Microsoftは4月18日(米国時間)、「Three Reasons Why You Should Not Use iPerf3 on Windows - Microsoft Community Hub」において、Windowsでネットワークパフォーマンスの測定にiPerf3を使用すべきではないと主張した。同社は利用すべきではない理由を挙げるとともに、iPerf3の代わりとなる代替ツールを紹介している。

  • Three Reasons Why You Should Not Use iPerf3 on Windows - Microsoft Community Hub

    Three Reasons Why You Should Not Use iPerf3 on Windows - Microsoft Community Hub

WindowsでiPerf3を使用すべきではない3つの理由

Windows環境でのネットワークベンチマーキングにおいて、使いやすさと高いカスタマイズ性からiPerf3が使われることがある。しかしながら、MicrosoftはWindowsでiPerf3を使用すべきではないと提唱しており、その理由として、以下挙げている。

iPerf3はWindowsを公式サポートしていない

iPerf3はESnet(Energy Sciences Network)と呼ばれる組織によって所有および保守されているが、WindowsでのiPerf3の使用は公式にサポートも推奨もしていない。代わりにiPerf2が推奨されており、こちらは公式にサポートしている。

iPerf3はWindows上でエミュレートされる

iPerf3はWindowsネイティブAPI呼び出しを行わず、エミュレーション層としてCygwinを利用する。そのため、エミュレーションによるパフォーマンス低下や予期しない動作を引き起こす可能性がある。

古いバージョンのiPerf3を使用している可能性がある

Windowsユーザーは気付かないうちに古いiPerf3を使用している可能性がある。ESnetが管理する公式の最新バージョンは3.16だが、ブラウザで検索すると古いバージョンである3.1.3が結果に表示されるため、間違ってダウンロードしてしまうことがある。

Microsoftが推奨するiPerf3の代替ツール

Microsoftは、iPerf3を代替するツールとして、ntttcp(Windows NT Test TCP)およびctsTrafficという2つの総合ネットワークベンチマークツールの使用を推奨している。

ntttcpはWindowsネイティブAPIを利用できるため、iPerf3よりも適切な選択肢になるとしている。このツールはWindowsとLinuxの間での互換性も保持している。ctsTrafficはWindows限定のツールで、エンドツーエンドのスループットシナリオに特化しているという。

Windows環境でのネットワークベンチマーキングには、iPerf3よりもntttcpやctsTrafficの使用を検討することが推奨されている。これらのツールはより安定したパフォーマンスと正確なネットワークテストの実施が可能であることが強調されている。