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とかくこの世は生きにくい。日々モヤモヤを抱えて生きています。モヤモヤジャンルは本・子育て・教育・映画・ニュース・社会などです。あなたに響けば幸いです。

「むなしさ」に襲われたなら

むなしい・・・

 

この、なんともやっかいな感覚・・・

 

どうやって付き合っていったら良いのでしょうか?

 

しっかり考えさせてくれるのが本書です。

 

きたやまおさむ著『「むなしさ」の味わい方 (岩波新書)』を読みました。

 

「むなしさ」の味わい方 (岩波新書)

 

著者は、「帰ってきたヨッパライ」を大ヒットさせたフォーク・クルセダーズのメンバーである北山修さんです。

 

北山修さんは精神科医でもあり、大学の学長も務めた人です。

 

だからでしょうか、本書では精神分析の視点からも、言葉の視点からも、文化からも・・・

 

そして、自身の経験からと、あらゆる角度から「むなしさ」に迫ってくれます。

 

むなしいって、どういう感覚なんだろう?

 

望んで味わいたい感覚ではないことは確かです。

 

できることなら、「むなしさ」に襲われるのは避けたい。

 

しかし、そうも言っていられない。

 

北山さんも、冒頭でこんなふうに書いています。

 

「自分のやっていることに意味があるのか。自分に存在価値があるのか。大切なものを探しているけど、まったく見つからない。何をやっても、砂をかむようで、苦く味気がない。徒労感を覚え、心にぽっかりと穴があき、そこを風が吹き抜ける。むなしいー。」(p.2)

 

そうです、心にポッカリと穴が空いたような、この感覚です。

 

誰だって無縁じゃないと思います。

 

でも、こんな感覚に襲われたときに逃げてはダメなんだそうです。

 

「むなしいと感じるということは、立ち止まって、自分を見つめ直すことでもあります。」

 

そして、

 

「人生において『むなしさ』を感じることは、とても大切なことです。それをかみしめ、味わうことで、人生がより深みが出てくることもある」(P.20)

 

本書を読めば、むなしさを克服できます!なんて簡単なものではありません。

 

でも、むなしさを噛み締め、味わう覚悟はできると思います。

 

そして、その先には深みのある人生が待っている、っていうのは嘘じゃない。

 

そんなふうに思わせてくれる本でした。

 

 

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