大学生の娘が夏休みで帰ってきたので、宇都宮まで映画をみに行ったときの話し。
目的地まであと20分というところで、車のエアコンの挙動がおかしくなりました。
熱風しかでてこない。
車内の温度と湿度が急上昇する中、落ち着いて関連しそうな機能をいじくってみた。
- 温度、風量、風向きの設定を変化させる
- エアコン機能のオン/オフ切り替え(上記設定との組み合わせ)
- AUTO機能のオン/オフ切り替え
- 車の再起動(エンジンを切る→エンジンをかける)
やっぱり熱風しかでてこない。
壊れたな...。
エアコンを止めて窓を開けたら、もっとひどいことになったので閉めました。20分後、ふたりとも汗だらだらになりながら目的地に到着しました。久しぶりに娘とデートできる嬉しさもあり、先に車屋さんに行って見てもらうという発想はありませんでした。今日は涼しくなってから帰ろう。それに、地下の駐車場に何時間か入れとけば、エアコン直るかもしれない。
6時間後。
やっぱりエアコン直ってなかった。
むむー。
窓全開にして走り出したら、少し前に降った雨(夕立)のおかげで、ぬるい風がビュンビュン入ってくる。後部座席で「とーばーさーれーるー」とか言って、長いストレートの黒髪をなびかせてはしゃぐ娘。
運転しながら、考えてました。
ちょっとした不具合の原因を調べていったら、システム上の大きな問題が見つかった、というようなケースもあるよなー。走行中いきなりエンジンが止まったりしたらそれこそ困るし、やっぱり早めに見てもらおう。
そうか、お盆休みか!
しかたないなー。直るまで極力出かけないで、ひきこもろう。
1時間後。
薄暗くなってきたのでスモールライトを点けて、今日の映画楽しかったねぇなんて話していたら、オレンジ色の明かりのついたトヨタカローラ矢板店が見えた。
受付のそばにいた、日焼けしたエンジニアに声をかけました。
「あの、エアコンが効かなくなってしまって。予約してないんですけど、見ていただけますか?」
「大丈夫ですよ。中でお待ちくださいね。」
15分後。
「この部品が壊れてました。」
iPhoneのキューブ型のAC充電器のようなものを見せてもらう。
「部品を交換して確認してみたんですが、特に問題なくエアコンも使えるんで、もう大丈夫です。」
ほっ。よかった。
「ありがとうございました。本当に助かりました。」
「おいくらになりますか?」
「ああ、交換した部品は新品ではないので、いいですよ。」
エンジンをかけるとエアコンから冷たい風が出てきました。
嬉しかったこと
- 受付時間ぎりぎりで、しかも飛び込みだったのに、嫌な顔せずに丁寧に応対してくれたこと
- 原因を突き止めてくれたこと(しかも短時間)
- エアコンを直してくれたこと(しかもタダ)
- 帰るとき、深々とおじぎをして見送ってくれたこと
当たり前のことなのかもしれないけど、どれもこれもすばらしい。たぶんエアコンが直らなくても、感動して帰ってきたんだろうなあ。
これはいったい何品質なんだ?
品質を語るときはデータで語れってよく言われます。今回の件だって、MTBFやMTTRを出そうと思えば出せるけど、そういうのじゃないんだよなあ。どこかで見た「顧客満足度No.1」とかいうキャッチフレーズでもない。
数値では表せないけど、体験したらそれはもう強烈な記憶として刻まれてしまう品質って、何なのかしら?