本日の怪異/《空から小鳥が墜ちてくる》

※ 以下の映像はいくらかショッキングなものになっている。心してご覧になられたし。

 映像は、メキシコ北部7日の出来事。

 鳥たちの死体が一箇所に集中して落ちているということ自体は決して珍しくはない。たとえば、時期的にはさほど違いのないPembrokeshire: Hundreds of dead birds found after fall from sky - BBC Newsみたいな報道もある。しかし、見ればわかるように、そうした報道映像のほとんどは、地に墜ちた鳥たちの死体を捉えたものであるにすぎない。鳥たちが落ちてくる瞬間を映すことはまずなかった。

 しかし、この映像は一体全体どういうことなのか。

 

 当局によれば現在原因不明という。せいぜいそのあたりが確実なところか。ググると超常現象系サイトだとかタブロイド紙とか怪しげなページにたどり着いてしまうのがよろしくない。それでも一応は、暖房器具からの有毒ガスにやられたんぢゃないかとか、電線に何か過電流みたいなのが流れたせいぢゃないかとか、それらしき諸説がないわけでもない。ただいずれも決定的な証拠には欠けているというのが現状か。

 いずれにせよ、一斉に降り注ぐかのように下降し、死んだ仲間を放置して再び舞い上がる鳥の群れには、何とも云えない禍々しさが宿っている。怪しげなサイトが好んで取り上げたがるのも宜なるかな。

 

 ついでながら、これも防犯カメラによる映像。撮影装置の遍在の威力、ますます以て恐れ入谷の鬼子母神だわん。

 

 もたもたこれを書いている最中に、ロイター日本語版YouTubeチャンネルにもこの映像が取り上げられた。「空から大量の『死んだ鳥』が降ってくる、メキシコで怪現象を撮影」(Reuters Japan、YouTube)がそれだ。差し替えるのが面倒臭いので、ここではリンクを設けて紹介するに留めるが、元英語版にない解説が字幕として付されていて一層わかりやすいヴィデオになっている。

 《空から小鳥が墜ちてくる》となると田村隆一「幻を見る人」*1を思い出さないわけにはまいりませんわな。そちらの小鳥は一羽っきりなのだけれども。

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