Mec16SBの前のモデル。1956年のカメラです。SBとの違いは、露出計を持たないこと、レンズがColor-Ennit 20mm F2.8であること。それ以外の構造は基本的に一緒のようです。当時の説明書を見ると、Joboの16/35タンクで一度に二本現像できます、とか、ライツの引き伸ばし機用のフイルムマスクもあります、とか専用のスライドマウントもありますよ、とかシステムとして結構充実していた模様。カラーバリエーションが展開されていたようですが、このゴールドがポピュラーなスタイルのようで。
16sbの時に使ったダブルパーフォレーションのフイルムがまだあるので使ってみます。Radaカセットはサイズが合わなくて利用不可でした。16sbの時の経験から、収納側のマガジンは「使わない」ことにします。それでなくてもこの専用マガジンはフイルムが入れにくいので。
それでも、フイルムの巻き取りがわが止まって動かなくなりがちなあたり、カメラとしてこのフイルム送りとマガジンの機構はちょっとよろしくないのでは、という気がするなあ。
カメラとしては、シャッターボタンを押した際のフォーカルプレーンシャッターの動く音が快適。使っていて気持ちの良い機械です。メーカー純正のフイルムセットだったら送りについての不安もないのかも。そうすると結構使い勝手の良い機種、ということになるし、発展型のSBが持つGossenのTTL測光も生きたのだろうな。
ところどころフイルム送りのトラブルに見舞われながらも撮ってみたのがこちら。D76の1:1現像です。
結構ちゃんと解像しているし、やはりフイルム送りさえ何とかなればなあ、という。まあ、「使ってみた」の範疇でしょうか。