Django 開発初心者に送る 10 の Tips (超訳?)
実践的な DJango テクニック集として、凄くいい記事だったので、勝手に超訳してみました。
http://zeroandone.posterous.com/top-10-tips-to-a-new-django-developer
1. import にプロジェクト名を書かないこと
例えば "project3" というプロジェクトに "xyz" アプリケーションがある場合、次のようにはしないこと。
from project3.xyz.models import Author
これではプロジェクトとアプリケーションの結びつきが強すぎて、以下の弊害がおこる。
- アプリケーションの再利用がしづらい
- 将来プロジェクト名を変えたくなっても変更が難しい
なので、このようにしよう。
from xyz.models import Author
2. MEDIA_ROOT と TEMPLATE_DIRS をハードコードしないこと
settings.py において、MEDIA_ROOT と TEMPLATE_DIRS を次のように書いてはいけない。
TEMPLATE_DIRS = ( "/home/html/project/templates",) MEDIA_ROOT = "/home/html/project/appmedia/"
これではプロジェクトを別サーバに移動したり、別OSに変更する際に書き換えなければならなくなる。
これらの問題は次のテクニックを使うことで、簡単に避けることができる。
SITE_ROOT = os.path.realpath(os.path.dirname(__file__)) MEDIA_ROOT = os.path.join(SITE_ROOT, 'appmedia') TEMPLATE_DIRS = ( os.path.join(SITE_ROOT, 'templates'),)
自分はこのテクニックを Rob Hudson から学んだ。以下のリンクからより詳細な情報を得ることができる。
http://rob.cogit8.org/blog/2009/May/05/django-and-relativity-updated/
3. テンプレートに静的ファイルをハードコードしないこと
静的ファイル(JavaScript ファイルや css ファイル、画像など)のリンクを次のように書いてはいけない。
(MEDIA_URL を“/appmedia/”とする)
<link rel="stylesheet" type="text/css" href="/appmedia/wysiwyg/jHtmlArea.css" /> <script type="text/javascript" src="/appmedia/wysiwyg/jHtmlArea.js"></script> <script type="text/javascript" src="/appmedia/scripts/editor.js"></script> <script type="text/javascript" src="/appmedia/scripts/comments.js"></script> <script type="text/javascript" src="/appmedia/scripts/voting.js"></script>
上の書き方では、静的コンテンツを Amazon S3 を使って別サーバ(http://cdn.xyz.com としようか)に配置したい、なんていう場合に、全テンプレートの "/appmedia/" を http://cdn.xyz.com に 書き換えなければいけなくなる。
うわぁ、超メンドくさい。
これはシンプルなテクニック、つまり "/appmedia/" のようなハードコーディングではなく、コンテクスト変数 {{MEDIA_URL}} を使うようにすることで、避けることができる
<link rel="stylesheet" type="text/css" href="{{ MEDIA_URL }}wysiwyg/jHtmlArea.css" /> <script type="text/javascript" src="{{ MEDIA_URL }}wysiwyg/jHtmlArea.js"></script> <script type="text/javascript" src="{{ MEDIA_URL }}scripts/editor.js"></script> <script type="text/javascript" src="{{ MEDIA_URL }}scripts/comments.js"></script> <script type="text/javascript" src="{{ MEDIA_URL }}scripts/voting.js"></script>
これで MEDIA_URL を "/appmedia/" から "http://cdn.xyz.com/" に変更すれば、全テンプレートに自動で反映される。いちいち全部のテンプレートを変更するなんていう超メンドくさいことはしなくていい。
どうやればコンテクスト変数を使えるの?
とっても簡単。RequestConext(request) を render_to_response に追加することで、便利なコンテクスト変数(ユーザーや取得ページなど)を、テンプレートに渡すことができる。
return render_to_response("my_app/my_template.html", {'some_var': 'foo'}, context_instance=RequestContext(request))
4. コアビジネスロジックを views に書かないこと!
コアビジネスロジックを views に書く(例えば銀行 X に総額 P を追加して、銀行 Y から P を引く、なんていうロジック)のはよろしくない。
なんで?
- コードをユニットテストできない
- コードを再利用できない
じゃあどこに書けばいい?
models かヘルパー関数に書くほうがいい。
基本的なロジックはどうする?
(モデルの)オブジェクトを検索や取得してきたり、リストを渡したり…なんていう、本当に基本的なロジックならば views に書いてもいいと思う。
5. 本番サーバに適用するとき、DEBUG=False (settings.py) に変更するのは面倒
ローカル環境を公開環境に移すとき、DEBUG を False にするのをよく忘れてしまう(DEBUG = False にすると利点が多い)し、退屈な作業だ。
これは以下のように、ホスト名をチェックして DEBUG 変数を設定するようにすればいい。
import socket if socket.gethostname() == 'productionserver.com': DEBUG = False else: DEBUG = True
このテクニックを最初に指摘したのは Jokull だ。
より詳細な情報は:
別のテクニックとして、ローカル環境では、(DEBUG=Trueに設定した)もうひとつの settings ファイルを使う方法もある。
#Filename settings_debuy.py #It contains all variables from settings and it overrides the DEBUG variable to True #we use settings_debug.py to run the server locally python manage.py runserver settings=settings_debug.py from settings import * DEBUG = True #you can also add other things which helps you to do the debugging easily #like Debug toolbar etc...
6. サードパーティ製のアプリケーションに依存するテンプレートタグは一度だけ load する
サードパーティ製アプリケーションのテンプレートタグを使うには、次のようにテンプレート内で load する必要がある。
{% load template_tags %}
サードパーティ製のテンプレートタグを利用するテンプレート全てに同様の記述をする必要があるが、これは DRY の原理に反する。これを改善しよう。
from django import template template.add_to_builtins('project.app.templatetags.custom_tag_module')
このコードを、起動時に読み込まれるファイル(settings.py や urls.py、各アプリの models.py など)のどれかに書いておくだけ。
上記コードが起動時にテンプレートタグを読み込んでくれるので、 {% load template_tags %} を使わなくても、好きなテンプレートでそのテンプレートタグを使うことができる。
7. Urls.py
project/urls.py に全 URL を書かない
例えば
urlpatterns = patterns('', url(r'^askalumini/question/$','.....registerInstitution',name='iregister'), url(r'^askalumin/answer/$','someview.....',name='newmemberurl'), url(r'^institution/member/$','someview.....',name="dashboardurl"), url(r'^institution/faculty/$','editInstitute',name="editinstituteurl"), url(r'^memeber/editprofile/$','editProfile',name="editprofileurl"), url(r'^member/changepassword/$','changePassword',name="changepasswordurl"), url(r'^member/forgotpassword/$','forgotPassword',name="forgotpasswordurl"), url(r'^member/changepicture/$','changePicture',name="changepictureurl"), url(r'^member/logout/$','memeberlogout',name="logouturl"), , )
代わりに次のように、複数アプリケーションに分離する(プロジェクトの /urls.py に記述する)。
これによって、アプリケーションを変更作業なしに、異なるプロジェクトで再利用することができる。
urlpatterns = patterns('', # Example: (r'^$', include('institution.urls')), (r'^institution/', include('institution.urls')), (r'^askalumini/', include('askalumini.urls')), (r'^member/', include('member.urls')), )
それから urls.py を各アプリケーションに作成し、対応する URL を追加する(以下は askalumini アプリを例として挙げている)。
urlpatterns = patterns('askalumini.views', url(r'^$','askHome',name='askaluminiurl'), url(r'^questions/(?P<questionno>\d+)/$','displayQuestion',name='askquestiondisplay'), url(r'^askquestions/$','askQuestion',name='askquestionurl'), url(r'^postcomment/$','postComment',name="askquestioncomment")
URL の定義には url 関数を使用する
URL を定義するのに、URL に名前を付けられる url 関数を使用しているのに気付いたと思う。上で定義した全 URLには、最後に URL 名を指定している(name="....." のように)。この名前によって、views や templates、そして models において、URL のハードコーディングをしないで済むような、効果的な指定ができるようになる。
各アプリにおいて URL 名のユニークさを保つために、URL の命名は "
URL をハードコードしない
なぜって?
urls.py の URL 構造を変更する場合、URL をハードコーディングした全ての箇所を書き換える必要が出てくるからだ。(超メンドくさい…)
views.py では
以下のように URL をハードコードする代わりに、
HttpResponseRedirect("/askalumini/questions/54")
URL 名を用いて reverse ルックアップ関数を使用して URL を生成する。
from django.core.urlresolvers import reverse HttpResponseRedirect(reverse('askquestiondisplay',kwargs={'questionno':q.id}))
models.py では
絶対 URL を生成するために、models.py では reverse ルックアップ関数に加え、models.permalink decorator を使用できる。
@models.permalink def get_absolute_url(self): return ('profileurl2',(),{'userid': self.user.id})
このデコレータでも、URL を生成するために URL 名を使用する。
templates.py では
いろいろと不便なハードコーディグをする代わりに、 url タグ を使うことで、URL 名を用いて URL を生成することができる。
{% url askquestiondisplay 345 %} <a href="{% url askquestiondisplay 345 %}"> Ask Question </a>
8. デバッグ
a. django-debug-toolbar を使うことで、以下のような情報を取得できる
- どれくらいの数の SQL 文が実行されたか?トータルタイムは?
- テンプレート名、ロギング、クッキー/セッション情報、などなど
debug-toolbar のより詳細な情報は以下のリンク先で確認できる。
http://github.com/robhudson/django-debug-toolbar/tree/master
b. Werkzeug デバッガを使えば、エラー画面で Python シェルを開くことができ、迅速なデバッグ作業に役立つ。
詳細な情報は以下のリンクから。
http://blog.dpeepul.com/2009/07/14/python-shell-right-on-the-django-error-page/
c. デバッグ作業に pdb を使う。
詳細はこちら。
http://ericholscher.com/blog/2008/aug/31/using-pdb-python-debugger-django-debugging-series-/
9. 可能なら利用できるように Pinax について知っておく
Django を使う最大の利点のひとつとして、アプリケーションの再利用性がある。
Django は他のフレームワークのような一枚岩な設計を志向せずに、再利用性を促進させている。これは、他のフレームワークではなく Django を選ぶ際の重要な理由のひとつであり、Pinax はそのような設計方針に対する成果のひとつだ。
Pinax って何?
近年では、世界のどのウェブサイトでも登録、OpenIDのサポート、グループ、ユーザープロフィールなどといった機能が要求される。ほとんどのサイトで、これらの機能のロジックを実装しなければならない。独立した再利用可能な機能を提供するプラットフォーム(django のプロジェクト)があり、またその上で開発してもらえれば、これらの機能は、様々なサイト間で再利用することができる。そのようなプラットフォームは、迅速なウェブサイト構築を可能にし、開発者は、彼らのサイト独自の部分の開発に注力することができる。
Pinax はそんな再利用可能なアプリケーションを集めた(Django の)プラットフォームだ。Pinax は次のような再利用可能な機能やアプリケーションを提供する。
- openid サポート
- (vCard, Google, Yahoo などからの)連絡先のインポート
- 通知フレームワークなどなど… より詳細な情報はこちら http://pinaxproject.com/
Pinax は James Tauber による強力なアイデアだ。可能なら是非使ってみてほしい。迅速なウェブアプリケーションの構築の助けになるはずだ。
より詳細な情報はこちら
10. 知っておくべきサードパーティ製アプリケーション
使うべきサードパーティ製アプリケーションがいくつかある。
1. マイグレーション
スキーマやデータのマイグレーションはどうしてる?
syncdb するよね。
最初はモデルの設計がデータベースに反映される。
でも何時間、何日か経ったら…
モデルにフィールドを追加したり、削除したり、設計を変更しなければならなくなる。
変更するよね。ここで、どうやってこの変更をデータベースに反映させるかが重大な問題になる。
取れる方法としては、
- もう一度 syncdb する(メンドくさい)
- 手動で alter 文を DB に発行する(メンドくさい)
このようにデータベースをある状態から別の状態に変更することをマイグレーションと呼ぶ。このマイグレーションを楽にしてくれる、いくつかのサードパーティアプリケーションがある。
- django-evolutions (簡単に使えて、自動で全部やってくれるけど、頑丈じゃない)
- South (より強固だけど、ちょっと使い方を覚える必要がある)
2. テンプレート
Django のテンプレートは、制限がキツすぎると思ったら、次のようなものもある。
- template-utils (テンプレートタグやユーティリティよりも、テンプレートの機能を向上)
- Jinja (Django テンプレートと同じシンタックスを採用し、プロジェクトのプラグインとして使える、そしてより柔軟なロジック記述が特徴の、サードパーティのテンプレートシステム)
3. その他
1. django command extensions 次のようなお役立ちコマンドラインを提供してくれる
-
- 全モデルをロードしてくれる shell_plus
- Werkzeug デバッガを組み込んだ runserver_plus
- 上司に見せるためのモデル図生成
などなど。
より詳しい情報はこちら
http://ericholscher.com/blog/2008/sep/12/screencast-django-command-extensions/
2. Sorl はサムネイルを生成してくれる
など
他のリソースはこちら