断続渋滞とサイバースペース

今日はmu(id:emptiness)たち『id:criss-cross』の執筆メンバーらと飲んだり話したりの予定。
すでに3時からの編集かいぎには猛烈に遅刻中のだめな人ですわ。しかもバスが断続渋滞に巻き込まれてます(笑)いやいや笑って許して。

情報環境論集―東浩紀コレクションS (講談社BOX)うーんそれにしても「サイバースペースはなぜそう呼ばれるか」は面白い。いやSFに詳しくない僕なんかにはこの論文の面白さはホントは欠片もわかるはずないのだけれど「知的興奮」というか「知的幸福」が随所から高速で伝わってくる…!人によっては麻薬のような「多幸感」(多考感)におそわれるのではないだろうか。
これは人によっては『存在論的、郵便的』の問題系を引き継ぐ「傑作」である。しかし「失敗作」でもある。東浩紀が「あとがき」でも書いているが、これまで出版しなかったことからもわかるように。
なぜか。これに代わって『動物化するポストモダン』が出版されたことがヒントだ。
「サイバースペース〜」では「空間」と対置して「経路」の問題が扱われている。この論文はおそらく「メディア論」サークルとか「SF」サークル、あるいは「現代思想」サークルの回路には絶対に好評に受け入れられるだろう。
しかし東氏はそれらの回路に閉じることを退けた。そして自身の問題系でもある「オタク」という回路につなげることである種の「混線」を引き起こすことを狙ったのだ。
まぁこんな若輩者の東浩紀論など聞きたくないかもしれませんが、僕はその東氏の戦略というか、わざわざ東氏が自らに言葉の「拘束具」を装着して戦う姿が「なるほど!人は『枷』をはめられることで逆に『自由』になれるのか!」などとよくわからない感動を覚えるのです。
本書第三部「情報社会を理解するためのキーワード20」にはその戦いの集大成である「ことば」たちがWikipediaのように並んでいます。精鋭たちの集団編集作業によって作られたこの第三部は37ページと薄いながらも深みがあります。それは情報社会の層構造の深みにも似ているかもしれません。
isedの議論で生まれた「ことば」たちは本書を通じて再び遠くに投げられるのでしょう。

情報環境論集―東浩紀コレクションS (講談社BOX)

情報環境論集―東浩紀コレクションS (講談社BOX)



東京着いた。