nikkie-ftnextの日記

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10年越しに意味が分かった SHIROBAKO 7話「速く描くには巧くなる 巧く描くにはいっぱい描く いっぱい描くには速く描く」

はじめに

おめでとうございます! nikkieです。

今日はアニメネタです。
これは2024年で一番のAhaだったかもしれません(なにせ10年かかったので)

目次

SHIROBAKO

P.A.WORKS制作のオリジナルアニメ作品。
2014年TV放送のお仕事シリーズ第2作です

ストーリー|TVアニメ「SHIROBAKO」公式サイト

高校時代にアニメーション同好会でアニメを作った女の子5人。
この5人でアニメ業界で同作品を作るべく、夢を追って業界に飛び込みます。

SHIROBAKOはエンジニア界隈でも広く受け入れられていると映ります。
SHIROBAKOといえば(私の中では)こにふぁーさん(id:konifar)ですし、アドベントカレンダーもこの時期賑わっていました

さてこの記事で扱うのは、原画の安原絵麻さん(通称 絵麻たそ〜)です。
以下はネタバレ全開なので、未見の方は放送10周年記念の今だけ期間限定公開(YouTube)を見てからどうぞ!

7話 ネコでリテイク

ストーリー|TVアニメ「SHIROBAKO」公式サイト

絵麻は悩んでいた。巧くなろうと丁寧に描くと、量が描けない。だが早く描こうとすると巧く描けないというジレンマに──。

絵麻たその悩みに対して、隣の席の先輩アニメータ(杉江さん)がアドバイスします(11:12〜)

その中で私がずっと引っかかっていたのがこちら。
絵麻たそ「巧くなれば速く描けるようになるんじゃないんですか?」に対して、杉江さんの回答

速く描くには巧くなる
巧く描くにはいっぱい描く
いっぱい描くには速く描く

技術(巧さ)とスピード(速さ)は別の問題として語るのです。

だがちょっと待ってくれよ、杉江さんよぉ

これ矛盾してるように思えてならなかったんですよね。

  • 速くなりたいがどうすれば? -> 巧くなりなさい
  • では巧くなるには? -> いっぱい描きなさい
  • いっぱい描くには? -> 速くなりなさい

私の頭の中では堂々巡りしてしまいました。
鶏が先か、卵が先か...

速く描くためには速く描くってどういうことだよおおおおお1!!禅問答!?
(絵麻たそはこんなに治安悪くないと思いますが、内心こんな感じだったのかな)

ブレイクスルー:量が質に転化する

この引っかかりを解消しようとなにかしたわけではないのですが、転機は突然やってきました。
10月に参加したYAPC::Hakodate。
憧れのハッカーmoznionさんのキーノートを聞いていると
(※念のためですが、SHIROBAKOの事を考えながら聞いていたわけではありません)

  • とにかく作りまくることで一定解決ができる
    • そして量が質に転化するタイミングはやがて来る

これだ!2

  • とにかく作りまくる3=手の速さ
  • 量が質に転化 -> 巧くなる

堂々巡りのように思える箇所にだけ注目してしまっていましたが、杉江さんは最初に「若い時でないと手の速さは身につけられない」と語っているんですよね。
今の理解としては

  1. まず手の速さを身につけよう
  2. 手が速くなったら巧さを追おう

です。
この方が巧くなりやすいってことなのかな〜と思っています。

8話 責めてるんじゃないからね

「手が速くなったら巧さを追おう」という点は、続く8話でも描かれているように思われます。

ストーリー|TVアニメ「SHIROBAKO」公式サイト

一方その当人である絵麻はスタジオで、イライラの只中にいた。リアルな猫を描くことができない、そんな彼女を見かねて総作画監督補佐の井口が声を掛ける。

散歩に出かけた2人(絵麻たそと井口さん)(16:48〜)

絵麻「それはやっぱり井口さんがうまかったから」

井口「巧かったとすれば真似が巧かったんだよ」

この会話を通して、絵麻たそは「真似していい」ことに気づきます

学ぶっていうのは真似ぶって言うじゃん?
みんな最初は誰かの真似

改めて見ると、「技術とスピードは別の問題」がここで語られているように思うのです。
身につけるには

  • 技術(巧さ)は真似して
  • スピードは速く描いて

そして、巧く描くには、速く描けると真似していっぱい描いて近づける!というわけです

終わりに

SHIROBAKO 杉江さんのセリフ「速く描くには巧くなる 巧く描くにはいっぱい描く いっぱい描くには速く描く」、ずっと「堂々巡りしてるじゃん」と意味が取れていなかったのですが、YAPC::Hakodateのキーノート(※技術トーク)がまさかの補助線となって腹落ちしました。

  • 量が質に転化する
  • 量を身につけられる期間は制限がある(若いうち)
  • 量を質に転化させる1つは、真似(学ぶは真似ぶ)

なお、今回の記事は、以下の記事をSHIROBAKOの内容に踏み込んで語った形になっています

P.S. テスト駆動開発じゃね?

「技術とスピードは別の問題」、まさかのアナロジー!

目指すのは、動作するきれいなコードだ(略)。
動作するきれいなコードは、偉大なプログラマでもすぐには書けないことがあるし、普通のプログラマならなおさらだ(私もそうだ)。
ここは分割統治しよう。最初に「動作する」に取り組み、その後で「きれいな」に取り組む。(Kindle版 pp.38-39 第2章)

  • 手が速くなってから巧くなる
  • 動作するコードを書いてからきれいにする

「動作するときれいは実は全く別の問題でね」

P.S. 12/27(金) エンジニアニメ

ビットキーさんのオフィスで開催です!

私はこの記事をベースにLTします。

2024年で印象的な学び:SHIROBAKOのあのセリフ


  1. Twitterに染まりきってるので我が脳内はこんな感じ
  2. なお当日はここにまさかのtypoがあり、会場は大爆笑でした
  3. 大量に作るというスライドもありました