米Googleが「Google Scholar PDF Reader」というPDF形式の論文を読みやすくするChromeブラウザ拡張機能の提供を開始した。
プラットフォームやOSに依存せず、クリーンで、文章の構造が一貫しているPDFは、学術文書の標準的なフォーマットとして広く利用されている。しかし、一方で、引用されている他の文献にジャンプするのが難しかったり、あるいは特定のセクションを閲覧したくても、PDFの構造上、簡単に移動できないなど、閲覧性に関して不便と感じる面もある。Googleは「Google Scholar」という学術論文の検索エンジンを提供している。シンプルで分かりやすい画面構成で、良質な学術文書を効率的に見つけられるサービスである。Scholar PDF Readerは、Google Scholarと連係し、その手軽さとシームレスさをPDF論文閲覧にもたらす。
Scholar PDF Readerは、PDFファイルから自動的に目次を作成し、サイドバーに表示する。目次は各セクションにジャンプできるリンクになっており、目次で全体を確認した上で、目次からワンクリックで目的のセクションへ迅速に移動できる。
本文の引用番号をクリックすると、参考文献のウインドウがポップアップし、論文の最後の資料セクションに移動することなく、参考文献の情報を確認できる。Google Scholarで閲覧できる文献は、ポップアップ内でプレビュー表示され、その文献を別のタブで開いたり、またはGoogle Scholarのマイライブラリやリーディングリストに保存することも可能である。さらにポップアップから直接、関連記事をGoogle検索で調べることもできる。ポップアップ内の「引用」ボタンをクリックすると、引用ウィンドウがポップアップし、MLA、APA、ISO 690などの引用スタイルで、BibTeX、EndNote、RefMan、RefWorksといった文献管理ツール向けにコピー&保存できる。
本文中の図表番号もリンクとして表示され、リンクをクリックして図表にジャンプできる。ブラウザの[戻る]ボタンで元の位置に戻れるので、同じページにない図表も効率的に確認できる。
表示は「デバイス」設定のほか、「ライト」モード、「ダーク」モード、「夜間」モードに切り替えられる。