ねこづらどき３

石山寺から坂本に移動しました。坂本は延暦寺と日吉大社の門前町として栄えた町で、延暦寺で修行を終えた高僧が隠居所として里坊を構えた町としても知られます。旧竹林院はその里坊の一つ、天正二十年（１５９２年）に建てられました。

面積は３３００㎡と広いですね。高僧とは言え、隠居所がこんなに大きいとは思っていませんでした。敷地内には二階建ての母屋と２棟の茶室があり、敷地の大半は小川の流れる回遊式の庭園になっています。明時以降資産家の手に渡たり、母屋は明治三十年（１８９７年）に建て替えられています。そして現在は大津市の所有となっており、一般に公開されています。

紅葉の名所としても知られており、この日も平日にも係わらず結構な人が訪れていました。一階と二階の両方によく磨かれた机が置かれており、今流行のリフレクションが撮れる様に配慮されています。

残念ながら紅葉は色付き半ばで、特に母屋から見える範囲は青葉でした。この前の日吉大社参道のもみじは見頃に染まっていたのですけどね、中と外でこんなに差があるとはなんとも意外でした。

紅葉は残念でしたが、これだけ見事な日本庭園は他所ではなかなか見る事が出来ません。それに緋毛氈を敷いた床机と赤い和傘をあしらった演出がとても雅びで、入った甲斐はありました。

青葉の多かったもみじでしたが、中には早く色付いた木もあり、部分的にですが敷紅葉になっていました。今頃は庭全体がこうなっている頃かしらん。これだけ見応えがあるのに拝観料は３３０円、京都の拝観料が如何に異常かと改めて思った次第です。