今年もやって参りました、私こと小林久乃による、本年ブレイクするであろう俳優予想のお時間です。365日何らかの作品を見て、マイナビニュースさんの連載『バイプレイヤーの泉』をはじめ、各所でレビューを書く。そしてラジオや対談でドラマについて、ひたすら喋る。そんな筋金入りのドラマ好きだからこそ、見えてしまう俳優さんのキラッと光る、何か。みなさま、読みながら唾をつけるご用意を。

2025年求められるのは"奥"ゆかしさ? それとも…

ブレイク俳優……とは言いながら、若手ばかりに審美眼を働かせているわけではございません。アラフォーと呼ばれる年代にも「今年こそは……!」と思う人がいます。それが奥野瑛太(38)さんです。ささ、みなさま、ググって。奥野さん、顔力(がんりき)がすごくて、睨まれたら大変です。

  • 奥野瑛太 撮影:望月ふみ

昨年も『SHOGUN 将軍』(Disney+など配信中)、『RoOT / ルート』(テレビ東京系)などいくつもの作品でバイプレイヤーとして出演していた奥野さん。私が演じる姿に感動したのは『さよならのつづき』(Netflix)の井上健吾役です。こちらの作品、第一話で主人公・菅原さえ子(有村架純)の婚約者、中町雄介(生田斗真)が亡くなってしまいます。その雄介とカフェを共同経営していたのが、健吾。ふたりは幼なじみという設定です。

私だけかもしれませんが、井上の登場一発目で「あ、雄介のこと好きだよね」と気づきました。幼なじみのことがずっと好きだけど、言えるわけがない。だって彼には、最愛の恋人がいる……そんな包摂された恋心を匂わせる演技にゾクッとしたのです。これから作品を見る方、ぜひご注目を。

そしてまた苗字が"奥野"と続きますが、2019年にこの企画で激推しした、奥野壮(24)さん。『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)の演技が、とても深くて良かったので、今年も再推ししておきます。

  • 奥野壮

またまたもう一人、苗字に"奥"の文字が続きます。なんだろう、今年は奥ゆかしさでも求められるのか。ご紹介するのは奥智哉(20)さんです。昨年、美しい男性俳優たちが次々に咲きほこった『君とゆきて咲く~新選組青春録~』(テレビ朝日系)で主要キャスト・深草丘十郎を演じていたのが彼です。端正という表現が本当によく似合う、お顔立ち。だから時代劇が似合うのかしらと思ったら、来年の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合)に出演決定。来ますね、これは。

  • 奥智哉 撮影:望月ふみ

ここ10年以上に亘って続いている"二世ブーム"。ただもう"二世"というだけで、メディアから注目されることも減りました。団塊ジュニア世代のお子さんが出てきていますから、人数が多いですしね。二世界隈も群雄割拠です。その中でも「これは……!」と、思った方が、二人います。

まずは『夫の家庭を壊すまで』(テレビ東京系・2024年)の三宅渉役が良かった、野村康太(21)さん。毒母のもとに生まれて、その母親の恋人の奥様を好きになるというやや複雑な役。好きになったらいけない年上の女性だと分かっていても、やっぱり好き。その情動を抑える演技にグッときました。前述の奥野瑛太さん同様、何かを抑制されていることを、視聴者に伝える演技は見せどころです。いや、私の趣味か?

  • 野村康太

野村さんのお父様は、沢村一樹さんです。なんとセクスィー部長のご子息ではないですか……! そうとは知らずにドラマを見て、みずみずしさに惹かれておりました。

もう一人は谷原章介さんのご長男で、谷原七音(21)さん。「第37回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でフォトジェニック賞を受賞されています。俳優、タレント業などはこれからだと思うのですが、初見で「都会の子の洗練感がすごい」と感動。ちょっと(良い意味で)ヤバいな、とも思いました。どんなに田舎で可愛くても、都会の子にはどうにも太刀打ちできない何かがあります。ど田舎出身の私にはよーく分かる。その何かを持って育ってしまった、七音さん。今後どんな戦法で楽しませてくれるのか、楽しみです。