Money Forward Developers Blog

株式会社マネーフォワード公式開発者向けブログです。技術や開発手法、イベント登壇などを発信します。サービスに関するご質問は、各サービス窓口までご連絡ください。

20230215130734

2024年のMoney Forward Developers Blogをふりかえる

はじめに

アドベントカレンダーも終わり、本年ももう終業モードな方もいらっしゃると思いますが皆さんいかがお過ごしでしょうか。 最近マンチェスターシティが負け続けていてメンタルがボロボロになりつつも、インテル・ミラノが快勝してくれておりなんとか生きている技術広報の id:luccafort です。 本記事では弊社マネーフォワードの2024年に寄稿されたテックブログ記事を思い返してみたいと思います。

welcome to kyoto

前年比記事投稿数

今年をふりかえる前にざっくり昨年2023年と比べてどうだったかをふりかえりたいと思います。 以降の集計結果は2024年12月25日 19時時点のものとなります。 執筆から公開までのタイムラグで数値が変化する可能性がある点にご注意ください。

投稿数計算の前提条件

弊社には日本語向けブログ moneyforward-dev.jp と 英語向けブログ global.moneyforward-dev.jp の2つのブログメディアがあります。 投稿数は上記2つの投稿数を含んだ記事数で計算したいと思います。 英語向けブログは昨年11月末に公開されましたが、今年に入ってから本格的な運用が始まりました。

Zenn の PublicationQiita の Organization も存在はしますが、ブログ管理や運営は主に上記2つのブログに対して行っているため、本記事では投稿数に含めないものとします。

参考: Zenn の Publication 設立に関する記事はこちら。 moneyforward-dev.jp

集計期間 合計記事数 日本語ブログ記事数 英語ブログ記事数
2023年1月〜2023年12月 128記事 114記事 15記事
2024年1月〜2024年12月 127記事 92記事 35記事

上記の数値には本記事が含まれていないため、本記事執筆が完了すると合計記事数が前年と同じになります。 ぼくが所属するエンジニアリング戦略室では今年2つの目標を立てました。

  • 日本語ブログが80記事
  • 英語ブログが40記事

日本語ブログは例年通り、80記事以上と目標を達成できた一方、英語ブログは35記事と達成率がおよそ9割ほどとなりました。 英語ブログは開設当初の2023年12月は、目新しさからか日本人メンバーも執筆してくれることがありましたが徐々にその数が減っていきました。

このあたりは発信の導線設計などを工夫することで改善の余地がありそうです。 ブロガソン(英語ブログ版アドベントカレンダーのこと。海外では特定宗教の行事に配慮し、ブロガソン・ブログリレーと表現することが多いようです)を企画したりもしましたが、結果をみると芳しいとはいえません。 後日、外国籍エンジニアと話した際にどうやら大元となるアドベントカレンダーの概念がうまく通じていないことが判明しました。 特定日まで毎日ブログを書く催しだと伝える、あるいはブログ発信強化月間のようなシンプルな催しのほうが伝わりやすいのかも知れません。

来年は今年の反省を活かして、英語での発信をもう少し頑張ってみようと思います。 ぼく自身も今年初めて海外登壇はしましたが、英語でのブログ記事は書いたことがないので挑戦してみたいと思います。

2024年1月〜2024年12月をふりかえる

2023年1月〜12月の記事投稿数は114件でした。 本記事を執筆している2024年12月25日現在、2024年1月〜12月の投稿数は92件なので昨年に比べて若干のビハインドとなっています。 これは弊社の外国籍エンジニアがブログ投稿できるように global.moneyforward-dev.jp を新規作成したことが影響しているものと思われます。

ブログ全体をふりかえるには記事数が多いため、月間 PV 数を元に TOP 3を紹介しつつ、今年1年をふりかえろうと思います。

2024年1月

5記事投稿。

NLP 2024で発表予定だった理化学研究所さまとの共同研究の記事が1位でした。今年は NLP や YANS に参加させてもらったのですが、多くの方に質問をいただいた研究内容のまとめ記事です。
2番目は MySQL Compatible な Database Adapter の調査から ActiveRecord の問題点を知る経緯を書いた記事。恥ずかしながらこの記事を読むまで Trilogy の存在を知りませんでした。
3番目は Go の後方互換性についてまとめてくれた記事がランクインしました。Go は比較的後方互換性が保たれていますが、このような要点をまとめていただいてると事前に注意すべき点を考慮できるので安心できますね。

moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp

2023年12月投稿なので惜しくも(?)CTO 中出さんが書いた記事は落選としています。 含めた場合の順位は1位でした。カジュアル面談などでも CTO メッセージは言及いただくことがあると聞いています。 moneyforward-dev.jp

2024年2月

5記事投稿。

1位は鈴木さんが書いたサービス基盤本部の記事。カンファレンスや知り合いのエンジニアに「あの記事よかったよ」と言われることが多かった『サービス基盤本部が考える「成長する開発組織の戦略ストーリー」』でした。鈴木さんの記事はカジュアル面談などで言及されることが多いと聞くことが多いので納得です。
2位は nov さんの恒例となっているパスキー利用状況レポート。定期的に利用状況とそこから分析できる内容を書いてくれていて、毎回とても興味深く読ませてもらっています
3位は福岡開発拠点(以降、福岡拠点)のべーやんさん。福岡拠点のメンバーは発信やアウトプットへの関心が高く、いつも助かっています。 Gaurdian や Warrior といった各グループの特性の話をメンバー独自の視点で書かれているのが面白くて、毎回楽しませてもらっています。

moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp

2024年3月

7記事投稿。

1位はぼくと同じ関西拠点所属の Task さんの「DBの呼び出し回数を減らしてコア機能を拘束した話」でした。Kyoto Tech Talk #4 でも登壇して発表してくれました。
2位は VPoE 高井さんが執筆した開発者体験サーベイのまとめ記事。マネーフォワードはより大きな開発者体験を享受すべく様々な取り組みを行おうと考えており、その一環として開発者体験者サーベイを回収する取り組みを開始しました。記事内の PR されている求人はまだ応募可能です。ご興味をお持ちになられた方のご応募をお待ちしてます
3位は NLP 2024 に参加したイベントレポートです。ぼくも初めて NLP (言語処理学会)にブースの担当者として参加しました。様々な方から質問をいただきその熱意に圧倒されました。

moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp

Task さんが登壇した Kyoto Tech Talk のイベントページ。 hatena.connpass.com

Developer Experience Engineer の求人募集ページ。 hrmos.co

2024年4月

9記事投稿。

1位は3月2位に引き続き、VPoE 高井さんの GitHub Copilot Business を積極活用する記事。開発者体験サーベイもそうですが、実際の数字をみると納得感が増しますね。
2位は10年に渡って開発、運用、保守を続けているマネーフォワード クラウド会計のアーキテクチャ戦略として「何故 CoffeeScript から着手したのか?」の記事です。この記事がきっかけで note さん主催イベント「10年超えRails開発の振り返りと未来 - 持続可能な開発の具体策」の登壇のお声がけをいただきました。
3位は id:Pocke さんの「Ruby や Rails のアップグレード情報を共有する場を作りました。」です。 Ruby や Rails のアップグレードに苦しんだ方もいるのではないでしょうか?そんな方に参照してもらえるページを用意するに至った経緯などを書いてくれています。

moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp

note さん主催のイベントページはこちら。弊社以外にも食べログさんや STORES さんも参加されていました。 pieceofcake.connpass.com

2024年5月

10記事投稿。

1位はスクラムマスターとして新しいチームに入るときにやっておくとよいことを書いた記事です。いつになっても新しいチームにジョインするときはドキドキするのでここに書かれている内容を意識しておくだけでも気持ちに余裕が生まれるのではないかと思います。
2位は CQO(Chief Quality Officer)高橋さんのインタビュー記事。シフトレフトを導入して品質を落とさずに開発スピードを上げていくための取り組みや思いについて語っていただいています。
3位は RubyKaigi 2024 直前ということもあり、同僚のあちゃさんが書いてくれたスポンサー PR 記事です。OGP に VPoE 2名が登場してるのですが、 VPoE に何をさせてるんだろう?と思って読んでいました(笑)

moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp

2024年6月

3記事投稿。

6月は3記事のみだったので全てランクインしてしまってるのですが、順位だけ掲載しておきます。

1位は nov さんのパスキーの利用状況レポート。定期的な発信にも関わらず一定数の方に関心を持って頂いてることがわかります。
2位は前月5月に RubyKaigi 2024 に参加した際にブースコンテンツとして企画したコードレビュー企画の解説記事です。様々な方にレビュー企画に挑戦していただけて大成功でした!
3位は宮本さんたちメンバーからの強い要望により実現した Kotlin Fest 2024 のスポンサー PR 記事です。3月に1位を獲得した Task さんが登壇されていました。マネーフォワードでは近年 Kotlin を採用したプロダクトも増えてきており、その勢いをより Forward させたいという思いからスポンサーすることになりました。

moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp

2024年7月

6記事投稿。

1位は5月1位に引き続き、7月も1位を獲得された asato さんの稲作のメタファーをテーマとした記事です。個人的にとてもわかりやすいゲイン・ペインが表現されており好きな記事です。
2位は id:Pocke さんの Steep のメモリ使用量を改善するつもりが実行速度を改善していた開発話をまとめた記事です。意図したわけでない改善によって実行速度が改善された経緯がとても興味深かったです。
3位は CISO 室の万さんによる AWS セキュリティ統制システムの紹介記事です。昨今さまざまなサイバー犯罪やリスクが高まっており、弊社マネーフォワードも例外ではありません。普段黒子に徹することが多く、あまり表舞台に登場することが少ない CISO 室の取り組みが発信されて「こんなことをしていたのか」と知るきっかけになりました。

moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp

2024年8月

8記事投稿。

1位は iOSDC 2024 が開催されていたこともあり、弊社iOS技術顧問の giginet さんと sakai さんによる対談インタビュー記事です。記事の最後に iOSDC 2024 のチャレンジトークンを入れさせていただいたのですが、お気づきになられた方はいらっしゃいましたか?
2位は翌月9月に開催するマネーフォワード初のカンファレンス、 Money Forward Tech Day の PR 記事です。特設サイトのアニメーションやアクセシビリティはメンバーの清川さんがかなりこだわっていたので良ければそちらの記事もご覧ください。
3位は Ruby エンジニアが Kotlin に入門して学ぶ過程を「Rubyエンジニア、Kotlinエンジニアへの道」として不定期に投稿してくれている Companion object 編の記事 です。 Ruby と Kotlin でどう表現するのかをサンプルコードを使って解説してくれているのでわかりやすかったです。

moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp

清川さんのアクセシビリティとアニメーションに対するこだわりを解説した記事

zenn.dev

2024年9月

11記事投稿。

1位は id:Pocke さん。不要なはずの処理が何故か実行速度を速くするという挙動の調査をまとめて記事にしていただいたものです。これはかなり不可思議な挙動で読んでいて面白かったですね。直感に反する挙動も丁寧に調査されていてさすがでした。
2位も id:Pocke さん。同月内で同一人物がランクインするのは、計測し始めてから初めてな気がします。テストは増やしたあと減らすことが少ないのでガッと減らせると気持ちよさそうだなと思って読んでいました。
3位は asato さん。バックエンドとフロントエンドそれぞれ独立していたチームを越境し、自立できるようになった経緯をまとめてくれています。「少しつまずいたところ」と書かれている部分で、過去の自分の経験でも似た気持ちになったことがあったので懐かしい気持ちになりました。

moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp

2024年10月

11記事投稿。

1位は Money Forward Tech Day でも発表していただいた nov さんの Passkey Autofill を用いたマネーフォワード ID のお話。イベントの際にも SNS や懇親会で「この発表がよかった」と言及されていてさすがだなと関心していました。ご参加いただけなかった方で気になる方はぜひご覧ください。
2位は IZUMIRU さんのテクニカルプロトタイピングを用いた開発で不確実性を減らそうという記事。本記事レビュー中にテクニカルプロトタイピングが一般的な名詞なのかと思い質問したら「自分たちで考えた名称です」と返ってきてビックリしました。記事内でも言及がありますが GoodPatch さんも同様の名称を発明されていて奇妙な縁のようなものを感じました。
3位は Rails 6.1 から Rails 7.0 にアップデートする際の苦労した話を福岡拠点の miyamu さんが書いてくれています。 Warning を地道に潰していく作業は大変だったろうなと記事を読んで思いました。お疲れ様です!

moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp

2024年11月

5記事投稿。

1位は自分の記事でした。某氏に「カンファレンス楽しい!以外の技術的な内容も書かんかい!(悪意のある意訳)」と言われて「うっす!」となったので一参加者として楽しんできたログを書き残しました。
2位は JaSST'24 Kyushu に参加した弊社メンバーによるブログ記事です。ブログレビューを依頼されてキレイな沖縄の海が一番最初に目に入ってきて「沖縄いきたい!」となりました。 tosite さん、実行委員長お疲れ様でした!
3位は Suga さんによる QA チームの新たな試みの紹介記事。 CQO 高橋さんの熱い思いからここ数年 SDET(Software Development Engineer in Test)の取り組みを行っています。この記事では QA の方が初めてプログラミングを学ぶ際の要点などを解説しています。懐かしい気持ちでソートアルゴリズムの問題を読んでいました。

moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp

SDET の取り組みに興味がある方はこちらの記事もどうぞ。

moneyforward-dev.jp

2024年12月(暫定)

12記事投稿。

1位は新卒採用部の古田さんが執筆した Money Forward Lab のリサーチャーである張さんの新入社員インタビュー記事。面接体験の感想で「楽しい」という感想が出てきて一体どんな面接をされたんだろう?と気になりました。
2位は hktechno さんによる Kotlin による技術選定を行う場合の比較検証する際の観点をまとめた記事です。ぼくは Kotlin には疎いため、それぞれの観点が丁寧に整理されていてとても参考になりました。
3位は 10月3位に引き続き miyamu さん。2024年12月、つまり今月からテックリードの大任を引き受けるに当たって考えていることを共有してくれています。最後の「最終的には楽しくやっていきたいです」という一文にはとても共感しました。ユーザーにとって価値あるものを楽しく開発していきましょう!

moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp

2024年 TOP3(暫定)

1ヶ月毎に TOP 3を見てきましたが年間でもみてみたいと思います。

1位は Task さんの DB 呼び出しの回数を減らし、高速化した話でした。2位の PV に対して1.5倍でした。フィルタリングを外した累積 PV 数で比較しても上位でした。
2位は id:Pocke さんの不要な処理が実行速度を速くした謎に対する記事。ぼくは実際に PV 数を見るまでこの記事が1位なのではないかと思っていました。
3位は VPoE 高井さんの開発生産性が上がることが判明したので GitHub Copilot Business を活用する記事です。こちらは昨今の開発生産性の関心の高さや生成 AI に対する関心が反映された形でしょうか?

moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp moneyforward-dev.jp

今年1年をふりかえるとやはり執筆している回数が高い方ほど、上位にランクインしているような印象を受けました。 特に今年は「開発生産性」「Kotlin」「Passkey/Passkey Autofill」あたりの技術に注目が集まったように感じています。 アーキテクチャ改善やパフォーマンス改善などの取り組みは言語を問わず、一定以上の注目が集まりやすいこともわかってきました。

実際に、これらのワードを含む記事はカンファレンスやイベントなどで「ブログ記事を読みました」と言われることが多かったです。 また、その結果を反映するかのようなランキングになっていることも月次、年間でまとめたところ見えてきました。

マネーフォワードではあまりブログにおける PV 数を重視しすぎないようにブログ運営を行っています。 ですが、このように並べてみると、今年1年もさまざまな面白い記事を書いてもらえたなと思います。

来年は、SRE やフロントエンド、Go、SDET/QA の取り組みの記事が増えてくれると嬉しいですし、マネジメント層や EM が取り組んでいる組織課題や PO/PdM の開発課題の記事も読んでみたいと考えています。 今年の残り日数を考えるとここから本記事を含め8記事投稿されるのは難しいと思うので、来年はまた年間100記事を達成したいと思います。 (年間100記事じゃなくても全然問題ないんですけど、目前で足踏みしてしまうと達成したくなりますね!)

それでは少し早いですが、皆さん良いお年をお過ごしください。 昨今、インフルエンザなどの感染症が流行っていますので、どうぞ体調を崩されないようご自愛ください。

それはでまた来年お会いしましょう!