ハッピーカーズは12月26日、「働き盛り世代のキャリア形成」に関する調査結果を発表した。調査は2024年12月17日~12月18日、30~40代の既婚男性1,023人を対象にインターネットで行われた。

現在の収入で家計が潤っているのはわずか4割

  • 現在の手取りの平均月収はどれくらいですか?/現在の収入に満足していますか?

今回の調査対象者が経営する業種の分布は、「一般社員(45.1%)」「係長・主任クラス(23.5%)」「課長クラス(20.7%)」「部長クラス(7.8%)」「次長クラス(2.4%)」「契約社員・派遣社員(0.5%)」となる。

「現在の手取りの平均月収はどれくらいですか?」と質問したところ、「30万円~40万円未満(31.0%)」と回答した人が最も多く、「20万円~30万円未満(24.1%)」「40万円~50万円未満(19.9%)」と続いた。平均月収は30万円前後に集中しており、やや高めの収入層も見受けられる。

続いて、「現在の収入に満足していますか?」と質問したところ、約6割の人が全く満足していない(19.7%)」または「あまり満足していない(37.0%)」と回答した。収入への満足度は低く、6割近くが満足していないことがわかった。

満足していない理由を具体的に尋ねたところ、「頑張っているが、給与は上がらない、物価高で困る」(係長・主任クラス/40代/東京都)、「業務の責任に全く見合っていない」(一般社員/30代/千葉県)、「社会保険や税金が高い」(係長・主任クラス/40代/千葉県)、「教育費の出費がかさむから足り無い」(課長クラス/40代/愛知県)、「残業しないと満足な収入が得られられないから」(係長・主任クラス/40代/千葉県)、「成果に伴ってない。将来的にもUPする要素がない」(課長クラス/40代/沖縄県)といった声があがった。

給与に対する不満の背景には、物価高騰や社会保険料の増加、さらに教育費や子育てに関する負担が大きく影響していることがわかった。また、努力や成果に見合わない給与体系や将来の給与上昇への期待感の欠如も不満の理由としてあるようだ。

今後のキャリア形成に希望はあるのか?

  • 現在のキャリアに満足していますか?

「現在のキャリアに満足していますか?」と質問したところ、約5割が「とても満足している(6.6%)」または「やや満足している(45.0%)」と回答した。キャリア満足度では肯定的な意見が約半数ほどあるものの、満足していない人も大きな割合を占めているため、待遇改善の余地があることが示された。

  • 現在の職場で、将来の昇進やキャリア形成にどの程度可能性を感じていますか?/将来の昇進やキャリア形成に可能性を感じられない理由を教えてください

さらに「現在の職場で、将来の昇進やキャリア形成にどの程度可能性を感じていますか?」と質問したところ、約7割が「全く可能性を感じない(17.6%)」または「あまり可能性を感じない(50.6%)」と回答した。7割以上が昇進やキャリア形成の可能性を感じておらず、将来の見通しに課題があることが明らかになった。

前問で「全く可能性を感じない」「あまり可能性を感じない」と回答した人に「将来の昇進やキャリア形成に可能性を感じられない理由を教えてください(複数選択可)」と質問したところ、「昇進や昇給の限界を感じる(46.7%)」と回答した人が最も多く、「昇進の枠が少ない(35.0%)」「上司や経営層からのサポートや期待を感じない(28.1%)」と続いた。

多くの人が、現在の職場で将来的な成長や報酬の向上に対して、悲観的な見方をしていることが明らかになった。また、上司や経営層からのサポートや期待の欠如という回答から、組織内のコミュニケーションや人材育成の面で改善の余地があることがうかがえる。

「仕事」と「家庭や自分の時間」のバランス

  • 「仕事」と「家庭や自分の時間」のバランスがとれていると感じますか?

「仕事」と「家庭や自分の時間」のバランスがとれていると感じますか?と質問したところ、約6割が「十分にとれている(15.5%)」または「ややとれている(47.1%)」と回答した。

約6割の人が「十分にとれている」「ややとれている」と回答したことから、労働環境が一定程度柔軟であることを示唆している。しかしバランスに不満を感じている人が約4割いることから、企業はさらにワークライフバランスを向上させる必要がありそうだ。

前問で「ややとれている」「あまりとれていない」「全くとれていない」と回答した人に「バランスがとれていないと感じる理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、「仕事を優先せざるを得ない(41.2%)」と回答した人が最も多く、「趣味やリフレッシュのための時間がとれない(31.9%)」「長時間労働で家庭に時間を割けない(21.2%)」と続いた。約4割の人が仕事を優先し、自身の生活を犠牲にしている現状が示唆された。

また、趣味やリフレッシュの時間が取れないことや、長時間労働の問題は、心身の健康や生活の質に悪影響を及ぼす可能性があり、企業や社会全体でワークライフバランスの改善に向けた取り組みが必要であることを示している。

  • あなたが理想とする働き方だと思うものを選んでください

最後に「あなたが理想とする働き方だと思うものを選んでください(上位3つまで選択)」と質問したところ、「安定した収入が得られる(58.2%)」と回答した人が最も多く、「家庭や趣味と両立できる(45.7%)」「成果がきちんと収入につながる(33.5%)」と続いた。安定した収入を求めつつ、家庭との両立や成果に応じた評価を望む声が多く見られた。