アフガン政府、タリバンと接触のEU職員らに退去命令

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071226id23.htm

 【イスラマバード=佐藤昌宏】アフガニスタン政府は25日、同国に駐在する欧州連合(EU)職員のアイルランド人と国連職員の英国人に対し、アフガンの安全を脅かしたとして48時間以内に国外退去するよう命じた。

 現地からの報道などによると、2人は最近、南部ヘルマンド州ムサカラ地区で旧支配勢力タリバンと接触したとされる。退去処分を受けた2人の氏名などは明らかにされていない。

(2007年12月27日0時34分 読売新聞)

■<アフガン>地方政府でタリバン登用広がる 地域安定に寄与
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071110/1194704065
とかありましたが、接触しちゃいけないタリバンもあるんですか。良く分からないですね。

と思ったら、こんな↓記事もありました。

■英のMI6、タリバンと和平目指し極秘会談…英紙報道
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071226-00000014-yom-int

 【ロンドン=森千春】26日付の英紙デイリー・テレグラフは、情報機関筋の話として、英対外情報部(MI6)がアフガニスタンで、イスラム原理主義勢力タリバンの指導者らと、和平を目指す極秘会談を行ったと報じた。

 同紙によると、会談は、今年夏から、南部ヘルマンド州州都ラシュカルガ郊外などで6回ほど行われた。会談場所周辺の警備は、英軍部隊が担当。会談には、アフガニスタン政府関係者も同席した。

 タリバンは、南部で英軍など国際治安支援部隊(ISAF)やアフガン国軍と戦闘を続けており、アフガニスタンの治安不安の最大の原因となっている。

 英政府は、同紙の報道へのコメントを拒んでいる。ブラウン英首相は、今月下院で「(敵である)タリバン指導者らとは交渉しない」との英国の立場を改めて説明していた。

ヘルマンド州という点では上と同じですが、ヘルマンド州(Wikipedia)見てもムサカラ地区と、ラシュカルガ郊外が同じかどうか分かりませんでした。

追記:一番目の記事のヘルマンド州ムサカラと言うとこんな記事がちょっと前にあったの思い出しました。
■タリバン占領地区、10か月ぶり奪還…アフガン
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071211id24.htm

 【カブール=佐藤昌宏】アフガニスタン国防省は10日、同国軍と北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)などが同日に旧支配勢力タリバンが今年2月から占領を続けていた南部ヘルマンド州ムサカラ地区中心部を奪還したとの声明を発表した。

 同州北部にあるムサカラは、2006年にISAF所属の英軍とタリバンとの間で激戦が続いた地区。タリバンは、英軍が同年末までに現地の長老らの仲裁による休戦協定を結んで同地区から撤退した間隙(かんげき)をついて侵入、国内の最大出撃拠点としてきた。
 だが、タリバンの占領がこれ以上長期化すれば、奪還は困難になるとの判断から、住民約400人を避難させ、7日に作戦を開始した。

(2007年12月11日22時59分 読売新聞)

しかし、NATO軍が奪還してすぐに国外退去になった人がいると言うのもなにか引っかかりますが、詳しいことは分からずじまいでしょうね。

ムサカラはタリバンにとっても重要な場所だったようで。
2007/10
■アフガニスタンでタリバン勢力約80人を殺害=米軍
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071028-00000708-reu-int

 10月28日、アフガニスタン南部で米国主導の多国籍軍とアフガン軍がタリバン勢力と衝突、タリバン兵約80人が死亡。写真はアフガニスタン南部カンダハールでのアフガン軍兵士。27日撮影(2007年 ロイター/Finbarr O'Reilly)

 [カブール 28日 ロイター] アフガニスタン南部で米国主導の多国籍軍とアフガン軍がタリバン勢力と衝突、6時間におよぶ戦闘でタリバン兵約80人が死亡した。米軍が28日明らかにした。

 タリバン兵士が27日、ヘルマンド県ムサカラで多国籍軍とアフガン軍の合同哨戒隊に対し、機関銃と携行式ロケット弾による攻撃を開始した。同地はタリバンが重要な拠点とする場所。

 米軍は声明で「合同哨戒隊は直ちに反撃して作戦行動を開始、近接航空支援を要請した。6時間の交戦でタリバン兵70数名が殺害された」と発表した。

 アフガニスタンでは、タリバン兵は通常空爆を受ける前に逃げるため、今回のような大規模な戦闘が発生するのは比較的まれ。ただ専門家は、ムサカラでは、タリバンも拠点死守のため激戦する構えだと指摘している。

コメントで麻薬に関する指摘をいただいたのですが、この↓辺りが詳しいかな。
2007/08
■<アフガン>ケシ収穫量が世界の93%に 栽培面積も拡大
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070828-00000017-mai-int

 【ニューデリー栗田慎一】アフガニスタンのケシの今年の収穫量が、世界の約9割を生産した昨年の6200トンを34%も上回り、8200トン(推計値)に上ったことが27日、国連薬物犯罪オフィス(UNODC)の調べで明らかになった。ケシ栽培は「旧支配勢力タリバンなどの資金源」とされ、日本など国際社会が対策に資金援助している。その一方で、アフガンの国境警備隊は毎日新聞に対し「パキスタン国境付近に約80のヘロイン精製所が新設され、アフガンはケシ輸出国から商品のヘロイン輸出国へと転換しつつある」と明らかにした。

 UNODCは毎年、ケシの収穫が終わる7月からその年の収穫量を推計。栽培面積は過去最多だった昨年の16万5000ヘクタールから19万3000ヘクタールへ拡大し、特に南部ヘルマンド州では48%も広がった。

 収穫量も今年は世界の93%に達する見込みだ。

 アフガン政府によると、主な生産地はヘルマンド州や東部ジャララバード付近で、タリバンや関連する武装勢力が勢力を伸ばしている地域。米国は昨年、ケシ対策に植物を枯らす特殊薬剤の空中散布をアフガン政府に提案したが、カルザイ大統領は「市民の健康などに悪影響を及ぼす」と拒否し、抜本的な対策は打つ手なしの状態だ。

 一方で近年、麻薬の「原料輸出国」だったアフガンが、ヘロインの「生産国」へと変化しているという。

 薬物の密輸を空港や国境で取り締まっているアフガン国境警備隊幹部によると、2年前からパキスタン国境付近を中心にケシからヘロインに加工する秘密工場が増え始めた。その数は確認されただけでも約80と言い、「実際はその何倍もの工場が乱立している可能性が高い」と指摘した。

 幹部によると、ヘロインの主な密輸ルートは国境を接するイランやパキスタン、中央アジアへの陸路だが、国際空路の相次ぐ開設で空からの密輸も増加。特にインド、アフリカ、中国への便の搭乗者の摘発が多い。アーモンドの中やじゅうたんの編み込みの間、靴底、体の中に隠し持つケースが目立っている。

 麻薬がタリバンの資金源になっているとの批判が強いが、タリバンのアフマディ報道官は毎日新聞の電話取材に対し、「麻薬ビジネスは政府や州政府幹部こそが手を染めている。彼らの関与なくして麻薬は国境を越えられない」と反論している。

この後すぐ、
■アフガンで麻薬生産が拡大していることについて、国際社会が結束した対策を打ち出せていないと批判
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070903/1188771309
の報道がありました。結局麻薬に関しては責任の押し付け合いと言う感じで、良く分からないですね。

2007/12
■アフガン軍、南部でタリバーンの主要拠点を奪回
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200712100020.html

(CNN) アフガニスタン国防省の報道官によると、南部ヘルマンド州でイスラム強硬派勢力タリバーンの「最後の拠点」とされるムサカラの奪回作戦を展開していたアフガン軍と米英軍は10日、同市を「完全に占拠した」と発表した。AP通信が伝えた。

ただ、同報道官によれば、市内ではその後も戦闘が続いているという。

ムサカラは、ケシの栽培地として知られる同州北部の町。昨年、英軍が治安権限を地元長老に移譲して撤退したが、今年2月からタリバーンが支配していた。アフガン軍は地上と空から英米軍の援護を受け、大規模な作戦を実施していた。

一方、国防当局者らによると、中部ワルダク州では同日、悪天候のなかでアフガン軍のヘリコプターが墜落し、4人が死亡した。

ともかくムサカラが直ぐに何の問題もない平和な町になるとは考えづらいようですね。