「インデックス=分散投資が可能」のイメージは間違い? 銘柄の偏り解消を目指す”均等加重型”のインデックスファンド
※ファンドのリスク・手数料等は記事の下部をご確認ください。
新NISAの主な対象商品でもある投資信託の純資産額(残高)が増加しています。昨年には、個人向け投資信託の実質残高が100兆円を超え、その後も上昇を維持。この残高増加をけん引しているのが、インデックスファンドです。
「市場全体に投資しており、分散が効いている」、「投資初心者向き」とも言われるインデックスファンドですが、対象指数別で見た残高上位トップ3は、「時価総額加重型」と呼ばれるもの。時価総額の大きな銘柄の占める割合が高いため、大型株の値動きに影響を受けやすいなどの特徴を持ちます。
こうした時価総額の大きな銘柄に偏ったインデックスファンドとは異なる方向性を打ち出しているのが、インベスコ・アセット・マネジメント社によって2024年5月31日に設定、運用が開始された「インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンド」です。
S&P 500指数の全銘柄に偏りなく投資することで、リスクの回避や分散投資を目指す同ファンド。本記事では、「均等加重型」である「インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンド」の特徴や、設立された背景を深掘りしていきます。
「インデックスファンド=分散が効いている」というイメージは正しいのか
インデックスファンドとは、日経平均やNYダウといった株価指数などの”指標”に連動する投資信託です。値動きのわかりやすさや幅広い銘柄への分散投資、運用コストの低さなどが特徴とされ、「投資の初心者向け」として紹介されることも少なくありません。
24年6月末現在、インデックスファンドの対象指数別で見た残高上位は、
米国株式を対象とする「S&P 500指数」
日本を除く先進国の株式を対象とする「MSCIコクサイ」
新興国を含む世界株式を対象とする「MSCIAC(以下、MSCIオール・カントリー)」
の順になっています。
それぞれ異なるように見えますが、3指数とも時価総額加重型、つまり時価総額の大きい銘柄の割合が高くなる指数であるという共通点があります。
この時価総額加重型のインデックスは、時価総額が大きい銘柄の値動きの影響を受けやすいという特徴があり、銘柄数*から受けるイメージほど分散が効いていない可能性があるのです。
*算出対象となる銘柄数 S&P 500指数:約500銘柄、MSCIオール・カントリー:2,900銘柄超
一方、インベスコ・アセット・マネジメント社が運用する「インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンド」は、S&P 500イコール・ウェイト指数(税引後配当込み、円換算ベース)の動きに連動させ、S&P 500指数採用銘柄に均等に投資することで、「分散投資の実現」を目指すとしています。
上記はS&P 500指数の構成銘柄数が500とした場合の例示です。実際のS&P 500指数の構成銘柄は500社に限定されるとは限りません。上記銘柄への投資を勧誘・推奨するものではございません。
以下では、その特徴をより深く理解するために行った、インベスコ・アセット・マネジメント社へのインタビューをお届けします。
過去最高レベルで生じる時価総額上位銘柄への偏り
―― 「インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンド」を設定した背景は?
近年、米国市場では、大型テクノロジー株がS&P 500指数の構成上位銘柄を占めています。その結果、時価総額上位銘柄への集中度が1999年〜2000年のITバブル期並みに高まっています。
また、S&P 500指数の上位10銘柄のウェイトは過去20年で最高レベルに達しています。
これは、米国株だけでなく世界株式の代表的なインデックスについても同様です。
MSCIオール・カントリーの米国株式のウェイトは、過去最高水準の65%に達しており、やはり米国の時価総額上位銘柄の指数に対する集中度が高まっているのです。
S&P 500指数やMSCIオール・カントリー対象のインデックスファンドが人気を集める背景には、長期で広く銘柄を分散して、世界の成長を資産運用に取り込んでいこうという考えがあるように思いますが、それらのインデックスは、思ったほど分散が効いていないのが実情です。
銘柄間の偏りが過去にないくらい大きくなっている状況を受け、分散投資の選択肢の一つとして「インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンド」を設定しました。
時価総額上位の銘柄がけん引する市場は、そう長くは続かない
―― S&P 500イコール・ウェイト指数の特徴は?
構成銘柄はS&P 500指数と同じですが、算出方法が異なります。
S&P 500指数は、構成銘柄の時価総額の割合を重みづけして算出する時価総額加重平均型のインデックスであるのに対し、S&P 500イコール・ウェイト指数は、「イコール・ウェイト」つまり均等加重型のインデックスとなります。
各銘柄のウェイトは、株価の変動により、日々変動しますので、四半期ごとに構成銘柄のウェイトが均等になるように調整(リバランス)されます。
S&P 500指数の全銘柄に均等投資するため、特定の銘柄だけが指数全体への影響を高めることを回避し、分散投資を実現できるのが特徴です。
過去の株式相場の例からも、時価総額上位の銘柄がけん引する相場は、そう長くは続かないとみるのが一般的かと思います。従って、時価総額中位から下位までの銘柄を満遍なく投資できる「均等加重」という手法を付け加えることでポートフォリオの特性も変わってくるものと思われます。
S&P 500イコール・ウェイト指数を対象とするインデックスファンドは国内初※となります。米国においては、20年以上前からインベスコグループのみが提供させて頂いております。
※出所:QUICK資産運用研究所調べ(基準日:2024年8月14日) 国内公募投信(単位型/追加型)を対象に投資信託協会の商品分類・属性区分(地域:海外(北米)、資産:株式/その他、属性:インデックス型(対象インデックスがS&P500指数に関連する指数名称の記載があるファンド))で比較したもの(除く、2006年以前に償還したファンド)。
長期的にはS&P 500指数を上回るパフォーマンス
―― 気になるパフォーマンスは?
2000年以降のパフォーマンスを振り返ると、年率リターンはS&P 500指数が7.53%、S&P 500イコール・ウェイト指数は9.60%となっています。
始点を100として指数化。累積リターンは%で表示
*米ドル建て、税引前配当再投資ベース。上記グラフは両指数の実績であり、ファンドのパフォーマンスではありません。
上記は過去のデータであり、将来の運用成果を保証するものではありません。
相場変動により一時的にS&P 500指数のパフォーマンスが上回ることはありますが、長期投資の観点ではS&P 500イコール・ウェイト指数の成績は堅調に推移しています。
―― 好パフォーマンスの要因は?
長期的に見れば、時価総額上位銘柄よりも、下位銘柄の方が成長していく銘柄が多い傾向にあります。
上記は過去のデータであり、将来の成果を保証するものではありません。また、上記銘柄への投資を勧誘・推奨するものではございません。
過去20年間では、S&P 500指数の構成比率は上位50銘柄で全体の56%を占めるのに対し、下位50銘柄は1%に留まります。一方、パフォーマンスをみると、上位50銘柄よりも下位50銘柄が年率リターンで5%も上回る結果となっています。
S&P 500指数では、時価総額が小さい銘柄が上昇しても、指数への影響は限定的です。
S&P 500イコール・ウェイト指数の特徴の一つである均等加重により、時価総額が小さい銘柄の好パフォーマンスをインデックス全体に大きく反映できたことが、相対的な好パフォーマンス要因の一つと考えられます。時価総額が小さい銘柄のパフォーマンスが悪いときは、その影響はS&P 500指数と比較すると大きくなります。
また四半期ごとのリバランスが利益確定と割安銘柄の購入、つまり「安く買って高く売る」ことになり、相対的な好パフォーマンスに繋がっているとも言えます。
四半期ごとの「安く買って高く売る」ことになるリバランスによって割高になりにくく、タイミング選ばずに投資しやすいというのもS&P 500イコール・ウェイト指数の特徴の一つに挙げることもできるでしょう。
●販売証券会社
auカブコム証券株式会社
株式会社SBI証券
松井証券株式会社
マネックス証券株式会社
楽天証券株式会社
●ファンド情報
インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンド
https://www.invesco.com/jp/ja/individual-investor/funds/featured-funds/SP500_Equal_Weight_Fund.html
ファンドの詳細・リスク・費用はこちらから
https://www.invesco.com/jp/ja/individual-investor/funds/detail/142403.html
ご留意事項
■ 当資料は、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社が提供した情報を元に、みんかぶ編集室が作成した資料です。
■ 投資信託は預金ではなく、預金保険制度の対象ではありません。
■ 投資信託は金融機関の預貯金とは異なり、元本及び利息の支払いの保証はありません。
■ 証券会社以外で投資信託をご購入された場合は、投資者保護基金の支払いの対象にはなりません。
■ 投資信託は、値動きのある有価証券などに投資します(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)ので基準価額は変動します。したがって、元本が保証されているものではなく、投資元本を割り込むことがあります。
■ 投資信託財産に生じた利益および損失はすべて受益者に帰属します。
■ 過去の運用実績は将来の運用成果等を保証するものではありません。
■ この書面及びここに記載された情報・商品に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面による同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。
インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンドのリスクや費用などについて
■ 投資リスク
ファンドは預貯金とは異なり、投資元本は保証されているものではないため、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて受益者に帰属します。
■ 基準価額の変動要因
ファンドは上場投資信託証券(ETF)への投資を通じて、実質的に外国の株式など値動きのある有価証券等に投資しますので、以下のような要因により基準価額が変動し、損失を被ることがあります。
?価格変動リスク、?信用リスク、?カントリー・リスク、?為替変動リスク、?流動性リスク
※ 基準価額の変動要因は、上記に限定されるものではありません。投資リスクの詳細およびその他の留意点等の詳細については投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
購入のお申し込みの際は、投資信託説明書(交付目論見書)をあらかじめまたは同時にお渡ししますので、必ず内容をご確認いただき、ファンドの内容・リスクを十分ご理解のうえ、ご自身でご判断ください。
購入時手数料 ・・・・・・・3.30%(税抜 3.00%)以内
運用管理費用
(A)年率 0.33%(税抜 0.30%)
(B)投資対象とする上場投資信託証券(ETF)※:年率0.20%
※上記は本書作成時に委託会社が入手し得る公表データを掲載したものであり、今後変動する可能性があります。また、投資対象ETFの見直しに伴い変 更される場合があります。(A+B)実質的な負担:年率0.53%(税込)程度
*上記の値は目安であり、実際の上場投資信託証(ETF)への投資比率等によって変動します。
信託財産留保額 ・・・・・・ありません。
その他の手数料等 ・・・・・上記費用の他に、保有期間などに応じてご負担いただく費用があります。
投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認ください。
お客さまにご負担いただく費用の合計額については、保有期間などに応じて異なりますので、表示することができません。
■ 収益分配金について
分配金は、預貯金の利息とは異なり、投資信託の純資産から支払われますので、分配金が支払われると、その金額相当分、基準価額は下がります。
分配金は、計算期間中に発生した収益(経費控除後の配当等収益および評価益を含む売買益)を超えて支払われる場合があります。したがって、分配金の水準のみからファンドの収益率を求めることはできません。
受益者のファンドの購入価額によっては、分配金の一部ないし全部が、実質的には元本の一部払戻しに相当する場合があります。
■ 当ファンドの対象インデックスについて
S&P500 イコール・ウェイト指数はS&P Dow Jones Indices LLCまたはその関連会社(「SPDJI」)の商品であり、これを利用するライセンスがインベスコ・アセット・マネジメント株式会社に付与されています。Standard & Poor’sⓇおよびS&PⓇは、Standard & Poor’s Financial Services LLC(「S&P」)の登録商標で、Dow JonesⓇは、Dow Jones Trademark Holdings LLC(「Dow Jones」)の登録商標です。インベスコ S&P 500 イコール・ウェイト・ファンドは、SPDJI、Dow Jones、S&P、それらの各関連会社によってスポンサー、保証、販売、または販売促進されているものではなく、これらのいずれの関係者も、かかる商品への投資の妥当性に関するいかなる表明も行わず、S&P 500 イコール・ウェイト指数のいかなる過誤、遺漏、または中断に対しても一切責任を負いません。
■ 商号等:インベスコ・アセット・マネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第306号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
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「十分に分散投資効果を図れていますか?偏ったインデックス投資の処方箋」
https://itf.minkabu.jp/news/1862
MINKABU(投信)の記事をもとにライブドアニュース編集
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