個人的ライトノベル10大ニュース(2024年)

今年もそろそろ終わりなんで、今年あった出来事を振り返ってみました。 今回も新刊情報サイトの管理人としての視点でまとめました。

KADOKAWAにサイバー攻撃、レーベル公式サイトも閲覧不可に

6月、KADOKAWAが大規模なサイバー攻撃を受け、その影響でレーベルサイトも閲覧できなくなりました。既に半年以上経っているにも関わらず、KADOKAWAの小説系のレーベルサイトで復旧しているのは、電撃文庫・電撃の新文芸のみのようです。その電撃文庫でも、電撃大賞のページは閲覧できません。早々の復旧を望みます。

KADOKAWAの関連会社より、新たなラノベレーベル創刊

ブシロードより、ブシロードノベルが創刊しました。関連会社のため、サイバー攻撃の影響は受けず、サイトは無事でした。

with stories、初のライト文芸・単行本レーベル創刊

飛鳥新社より、初の単行本のライト文芸が創刊となりました。ただ、このレーベルがやっかいなのが公式サイトを含め、ほとんどの書籍情報を見ても出てこないところです。確認方法としては、表紙に「with stories」の文字があるか、e-hon・セブンネットショッピングで検索するかです。

TOブックス、月に4回刊行

通常、多くのラノベレーベルの発売日はほぼ決まっている(例外:星海社FICTIONS、JUMP j BOOKS)のですが、TOブックスは1日・10日・15日・20日と4回に増えました。発売日を複数に設定して、売上的にどうなっているのか知りたいところです。

ヒーロー文庫の公式サイトの更新が滞る

新刊を調べるのに公式サイトを確認することがありますが、ヒーロー文庫の公式サイトの更新の滞りが目立ちます。今までは新刊の発売の2,3週間前にはサイトを更新していたのですが、今年はサイトに新刊が登録されない作品も多くなっています。「薬屋のひとりごと」の大ヒットの影響で手が回らなくなったのかもしれません。

「涼宮ハルヒの直観」の角川文庫版が大幅値上げ

通常、ラノベ文庫レーベルから一般文庫レーベルで新装版を出す場合、本体価格は約すなります。「涼宮ハルヒ」も今まではスニーカー文庫版より角川文庫版の方が安いです。ただ、今回の「涼宮ハルヒの直観」はスニーカー文庫版は792円なのに対し、角川文庫版は1,012円と高くなっています。物価高騰の影響でしょうか?

「ようこそ実力至上主義の教室へ」、電子書籍版は1週間遅れに

現在、多くのラノベは紙書籍と電子書籍は発売日が同じとなっていますが(講談社ラノベ文庫やモンスター文庫などは電子書籍が2日ほど早い)、「ようこそ実力至上主義の教室へ」のみ、今年刊行分から電子書籍は紙書籍から1週間遅れになっています。何のために遅らせているかは不明です。

「世界でいちばん透きとおった物語」、続編は電子書籍版あり

昨年、話題となった「世界でいちばん透きとおった物語」の続編が来年2月に刊行予定です。その続編は既に電子書籍版は予約可能となっています。とすると、電子書籍は1巻が出ないのに2巻が出るという変わった状況となっています。

同一タイトルが続刊

(去年取り上げるべきだったのですが、忘れてたので)ラノベも色々なタイトルの作品がありますが、同じタイトルとなることはほどんどありません。ですが昨年「悪役令嬢の矜持」というタイトルで(さすがに副題は別)、SQEXノベルとレジーナブックスより刊行されました。で、今年、どちらも続刊が刊行されました。

イラスト交代作品が相次いでアニメ化

イラストレーターの景さんがイラストを担当していて、途中で交代した「魔導具師ダリヤはうつむかない」、「現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変」が共にアニメ化です。なかなか珍しいケースです。なお、他のイラストから景さんに交代後、アニメ化となった「うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。」もあり、アニメと縁があるのかないのかよく分かりません。

番外

新書サイズ(ノベルス版)がそろそろ終焉?

これはBLに関してですが、新書サイズで刊行しているBLレーベルはビーボーイノベルズ・クロスノベルス・リンクスロマンスがありますが、クロスノベルスは新シリーズは四六版に、リンクスロマンスは四六版のリンクスロマンスノベルに、ビーボーイノベルズは刊行がほとんどなく四六版の作品だらけになって、新書サイズはなくなりそうな状況です。なお、ラノベの場合、新書サイズは JUMP j BOOKS があり、コミックとサイズを合わせる方針のようで、当分は続きそうです。

個人的ライトノベル10大ニュース(2023年)

今年もそろそろ終わりなんで、今年あった出来事を振り返ってみました。 今回も新刊情報サイトの管理人としての視点でまとめました。

MF文庫J、ライトノベルレーベルNo1に

MF文庫Jの2022年紙書籍の売上が電撃文庫を抜いて、No.1になったとのことです。当初、タイミングが遅すぎ(1月時点で分かっていたはずなのに11月まで発表しなかった)ので、信用できるか疑っていたのですが、Oricon上での数字を見る限り、あり得るということに考え直しました。11月に発表の理由は、『このライトノベルがすごい2024』でランキング作品と一緒に宣伝するためと、電撃文庫30周年の盛り上げを邪魔しないための忖度でしょうか。

電撃文庫30周年

電撃文庫が今年で創刊30周年です。『ウィザーズ・ブレイン』『9S』の続刊・完結、『灼眼のシャナ』の短編集発売など、古い作品の刊行が目立ちました。MF文庫Jに抜かれた影響でしょうか。あと、『9S XII』が2018年8月に刊行予定だったときのISBNがそのまま使われているのに感心しました。

富士見ファンタジア文庫35周年

富士見ファンタジア文庫が今年で創刊35周年です。「ドラゴンマガジン」35周年記念号が発売されました。

角川スニーカー文庫35周年

角川スニーカー文庫が今年で創刊35周年です。『涼宮ハルヒ』シリーズの新刊のタイトルが発表され、やっぱり(?)刊行時期は不明です。

スターツ出版、売上好調

ORICONエンタメ・マーケット白書2022によると、スターツ出版がメーカー売上実績で7位に入ってきました。スターツ出版のラノベレーベルというと、ベリーズ文庫・ベリーズファンタジー・グラストNOVELSといったところでしょうか。一般向けのスターツ出版文庫と違い、これらのレーベルでは目立った作品はなかったように思うのですが、ここまで売上を伸ばすとは意外です。

ガガガ文庫の価格高騰

ライトノベルも、年々価格が高くなってきています。前回の日記の記事において、特に目立ったのが、ガガガ文庫です。2022年→2023年で728.8円→861円と高騰しています。なお、ページ数は339.7ページ→342.9ページ(Amazon参考)と、それほど増えていないので、値上げが目立った形です。

KAエスマ文庫にて、賀東招二『MOON FIGHTERS!』刊行

KAエスマ文庫にて、賀東招二氏の作品『MOON FIGHTERS!』が刊行されました。KAエスマ文庫は基本的に一般店舗には並ばず、電子書籍化もしていないので、見かける機会は少ないと思います。ただ、アニメ化作品が多いので、本作品もアニメ化前提なのかもしれません。

GA文庫&ヒーロー文庫、コミックレーベル創刊

GA文庫とヒーロー文庫がコミック分野に参入してきました。どちらのレーベルも主要作品は既に他社でコミカライズされているので今更感は否めないのですが、儲かりそうだからでしょうか。

honto、本の通販サービスを終了へ

hontoが2024年3月31日をもって本の通販サービスを終了するそうです。hontoといえば、前身であるbk1で非常にお世話になりました。特に、年末に電撃文庫を入手できたことがあったのを思い出します。

電子書籍版・小説『ダークエルフ物語』シリーズ、配信停止

小説『ダークエルフ物語』の電子書籍が配信停止となってしまいました。理由として、訳者である風見潤氏が所在不明で「販売数の上限」を超えて販売したからだそうです。条件によって電子書籍は配信停止になるものだと初めて知りました。

番外

『緋弾のアリア』、40巻に到達

『緋弾のアリア』が40巻に到達して、ローマ数字の『L』が使われました。ローマ数字を使っているラノベは多くありますが、ここまで続いた作品はありません。

ダンガン文庫、創刊

BookBaseより、電子書籍専門レーベルであるダンガン文庫が2024年1月に創刊予定とのことです。制作から販売までを自社のみで完結する次世代出版社とのことで、kindleやBookWalkerでは出さなさそうなのが気になります。

※(12/31) ブクマの指摘より、ローマ数字とアラビア数字を間違えてたので修正。ちゃんと確認してから書いたのに、文章を色々変更してたら間違えてしまった・・・・

ライトノベルの価格推移(2023年版)

この前、ライトノベルの価格について調べることがあって、昔より高くなったと思い、実際にはどのように価格が変わっていったか見てみたくなり、まとめてみました。 流石に全点は難しいので、主要レーベルで抜粋しています。表では分かりにくいので、グラフにしてみました。

対象書籍

本家サイトより、記載しているレーベルの書籍の価格を収集しています。そこで記載している価格は発売日時点での税込み価格で、発売後に消費税率が変更したり重版時に価格が変更しても、更新していません。

ジャンル別

対象レーベル

各ジャンルの対象レーベル参照のこと

結果

男性向け文庫レーベル

対象レーベル

角川スニーカー文庫、HJ文庫、講談社ラノベ文庫、電撃文庫、富士見ミステリー文庫、GA文庫、ガガガ文庫(ガガガ文庫R)、富士見ファンタジア文庫、一迅社文庫、MF文庫J、ダッシュエックス文庫(スーパーダッシュ文庫)、オーバーラップ文庫、ファミ通文庫、ヒーロー文庫、モンスター文庫

結果

※レーベルが多すぎたので、いくつかのレーベルは一旦非表示にしています。表示させるには、グラフ下部の凡例のレーベル名をクリックしてください。

女性向け文庫レーベル

対象レーベル

コバルト文庫、角川ビーンズ文庫、X文庫ホワイトハート、ウィングス文庫、ビーズログ文庫、ルルル文庫、一迅社文庫アイリス

結果

新文芸

対象レーベル

アルファポリス、TOブックス、レジーナブックス、アリアンローズ、MFブックス、カドカワBOOKS(FUJIMI SHOBO NOVELS)、GCノベルズ、アース・スターノベル(アース・スタールナ)、HJノベルス

結果

※アルファポリス、TOブックスとも、創刊初期はWeb小説以外が中心で、価格も高めです。Web小説が中心となると価格が一定となっています。

ライト文芸

対象レーベル

メディアワークス文庫、富士見L文庫、新潮文庫nex、集英社オレンジ文庫、講談社タイガ、スターツ出版文庫、マイナビ出版ファン文庫、小学館文庫キャラブン!

結果

個人的ライトノベル10大ニュース(2022年)

今年もそろそろ終わりなんで、今年あった出来事を振り返ってみました。 今回も新刊情報サイトの管理人としての視点でまとめました。

DREノベルス、創刊

今年もいくつかのレーベルが創刊しました。その中でもドリコムよりDREノベルスが創刊しました。最近のレーベルとしては珍しくキャンペーンが活発で、随分金を掛けている印象です。

美少女文庫、休刊?

美少女文庫が8月以降、刊行が止まってしまいました。刊行ベースも月3冊と安定して出していたのに急に止まるとは珍しいパターンです。電子書籍専門レーベルであるフランス書院eブックスに移行したのかもしれません。

BL,ジュブナイルポルノ、規模縮小

美少女文庫休刊もありますが、キルタイムコミュニケーションの「二次元ドリーム文庫」「リアルドリーム文庫」も刊行が滞りがちです。Web小説系も勢いがなく、毎月刊行しているのはパラダイムのみとなっています。BLの方も休刊するレーベルが増え、BL作家の中には一般文芸の方に進出しているのをよく見かけるようになりました。

ライトノベルレーベル発ジュニア文庫創刊が活発化

BLやジュブナイルポルノの方は縮小傾向にありますが、唯一’(?)勢いのある児童小説の方に進出しているようです。2018年にPHPジュニアノベル、2019年にTOジュニア文庫、2021年にかなで文庫が創刊しています。これらは主に特定作品の文庫化(PHPジュニアノベルの場合は新シリーズ)がほとんどでした。今年、アルファポリスよりアルファポリスきずな文庫が創刊しました。レジーナブックスからの文庫化で対象作品が増えています。

米澤穂信氏、直木賞受賞

米澤穂信氏が1月、直木賞を受賞しました。少年向けラノベ新人賞からデビュー(第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞)では初ですね。真藤順丈氏の場合は電撃小説大賞 銅賞を受賞してますが、他の作品でデビューしているので除外です。

講談社ラノベ文庫、7年前の新人賞受賞作を刊行

2015年9月、第5回講談社ラノベ文庫新人賞を受賞した、ミミ「ダンジョン城下町運営記」が今年12月に刊行されました。受賞から7年経っています。なぜこんなに時間がかかったのか興味はありますが、あとがきにも特に触れていませんでした。

公式サイトの更新が遅れがちなラノベレーベルが増える

ラノベレーベルの中には公式サイト以外に、Twitterをもっているところも多いです。すると、Twitterでつぶやくだけで、公式サイトは放置や発売日ぎりぎりまで更新しないことこが増えています。

・モーニングスターブックス:公式サイト更新せず

・ヒーロー文庫:ネット書店で登録されると、Twitterで新刊情報を発信するが、公式サイト更新は発売日直前

・講談社ラノベ文庫、Kラノベブックス:発売日当日、昼にはTwitterで宣伝するが、公式サイトの更新は夕方以降

Missing新装版、最終巻まで無事刊行

メディアワークス文庫より刊行していた「Missing」の新装版が最終巻まで無事に刊行しました。ラノベの新装版の場合、長編シリーズだと途中で中断することが多いので、珍しいです。

主要ラノベレーベル全てで新人賞作家がアニメ化達成

主要なラノベレーベルの多くは新人賞を開催しています。そこからデビューして、アニメ化作品を生み出すこともありますが、ダッシュエックス文庫(集英社ライトノベル新人賞)と講談社ラノベ文庫(講談社ラノベ文庫新人賞)から中々アニメ化作家が生まれませんでした。しかし、ついに集英社ライトノベル新人賞からは2022年に紙城境介氏(継母の連れ子が元カノだった)が、講談社ラノベ文庫新人賞からは2023年に澄守彩氏(実は俺、最強でした?)がアニメ化作家となりました。もっとも、どちらもデビューしたレーベルからではなく、ネット小説からの復帰という感じで、アニメ化を目指すには不向きなレーベル・新人賞と言えそうです。

ラノベ単行本レーベルの価格が50円単位に

ラノベ単行本レーベルの価格は一部レーベル(TOブックス、ムゲンライトノベルス)を除き、税別100円単位で発売されています。さすがに厳しくなったのか、12月刊に「Unnamed Memory ~after the end~ II」「勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録 IV」のように税別50円単位で発売され、来月以降も何作品かで見かけるようになりました。物価高の影響でしょうね。

個人的ライトノベル10大ニュース(2021年)

今年もそろそろ終わりなんで、今年あった出来事を振り返ってみました。 今回も新刊情報サイトの管理人としての視点でまとめました。

「魔法少女育成計画 breakdown」、紙書籍と電子書籍でオーディオドラマの有無の違い

このライトノベルがすごい!文庫の「魔法少女育成計画 breakdown (前) (後)」ですが、紙書籍ではオーディオドラマ有りのみ、電子書籍ではオーディオドラマ無しのみとなっています。オーディオドラマの有無で価格が倍近く異なるので、紙と電子のどちらで購入しようか悩まれた方もいるかと思われます。

「モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います」、電子書籍専売から紙書籍発売へ

GAノベルの「モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います」ですが、4巻は電子書籍のみで紙書籍での刊行はありませんでしたが、12月に紙書籍で刊行されました。おそらく、電子書籍が売れたためではなく、コミカライズが売れたためと思われますが、今まで電子書籍専売となった作品が紙書籍で刊行されることがなかったので、他の作品でも期待できます。

ヒーロー文庫、刊行予定の発表時期が遅くなる

ヒーロー文庫の新刊発表は他のレーベルよりも遅く、ほぼ当月の第2金曜日でした。それがここのところ更に遅く当月の第3金曜日になっています。発売日から10日前です。一度、第1金曜日に発表したのを取り消して、第3金曜日に発表したことがあるので、わざと遅らせているものと思われます。

「ログ・ホライズン」アニメ化でも書籍化せず

今年1月、「ログ・ホライズン」のTV第3シリーズ「円卓崩壊」が放映されました。しかし、その原作である「ログ・ホライズン 12 円卓崩壊」は刊行されませんでした。「小説家になろう」の方には既に掲載済みです。アニメ放送までに書籍化されないのは珍しいです。

オンデマンド出版のいずみノベルズ創刊

インプレスR&Dよりいずみノベルズが創刊となりました。オンデマンド出版ということで、紙書籍での販売もあるのですが結構高い(2,200円~)ので、電子書籍(1,188円~)での購入が中心になると思われます。

星海社文庫・星海社FICTIONS、BOOK☆WALKERで電子書籍化

星海社文庫や星海社FICTIONSの電子書籍はkindleのみで、ライトノベルの品揃えが豊富なBOOK☆WALKERでは扱っていませんでしたが、8月より販売されるようになりました。独自フォントの実装できたためと思われます。楽天koboなど他の電子書籍ストアではまだ購入できません。

「このライトノベルがすごい!」、BOOK☆WALKERで配信停止

雑誌「このライトノベルがすごい!」は昨年からBOOK☆WALKERでも扱っていましたが、突然販売停止となりました。「このライトノベルがすごい!2022」の発売から2日後のことです。何かトラブルがあったようですが、詳細は不明です。来年も販売しないのでしょうか?

講談社X文庫ホワイトハート、電子書籍へ移行か?

講談社の女性向けライトノベルレーベルであるX文庫ホワイトハートですが、来年1月刊以降、刊行は電子書籍のみで紙書籍の刊行予定がありません。既存シリーズは今年軒並み完結巻を出しているので、公式では特に明記していませんが、コバルト文庫と同じように実質休刊で電子書籍に移行するものと思われます。

小説wings休刊

昨年は電撃文庫MAGAZINEが休刊しましたが、今年は女性向けで唯一残っていた小説Wingsが休刊となりました。残るはドラゴンマガジンのみです。

ソノラマノベルス、一般レーベル化?

朝日新聞出版のライトノベルレーベルにソノラマノベルスがあります。現在は「キマイラ・シリーズ」を残すのみとなっていますが、1月に「帰去来」「キンモクセイ」という一般作が刊行されました。出版社が他に新書(ノベルス)レーベルがなかったためと思われますが、別レーベルにして欲しかったです。

美少女文庫、発売前の仮タイトルがラノベ作品の関連と連想させる

今年も美少女文庫にラノベ作家が参入してます。今年の特徴は新刊の発表時の仮タイトルがラノベで刊行した作品の関連と思われるものとなっています。作者名は省略しますが、次の通りです。作者本人が書いているから大丈夫なのでしょうか?

・異世界エロチート魔術師(仮)
・三男なのにエルフハーレムの主って、それはないでしょう!(仮)
・拝啓、天国の姉さん……。勇者になった姪がエロ過ぎて、叔父さん保護者とかそろそろ無理です(仮)
・弟子の俺が魔術師エルフ師匠を調教したいんだが、どう愛でればいい?(仮)

個人的ライトノベル10大ニュース(2020年)

今年もそろそろ終わりなんで、今年あった出来事を振り返ってみました。 今回も新刊情報サイトの管理人としての視点でまとめました。

「LINEノベル」終了

昨年、小説・ラノベのスマートフォンアプリ「LINEノベル」をリリースし、LINE文庫・LINE文庫エッジを創刊したのですが、早くも終了となりました。1年程度で見切りをつけるとは、余程初動が上手くいかなかったのでしょうか。

電撃文庫MAGAGINE休刊

出版不況で雑誌が売れない時代になり、とうとう電撃文庫MAGAZINEも休刊となりました。ライトノベルの雑誌で残っているのはドラゴンマガジンのみとなりました。

星海社文庫・星海社FICTIONSの電子書籍参入

主要レーベルで唯一電子書籍化していないなかった星海社FICTIONSですが、ついに電子書籍化しました。ただ出版社独自のフォントが実装のために、kindle限定となっています。力を入れるところが間違っている気がします。

コロナ禍で発売延期相次ぐ

今年は新型コロナウイルス感染防止のための緊急事態宣言が発令されたことに伴い、書店の休業も多くあり、書籍の刊行延期も多く出ました。ライトノベルでも刊行延期がありました。アルファポリスは4,5月刊が6月に、レジェンドノベルスの5,6月刊が6,7月刊となりました。電撃文庫では6月刊行予定の3作品が7月に延期となりました。公表している分からは、意外と影響が少なかった印象です。

SQEXノベル創刊

来年1月にスクウェア・エニックスよりSQEXノベルが創刊となります。特に注目なのが、アース・スターノベルより『私、能力は平均値でって言ったよね!』『転生したらドラゴンの卵だった~最強以外目指さねぇ~』『人狼への転生、魔王の副官』『わたしはふたつめの人生をあるく!』が移籍となっていますが、既刊分は絶版とならずそのまま刊行となっている点です。大抵は既刊は絶版となり、新レーベルで新装版を出し直すのものですが、あまり売上的にも厳しいものとなるでしょうから、妥当な判断かもしれません。

続刊が電子書籍限定で刊行相次ぐ

今年は続刊が紙での刊行はなく、電子限定での刊行となった書籍が多く刊行されました。今までも電子限定となった書籍はありましたが、続きは出ませんでした。電子限定となるのは仕方ないにしても、完結まで出して欲しいものです。

2020/03/28【モンスター文庫】
羽田遼亮:宝くじが当たったのでレベル1から聖剣を買ってみる 3

2020/06/15【ビーズログ文庫】
千花鶏:女王の化粧師 2

2020/07/12【HJノベルス】
まきしま鈴木:日本へようこそエルフさん。 6

2020/07/15【GA文庫】
三門鉄狼:クソザコヒロインあかりちゃんは見つけてほしい 2

2020/07/15【ビーズログ文庫アリス】
九重木春:腐女子な妹ですみません 3

2020/09/07【レジェンドノベルス】
浦賀やまみち:無色騎士の英雄譚 3

レジェンドノベルス・講談社ノベルスの公式サイトが「tree」内に移転

レジェンドノベルスと講談社ノベルスの公式サイトが「tree」内に移転しました。何故かレジェンドノベルスの方は移転後も新刊情報を更新しています。また、「tree」では新刊情報はないので、どちらも休刊となりそうな気がしています。

講談社ラノベ文庫の新人賞受賞作の刊行が滞る

第8回講談社ラノベ文庫新人賞の大賞受賞作が昨年12月に刊行されて以降、新人賞受賞作の刊行が止まっています。講談社ラノベ文庫新人賞の第8回佳作2作品+第9~11回全作品とラノベチャレンジカップの第8回全作品が未刊行です。無事に刊行できるか富南に思っていましたが、第9回講談社ラノベ文庫新人賞の優秀作が来年2月に刊行予定となりました。続けて出して欲しいものです。

『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』イラストレーター、交代&復帰

『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』イラストレーターであるぶーた先生が体調不良にて、4巻は足立いまる先生に交代となりました。ただ、次巻のEach Storiesはぶーた先生が復帰しています。一度交代して復帰するのは珍しいです。

『カット&ペーストでこの世界を生きていく』続刊刊行

『カット&ペーストでこの世界を生きていく』の著者である咲夜先生が亡くなりましたが、天野ハザマ先生により続刊が刊行されました。作者逝去により他の方が引き継ぐのは今までもなかったわけではないですが、たいていは大ヒット作でアニメ化も行われている作品で、そういった状況ではない本作が続きが出るのは珍しいです。また、イラストも交代が多く、そこまでして完結まで出そうとする理由が気になります。

1,2巻|著:咲夜/イラスト:PiNe

3,4巻|著:咲夜/イラスト:乾和音

5巻|著:咲夜/イラスト:茶餅

6巻|著:咲夜、天野ハザマ/イラスト:オウカ

7巻|著:咲夜、天野ハザマ/イラスト:ねむすけ

その他

・『涼宮ハルヒ』シリーズ、続刊刊行

・ライトノベルでも『鬼滅の刃』が人気

・KADOKAWAからドワンゴがライトノベル参入

・美少女文庫に参入するライトノベル作家が増加

個人的ライトノベル10大ニュース(2019年)

今年もそろそろ終わりなんで、今年あった出来事を振り返ってみました。 今回も新刊情報サイトの管理人としての視点でまとめました。

「LINEノベル」開始

LINEは、小説・ラノベのスマートフォンアプリ「LINEノベル」をリリースし、新レーベルLINE文庫・LINE文庫エッジを創刊しました。LINEノベルでは講談社、新潮社、など各社が連携し、書籍化オファーの情報を共有して各社がオファーするか選択でき、投稿者は出版社を選択できるとのことですが、現時点では他社からオファーがあったかの情報は把握していないので、上手くいくか注目しています。

コバルト文庫休刊

女性向けレーベルの老舗、コバルト文庫が紙での刊行が止まり、電子書籍に移行しています。紙ではもう出さないのでしょうか?

宝島社の電子書籍参入

出版社の方針として宝島社は電子書籍を出していませんでしたが、ついに解禁となりました。異世界居酒屋「のぶ」や魔法少女育成計画も電子書籍化しました。他にフリーダムノベルも電子書籍を配信開始しています(こちらは配信開始1週間後に本の品質に問題が見つかり、1ヶ月ほど販売を中止していましたが)。これで電子書籍化していない主要レーベルは星海社FICTIONSぐらいとなりました。

電子書籍が紙書籍と同時発売

電子書籍の発売日に関してですが、以前はKADOKAWAの電子書籍はBOOK☆WALKER以外では1ヶ月遅れだったり、ガガガ文庫・ヒーロー文庫などの電子書籍が紙書籍の1週間遅れだったりしたのが、多くのレーベルが同時発売となりました。まだ発売日を遅らせているのはアルファポリス全般、ツギクルブックスなどがあります。

紙書籍で実質割引販売

紙の本は新刊は割引できないのですが、「この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる1・2巻スペシャルパック」は1,2巻をセットで1巻分よりも安い1,000円(+税)で発売しました。この試みは初だと思うのですが、同じレーベルで1月アニメ開始の「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」では行っていないので、上手くいかなかったのでしょうか。

単行本の値上げ傾向

単行本の価格は文庫と違い、多くのレーベルで1,200円(+税)となっていて、多少ページ数が違っても変わらないことが多いです。ですが、今年創刊の電撃の新文芸・ドラゴンノベルスは1,300円(+税)となっていて、既存のレーベルでも高くなっていることが目につくようになりました。そろそろ基準の価格を上げないと厳しくなっているのかもしれません。

コミカライズ活発化

コミックも異世界ものが人気で、コミカライズ作品が増えています。昨年はコミカライズの刊行点数がだいたい月50点ぐらいだったのが、最近では月100点近くなることもあります。ただ、原作の方が刊行が止まっていてコミックの方が出続けるといった作品もあり、微妙な気分となります。

今年も多くレーベルが創刊、しかし・・・

今年も多くレーベルが創刊がしました。しかし、例年と異なり、刊行ペースが安定しないレーベルも多いです。マグネットマクロリンクに至っては、刊行休止となっていまいました。アークライトノベルスは発売延期が重なり、2ヶ月刊行がなく、刊行が続けられるか不安です。聖書のライトノベルとして話題となった聖書ラノベ新人賞も第3回は開催されていないようで、レーベル創刊する様子はありません。

レーベルの休刊が目立つ

今年は上記で挙げたコバルト文庫・マグネットマクロリンク以外にも休刊となったレーベルが多く出ています。出版状況は厳しいようです。

●休刊を発表したレーベル

・コバルト文庫

・マグネットマクロリンク

・プラチナ文庫(BL)

●休刊と思われるレーベル

・ノベルゼロ

・プライムノベルス

・L-エンタメ小説

・朝日ノベルズ

・ウィングスノヴェル

・ガッシュ文庫(BL)

KADOKAWAの各レーベルサイトの共通化

KADOKAWAの各レーベルサイトにおいて、個別ページのURLはバラバラでしたが、現在はほとんどのレーベルで共通化(https://○○○○○/products/xxxxx.html)されています。作品IDの部分はKADOKAWA公式と同じものとなっていて、個人的にはチェックしやすくなりました。共通化されていないのは、休館していると思われるレーベルを除くと、ファミ通文庫とMFブックスがあります。ファミ通文庫は既刊部分の置き換えができないため、MFブックスはフロンティアワークスと共同のため、変更しづらいと考えられます。ただ、ブランド(アスキー・メディアワークス、富士見書房、メディアファクトリー、など)の公式サイトがなくなったのはちょっと別情報を得にくくなったので残念です。(エンターブレインの公式サイトは残っていますが、更新は止まっています。)

その他

・京都アニメーション放火

・十二国記、新作発売

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