アニメ業界各社のDVD販売の特徴

ImpressのAV watchにあるDVD発売日一覧から。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/dvdship/


ここに検索機能を使って、期間を2007年の2月13日から2008年の2月26日までに設定し、ジャンルを「アニメ」に絞って検索します。
すると、去年からおおよそ1年間に発売されたアニメのDVDのタイトルが表示されます。
このリストをインポートして、メーカーごとのタイトル数を集計してみました。
AV watchのリストは、けっこう怪しいところがあるので確実な数字ではないのですが、傾向を掴む程度には参考になるのではないでしょうか。
とりあえず、日本アニメに限定したいので、海外アニメは削除です。
上位20位までをピックアップします。

Num メーカー タイトル数
1 バンダイビジュアル 308
2 ジェネオン エンタテインメント 208
3 ポニーキャニオン 178
4 ANIPLEX 151
5 角川書店 96
6 キングレコード 92
7 ハピネット・ピクチャーズ 79
8 VAP 67
9 東映ビデオ 59
10 AVEX 55
11 メディアファクトリー 46
12 アミューズ 32
13 アスミック 23
14 フロンティアワークス 21
15 GDH 21
16 ユニバーサル ピクチャーズ 18
17 ワーナー・ホーム・ビデオ 14
18 マーベラスエンターテイメント 13
19 東映アニメーション 13
20 角川エンタテインメント 10

やはりバンダイビジュアルが強いですね。
続いてジェネオンエンタテインメント、ポニーキャニオンが付けてます。
アニプレックスは4位で角川書店が5位と善戦してます。


アニメでは、1つのタイトルで通常版と初回限定版を出すことが多いので、これを区別します。
あわせて、旧作をDVD-BOXなどで再販売しているものも分別してみました。
限定版でも旧作(BOX)でもないものが新作の通常版ってことになります。
ここからは手作業でフラグを立てていったのですが、最初のリストがおかしかったので作業もけっこう雑にやってしまいました。
信憑性が要求されるプレゼンではこのデータは使わない方がいいと思います。

Num メーカー 通常版 初回版 BOX(旧作)
1 バンダイビジュアル 193 29 86
2 ジェネオン エンタテインメント 133 56 19
3 ポニーキャニオン 114 23 41
4 ANIPLEX 111 20 20
5 角川書店 52 42 2
6 キングレコード 55 23 14
7 ハピネット・ピクチャーズ 44 15 20
8 VAP 49 6 12
9 東映ビデオ 20 1 38
10 AVEX 35 11 9
11 メディアファクトリー 37 8 1
12 アミューズ 20 2 10
13 アスミック 10 11 2
14 フロンティアワークス 10 10 1
15 GDH 13 4 4
16 ユニバーサル ピクチャーズ 16 1 1
17 ワーナー・ホーム・ビデオ 2 0 12
18 マーベラスエンターテイメント 10 3 0
19 東映アニメーション 1 1 11
20 角川エンタテインメント 5 5 0

これをグラフにしてみます。

グラフは総タイトル数ランキングの10位までに絞りました。
赤の棒が長いのが初回版を多く出しているメーカーです。
角川書店は圧倒的に多いですね。続いてジェネオン、Avex、スタチャなどが目立ちます。
こうして比較してみると、角川の多さは異常にも思えてきます。


黄色の棒の旧作のリリースに着目するとバンダイビジュアルやポニーキャニオン、ハピネットが目立ちます。
バンダイビジュアルはガンダムとかの旧作ロボアニメが豊富に揃っている強みがあり、BOXではなく毎月2,3本バラ売りする形式をとっているものが目立ちます。
ポニーキャニオンもこの期間でドラゴンボールを集中的にリリースしています。これも毎月2,3本ペースでバラ売りです。
東映ビデオは異常値扱いですね。新作はほとんど無くて調査対象期間にビックリマンを集中的にバラ売りリリースしています。
逆に黄色が少ないのは角川、ジェネオンあたりです。
角川は少し前まではハピネットでDVDを出していたこともあり、旧作がほとんど無いのが実情でしょうか。
ジェネオンはパイオニアLDCの資産があるのですが、バンダイビジュアルやポニキャのようにバラ売りではなくTV-BOXという形で売っていたので、タイトル数で計算すると少なくなってしまったようです。


青の線が長いのは新作タイトルのリリースが多いところです。
ANIPLEXとVAPが目立ちます。これら2社は全タイトルの7割が新作ということになります。
VAPはトムス作品のDVD販売が多いので、以前の調査によるとトムスの生産力が高いということがあるので、比例して新作のタイトル数も多いようです。


次回は余力があれば各社のマーケティング戦略について考察してみようかと思います。