

 

キーワードは「お気持ち」

以上のように、増田を表す言葉は多岐に渡っている。もちろん全て本気でそう思っている訳ではないのはわかっていて、そういう言葉で表現することで何が起こっているかを探るのがこの研究の趣旨である。そう考えて見ていくと「お気持ち」というワードが頻出していることがわかる。

 

「お気持ち」とは現上皇陛下が退位の意向を発表した際に用いられたのがきっかけで、初期は「また女さんのお気持ち表明かよ」などフェミニズム関係の煽りによく使われた印象がある。それがオタク界隈に広がり、何かに異議申し立てをしたり自分の萌え(萎え)を語りたい時に使用されるようになっていった。しかし煽りの言葉であったことからあまりポジティブな意見には使われにくい性質がある。

 

自分のブログにネガティブなことを書くと面倒くさいことになり、Twitterで愚痴を呟くなど以ての外という面倒くさい事態にも対応できるのが「はてな匿名ダイアリー」ということなのだろう。実際以上のような「お気持ち」の投稿は以前よりも増えている気がする。更にそんなお気持ち増田をTwitterに流してTwitter上で学級会が開かれることも珍しくなくなった。これは以前に唱えた「増田長文スクショ説」の更に先を行く事態になっていると考える。

 

 

要は増田を見ても「増田(はてな匿名ダイアリー)」と認識されないということなのだろうか。

 

余談

最近「はてなブログ」を「はてブ」と略するムーブがきている。

主にアイドル界隈で使用されている感じはある。「この気持ちはてブとnoteどっちに書こう」みたいなツイートもよく見られ、元からジャニーズブログが盛んなはてなブログはともかくnoteもそんな記事が多く書かれ始めたというところが興味深い。

 

 そういえば「(内容的に)増田とnoteの区別がつかない」という内容のツイートは定期的に見るな。noteの初期の客層ってそんなんだったかなぁ……? それに「長文増田」という概念が生まれているのも面白い。短文増田もあるんだろうか。パンティーとか。

 

コメント欄問題

また、増田で悩ましいのが「コメント欄」という言葉をどう捉えるかというところ。おそらく一見さんはトラックバックを指して「コメント欄」としているような気もするし、ブコメ欄を指して「コメント欄」としているのかもしれない。また「欄」ではないがTwitterでのコメントも多く、もはや「コメント欄」という概念すらあやふやになっている気がする。

 

トラックバックを「下の方のやつ」という表現が個人的に大好き。

 

 名乗りを上げる増田の是非

昔から増田を書いてブコメで「ブログ持ってないけど100字以上語りたいから書きました」みたいなセルクマを付ける奴はそれなりに存在していた。

 

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以前の「増田の概念が溶けていく」ではTwitterアカウントを作成して増田を書き、拡散希望のタグを付けてTwitter上でのみやりとりをするという例を見たけど、実はそういう例は結構増えている。

 

ここでは紹介しないが、増田のURLでTwitter検索をかけると「実はこの増田俺が書いたんだよねー」「この前書いたはて匿読んでください!」みたいなツイートがたまにひっかかる。なおそういうツイートにブクマをしておくと高確率で後に消えている。おそらく増田を書くくらいなのではてなアカウントを持っていて、通知が行ったことでビビったんだろうと思う。あと「はてな匿名で愚痴ったら思いのほかブクマ着いちゃって特定が怖いから消した」っていう趣旨のツイートも見かけて、調べたら全くそれと同じ条件の増田が見つかるということもあり、いやいらんこと呟いて特定されてますがなという気分になったこともあり、思いのほか「匿名」という概念自体が結構揺らいでいる気もする。

 

名乗りを上げるどころか増田を伝言板のように使用しようという例もある。「URL拡散して!」というところが今風である。

 

 また、拡散したツイート主に増田がお礼に行くということも起こっている。これは増田というよりもマシュマロというツールがあったからなんだろうか。

 

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mobile.twitter.com

 

また、何故か増田で出会い系を始めてしまう人も現れた。捨てメアドではなくTwitterの捨て垢というところもなんか新しい。

 

長文スクショ化する増田

「増田が長文スクショの代わりになっている説」を飛び越えて増田が長文スクショとして使用されている例も見られる。たまにブコメまでスクショされててまぁ面白い。ただリンク貼ればいいのに、というのは古い考えのようである。

 

 

 「まとめサイト」化する増田?

以上のようにお気持ち表明、長文スクショ化してきたことで増田のことを「まとめサイト」として捉える層が確認された。

 

 

この視点には2つの切り口がある。ひとつは呼称問題でも触れた通り「はてなブックマークを増田と混同してる説」で、もうひとつは「まとめサイトとは特定の言説を切り取るなどして悪質にPVを稼ぐサイトだと思ってる説」である。前者については上記しているのでここでは後者について述べていく。

 

既に「まとめサイト」という言葉には単なる情報のまとめだけではなくネガティブな意味が付加されているのはここを読んでいる人なら何となく理解していると思う。そして「日本死ね」ムーブから「増田=過激な発言をする場所」みたいに捉えている人も少なくはないことが伺える。じっくり増田と向き合うとそういう投稿は多いわけではないのだけれど、目立つものが目立つわけでそう捉えても致し方ないところはあると考える。

 

増田についての考察ツイート

その他気になったツイートについて考えてみる。

女性も書き込むという特徴を上げているが、昨今の増田の利用層を考えると女性ならではの書き込みは増えているのは間違いない。少し前の小町流入あたりから増えて、最近は若いオタク層が増田に注目していると考える。

 

ブログで金儲けブームの影響でいわゆる日記を書くという文化は相当駆逐されたけど、それが残っている場所が増田という指摘は興味深い。

 

このやりとりはTwitter上で何度か見かけたことがある。増田のURLを呟いたところツイート主が増田であるとされて「私はこの記事を書いた人ではありません」と続くというのが大体のパターン。これはニュースアカウントに感想をリプライする現象に似ていると思う。

 

この指摘はその通りだと思う。どちらにも共通しているのが「現実と虚構の境目が曖昧」というところ。創作実話や嘘松と呼ばれる類の話が盛り上がる土壌は大体そういうもんである。

 

現代の、というところが引っかかるけど「匿名またはアライさんの仮面を被って言う」みたいなところは似ている。

 

これツリーになってて一連の話がなかなか興味深い。若手俳優界隈で局所的に「匿名はてなブログ」という文化があり、推しは明かせないけど感想だけは書くよ、みたいなことがあって学級会が開かれてワーワーしたという話である。「匿名」という言葉の意味が揺らぐ件である。

 

このツイートから始まる一連のリプライが興味深い。増田がリプライで総叩きになり、それに対して「個人のブログを晒して叩くというのは如何なものか」と苦言を呈する人が現れ、「まあそれが増田の仕様だから」という解説が入る。確かにそれが増田の仕様だけど、苦言の内容自体は確かにその通りだ……。

 

この辺については散々語り尽くされて旧はてな村はダムの底に沈んでいるのでそっとしておいてあげてほしい。

 

個人的にチコちゃんはVTuberと一緒で「チコちゃん」というペルソナを被ったキム兄だと思ってるんだけど、増田もそういうことなんだろうか。増田Vtuber、うーん嫌だ。

 

その他呼称、概念問題

以上のように増田やはてなブックマーク、はてなブログの利用層が年月とともに移り変わっていることが分かる。そして利用層の変化とともに使用される言葉も変わってくる。

 

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最近熱いのが「トップコメ」問題。一番スターを貰っているコメントをトップコメと言っていたけれど、スターの変動でトップは入れ替わるので現トップが「トップコメに反対」なんていうちぐはぐなことが起こったりする。また人気コメントをトップコメに含めてしまっていいのかなど非常に曖昧な言葉になっている。個人的にこの表現は非表示があった場合適さないのであまり使用したくない。

 

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これはかなり前から見られていた現象。どうやら「増田」をはてな内で他人を指す隠語と勘違いして使用しているらしい。基本的に「ブログ主」「ツイート主」に変換が可能だが最近では「ブクマカ」という意味で使用されている例もある。

 

ここで紹介した「はてな匿名ダイアリー」にはどうやら「エモい」という意味があるらしい。「エモい」とは「感傷的な、強く心を揺さぶられる」とか、そんなくらいの意味だと思ってください。何故そんな用法が出たのかと言うとおそらく「お気持ち」関連の部分からだと考える。

 

おわりに

この記事を書くに当たって「増田とは」タグを作って何となく調べ始めたのが2017年の暮れでした。それから約2年、いろんなことがありました。増田の存続も危ぶまれる事件が起こったり、増田ばかりホッテントリに来る日があったり、増田にゴリラや猿や猫がやってきたり……。そんなこんなで気長にこのサイトと向き合っていきたいと思います。次回は2019増田まとめになる予定です。それではどうもおつかれさまでした。おしまい。

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