「がんに効く生活」とか

1972年9月生まれ。男性。2013年まで精神科医をしていました。リンクは自由です(連絡不要)。

成長の限界

「哺乳類誕生 乳の獲得と進化の謎」(酒井仙吉著)p252

大規模な相互扶助は人類の歴史になかったことであり、そのうえ地球上から敵対するものがいなくなった。こうして起きたことが人口爆発であり(中略)、この200年間で、10億人が70億人を越えた。

(引用はここまで)

 

前掲書p253

人口の増加は地下資源の利用を契機として始まり、障壁になっていた食糧難を地下資源が取り去った。ギネスブックにある女性の世界最多出産回数は27回で、日本でも太平洋戦争当時、子供10人以上は珍しくなかった。食料事情が改善されたことで人口の急増は必然であった。人口の増減は合計特殊出生率から類推できる。先進国では2.07で増減はないとされているが、世界の平均は約2.5である。WHO(世界保健機関)は、国連加盟193ヵ国中で2.1以上を118ヵ国とする。多産系の動物はたくさんいるが、平均すれば一頭の雌が生涯で残す雌は一頭である。人類のみが自然のしきたりから外れている。

「生きることは食うこと」といわれるが、食料(生活資源)はどうだろう?

栄養バランスがとれ、必要なカロリーが必須であることに議論の余地はない。ところが世界では発展途上国の子供を中心に8億から10億人が慢性的な栄養不足であり、深刻な状態といえる。かつて食料不足は分配の不公平によるとされたが、現在ではその理屈に説得力はない。少しの不作で餓死者が出る。絶対量が不足しているからで、「これ以上の人口を養う余力は地球にのこされていない」というのが適切である。

食料を自分で生産する動物は人類以外にないが、それでも太陽からの恵みの範囲内で生きてきた。この制約で200年前まで世界の人口は10億人を越えなかった。日本ではコメの収穫量に連動して人口が増減した。江戸時代初期、新田が生まれると人口は急増、造成が禁止されて水田面積が広がらないと停滞した。

幕末から一世紀で10アールあたりのコメの収量は約150キログラムから500キログラムを超えるまでになった。幕末の単収が自然の恵みで生産できる収量である。つまり日本の国土で可能な供給量は江戸末期の人口3400万人分となる。顕著な増加は肥料と農薬が普及してからである。尿素が食料増産に大きく貢献したことで、窒素肥料の発明者ハーバーは「空気からパンを作った人」と称賛されるが、現在は「?」が付く。世界で地力の低下という荒廃を招いたからである。

人類は地下資源を浪費することで生活圏を広げた。その反動が環境破壊を生み生態系を破壊した。枯渇は時間の問題となり、争奪の争いは日常茶飯事となる。まさに砂上の楼閣で、いずれ最悪の事態が訪れるだろう。中東でいわれる「祖父はラクダで移動した。私は自動車、息子はジェットである。そして孫はラクダで移動することになるだろう」という言葉が現実味をおびる。

1972年、ローマクラブが「成長の限界」で、「人口増加や環境汚染などの現在の傾向が続けば、100年以内に地球上の成長は限界に達する」としたことに耳を傾けるべきである。

(引用はここまで)

 

グローバリスト達はこの事に確実に気付いている。

そして、手を打っている。

ワクチンで人口を削減する。

石油、天然ガスを使わせないようにする。

貧富の差が生じた方が、人口は減るだろうから(子供を産む余力を持てないだろうから)、貧富の差が拡がる政策(消費税を増やすとか)をこれからも進めるだろう。