胸が大きいとすなわち重く、いいことなんてほとんどない

私は胸が大きい。女子からは「うらやましぃー」などといわれるのだが、これがまったくそんなことはない。胸さえ大きければモテるんじゃない? 的な考えも実はそんなことがなくて。だって、「胸でけー! 結婚しようっ!! 」となりますか、男性諸君。

遊びの相手ならそれきっかけもあるだろうけれど、所詮「遊びの女」どまり。マジメに恋愛→結婚をしたいときに胸が大きいという要素は全く役に立たない。きっと、胸が大きい女性と結婚した人も、もしかするとそれがちょっとした要素にはなっていたかもしれないが、結婚の決め手にはなってないのではないだろうか。多くの男性の声を聞いて私はそう思っている。

たった10年しかない"黄金期"

ちなみに筆者は30代でサイズはG65である。胸が大きくなり始めたのは高校生と遅咲き(?)なのだが、そのときはもう恥ずかしくて恥ずかしくて仕方なかった。夏でも、秋冬用のベストを着用して胸の大きさが少しでも隠れるように工夫した。幼少期より武道をたしなんでいたため姿勢は良かったのだが、胸を張って歩くと大きさが目立つため、自然と猫背になって姿勢が悪くなってしまった。

しかし、大学に入って2年もすると吹っ切れる。「これは神から賜りしもの、有効活用しなければ」と考え始め、黄金の20代を迎える。

ところが、よい時代は長続きしない。30代に入ると重力との戦いが始まる。胸が大きいということは重量もあるわけで、当然のことながら、垂れる。ゆえに、筋トレの日々。加齢とともにどんどん胸は下がっていくので、再び黄金期を迎えることはないのだろう。考えるだけでウツ入る。

走ると痛い

大きな胸は、走るとゆっさゆっさと揺れる。これが、結構痛い。胸がちぎれるかと思うくらいの痛さだ。また、上下に揺れるとどんどん胸が垂れていく気もするので、走るときは基本、胸の下に腕を入れて支えにしている。

ブラがかわいくない&高い

大きな胸を支えるためには、しっかりとしたブラジャーが必要だ。華奢でかわいいデザインのブラはD、Eカップくらいまでのケースが多く、またFカップやGカップクラスになるとかなり値段も高くなってきたりする。そう、ブラは大きさで値段が変わる。A~C、D・E、F~などで値段が変わっていくことが多い。

机の上に置くとラク

何度も言うが、胸が大きいと重い。肩がこるのもきっとこれが理由なのだろう。そこで、家ではテーブルのすぐ前に座り、胸(両乳)をテーブルの上に置いてテレビを見ることも多々ある。主人は「それ、やめてぇ~」と顔をしかめるが、ラクなんだからしかたない。ちなみに、同じことをオフィスでやっている女性も時々見かける。勇気あるな……。

男性と話していても目線があわないことが多い

マジメな仕事の話をしているとき、相手の男性とどうも目線が合わない。目の位置より若干下を向いている。そう、仕事の場でもあからさまに胸を見てくる男性がいる。10代の頃は「イヤッッ!!」とその瞬間拒絶反応が出てしまっていたが、最近ではもう慣れてきた。かといって、いくらでもジロジロ見ていい、というわけではないのですよ、男性諸君。

いかがであろうか。日々の苦痛が少しでも伝わっただろうか。こんな風に胸が大きい女子は人知れず、苦労と努力をしているのだ。

イラスト: 伊東ぢゅん子