ぶんしょうのれんしゅう

あーもうわかったよ、あうとぷっとすればいんでしょ

数学ガールを読んで

数学ガールを読んだ。

正直に言うとこの本は何度も挫折し、途中で読むのをやめたことがある本だ。

最初のほうわかなり読みやすく、内容も優しかったが、母関数のあたりから、ん?という場面が多くなってしまい、そもそも数式を追うことを一旦放棄するという読み方で進めてしまった。今回読んだのも、そういった読み方をして最後まで読むことができた。なので、またしばらくしてからもう一度読み返してみて、次はちゃんと数式を自分の頭で展開し説明できるレベルで読み込んでいきたいと思っている。

★★★

著者の結城浩さんは、ツイッターでもよく発信をしていて、プログラミング関係の話をよくすることから、フォローしていて普段から目にする機会が多くある。

なので、数学ガールそのものを楽しみつつ、結城さんの思考や伝えたいことをできるだけ汲み取ろうとしながら読むということを無意識にやっていたように思う。この数学ガールの中で自分が感じた結城さんが伝えたとは次のようなこと。

 

学ぶという事はしっかりと自分の頭で考え何より楽しむことが大切。

誰もが初めは何も知らない状態から始まる。

思考の試行錯誤を大事にする。

言葉を大事にする。

学んだことを活かす。

★★★

数学を楽しむということを旅人と呼んだり、その試行錯誤の過程を旅と呼ぶ。ある数列をワルツと呼んでみたりする。

しっかり頭の中の思考を言葉にして論理の道筋を立ててくれることが素晴らしくいい。大切なのはその式展開そもものではなく、なぜそんな式展開をしたくなったのか・する必要があったのかだ。

そして何より、しばしば思考が失敗することがまたいい。何も間違わずに正解することだけがいいことじゃない、間違えてしまってもその思考をするプロセスがとても重要なのだという考え方をできるようになった。そしてその失敗は単に失敗には終わらず、違う形での有用性が見えてきたりする。

そしてこの中では言葉をとても大切にしている気がする。これは普段の結城さんのTwitterを見てのバイアスがかかっているが。数式は厳密なものであり、言葉は曖昧さを含んでいる。それが良くもあるが、こと数学を考えるときには注意が必要だ。自分がぶんしょうのれんしゅうを始めたもの、もしかしたら結城さんの言葉を大切にしようという思想の影響を受けていたのかもしれない。

最後に、学んだことを活かすということ。この本は章ごとに内容が分かれているが、前までの章で獲得した「武器」を使って問題に立ち向かっていく。途中、突飛なミニトピックみたいなものが入ったりして、それはそれで面白いがちょっと本筋とはなんかずれるな〜って思ってたものが最後に出てきて、「これはあの為の布石だったのか〜」と感心してしまった。学んだことを活かすというのはとても重要で、自分が知っていることを使って知らないことを理解する。というのが学ぶことの基本。自分の仕事にもこの思想を持ち出して行きたいなと企んでいる。

★★★

と、ここまで大仰なことを書いてきたが、実際のところは少し違う。

確かに数学ガールは面白く、上記のような学びは得られたので読んでよかったいい本だった。しかしながら、数学そのものに「ほえ〜、数学めっちゃおもしろい!」ってなるほどまで興味関心をそそられたかというと、そうでもない。確かに面白いが、寝食を忘れるほどまでに没頭できるものでもないなと思ってしまった。そんな自分に少し失望したというのが正直なところとしてある。こうした学問に純粋に興味を駆り立てられて寝食を忘れるほどに没頭したいという思いはあるのだが、そうはならない。そもそも興味を持ちたいと思ってる時点でその資格はないのかもしれない。好きになりたいと思ってる時点で好きではない。なんかそんなワンシーンを恋愛漫画で見たようなきがする。そんな自分でも好きになってしまう人がきっと現れるはず。来るそのときまで自分磨きをしとけって話かな。