新常用漢字表試案における「次」の変遷

  • このエントリは最初「複雑化する新常用漢字表試案」というタイトルだったのだが、内容に誤りがあったので削除した。以下、問題のあった部分(第1次試案と第2次試案の違いを見落としていた)に関するメモ*1。
  • 現行の常用漢字表に含まれる文字のなかで、部分字体「次」を持つのは、「姿」「資」「諮」「次」「盗」。下図は、この5文字と部分字体のバリエーションの関係を整理したもの*2。Adobe-Japan1で表現できないグリフは空欄とした。白地が常用漢字(デザイン差の範囲内)、グレー地は字体差(常用漢字ではない)。グレー地のセルに入っているグリフは旧字体*3。


  • 現行の常用漢字表では、字体のレベルにおいて旧字体B/B'とCが新字体A/A'に統一され、例示字形はA'に統一されている。一方、新常用漢字表第1次試案では、おそらく字源を反映して、「姿」「資」「諮」「次」の4文字がAとなっていた。これが第2次試案では、現行の常用漢字表と同じくA'に統一された(下図)。

*1:コメント欄でのご指摘、ありがとうございました。

*2:C(U+3CC4)は「ヨダレ」の意味で「次」とは別の字。

*3:旧字体については『角川新字源』を参照した。