編集王子

　空港で、日本を出国する外国人観光客をとっ捕まえて、「日本で何を買ったんだ！　トランクを開けろ！　さあ開けろ！」と迫る（口調はザコシショウ並みの誇張ですが）、下品極まりない番組があります。

　まあ、なんだかんだ毒付いてみたところで、視聴してるんですけど（苦笑）。

　善良な外国人観光客は嫌がる素振りも見せず（まあ、取材に応じてくれた観光客はほんの一部で、放映できるものもその一部なんでしょうけどね。トランク開けたら怪しげな葉っぱがごっそり出てきたなんてことがあったら困りますしね。ああ、そんな輩はまず取材に応じるなんてことしないでしょうけど）、「どうだい、オイラの愛するジャパンで、こんなクールなやつを買ったんだぜ！」とばかりに、大量のアニメグッズやらお菓子やら箸やら忍者グッズやらをご披露してくださいます。

　大変な親日家ばかりで、こちらも嬉しくなります。

　ただ、「ユーはどこから来たのであるか」の問いに対して、中には「ウクライナからです」とか、「ロシアからです」とか、なんの悪びれもせずおっしゃっている方がいて、少々驚きだったわけです。

　先日は「イスラエルからよ〜」なんて方もいて、またまた驚きでした。

　いや、「こいつら、こんな非常時に海外旅行なんて楽しみやがって！　いま、自分の国がどういう状況なのか分かっているんか！」などと拳を振り上げようとしているのではありません。

　どんな状況下でも、経済が回っている限り、海外に行くことを禁止されているわけではない限り、旅行を楽しむ自由は保証されているわけです。

　私どもも、こうした戦禍の渦中にある国々のことはテレビのニュースで知るだけであって、リアルに人々がどういう思いで、どういう暮らしをしているのかは全て分かっているわけではないので、彼らからしたら「ほっといてくれたまえ」って話でしょうし、そういう大変な時でも日本に訪れてくださったことを感謝するのが礼儀だとは思いますがね。

　職場が新宿なので、毎日、ごく当たり前のように海外からの観光客を目にするのですが、そのほとんどの、特に男の人などは、ごく当たり前のようにタトゥーをあちこちに施して、それを隠すこともなく（バカみたいに）季節外れの半ズボン姿でウロウロしてらっしゃいます（あちこちに毒があって申し訳ありません）。

　とあるとんかつ屋さんで、そんな旅行客と隣になったのですが、とんかつを半分以上残して帰られて、んーお口に合わなかったのかなあ、っていうか、とんかつとはなんなのかをご存知なかったのかなあと、日本代表としては（？）とても気になったのでありました。

　ほっといてくれたまえ、って話ですが（笑）。