Milk & Water

水で割った牛乳、転じて、毒でもないが薬にもならないもの(またそういう人生)

父の影が消えた日々|雨と雷の連日

ここ二週間ほど連日雨と雷が続き、ついに今朝にかけて初雪が降った。北陸では、雷が雪を連れてくる。初雪の前は決まって数日にわたり雷が鳴り響く。毎年そうなのに、毎年そうだった、と思う。

ここ最近のわたしはといえば、天気が悪いせいで引きこもりに拍車がかかっている。デイケアにも半月ほど顔を出さず(本当によくないけれど電話をする気力もなくて無断で休み続けている)、かといって家にいると自分とふたりすぎて、本当は自分の孤独くらい自分で処理したいのに誰かに電話を繋いでもらったり、過食嘔吐で誤魔化したり、最近のわたしは本当によくない。しかも一日で4回も電話をする日もあって、もうわけがわからない。わけがわからないんですよ。

わたしが本来なりたい姿って、自分で選んだ孤独を自分で守れるってことなんじゃないですかね。現状わたしは孤独を選びとるどころか毎日ひとりで頭がおかしくなってますが。それこそ小学三年生までのわたしは、無自覚だけれど今のわたしがなりたいわたしだった。自分で孤独を選び、自立(というより独立か)して、孤独を守っていた。やや発育やら発達やらの遅れていたわたしは、小学三年生まで「友達を作る」ということの意味がわからなかった。もはや「友達」という観念を知っていたかすら怪しい。同時に、「友達がいない」と「教師や周りの大人が心配して目をかけてくる」ということにも無頓着だった。本当に、心底、無敵の子供だったのだ。当時のわたしの昼休みの過ごし方といえば、カタカナのロの字型の校舎(母校は3階建てに真四角の校舎が連なっており、2階部分だけ「夢の架け橋」という渡り廊下があった)の廊下をエンドレスに散歩したり、図書室で端に追いやられた表紙の冷えた海外文学を片っ端から読んだりとどれもひとりで完結する遊び方ばかり。いつからこんなに孤独に耐えられなくなったんだろう。小学三年生まで、と書いたが、小学四年生から友達を作るようになったのは、決して寂しくなったからだとか、孤独に耐えかねたからではない。ひとりで孤立している子供と思われると面倒だという考えに至る程度には、発育が追いついたからだった。幸いわたしは人前で自分を取り繕うのが得意なタイプで、去年まで孤立していたとは思えないくらい上手く友人を作った。だから少なくともその頃はまだ孤独が好きだった。

ではいつかと言われると、高校2年の春に父を亡くして自分の人生が瓦解するのを感じた瞬間か、大学に進学して一人暮らしを始め家に自分しかいない状態がさみしいと思った瞬間か、どちらかな気がする。大きなターニングポイントとしては前者だが、前者のときは孤独を恐れるほどの精神的余裕もなく、だとしたら後者のような気もするが後者で孤独が怖くなった要因としては間違いなく前者も絡むので、だとしたら前者か。わたしの人生は、父の生前と亡き後でまるっきり変わった。

こんなふうに書くとわたしが父のことを愛していたようだが(というか表面上はそうなのだが)、本当は違う、のだと思う。わたしは「父」という我が家で圧倒的な地位に立つ人間を愛していると自分を騙し、この人が言う通りにしていたら人生すべてが大丈夫なんだ、と自己暗示に欠けていたのだ。それを自分で認められたのはここ5年ほどの話である。ちなみにこの「自分よりうんとしっかりしている広義の大人」である他者に従ってしまう性質は今でも抜けていない。でもそんなことはいまさら亡き父のせいにしてもしょうがないのだ。

つまりわたしが孤独と向き合えなくなったのは、父という隣人が消えたからなのではないかとこれを打ちながらはじめて思い当たった。わたしの精神性は父の隣で育まれてきていた。自分の生きる指針がなくなって、自分の人生が自分ひとりきりのものになって、怖いのだ。父が亡くなって今年で10年になる。つまりわたしはまだ10年しか自分の人生を歩んでおらず、しかもそのうちのほとんどが父の亡き後に発症した精神病により沈んだ日々なのだ。そりゃあ怖いよねえ、と自分に同情するし、でもそんなことも言ってられない年齢よね、とも思う。どうしたらいいんだろうと思いながら地軸を無くしたわたしの地球は回り続ける。

氷までコーヒーのコーヒーを頼むときほど案外店に滞在しない

きのうは自立支援・障害者手帳手帳・年金の更新のために、精神科へ診断書を貰いにいった。9時に病院が開くから、8時56分に着く電車で駅に辿り着き、そこから徒歩3分ほどのところに病院はあるのでほぼ診療開始と同時に入る。待合室は混んでいた。多少待つかなーと思いながら診察券を出し、「保険証も出した方がいいですか?」と訊くと「いえ」とシンプルに返される。椅子に座って待っていると、ほんの数秒でまた名前を呼ばれ、診断書を手渡されて「10480円です」と告げられる。高い。高いなぁ、と思いながら財布から一万円札と五円玉を出し、病院を後にする。

てっきり病院でもっと待たされるかと思っていたのだ。きょうわたしはミスドに行きたいのに、ミスドの開店までまだ50分はある。次の電車までは1時間半以上あるし、とりあえず喫茶店に入る。

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シャモニーesのリアルコールドコーヒー。氷もコーヒーでできているので、溶けても薄まらず、何時間か居座るときに頼みたい一品。650円くらい。普通の水出しコーヒー(コールドコーヒー)は550円なので、すこし高い。だからesに来たときには、きょうはリアルコールドコーヒーを頼むべきかどうか、よく考えなくてはいけない。

きょうは1時間と20分ほど時間を潰したかった。あと店内は暖房がかなり効いていて、氷が溶けやすいかも、と思い悩んでリアルコールドコーヒーを注文。いつ見ても氷がコーヒーなのがうれしい。本を読みながらコーヒーを飲む。esはストローがプラスチックストローなのも、うれしい。スマホを見たり本を読んだり交互にしながらコーヒーを飲み進めていくが、一向に氷は溶けない。そう、このコーヒー、かなり大きい氷がしっかり五つも入っているため、お互いで冷やしあって溶けづらいのだ。それに毎回頼んでから気づく。気づくというか、知っているけど、実感する。あーきょうも100円無駄にしてしまった、でもおいしいし特別だった、と思いながら退店。ミスドへ向かう。

ミスドはいま台湾フェアをやっていて(フォロワーが食べていたのを見て知ったのだった)、胡椒餅風パイがおいしそうだったのでそれを食べたくてまず注文。あとはいつも通りハニーチュロポンデリング

ホームで電車を待っていると、件のフォロワーからLINE。雑談をしつつ電車に乗り込み、「ねえ、きょう電話しない?」「ていうか電車混みすぎててやばい、なんか臭いし」と送る。即座に既読がつき、「いいねーしよ」的な返信と、「人のいっぱい乗ってる電車もれなく臭い」という同意。わかる。

臭い電車に10分揺られ帰宅。家に帰って飲み物やドーナツの準備をしていると約束の時間になり、ミスドを食べながらフォロワーと5時間も話した。

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総評としていい一日(主にフォロワー効果)。

慣れるのと痛覚は違う、飲み物の秋

きのうはファセンラ(好酸球の値を下げる注射)を打ちに街の大きな病院へ行ってきた。ここ最近は30度くらいまで気温も下がっていて、もう夏の最大値の暑さは来ないのかなーと思っていたけど、36度まで気温が上がった。暑い。暑すぎる。汗も出ないなか喉がひりつく感覚を覚えてなんとか病院につき、水を買って飲む。病院の中にあるコンビニって普通のコンビニよりわくわくする。

無事に採血と注射が終わる。どちらも痛いし針が皮膚に刺さる感覚がなんとも言えずにダメでわたしは採血も注射も苦手だけど、病気がちなせいでされる回数が多くてさすがに慣れた。健康優良児だった小学生のころは予防注射の前日なんてどうにか次の日学校を休むための言い訳を考えていたけど。26歳のわたしは採血のときに「血管が出にくいので何回でも刺しちゃってください!」と言えるし、注射の前日に行きたくないなーと思うこともなくなった。でも痛くないわけじゃない。

採血と診察とファセンラの処置だけだったので、1時間もかからずに病院を後にする。ちょうどいいバスがあったけど、特殊な薬を処方されているため、駅近の処方箋薬局で処方されるか不安で一本バスを見送って薬局へ行く。どうせバスを遅らせたのだから病院の前の回転寿司でお寿司でも食べようかなとか思いながら20分ほどかかり薬を受け取る。やけに回転寿司が空いているなと思ったら、開店前で車が停まっていないだけだった。11時開店らしい。わたしは喫茶店やカフェばかり行くから基本モーニングの時間から通しで営業をしているけど、確かに飲食店って11時オープンか。しょうがないので病院の中へ戻り、水を飲みながらバスが来るのを待つ。入口からほど近いベンチに座っているせいで自動ドアが開くたびに暑い。

10時31分、バスに乗る。10時46分、駅裏に着く。次の電車まで1時間待つ。どこかでお昼を食べるか、カフェチェーンでお茶でもするか……と思い、期間限定のお芋ドリンクが飲みたくなってタリーズに行く。お芋のやつを飲む気しかなかったのだけど、喉が渇いていたこともあり(なにせ本当にこの日は暑かったのだ)金木犀香るオレンジシャリマティーを頼む。のどか渇いててもカフェインって取りたいから、そういうときアイスティーってありがたい。

これは実際に飲んだ写真(こちらあみ子は大学時代の先輩に勧められて読んでいる)。

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結構金木犀の香りがしっかりして、華やかだ。なんなら花の香りとオレンジの風味でちょっと芳香剤っぽさもあるくらい華やかで、苦手な人は苦手かも。わたしは最近のタリーズの商品だとグレープフルーツセパレートティーにはまっていて、毎回それを飲んでいたから覚えていてくれたらしい店員さんが「グレープフルーツセパレートティーがお好きな方は絶対に好きですよ!」と太鼓判を押してくれた。おいしかった。本当に残暑の中で飲むのが一番ありがたいって感じの味。

その後、12時の電車で家まで帰り、京都旅行中の弟から郵送されてきたお土産を受け取る。わたしは大学時代を京都で過ごしたので、今回の旅行にも穴場のカフェや観光地を教えたりした。お土産第一弾は阿闍梨餅と京ばあむ。京ばあむはそんなに好きじゃないけどお土産受けがいい。祖母や親戚にあげてとのことだった。阿闍梨餅は京都のお土産でいま八つ橋より人気があると思う。わたしも帰省のたびに買ってきていた。もちもちの生地も上品なあんこもおいしい。生菓子だから日持ちはしないけど。この日は母もお土産配りのためにはやく帰ってきた。わたしは家用の阿闍梨餅をありがたくいただき、コーヒーと食べた。

夏もしかして終わる?の日々と近況

あさってデイケアの見学に行くことにした。二年前くらいに通っていた(精神病になってから一年を把握する単位が壊れてて入院したり働いてたり、デイケアに行ってたり、そういうのが何年前なのか把握できなくて毎回便利だから二年前と言っている)デイケアで、当時はリワークの方に通っていたんだけど、現状を話したら復職ではなく日中の居場所になる方を勧められた。でもいずれはA型から障害者雇用に繋げたいから、リワークプランには行かないといけないんだけど……いまから憂鬱。わたしは働くことそのものより、働くための足場を作る段階が言いようもなく苦手で、毎回そこを飛ばして働いて身体を壊して退職してを繰り返していたので、今回はきちんと段階を踏みたいよねと思っている。あといままでは障害者として働いてなかったから当欠の罪悪感がひどかったけど、今回こそちゃんと障害者というのを明かした状態で働けたらいいよね(それ故のA型と障害者雇用です)。

 

近況。最近なにしていたか写真で振りかえろうと思う。

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友達の友達を紹介してもらって3人で遊ぶという経験をはじめてした。わたしはとことん陰キャでそもそも遊ぶっていったら一対一で、だから初対面の子がいるなか3人で出かけるのは不安だったけどすごくいい子だった。いい子だったとか書くとめっちゃ上からだけど、いい子そう〜という印象を大勢に与えるような、きっといろいろ我慢しているような子だった。あと中学時代の同級生に顔がめっちゃ似てて、え!似てる!って言った。わたしは初対面はそこそこうまくやれるので、今後もっと仲良くなれたらうれしいけどそこまではわからない。でもこないだIGのDMで喋ったらわたしが勧めたYouTubeチャンネルを見ていると言っていてうれしかった。
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お盆に妹と弟の彼氏が「小腹が空いた」と言うので余っていた餃子の皮で作ったピザの写真。餃子の皮ピザってアレンジの定番だけど何気にはじめて作った。おいしかった。わたしはあまった餃子の皮は嬉々としてワンタンにする人間なので、今後やるかはわからないけど支持されているアレンジってやっぱりおいしいのですね。
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なんかめっちゃ長方形だったおやつの日。
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犬をお迎えした。7月18日に3匹飼っていた犬の最後の子が亡くなって、お盆に帰省した妹が(自分は世話をしないくせに)「実家には犬がいないとさみしい」と言い、その日にお迎えした。無茶苦茶かよ。命だよ。妹が値切りしててほんとにこの人のこういうところ軽蔑するなと思ったけど、犬はまあ家にいたらかわいい。走ると耳がダンボみたいになる。名前はソイ。

 

Netflixに架空OL日記のドラマと映画が入ってうれしくてこの一週間で全部観た。一番すきなドラマ。うれしい。最近の鬱のやり場、架空OL日記か福尾匠の個人サイト。それでは。

なんでも話せる友達なんていないし友達ひとりできる間に友達5人減ってる

きょうは朝起きて家事をこなして、眠くはなかったけど起きていてもなんということはないのでそこから10時まで眠った。起きて、じゃがいもを賽の目状に切って、油で揚げ焼きにしてコロコロのフライドポテト的なものを作って食べた。これ何ごはんなんだろって思ってた。

案の定起きた後は頭の中がほんとにぐちゃぐちゃのうねうねで虫が湧きまくる想像が止まらなくて、そこから2時間くらいソファに沈んでいた。なんとか頓服を飲んで、星野源オールナイトニッポンアーカイブを流しながら夢日記を書いて、なかやまきんに君有酸素運動をしたらちょっと精神が持ち直したのできのう家の裏の喫茶店で買ってきたケーキを食べた。写真貼りたいんだけど、いまPCでブログを書いてて、わたしのMacBookなんかカメラロールが壊れてるから開けなくて貼れない。正確に言えばこの記事を下書きに保存してスマホで編集するか、写真を一旦LINEに送ってPCで保存しなおせば貼れるんだけど、そこまでするほどじゃない。レアチーズケーキとミルク多めのカフェラテの組み合わせで食べました。まっしろでかわいかった。

夢日記書いたけど、なんかもう一本くらい記事を書いてもよいなーと思い、こうしてPCの前に座っている(わたしは最近意識的に、そしてマインドがそっちに寄りつつあるから同時に無意識に、伸ばし棒を「〜」ではなく「ー」を使うようになった)。

はてブに移行したときにTumblrから移した記事にもあったけど、わたしは友達と縁が切れやすい。もしかしたらこれくらいの年齢ってライフスタイルが変わりゆくから自然と縁が切れやすい年なのかもしれない。切れた縁が数年後にもう一度繋がったりもするし、切れたままだったりもする。

きのう大学時代の友達と電話していて、MBTIの話になった。わたしは診断系が好きだから一応何度か診断はしたことあるけど、最近のMBTIがすべてを語るみたいな風潮はまじでナンセンスだと思ってて、ただ友達がMBTIの話が好きだから相槌を打っていた。その子はINFJとENFJ(NFJ型)が嫌いと言っていて、その理由を「自分がやさしいと思っていそうで、やさしさを我慢することだと思っていて、しかも我慢も突き通せずに最終的に爆発するタイプだから」と言っていた。アルファベット四文字でそんなに人間性ってわかるのか。わたしはよくわからない。わたしはINTJだけど、彼女の言う性格に当てはまるなと思いながら聞いていた。自分のことをやさしいと思っているし、それは常にわたしが一歩引いて我慢しているからだと思っている。それは主に長女として育ったからなのと、子供に機嫌を取らせるという親の態度のせいな気がする。爆発するかは知らないけど、普段から怒らない(というか、怒れない)からこそもう無理だと思ったら怒ったりもせずに相手の前から消える癖はある(それを人は爆発と呼ぶのかもしれない)。なんというか、わたしはどんなに仲がよくても、どんなに深い話をしていても、自分優位のコミュニケーションを進めている場でも、相手のご機嫌取りをする癖が抜けない。本音を全部話すなんてできないし、常にずっと気を遣っている。わたしと喋ったり会ったりしたことがある人は、わたしのことを「自由奔放でマイペース」と思うかもしれないけれど、それはわたしがあなたの前でそう振る舞うことを最適だと選んでいるからだ。わたしは本当にぶりっ子で、相手の目に写る最適な自分を作ることをやめられない。好かれる自分を演じることをやめられない。これってみんなそうなのかな。みんなそんなこと考えてるんですか?だとしたらこの世界ってなんなんですか。生きる演技の集合体ですか。そっちの方がずっといいけど!

 

わたしのブログってPodcastみたいでウケるなってずっと思ってたから(口語だからかな)最近聴いている曲を貼ってみる。

open.spotify.com

youtu.be

bonobos、そんなに詳しくないんだけどちらほら好きな曲がある。この歌は自殺をしようとしていた人が自殺をやめる歌だ。「あ、ささくれ。死にた〜」くらいの強度で死にたいときはただおしゃれな曲だなって感じなんだけど、本当に首を括る準備をしているくらいのときに聴いたら意味がわかるっていうか、真に迫るっていうか、そういう歌。死にたいに強度なんてないんだけど。でもそういう歌だ。届く人に届く歌だな、と思うし、届いてしまったな、と思う。歌は、次の歌詞で締めくくられる。「光あれ順々に来る朝の ただそこにいるだけで」

8月9日の夢

旅館のような、施設のような場所にいた。目が覚めたときには広い部屋に敷布団が一枚敷かれていて、そこでたったひとりで寝ていたけれど、朝食の時間になるとその部屋に旅館でごはんが出てくるときのような背の低いミニテーブルお盆みたいなのに食事が乗って出された。わたしのほかに9人くらい子供がいた。だいたい小学校中学年から大きい子で中学生くらいの子供たちだ。わたしは自分の姿を鏡で見たわけじゃないけれど、ここにいるということはわたしも子供だったのかもしれない。

ほかの子供達は新入りのわたしを遠巻きに見ながら楽しげに食事をしていた。ひとりでぼう、と食べていると、ガキ大将っぽい中学生くらいの男の子と、小学五年生くらいの女の子のペアがわたしに喋りかけてきた。

「仲間に入れてほしいならわかるよな?」と男の子は言った。わたしが「わからない」と返すと、わたしが食べ終えたおかかが乗っていた皿を指差して、「これだよこれ、明日は俺たちに寄越せ」と言った。ここではおかかがそんなに価値のあるものなのか、とびっくりした。わたしは高圧的に来られている割にはいやではなく、むしろふたりに懐いていた。

シーンが切り替わって、その旅館のような施設のような建物から出て、緑がたくさんの庭園の中にある図書館(のような場所)にいた。みんなで本を読む授業だ。といってもかなり賑わった空間で、ふざけた声で絵本を読み上げる子供や退屈そうに潜めて話す子供たちもいた。

ひとりが、ふいに立ち上がった。ガラス戸に手をかけると、そこは(うまく言えないけどこの庭という空間よりもっと外)本当の外だった。光が差し込んでいたはずなのに、戸の外は真っ暗だった。アラートが鳴る。重装をした兵隊のような大人たち(そんな人たちはさっきまでどこにもいなかった)がわらわらと出てきて、子供たちを追いかけて撃ち殺していく。わたしはひとりの女の子の手をとって、最初のごはんの部屋まで逃げて、障子の裏に隠れる。息を殺しても鼻から息が漏れる。歯が震える。障子の前に大人の気配がある。銃で撃たれるとき、不思議と痛くはなく、ああ、繰り返す、と思う。

全然なんとかならなくていいけど世界3位のジェラートはおいしい

旅行に行ってきました。一番の目的は、妹が春から転職で千葉から埼玉に引っ越して住まいが変わったからで、そのマンションが彼氏と同棲をする前提で借りたメゾネットだから同棲前に遊びにくる?とのことで、最近東京(ていうか埼玉だけど)行ってないし、会いたいひとにも会いにいきたいし、行くか〜みたいな感じで。

26日(金)〜28日(日)の二泊三日で行ってきた。埼玉なので、東京まで行かずに大宮で降車するんだけど、東京に行くよりも30分も乗車時間が短いから行きも帰りも楽だった。

 

26日は妹が仕事だったので、退勤まで同人垢のフォロワーと遊んだ。(余談だけど、わたしは恋人がいるけれどポリアモリーなので同時期に片想いをしていることも多くて、そのフォロワーのことがこの一年くらいすきだからすごく緊張しながら会いに行った)

結論から言うとすごくたのしかった。その子は控えめな性格というか、複数人で喋ってるときでも一対一で喋ってるときでも決して話の中心に踊りでない感じのタイプで、だからふたりで遊びにいくしわたしが盛り上げちゃお!と思っていたんだけど、わたしが周りに気を遣って盛り上げようとするタイプだとしたらその子はのびのびと振る舞うし無理に盛り上げようとはしないけどちゃんとたのしんでるタイプで、会わなきゃこんなの知らなかったな、と思った。わたしは話の中心にいるタイプのわりに人嫌いだし気を遣いまくるし人の目を見て話せないんだけど、なにもかも逆で、その子はわたしがふいに目を逸らしながら喋ると顔を絶対覗き込んでくれて、うれしかった。

コメダ珈琲でお昼を食べて(ホットドックをこぼれる!とか言いながら食べてたのしかった)、暑かったしキャリーケースをロッカーに預けられなかったしその子の歌が好きなこともあり、カラオケへ行った。わたしが歌う歌の歌詞をちゃんと目で追って「いい歌ですね」と言ってくれたり、わたしが歌ってほしいと言っていた曲を覚えていて歌ってくれたり、うれしかった。その子が歌ったカラーコピーという歌に「少しだけ音痴な君がまた歌詞を間違えている」とか「二番から知らない君が一番を繰り返してる」って歌詞があって、なんか勝手に愛すぎて感極まったりしてた。その子からしたらわたしは仲のいいフォロワーでしかないんですが。夜ごはん、喫茶店とパスタ屋どっちに行く?ってなって、その子はあんまり我を出すタイプじゃないからわたしが行きたい方を主張したほうがいいかなって「わたしは喫茶店が気になるな〜」って言ったら「わたしはパスタ屋が気になってます」って返ってきて、それもなんかいいなって思った。わたしは連れがこっちがいいと言ったら「そっち行こー!」って空気読むし、別に自分の主義主張もないから残念でもないんだけど、やっぱりこの子のびのびしてていいなーって。じゃんけんしよ!って言って、2回あいこのあとその子が勝って、パスタ食べに行った。それでバイバイした。

 

27日は一日妹と過ごす日だった。わたしが『A子さんの恋人』という漫画が大好きで、阿佐ヶ谷が舞台の漫画なので、阿佐ヶ谷の漫画に出てくる店に行きたいと提案した。そうしたら妹が「吉祥寺で夜飲もうよ、いい店あるから」と予約を取ってくれた。

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こちらは阿佐ヶ谷のシンチェリータというジェラート屋さん。メルノワってフレーバーは世界ジェラート大会で3位にもなっている。わたしはインディアンサマー(ココナッツ×カルダモン×カシューナッツ)とメルノワ(はちみつ×ピーカンナッツ)、妹はプラムとヨーグルトを選んだ。インディアンサマーはかなりスパイスが効いていておいしい。メルノワもナッツがごろごろしていておいしかった。意外なほどおいしかったのはプラム。この日は37度でその中を10分歩いてジェラート屋へ行き、炎天下の下30分並んだのでみずみずしいフレーバーが喉が冷えておいしかった。ほぼ生プラム。ヨーグルトは甘味がないヨーグルトの味で、こちらも夏におすすめ。

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ジェラート屋の向かいの煎餅屋がよかった。阿佐ヶ谷、歩いている人がみんないい。街がよくしているのか?

次にこれは舞台じゃないんだけど、さんま焼きっていうゴルゴンゾーラチーズ入りのたい焼きがおいしいと勧められた店に歩いて行って、ただ喉が渇きすぎてかき氷を食べることにした。ていうかたぶんさんま焼きやってなかった。かき氷はかぼす味を頼んだ。かぼす味のかき氷なんてはじめて見て、さっぱりしてていいなと思ったので。ちなみにこちらのかぼすかき氷は漫画『ひらやすみ』に出てくるらしい。かき氷を買った人はチンチロみたいにサイコロを振らされて、1が出たらミニかき氷をプレゼントされるらしい。言われるがまま振ったら当たってしまって、めちゃめちゃ鐘鳴らされた。ミニ生スイカかき氷をもらった。どちらも氷もおいしいし(ふわふわ口溶け系ではないけど、純氷って感じで氷そのものがおいしい)、フルーティーでかぼすは香り高く、スイカは果肉も入っていてとてもよかった。店名を言うのを忘れてたけど、ともえ庵ってところです。かき氷はきっと夏限定だと思うのでこの夏ぜひ。

最後に行ったのは喫茶店gion。こちらはA子さんの恋人に出てくる。

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漫画にはブランコの席が出てくるのだけど、なんとその隣の席だった。人が座っていたからブランコの席の写真は撮れなかったけどテンションが上がった。

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おおきな窓からひかりが差していてきれい。ハイビスカスティーとレモンスカッシュを注文。価格は昔ながらの喫茶店だからか、比較的安価。そしてグラスも大きめでたっぷりくる。スライスのレモンもうれしい。

夜は吉祥寺の呑楽Neko(のらねこ)へ。f:id:nashi1105:20240730144243j:image
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グラスに猫のシールが貼られていてかわいい。写真は豚肩ロースステーキとローストオニオンのりんごみそソース。おいしかった。カクテルもオリジナリティのあるものがちらほら、ワインもおいしい。写真はないけどホタテの塩なめろうがおいしく、もちろん日本酒もある。新潟のお酒だったのでうれしかった。雰囲気がいい店だったので、女子会やデート、ひとり飲みとかによさそうでした。

 

最終日の28日は新幹線前にかるーく7年来のフォロワー3人とごはんとお茶をして、みんなに大きく手を振って見送られながら新幹線に乗った。

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めぼしい写真もないのでみんなでなにも見ずに描いたプラスルを載せておきます。この三日間で一番自分らしくのびのびできて、長い付き合いの友達はうれしいなと思った。

 

そして帰りの新幹線もたったの1時間。ありがとう大宮、ありがとう埼玉。好アクセスの街。

家に帰ってきたら反動で鬱になって自暴自棄になったりしたけど、旅行はたのしかったです。やっぱり旅行っていいなーまたお金を貯めていこう。会いたいあなたが各地にいるよ。