料理漫画を研究してます

料理漫画研究家としてのあれこれをここに書いていこうかと思います。 お仕事のご依頼はkei.sugimuraあっとgmail.comまで!

おすすめマンガ40選(料理漫画以外)(2015年10月付)

N-Styelsさんのおすすめ漫画50作品(Kindle限定)を発端に、hageatamaさんのおすすめマンガ20選、kariaさんの最近オススメのマンガ7選、ぺらねこさんのコミック20選(前編)、(後編)と、身内でマンガを紹介することが流行っています。というわけで僕ものりますよ! この流行に!

ただ、いつものように料理漫画を書くのも楽しいんだけれども、今回はあえて料理漫画じゃないものからセレクトしてみました。料理漫画編は後でまたがっつり書きます。

以下、選定ルールです。例によってマンガ大賞フォーマットにのっとっています。

  • 2014å¹´11月から2015å¹´10月(執筆時)までの1年間に単行本が発売されたもの限定
  • 単行本が8冊以内に収まっているもの限定

料理漫画は比較的蔵書を整理しているのですが、それ以外のマンガはあまり整理できていないので、主に本雪崩を起こした机の周囲をざーっと眺めてセレクトしてみました。なので、一ヶ月後に頑張ってお掃除できたらまた結果は変わるかもしれません。ど忘れしているものがある可能性も高いので。あと、他の人とかぶっていても気にしない強い心で! というかこれは僕がマンガについて語りたいだけなんで! というわけで基準は僕が熱く語れるか、だったりします。

あ、あと一つだけちょっとルールを加えています。それは、同一シリーズの中の新章が1巻からナンバリングされている場合には、上記の範疇に入るけれども順位を下げる、です。マンガ大賞のもともとの「人にお勧めしやすい(勧められた人が揃えやすい)」ために8巻までとしているところをすごくいいと思っているので、前提のシリーズが読みたくなってしまうものに関しては少し順位を下げました。ただ、連作のようなスタイルで前のを読まなくても大丈夫なものはこの限りではないです。あと、いつもは1位から書いていくんですが、今回は40位から書いています。最初に言っておきますが、すごく長いですよ!

40位 刃牙道(板垣恵介) 1〜8巻

のっけから同一シリーズの新章もの。地上最強の生物と称される父親を倒すため、強さを追求している範馬刃牙の物語です。今は、クローン技術とイタコによって現代に蘇った宮本武蔵と戦っています。こう書くと何がなんだか嘘っぽい気がするんですが、とりあえずお試し版を読んでみて! 本当ということがわかるから!
ちなみに、登場人物「烈海王」が前章で培ったボクシング技術を一切発揮しないままやられてしまったのが納得いかない、という事を語るために刃牙シリーズを知らない女子相手に100巻以上にわたる物語のあらすじをかいつまんで説明したことがあります。酔っていたとはいえ、やりすぎました。すみません。

39位 喧嘩稼業(木多康昭) 1〜4巻

喧嘩稼業(1)

喧嘩稼業(1)

こちらもシリーズ物の新章で。喧嘩最強の高校生、主人公の佐藤十兵衛が喧嘩するというお話です。が、ここでポイントなのは「喧嘩」ということ。いわゆるルール無用の戦いなのです。ルールの枠内で戦うことになったら、戦う前から陰謀を巡らす巡らす。そういうところが作中での「強さ」にもなっているのは本当にすごい。ほとんど戦わないで根回しとか交渉だけで1冊分終わっちゃうような格闘漫画ってあまり無いんじゃないだろうか。
ところで稼業になってから、喧嘩商売時代よりもちょっと絵が読みにくくなっているというか、ちょっと白くなっているような気が。3年ぐらい休載期間があったからしょうがないですかね……
試し読みはこちらから

38位 響〜小説家になる方法〜(柳本光晴) 1〜2巻

響~小説家になる方法~ 1 (ビッグコミックス)

響~小説家になる方法~ 1 (ビッグコミックス)

文芸雑誌の編集部に届いた、新人賞応募の原稿。鮎食響という名前だけで、住所も連絡先も記載されていないその原稿は、しかし、不況の純文学界を革命するほどの小説だった……というところから始まるお話。でもって、この鮎食響というのが主人公です。女子高生。性格はかなりエキセントリックというか、自分の中で決めたルールが絶対の天才です。突き抜けた天才と、その才能に振り回される(本人含む?)というお話ですかね。面白いです。そこに少し暴力も含む(本棚をばーんって倒すのはやり過ぎだと思う)ので、人によって合う合わないがあると思います。あ、流れ的に格闘枠に入れているというわけじゃないですよ、本当に!
2巻でだんだん話が進んできたというか、そこまでいっちゃうんだ。という感じがあります。
しかし、こういう圧倒的な天才、出てこないかなあと本好きとしては思うのです。あ、今だとそれが火花なのかな。
試し読みはこちらから

37位 ひまわりさん(菅野マナミ) 1〜5巻

ひまわりさん (MFコミックス アライブシリーズ)

ひまわりさん (MFコミックス アライブシリーズ)

ひまわり書房とその店長「ひまわりさん」に集まる人と本のお話です。とはいっても、ビブリア古書堂の事件手帖のような謎解きはありません。お話はひまわりさん視点と、その彼女が好きな高校生まつりの視点で進みます。
この作品の魅力を一言で言うのはとても難しい。それぞれが本を大切にしつつ、お互いの関係を大切にしつつ、時には人のために一生懸命になる。そうやってゆっくりと全員が成長していく、時間の流れがとてもいいのですね。
とりあえず最後はお約束の、まつりちゃんの台詞で締めます。「ひまわりさん、好きだあああああ」

36位 織子とナッツン(原鮎美) 1巻〜

高身長でイケメンに間違えられる女子「天野織子」と低身長で小学生に間違えられるナッツンこと「小池夏生」の二人の女子大生のお話です。二人がルームシェアをして、あれこれ過ごしていくお話ですね。
実はこれ、同じ作者の4コマ漫画「でこぼこガーリッシュ」のストーリー漫画版です。4コマで毎回オチがあるテンポの良さもいいのですが、構成力がある人のストーリー漫画はいいです。面白いです。4コマのときよりもキャラクターが深く掘り下げられていくのかも。

35位 ブルーサーマル〜青凪大学体育会航空部〜(小沢かな) 1巻〜

ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部- 1 (BUNCH COMICS)

ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部- 1 (BUNCH COMICS)

主人公の都留たまきはずっと体育会系で過ごしていたため、大学では恋がしたい!と大学デビューをもくろむものの、なかなかうまくいきません。そんな折に、航空部へと半ば自業自得、半ばはめられる形で入部させられてしまいます。ところがそこで出会ったグライダーと、そして何より自分達の力で空を飛ぶことに魅せられていくのです……というストーリー。
グライダーで空を飛ぶことがテーマのマンガなのです。これが、実に面白いんですよ。作者の小沢先生がグライダーをやっていたということもあり、臨場感が抜群。つるたまの目を通して空を見ているうちに、感情移入のあまり自分もだんだん空に魅せられていくのです。華やかな面だけではなく、準備が大切で時間のかかるところも丁寧に描かれていて、それで余計に空を飛んだときの爽快感を味わえるのですね。
余談ですが、この本の発売日がちょうど台風がひどかった時期に重なったこともあってか、近所の書店に単行本が入荷していなくて探し回った記憶があります。
試し読みはこちら

34位 いきなりロングライド!! 〜自転車女子、佐渡を走る〜(アザミユウコ) 1巻

同人誌「ロングライダース」で連載されていたコミックエッセイが1冊にまとまったものです。アザミさんが自転車を買い、少し練習しただけで210kmの佐渡ロングライドに挑戦するという、ちょっと聞くと無謀なチャレンジのお話です。でもこれ、自転車乗りあるあるなのではないかと。レース志向じゃなくてホビー志向だと、ロードバイクを初めて手に入れて近所をゆったり走っているとだんだんイベントに参加したくなり、勢いで申し込む。イベントでの長距離を走りきった達成感と、打ち上げの楽しさで、そこからどんどんと自転車にはまっていく。という人は意外と多いんじゃないかと思うのです。僕もそうでした。なのでこの本にはどうやって自転車を選んでいくかといううんちくや、トレーニング方法についてが詳しく載っているわけではありません。初心者が自転車と出会い、はまっていくという気持ちが心地好く描かれています。
試し読みはこちら

33位 セケンノハテマデ(サライネス) 1〜3巻

これがどんなマンガかを説明するのは、サライネスファン以外には結構難しかったりします。
主人公のモーちゃんはロックバンド「メトロ6R4」のメンバー。メジャーデビューしたものの、ちょっとマイナーというかマニアックなバンドの日常生活を、ゆるーく描いていく……という形でいいのかな。バンドマンガと思いきや、演奏シーンとかライブシーンとかは少ないです。アルバム作りはあるけれども。それよりかはアホなことをやって日々過ごしていく日常系という表現の方がしっくりきますね。
サライネス作品は話のテンポがとてもいいんですよ。あと、作者目線からのツッコミとかも絶妙で。その心地よさを味わっているうちに、実際にこういう人達がいるんじゃないだろうかという気になっていくのです。こういう人達と一緒に過ごすのは楽しいだろうなあと。
同一シリーズの新章というわけではないのですが、前作「誰も寝てはならぬ」や前々作「大阪豆ゴハン」の登場人物も時折登場しています。
試し読みはこちら

32位 鮫島、最後の十五日(佐藤タカヒロ) 1〜4巻

バチバチ、バチバチBURSTに続く最終章。主人公の鮫島鯉太郎は幕内力士に。小兵力士ながらも、どんな相手にも真っ向からぶつかっていく姿勢にファンも多く、人気力士となっていた。ところが、あまりにも身体が小さく、太りにくい体質の鯉太郎は「相撲に選ばれていなかった」。休場も多くなり、満身創痍の鯉太郎。そしていま、最後の十五日が幕を開ける……
1つの取り組みごとに、怪我の問題、部屋の絆、自分より大きな力士に立ち向かう勇気。さまざまな事柄がクローズアップされていきます。最後に待ち受ける悲劇を予想させつつ、取り組みごとに完全燃焼している鯉太郎から目が離せません。ここには相撲の熱さ、激しさ、厳しさ、切なさ、悲哀が全て詰まっています。鮫島鯉太郎という力士の生き様を見届けたいですね。
試し読みはこちら

31位 UQ HOLDER!(赤松健) 1〜8巻

UQ HOLDER!(1) (講談社コミックス)

UQ HOLDER!(1) (講談社コミックス)

都へ行って一旗揚げたい! 村から見えているあの軌道エレベーターに乗りたい! という志を持った主人公の近衛刀太。色々あって不死者になり、不死者の集団「UQホルダー」の一員になる。さまざまな能力を持った仲間と一緒に事件を解決していく……という、お話です。王道バトルファンタジーという感じです。
前作の「魔法先生ネギま!」のキャラクターと設定を踏襲している、いわばネギま2とも言える作品。なんだけれどもシリーズの新章という扱いにはしていません。基本路線がバトルファンタジーになっているからということで。というわけで、王道です。基本構造は強敵や事件が現れる→修行する→倒すという構造でしょうか。バトルのための修行って、王道な感じがしますよね。トーナメントとかもあります。もちろん、細かいところのアイデアはさすがで、さまざまな不死身の概念などはなるほどとうならされました。個人的には、キリエの能力がずるくて好きです。でも、それに対するカウンターもきっちり用意してあるところがさすが。巻を追うごとにだんだん面白さが増してきています。
試し読みはこちらからいけそう

30位 波よ聞いてくれ(沙村広明) 1巻〜

主人公のミナレは失恋したときの愚痴を、酒場で知り合った男にこぼしてしまいます。そして後日。ラジオから何故かそのときの録音が! そう、男はラジオディレクターだったのでした。そのまま突撃してきたミナレはまた口車に乗せられ、生放送デビューすることに。というラジオ物……と言っていいのかなこれは。
とにかく言葉回しが秀逸で、面白く、テンポがいいです。ラジオが好きでよく聞いているんですが、まあ、こういう番組聞いてみたいですよね。と思っていたら実際にラジオで放送されたりもしたのでした。最高でした。
試し読みはこちら

29位 ストレッチ(アキリ) 1〜3巻

ストレッチ 1 (ビッグコミックススペシャル)

ストレッチ 1 (ビッグコミックススペシャル)

OLの慧子とその後輩の女子大生の蘭のルームシェア物語。一緒に生活をしつつ、ストレッチが出てきます。これだけでは何だかわかりませんね。わかりやすい表現をすると、「きのう何食べた?」の料理部分をストレッチに置き換えたものなのです。全然わかりやすくなっていないですね。医学生の蘭がやっているストレッチを2人でしつつ、お互いにゆっくりと心の傷を癒やしたり、成長していくという女の子達のお話です。
つい先日Webでの連載が終わってしまいました。最後のたたみ方は見事でした。
試し読みというかWeb連載ページはこちら

28位 僕らはみんな河合荘(宮原るり) 1〜7巻

僕らはみんな河合荘 1 (ヤングキングコミックス)

僕らはみんな河合荘 1 (ヤングキングコミックス)

親の転勤により、河合荘で一人暮らしをすることになった主人公の宇佐くん。でも、そこの住人は奇人変人だらけだった! 出ようとしたけれども、オーナーの娘の律に一目惚れ。かくして、河合荘で暮らしていくことになっていくのでした。というラブコメです。
律先輩はまあ、本が好きで好きで。基本的にずーっと本を読んでいるし、読んでいる本の影響を受けまくり。はい、すごく親近感がわきますね。僕もずーっとぼっち先輩(律ちゃんの作中でのあだ名の一つ)のように、ひたすら本を読んでいました。登下校のときも基本的に歩きながら読んでいたし。なので、本を読み続けるぼっち先輩にも感情移入できてしまって、あああ僕もこういう風に思われていたのかああああと思ったりしたこともあったりなかったり。まあ、ぼっちではなかったと思います。多分。
ラブコメとしても面白く、どちらかというとコメディ部分が面白いですね。ギャグ部分のキレと言葉選びが秀逸です。下ネタも多いけれども。
作中作の「ベイリー伯爵の余罪」はそのうち小説化されないかなあ。
試し読みはこの編からなのかな

27位 嘘解きレトリック(都戸利津) 1〜5巻

主人公の浦部鹿乃子は、人の嘘がわかるという不思議な能力を持つ。だがこの能力を疎まれ、孤独になり、生まれ育った村を出ることに。都会に出て知り合ったのは、頭の切れる貧乏探偵の祝左右馬。左右馬によって、能力を肯定され、一緒に数々の難事件を解決していくことになります。
これがね、いいミステリーなんですよ。嘘がわかればすぐそれで事件が解決するように一見思えるのですが、やはり人間そこまで単純ではありません。普段はおちゃらけていても、本質をつかむことに長けている左右馬が単に事件を解決するというよりも、一番いい解決方法を提示してくれます。そして、誰よりも孤独を知っているはずの鹿乃子が、それゆえに誰よりも正直で、人を信頼することの大切さを知っている。この二人が素晴らしいし、昭和初期の舞台もいい。上質なミステリです。
試し読みはこちら

26位 はねバド!(濱田浩輔) 1〜6巻

はねバド! (1) (アフタヌーンKC)

はねバド! (1) (アフタヌーンKC)

はねバド!(1)

はねバド!(1)

部員が足りないバトミントン部。新入部員を獲得しなければならないと考えた、今年から赴任したコーチは、大木を軽々と駆け上がる羽咲綾乃と出会う。全力で勧誘するも、彼女はバトミントンが嫌いだった……というところから始まる、バトミントンマンガです。
かわいい女の子がいちゃいちゃとバトミントンをやっていくお話と思いきや、だんだんと綾乃の天才性、異常性が明らかになっていきます。試合展開も描写もめちゃめちゃ熱い! 最新2巻分では、試合中の絵柄が変わっています。それがなんというんでしょう、スピード感と、集中し過ぎて周囲から色が消えていくような、そういう世界をよく表しているのですね。だんだん魔王というかラスボスのようになっていく綾乃の変貌も、きちんと理由がついています。読み始めたら6巻まで一気に読んでしまうでしょう。早く7巻出ないかな。
試し読みはこちらから

25位 虚構推理(片瀬茶柴・城平京) 1巻〜

虚構推理(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

虚構推理(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

同名の小説(原作・城平京)のコミカライズ。
幼い頃、怪異に掠われ、彼らの知恵の神になってしまった主人公の岩永琴子。そんな彼女が一目惚れした青年、桜川九郎は、怪異にさえ恐れられる男だった……というところから始まるお話です。えーっと、これ、どう語ろう。というのも、マンガ読んで面白かったからいま原作小説を読んでいる最中なので記憶がごっちゃになっている危険性が。
とりあえず、あれです。1話の試し読みがあるのと同時に、その1話のネームも公開されているので、読み比べるとより楽しかったりします。面白さは保証します。面白いですよ!

24位 くまみこ(吉元ますめ) 1〜5巻

くまみこ 1 (MFコミックス)

くまみこ 1 (MFコミックス)

東北の山奥の村で巫女をやっている中学生のまちと、その後見人(?)のクマのナツの掛け合いのマンガ。まちは「都会の学校に行きたい!」というけれども、世間知らずのまちが本当に都会でやっていけるのか心配するナツ。かくして、ナツはまちにさまざまな試練を与えていくのでした。
というマンガであるような気がするんですが、あまり深く考えなくて大丈夫です。まちかわいい。ナツもかわいい。そしてしまむら。この3点を抑えておけば大丈夫! というか、何故ときどきしまむらうんちく回が入るのだろう。面白いからいいのだけれども。
試し読みはここからたどれそう

23位 Wizard's Soul〜恋の聖戦(ジハード)〜(秋★枝) 全4巻

Wizard's Soulというトレーディングカードゲームが大流行していて、多くの人が遊んでいる世界でのラブコメです。どれぐらい流行しているかというと、プロ野球とかがそっくりゲームに置き換わっている感じでしょうか。学校でやっているとヒーローになるし、推薦入学もとれて進学に有利。プロもばんばんいてお金を稼ぎまくっていて、テレビで試合をやっている。という感じです。主人公の一ノ瀬まなかは、父親が作ったカードでの借金を返すために大会に出なければなりません。でも、実は亡くなった母親とのあれこれがあったため、このゲームが嫌いなまなか。だけど、家族のために、まずは好きだった相手からデュエルポイント(大会に出るためのポイント)を奪い……という、まなかの恋と苦悩を描いています。
まなかのデッキ(カードの組み合わせ)が、敵を打倒するというよりは、相手をコントロールするタイプのものだったりします。そういうタイプを使って、相手に嫌われないか苦悩するまなか。ましてや好きな相手にだと余計に悩むと思います。そうした葛藤を乗り越えつつ、過去を乗り越えてゲームを好きになっていく成長物語要素も入っています。でもまあ、ラブコメと考えた方がいいでしょう。主軸はゲームというよりは、やっぱり恋愛です。
ちなみに僕もカードゲームをやっていたんですが、そのときのプレイスタイルをこの作中の登場人物で表現すると「まなかとロマンさんを足して2で割らない」というあれでそれな人でした。
試し読みはここかな?

22位 盤上の詰みと罰(松本渚) 1巻〜

詰みと罰は罪と罰ではありません。将棋の詰みです。というわけで、将棋漫画を。
主人公の霧島都は史上初の女流六冠を、しかも十代で取った天才棋士。しかし、ある時を境に姿を消してしまう……5年後に現れた彼女は、1ヶ月ごとに記憶がリセットされるようになっていた。そして、だんだん記憶が失われていく(新しい戦法とかを覚えることができない)のなら残りの人生を将棋に捧げようと、将棋のための旅をすることにした都。いったい誰との対局が原因で記憶を失うようになったのか。というお話です。
監修は戸辺攻めで現在絶好調の戸辺誠六段。これからが楽しみ……と思っていたら、コミックハイ休刊に伴って連載終了。2巻は書き下ろしを加えて発売だそうです。残念……
試し読みはこれ

21位 スピリットサークル −魂環(水上悟志) 1〜5巻

輪廻転生をテーマとした作品。主人公の霊が見える体質の桶屋風太は、額に大きな傷のある転校生石神鉱子の後ろに背後霊がついていることに気づく。偶然霊が見えることが鉱子にばれた後、鉱子は前世からの因縁があることを告げ、風太にスピリットサークルをたたきつけ、過去生を見せていく。こうして、風太のさまざまな過去を巡る物語が始まる。
過去生はいくつもあるため、連作のようにもなっているけれども、それぞれに意味があり、鉱子だけでなく周囲の人達全てとの因縁を知っていくという構造がめちゃめちゃ面白いです。
試し読みは多分ここから

20位 VANILLA FICTION(大須賀めぐみ) 1〜7巻

VANILLA FICTION 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

VANILLA FICTION 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

主人公は売れっ子小説家の佐藤忍。彼の書く小説は全てバッドエンド。「自分が一番幸せと実感しないとハッピーエンドは書けない」という超ネガティブ思考の持ち主だったのだ。そんな彼が、ふとした折から天使の格好をした少女牧野エリを争奪する、神様の双六ゲームに巻き込まれてしまう。追っ手を振り切って、ゴールまでの逃避行を成功させることができるのか!? という、サスペンス物です。人がばんばん死にます。
佐藤先生の窮地の切り抜け方がいいんですよ。指をパチンと鳴らして、相手にとってのバッドエンドは何かを考えるというもの。ネガティブ思考すぎて自分のハッピーエンドは思いつかないので、相手の最悪の事態を考え、そこに誘導するという解決方法なのです。
登場人物も魅力的で、エリちゃんはかわいいし、パートナーの不死者(?)太宰の飄々としたところもいい。さらには、双六の相手の鞠山も自分の息子ドラジェのためなら何でもやるという執念もいい。ゲームは佳境に入っているので、続きが今最も気になる作品の一つです。ちなみにタイトルのVANILLA FICTIONは「なんでもない、ありきたりな作り話」という意味。
佐藤先生の本、読みたい。
試し読みは多分ここ

19位 昭和元禄落語心中(雲田はるこ) 1〜7巻

昭和元禄落語心中(1) (KCx)

昭和元禄落語心中(1) (KCx)

昭和元禄落語心中(1)

昭和元禄落語心中(1)

舞台は昭和後期。チンピラだった与太が、服役中に慰問にきた八代目八雲の落語に感動し、押しかけ弟子に。そこから、八雲、与太、八雲の養女小夏などを絡めて、落語家の業と、そして内面や素顔が描かれていく。
昭和の時代の落語家といえば大スターだったけれども、だんだんと落語そのものが衰退していくという時代にあえて押しかけ弟子入りをし、みんなに好かれながら成長していく与太の話。そして、八雲の過去編。また現代に戻って与太の話と、現在単行本が出ているだけで3部構成になっていて、それらがいろいろと複雑に絡み合ってお話が展開していきます。とりあえず、タイトルに「心中」とついている通り心中が大きな意味を持っています。
落語に対して造詣が深いわけじゃないので、落語部分の説明はうまくできません。が、演じているときの表情とか、話に合わせて艶っぽくも恐ろしくもなるところとか、描写も本当に素晴らしい。アニメにもなるとのことで楽しみですね。
試し読みはここからいけます

18位 僕だけがいない街(三部けい) 1〜6巻

売れない漫画家、藤沼悟は「再上映(リバイバル)」という特殊能力を持っていた。事故などに遭うと、自動的に少しだけタイムスリップして過去へ戻り、何度も同じシーンに遭う。これは原因が取り除かれるまで続く。というもの。この能力を使って、現代の母親殺害の事件と、過去の誘拐事件の真相を探っていくというお話です。
ミステリ系なのであまり語りすぎるのもネタばらしになっちゃうかもしれないので多くは書けないのですが、伏線の散りばめ方とその回収が見事ですね。あと、タイトルロゴのフォントを一文字ずつ徐々に変えていって、作中のキーワードでもある「違和感」を表現しているのも素晴らしい。
試し読みは1話と最新話が読めるみたい

17位 魔法使いの嫁(ヤマザキコレ) 1〜4巻

魔法使いの嫁 1 (BLADE COMICS)

魔法使いの嫁 1 (BLADE COMICS)

身寄りの無い少女チセをオークションで買ったのは、人ではない獣骨の頭を持つ魔法使いのエリアスだった。というところから始まる、異類婚姻幻想譚。
世界観がとにかく素晴らしいですね。そして、だんだんチセが心を開いていくお話かと思いきや、エリアスの方も大きな秘密を抱えていて、お互いにゆっくりゆっくりと距離を縮めていく雰囲気がとてもいいです。
試し読みはここから1話とか最新話が読める模様

16位 ABC殺人事件 名探偵・英久保嘉門の推理手帖(星野泰視) 1巻〜

ABC殺人事件! アガサクリスティ! と思った方。正解です。これはあの名作「ABC殺人事件」を下敷きに、舞台を昭和十一年の帝都に移したもの。エルキュール・ポアロの役をやるのがタイトルにも名前が出ている、英久保嘉門です。小男で、ヒゲで、灰色の脳細胞です。「ABC」と名乗る殺人鬼からの挑戦状に立ち向かっていくのですね。ちなみに昭和十一年といえば、二二六事件。ちょうど二二六事件発生と、この事件が重なっているので、今後どう深く関わっていくのか期待大ですね。
ABC殺人事件ってどこまでお話をしていいんだろう……いわゆる古典の名作でも、ミステリだと何か語るとネタばらしになりそうなので、余分な物が漏れないようにこれぐらいで。
試し読み直リンクはこちら

15位 夕空のクライフイズム(手原和憲) 1〜6巻

夕空のクライフイズム 1 (ビッグコミックス)

夕空のクライフイズム 1 (ビッグコミックス)

個人的にはいま一番面白いサッカーマンガなのではないかと! 正確には、サッカーネタマンガとも言うべきなのかもしれませんが。
ガチガチのシステマチックなサッカーを標榜する監督の下で、指示を無視してドリブルに拘っていたために半ば干されていた高校生の今中くん。ところが、監督が他校の引き抜きにあってしまった。新しく就任した監督は中二病で、クライフが大好きで、「どうせなら戦って美しく散りましょう」という哲学の持ち主だった。いったいこれからどうなる!? というお話です。
いろんなサッカーマンガとかで「楽しいサッカー」というのが出てきますが、この作品が一番明確に「楽しいサッカー」を定義してくれている気がします。どうせ高校の部活では、最終的には1校を除いて負けるんだから、美しく散ろうという負け前提で楽しいサッカーに注力する。優勝候補の強豪ではないからこそ目指せるサッカーではないかと。
随所に出てくるマニアックなサッカーネタは、正直わからないところも多かったりします。でも、なんとなく楽しい。そして何より時折開催される男子高校生による会議が面白い。紳士的に、女子のあれこれ(あの太ももはサッカー経験者か? とか、女子の着るユニフォームはぴっちりがいいかだぼだぼがいいか等)について語り合うのです。同志よ!
試し読みはこちらから

14位 ハリガネサービス(荒達哉) 1〜6巻

中学のバレー部ではピンチサーバーだった主人公の下平くん。高校でのバレー部でも、一緒に入った同級生達は元東京選抜。ここでもダメなのか……と思ったそのとき。サーブ練習で、あまりに正確なサーブに周囲が気づく。レシーバーは一歩も動かず、腕すら動かさないで、10級連続で寸分の違いもなく同じところにサーブがきたのだ。下平は本当に狙ったところにサーブを打てるのか……? というところから始まる青春バレーボール物語。
これが、とても面白いのですよ。下平くんは怪我のトラウマからジャンプができなかったりするのですが、そこでサーブ練習を重ねて類い希なサーブの才能を開花させていたのです。どれぐらい正確なサーブが打てるかというと、狙ってネットインができるぐらい。まさに一芸で一点突破型の主人公ですね。
他のメンバーも個性的だし、試合の展開もとてもいい。そりゃあちょっと正確無比すぎるサーブというのは現実感が無いかもしれませんが、それでも面白いものは面白いのです。新たな異能(といってもいいでしょう)を持った敵も登場するし、超オススメ!
試し読みはLINEマンガでも読めるみたい

13位 バーナード嬢曰く。(施川ユウキ) 1〜2巻

本読みを気取りたい町田さわ子が本を読まないでわかったようなことを言うマンガ。というとちょっと身も蓋もなさすぎるので、できるだけ楽して本読みに(見えるように)なりたい町田さわ子が、SF好きの神林さんとか、シャーロキアンの長谷川さんとか、流行り物の本を少し遅れて読むのが好きな遠藤くんとかと繰り広げる、本をテーマにした会話劇です。
いやーもう、本好きの人は読んだ方がいいでしょうとしか言えません。SF好きはマストかと。

12位 ドリフターズ(平野耕太) 1〜4巻

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

古今東西の英雄が今際の際に中世ヨーロッパ風の異世界に召喚されて、戦うお話。一言で片付けちゃうとこんな感じなんだけれども、まあこれがとっても面白い。まあもうほとんどの人が知っているだろうし検索するとたくさん出てくるだろうから今更僕が言うまでもないですが。
ノブノブの策略とか策におぼれるところが特に好きです。
試し読みはここかな?

11位 ゆゆ式(三上小又) 1〜7巻

ゆゆ式 1巻

ゆゆ式 1巻

ゆゆ式 (1) (まんがタイムKRコミックス)

ゆゆ式 (1) (まんがタイムKRコミックス)

実は告白をいたしますと、最初はよくわかりませんでした。ノリとか。でも周りの友達がみんなはまっているし、考えるな、感じるんだという言葉に従って何度も読んでいくうちにだんだんはまってきました。読書百遍義自ずから見る。という奴でしょうか。多分違います。
そして今世紀の覇権アニメとして名高いアニメ版ですが、人生において一挙上映が至近距離で何度となく行われていたにもかかわらず、しっかりと通して見たことがありませんでした。これから見ようと思います。諸先輩方、ご指導ご鞭撻のほどお願いいたします。
(※書きながら、ニコ生でやっていたBD BOX発売記念一挙放送をちょこちょこ見ることに成功しました)
試し読みは多分ここから

10位 Dimension W(岩原裕二) 1〜8巻

コイルと呼ばれる、異次元からエネルギーを取り出す発明によってエネルギー問題が解決した未来。不正コイルの回収屋のキョーマは相棒ミラと共に、さまざまなコイルにまつわる依頼を解決する。というSFアクションです。「W」はXYZ軸とは別の第四の軸という意味ですね。
「コイル」の設定といい、それによって発明されているものといい、実にいいSFです。しっかりした世界観。詳しすぎず、順を追って丁寧に描かれていく描写。魅力的なキャラクター。どこをどうとっても面白い要素しかありません。どうでもいいのですが、新たな発明によりエネルギー問題を解決って、ジャイアントロボ〜地球の静止した日〜を思い出しますね。僕だけかもしれませんが。
これを書いているときにアニメになるということを知りました。見なきゃ!
試し読みはここからいけそう

9位 白暮のクロニクル(ゆうきまさみ) 1〜6巻

不老不死の存在「オキナガ」。主人公の伏木あかりは厚生労働省の保健所研修中に、オキナガの殺人事件に出くわしてしまう。オキナガを監督する部署に配属されたあかりは、この事件を追うように命令される。かくして、殺人等の書籍を集めた私設図書館の司書である雪村魁とコンビを組み、事件を追っていく……というお話です。
オキナガの設定がいいですね。不老不死とはいっても、老衰や自然死がないだけで、きちんとした殺し方をすれば殺せます。血が必要だったり、紫外線アレルギーになったりするので、ベースは吸血鬼みたいなものと考えておけばいいでしょう。でもって、この設定が事件にうまくいかされているのです。日常の描写をしっかり重ねることで、本当にこういう世界があるのではと思わせるのはさすがですね。しかもその日常描写が面白いの何のって。これも早く続きが出て欲しい本です。
試し読みはここからあれこれいけそう

8位 王様達のヴァイキング(さだやす) 1〜8巻

王様達のヴァイキング 1 (ビッグコミックス)

王様達のヴァイキング 1 (ビッグコミックス)

社会性もコミニュケーション能力も皆無な是枝少年。彼が持っているのは、ハッキングの腕だけ。エンジェル投資家の坂井と会うことで、彼は自分の腕を活かし認められる日の当たる世界があることを知り、社会へと乗り出していく。
コンピューター犯罪を扱った作品の中では出色の出来です。リアルで、スピード感があり、現実味にあふれている。専門用語が多いのですが、単行本だと巻末に解説があったりするので知らなくても何とかなるはず!
孤独で、コンピューターと犬だけが友達だった是枝くん。今までは自分を認めてくれる、他者とわずかな交流を持てたのがクラッキング(犯罪)だけだったのが、坂井と出会い、表舞台でもその腕を活かす方法があることを知る。これって、こういうタイプの人にはとても重要なことだと思うのです。巨大な才能も、それを正しく舵取りする人がいないともてあましてしまうことがあるわけですね。是枝くんと坂井さんはすごくいいバディだと思います。
試し読みはここからいけそう

7位 あとかたの街(おざわゆき) 1〜4巻

あとかたの街(1)

あとかたの街(1)

あとかたの街(1) (KCデラックス BE LOVE)

あとかたの街(1) (KCデラックス BE LOVE)

太平洋戦争時の、名古屋大空襲を描いた作品です。12歳の少女あいの目を通して戦争末期の日常と戦争、そして空襲が描かれます。
日常描写がとても丁寧に描かれているので、だんだんと始まる空襲のひどさ、むごさが際立ち、胸に迫ります。
作者のおざわゆき先生の母親の実体験がベースとなっているとのこと。戦争のことをまだ覚えている世代が生きているということと、資料があるということと、そういったタイミングが合わさって、今描かれるべくして描かれた作品なのかもしれません。
試し読みはこちらから

6位 ボールルームへようこそ(竹内友) 1〜8巻

ボールルームへようこそ(1)

ボールルームへようこそ(1)

ボールルームへようこそ(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

ボールルームへようこそ(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

あらゆるスポーツマンガの中で、今最も熱いマンガと言えるかもしれません。平凡な中学生だった富士田多々良が社交ダンスの世界に入り、さまざまな人と出会ってダンスの世界へのめり込んでいきます。
もう、ダンスシーンの躍動感、身体の描写、筋肉、艶っぽさ、全てが素晴らしい。昴でも感じたことなのですが、言葉を使わない肉体を使った原初のコミュニケーションがダンスということで、台詞が無くても多くのものがどんどん伝わってきます。
試し読みはここからいろいろと

5位 BLUE GIANT(石塚真一) 1〜6巻

ジャズの世界に心を奪われた高校生の宮本大は、サックスを手に入れ、練習をし、世界一のジャズプレイヤーを目指す! という作品なのですがもちろんそれだけではありません。大の愚直なまでのジャズにのめり込んでいく姿。自分の信じるもののためには、他の人がどう思おうと気にしない前向きさ、ひたむきさ。師匠との出会いと成長。淡い恋。故郷との決別。後に世界的プレイヤーになるであろう、大の生き様の全てが描かれていると言っても過言ではありません。迫力ある演奏シーンは、大がだんだんうまくなっていくと共に、表現が増えていく感があります。
何よりも最高なのは、(おそらく単行本のおまけの)ボーナストラックでしょう。その巻で登場した人物に、(大が世界的プレイヤーになっている未来で)大とどのような出会いをしたのかインタビューをするという形式なんですが、これが本当にすばらしい。1冊読み終わった後にこのボーナストラックが入っていると、なんかこう、グッと目から熱い物が流れてきます。
音楽漫画にハズレ無し、といいますが、今一番熱い音楽漫画ですね。
試し読みはこちらにあるけれどもここの公式ページ面白いのでいろいろ読むといいかも!

4位 僕のヒーローアカデミア(堀越耕平) 1〜5巻

僕のヒーローアカデミア 1 (ジャンプコミックス)

僕のヒーローアカデミア 1 (ジャンプコミックス)

現役ジャンプっ子としては、やっぱりこの作品は外せません。
「個性」という超常能力を持って生まれるのが当たり前になった未来。その能力を犯罪に使うヴィランと、それを退治するヒーローがいる世界。その中で、無類のヒーローマニアの主人公の緑谷出久(デク)は個性が発症しない、無個性だった。ところがひょんなことから、No.1ヒーローオールマイトと出会い、彼の個性を受け継ぎ、後継者となる。そしていま、ヒーロー養成学校に入り、さまざまな個性を持ったクラスメイト達と切磋琢磨し、ヒーローを、オールマイトを目指す。
というお話で、これがまた非常に熱い。王道の少年成長物語です。クラスメイトそれぞれもヒーローにならなければならない理由やトラウマ等を抱えていて、キャラが立っているのがいいですね。
今はデクの成長物語に集中していますが、おそらくこの世界で起きる諸問題(たとえばデクのように無個性の人がいじめられるとか)までも描いてくれると、アメコミのような深みを持った超大傑作になるのではなんて期待を今からしていたりします。
試し読みはこの中にあります

3位 スティーブズ(うめ・松永肇一) 1〜2巻

スティーブズ(1)

スティーブズ(1)

スティーブズ 1 (ビッグコミックス)

スティーブズ 1 (ビッグコミックス)

これが僕らの見たかったスティーブ・ジョブズ! というべき、スティーブ・ジョブズのApple創世(あえてこの言葉を使う)ストーリー。なんというか、iPhoneが出てからのジョブズ御大って、日本の報道のされ方ではなんかこう、聖人君子的なヴィジョナリストのような扱いが多かった気がします。でも、そうじゃない。もっとこう、攻撃的で、近くにいると現実を歪曲されてしまうようなエネルギーに満ちあふれすぎている人だと思うのです。それを余すところなく描いているのが、このスティーブズなのですね。
出てくる人はみんなかっこいい。ゲイツもとてもかっこいい。台詞回しもかっこいい。「伝記」ではなく、しっかりとした「マンガ」になっているからこそ、この時代のエネルギッシュで疾走感溢れる世界が描けているのではないでしょうか。
それにしても、下記の記事に書いてある、ジョブズvsゾンビ編。超気になります……www.excite.co.jp
試し読みはこちら

2位 黒博物館 ゴースト アンド レディ(藤田和日郎) 上下巻

黒博物館シリーズの新作。今回はナイチンゲールと、生霊グレイのお話です。生きる希望を失っていた彼女は、取り殺してしまうため、劇場に出るというグレイマンに会いに行く……というところから始まる、ナイチンゲールの伝記にオカルト要素を加えた作品です。
ナイチンゲールとグレイの抱えている闇とお互いに理解していくとことか、ナイチンゲールがクリミアの天使になるまでの戦いとか、一連の伏線の張り方や回収の仕方はもうさすがの出来としか言いようがありません。読み始めると一気に読んでしまします。
試し読みはこちら

1位 百万畳ラビリンス(たかみち) 上下巻

リアル脱出ゲームとか、映画「CUBE」が好きな人ははまるんじゃないでしょうか。というか、僕がそれです。
女子大生の礼香はとても好奇心が旺盛で、それゆえに常識にとらわれない発想でゲームのあらを探す、バグ探しが得意。バイトもゲーム会社でデバッグをしている。そんな礼香とルームメイトの庸子が、ふとある朝目が覚めると謎の和室に閉じ込められていた。いけどもいけども続く和室。部屋がループしていたり、下に落としたボールが上から降ってくるなど、通常の物理法則から外れた空間。でも礼香はそんな状況を愉しみます。果たして二人はこの畳の迷宮から脱出できるのか……?
という、SFです。とにかく話の完成度が高い。読み始めたら、一気に上下巻を読み切ってしまうでしょう。不条理な世界と、そのあらを探して脱出方法を探す冒険譚にぐいぐい引き込まれていくでしょう。
特に面白いのは、その世界の特性を利用した礼香の発想です。コピー&ペースト的に、一つの部屋で起こした変化が、別の部屋でも起きることに気づいた彼女。例えば、ちゃぶ台の上にボールを乗せると、次の部屋のちゃぶ台にもボールが乗っています。では、ちゃぶ台の上にさらにちゃぶ台を乗せるとどうなるのか? ということをやったりもします(どうなるかは読んでのお楽しみということで)
ゲーム好きな人は絶対に読んだ方がいいと思いますよ!
試し読みはこちら

まとめ

がーっと勢いで作品をリストアップして、がーっと書いていったんですが、書いている最中に「あ、あれもあった」「それを忘れていた」とかもりもり出てきました。だけどそのままの勢いを大事に後から加えることはしないで書きました。なのであれがない! とか、これがあるのにそれがないのは納得いかない! という人は、単に僕のミスの可能性があります。あと、本当に僕がその作品を知らない可能性も高いので、おすすめ教えていただけたらと。
基本的に料理漫画は全て読むのですが、その他のマンガは結構メジャー志向ですね、僕。というまとめでした。
マンガ大賞フォーマットにのっとっていない、9巻以上あるバージョンとかもちょっと書きたい気がします。

あ、最後の最後にダイレクトマーケティング。白熱洋酒教室がもうすぐ出るのでよろしくお願いします!

白熱洋酒教室 (星海社新書)

白熱洋酒教室 (星海社新書)