玄光社は、JR九州をはじめ数々の鉄道車両のデザインを手がけてきたデザイナー・イラストレーター、水戸岡鋭治氏の仕事をまとめた書籍『水戸岡鋭治 デザイン&イラスト図鑑』を4月18日に刊行したと発表した。
水戸岡氏は1972年にドーンデザイン研究所を設立。1988年にJR九州のリゾート列車「アクアエクスプレス」のデザインを担当したことがきっかけとなり、鉄道車両デザインに進出。特徴的な「顔」や大胆なカラーリング、それまでタブーとされてきた木材や本革を使用するなど、鉄道デザインに新風を巻き起こしてきた。
『水戸岡鋭治 デザイン&イラスト図鑑』では、6つの章を立て、カテゴリーごとに水戸岡氏の作品を掲載。冒頭にイラスト入りの年表を入れ、水戸岡氏の仕事を時系列で把握できるようにした。
水戸岡氏の事務所では、鉄道車両や建築デザインで不可欠とされる模型をあえて作らず、イラストのみを使ってクライアントへの説明やプレゼンを行う。模型や映像で説明するより、完成品が利用されるシーンのイメージが伝わりやすいからだという。
これを踏まえ、ひとつの「モノ」を作るために大量のデザイン画が必要であることを読者に伝えるため、できる限り多くの図版を収録することにこだわった。細かな素材も含めると、画像点数は3,000点近くに。構想段階のスケッチ類や、「提案」として描いた夢のプランなども収録した。
水戸岡氏の意向で文字情報は最小限に抑え、「何度も見返して、そのたびに何かを感じて発見してほしい」との思いを込めた。『水戸岡鋭治 デザイン&イラスト図鑑』はB5判256ページ。3,500円(税別)で販売される。