力ずくのスキャン

 駆け出しの頃、職場の備品の定価28000円のアトラスには大いにお世話になった。とても個人の蔵書になるなど思いもよらず、職場の同僚でシェアする社会資源と思い込んでいた。今はさらに高価になった改訂版が出て、もともと親しんだ初版の古書はamazon.co.jpで送料込み1000円内外で入手できる時代になった。40年前の本ではあるが、現在のものに引けを取らない美しい撮り方のカラー写真はいまだに鮮明である。退役してから気がついてプレゼント用に1冊余分に買った。この高画質なコンテンツをデジタル化して白いアサインメント案件に活用したいと思いついた。
 ところが、A4より一回り大きいサイズなので、背中を断裁したところで手持ちのScanSnap iX-1600にはかからない。
 手持ちのA3フラットベッドスキャナEpson GT-S640を使う手もないわけではないが、この間2,3ページスキャンしただけで数十分を費やし、あまりの遅さに投げ出してしまった。飽きる前にスキャンし終える自信がない。
 本を拡げてスキャンできる流行りのスキャナをあたってみると54000円で、これは年金生活者の筆者にはかなり贅沢すぎるという葛藤がある。
 しかし、印刷された部分そのものはA4にぎりぎり納っていることに気がついた。断裁機でトリミングしてScanSnapにかかるサイズにして、1時間かからずに1冊まるごと400ページのスキャンを終えることができた。
 終わってしまえば、スキャンする前に物理的にトリミングしておくか、スキャン後にAcrobatでトリミングするかだけの違いでしかなかったわけである。こういう大人の悪知恵がまだまだ働くことに少しほっとしている。

本ブログではamazon associate広告を利用しています。