「カスハラする人」最多の年齢層は?
2025年1月9日(木)15時3分 マイナビニュース
アフターコールナビは1月9日、「カスタマーハラスメントの要求の対応」に関する調査の結果を発表した。調査は2024年12月19日〜12月22日、自社でカスタマーハラスメントを受けた(または報告を受けた)ことがある経営者1,024人を対象にインターネットで行われた。
○カスハラを行った相手の年齢
まずはじめに「カスタマーハラスメントを行った相手の年齢層はどれくらいでしたか?」と質問したところ、「40代(39.1%)」が最も多く、「50代(35.5%)」「30代(31.0%)」が続いた。この年齢層が社会的・経済的に重要な立場にある一方で、カスタマーハラスメントを行ってしまう傾向にあるようだ。
次に、カスタマーハラスメントを受けた際の対応について尋ねた。
「カスタマーハラスメントで受けた要求に、どのような対応をしましたか?」と質問したところ、約6割が「部分的に応じた(31.3%)」「全面的に応じた(24.6%)」と回答した。多くの経営者がカスタマーハラスメントに対し、何らかの形で対応せざるを得ない状況にあることがうかがえる。前問で「部分的に応じた」「全面的に応じた」と回答した人に「カスタマーハラスメントで何を要求されましたか?(複数回答可)」と質問したところ、「金銭的補償(48.6%)」が最も多く、「公開での謝罪(35.5%)」が続いた。金銭や謝罪といった要求が多く、問題解決の難しさが浮き彫りになった。
○対応後にさらなる要求をされた人は3割
カスタマーハラスメントで「土下座」を要求されたと回答した人に「土下座の後、追加で何か要求されましたか?(複数回答可)」と質問したところ、「謝罪文の提出(72.6%)」が最も多く、「商品・サービスの無償提供(50.4%)」「金銭的補償(41.6%)」が続いた。
土下座を要求するカスタマーハラスメントは、単なる屈辱的な行為の強要にとどまらず、さらなる要求のきっかけとなっていることが示された。
さらにカスタマーハラスメントで「金銭的補償」を要求されたと回答した人に「要求された金額はどの程度でしたか?」と質問したところ、「10万円〜15万円未満(22.7%)」が最も多く、「5万円〜10万円未満(16.9%)」「1万円〜5万円未満(13.0%)」が続いた。要求金額には幅があるものの、比較的大きな負担となるケースが少なくない。
続いて、「対応後、相手はどのような反応をしましたか?(複数回答可)」と質問したところ、「不満を残して終了した(44.2%)」が最も多く、「納得して収束した(27.8%)」「さらなる要求をした(25.6%)」が続いた。
4割以上が「不満を残して終了した」と回答したことから、問題が完全には解決されなかったことを示唆し、将来的に再発する可能性があることを暗示している。「納得して収束した」ケースは3割に満たないことから、現在の対応方法の限界を示しており、より効果的な対策が必要であることを示唆している。
前問で「さらなる要求をされた」と回答した人に「さらなる要求の内容は何でしたか?(複数回答可)」と質問したところ、「追加の商品・サービスの無償提供(46.6%)」が最も多く、「担当者の処分(42.0%)」「契約内容を超えた過剰な要求(38.6%)」が続いた。
約半数が追加の無償提供を要求された経験があることが明らかになった。他にも、担当者の処分を求める要求が4割以上にのぼり、一部の顧客が企業側の譲歩を利用して不当な利益を得ようとしたり、特定の個人を攻撃する傾向が見られる。
○カスハラが企業へ与える影響
「カスタマーハラスメント対応によって影響を受けたものは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、「従業員のメンタルヘルス(47.2%)」が最も多く、「業務の進行(40.3%)」「経済的な損失(33.3%)」「職場の雰囲気(33.3%)」が続いた。
従業員のメンタルヘルスへの影響が約半数と最も高く、カスタマーハラスメントが単なる業務上の課題を超えて、個人のメンタルヘルスに直接的な悪影響を与えていることを示唆している。また、業務の進行や経済的損失、職場の雰囲気への影響も高い割合を示しており、カスタマーハラスメントが企業の生産性、財務、そして組織文化全体に負の影響を及ぼしていることが示された。
さらに「カスタマーハラスメント対応が完全に終結するまで、かかった総時間はどれくらいですか?※最も長くかかった対応時間をお答えください」と質問したところ、「1時間〜3時間未満(20.2%)」が最も多く、「30分〜1時間未満(17.8%)」「3時間〜6時間未満(11.8%)」が続いた。短時間で終わらないケースも多く、こうした対応の長時間化が企業の負担となっていることがうかがえる。
最後に「カスタマーハラスメントの対応で大変だったことは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、「対応にかかる時間が長く、業務に支障をきたした(43.6%)」が最も多く、「従業員のメンタルヘルスへの影響が心配だった(42.1%)」「顧客の要求が過剰で、どのように対応すべきか判断が難しかった(32.6%)」が続いた。
業務への支障が最も多く挙げられていることは、カスタマーハラスメントが企業の生産性や効率性を直接的に低下させる要因となっていることを示している。カスタマーハラスメントが単なる業務上の問題を超えて、個人のメンタルヘルスにも重大な影響を及ぼしている様子がうかがえる。