今週の見逃せない記事(2024年11月30日~2024年12月6日)を紹介します。読者の注目を多く集めたのが、カスタマーハラスメント(カスハラ)を行う患者に対する診療拒否に関するコラム。最近の判例を紹介しながら、医療機関の応召義務について裁判所がどのように判断しているか解説していただきました。また、11月に「H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024改訂版」が発行されました。今回初めて盛り込まれた治療のフローチャートなど、主な内容について日本ヘリコバクター学会ガイドライン作成委員会副委員長の伊藤公訓氏にインタビューしています。
このほか、日経メディカル Onlineで今週多く読まれた記事をピックアップしました。記事タイトルをクリックしたり、ポストボタンを押して先生のアカウントに備忘録として加えたり、同僚の先生との話題にしてください。
編集部からのオススメその1 日常診療に生かす医療訴訟の教訓

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医療現場のカスハラ、診療拒否できるのはどんなケース?
昨今、患者による「カスタマーハラスメント」がしばしば問題になっています。特に医療機関には診療義務(応召義務)が課せられているため「迷惑患者の診療拒否はできるのか」が問題に。今回のコラムでは、迷惑患者に対する診療拒否が問題となった最近の裁判例を挙げ、どういう場合に診療拒否ができるのかを考察していただきました。
編集部からのオススメその2 インタビュー◎広島大学総合内科・総合診療科教授の伊藤公訓氏に聞く

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8年ぶりに改訂されたH. pyloriガイドラインのポイントは
2024年11月、日本ヘリコバクター学会による「H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024改訂版」が発行されました。治療のフローチャートや胃癌予防目的の除菌治療など、8年ぶりに改訂されたガイドラインの主な内容について、日本ヘリコバクター学会ガイドライン作成委員会副委員長の伊藤公訓氏に聞きました。
編集部からのオススメその3 NEWS◎サービス過剰地域での特定の医療機関に診療報酬上の減算を求める

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診療報酬のインセンティブとディスインセンティブの組み合わせが有効
財務省の財政制度等審議会が、2025年度の予算編成に向けた建議を取りまとめました。医師の偏在対策については、「経済的インセンティブによって影響を受ける医師は一部」とした上で、診療報酬上のディスインセンティブによっても医師の行動変容につなげる仕組みが必要だとしました。介護分野では、サービス付き高齢者向け住宅でのケアプランに改善余地があるなどと指摘しています。
編集部からのオススメその4 谷口恭の「都市型総合診療の極意」

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高齢者の高血圧、「あえて下げない」という選択
ガイドラインによれば、75歳以上の降圧目標は原則、140/90mmHg未満。ただ、一部の論文で「高齢の場合、収縮期血圧が高い方が認知症リスクは低い」という結果が出ていると、谷口医院の谷口恭氏は指摘します。日経メディカルでは今週「糖尿病患者でも血圧は『the lower, the better』」という記事も公開。併せて、高血圧治療への考察を深めるきっかけにしてください。
編集部からのオススメその5 吉松由貴の「誤嚥性肺炎、診療の知恵袋」

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嚥下機能の簡易的な評価法とは
誤嚥性肺炎の症状が重そうで、「水飲みテスト」を行うのも怖い。こうした患者に対して入院要否を判断するために大切な、嚥下機能の簡易的な評価について、ガイズ病院の吉松由貴氏が解説します。ポイントは「救命救急のABCDE」。もしいずれかの項目を満たさない場合は、それを改善させることを優先すべきだといいます。
「CME Week 2024」アーカイブ配信中

2024年11月18日(月)~22日(金)に開催された、医療の“今”を学べるオンラインイベント「CME Week 2024」のアーカイブ配信が順次、開始しています。
見逃してしまったあの講演動画には、こちらのページからアクセス!
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