ポケモンセンターキョーダイ NF記

1、はじめに

 本記事は、2024年11月20日から23日まで開催されました京都大学学園祭『11月祭』(以下NF)に京都大学ポケモンサークルが出展した際の様子をルポルタージュするもので御座います。弊サークルのNF担当者でありました私が担当者としての視点を織り交ぜながら、準備等の舞台裏や当日の様子について俯瞰していこうというものであります。実際に弊サークルにお越しくださった方もそうでない方も、この記事で追体験していただければ幸いで御座います。

 

2、NFの趣旨

 木枯らしの寒風と共にやってきた、NF。私が2024年1月にNF担当職を拝命してから、遂にやってきた面目躍如の大舞台。私は就任時挨拶にこう書いていた。

「前人の光の在るを遏佚することなく前志に導りて事をなす所存にございます」

 これは古代中国の帝王の言行録『尚書』と『国語』から仮借した言葉であるが、平たく言うと「先人の積み上げてきた栄光を損なうことなく、前代からの方針を引き継いで」ということになる。私個人の目標としては、これまでの弊サークル及びそのNFでの活動の雰囲気や方針、内容などを引き継いでいくことを据えていた。また、NFで対内的に作った活動要綱には

「京都大学の学生たる品格を保ち、来場者をポケモンを以って楽しませる。また、日頃の活動及び非公認大会等の開催主体としてのサークルの姿を広報する。さらに、互いを尊重しあいながらサークル内の親睦を深める。」

ということを目的として掲げていた。

 私の行政法のゼミの教授は「諸々の法の解釈で困ったら、最終的には『法の趣旨・目的』というところに立ち返れ」と常々おっしゃっていた。だから、基をしっかり立てた上で、企画を進めていこうと考えたのだ。

 では、その基も示したところで、本題の企画紹介に入っていこう。

3、企画紹介

 主に1日のみの大会系統のメイン企画と、3日間サブ企画がある。

(1)クイズ大会

 クイズ大会である。1日目の21日(木)14時頃から開催された。企画者のゆ〜きくんのクイズを見ていたら普通に難易度が高かったので「誰も解けないんじゃないか」と不安視していたのだが、普通にハイレベルな接戦が繰り広げられていたので私の見識の浅さを痛感し恥じ入る思いだった。

(2)ポケカ大会

 ポケカ大会である。2日目の22日(金)13時頃から開催された。直前まで事前予約が全然入らない状況となっており、「もういっそポケポケ大会に変えたほうがいいのではないか」とも考えていたが、当日12人参加者がいて安心した。スイスドロー形式でやったが優勝はサークル員だった。

(3)京大カップ

 京大カップは弊サークルで永らく開催されてきた由緒ある実機シングル大会である。3日目の23日(土・祝)12時頃から開催された。33人もの古今無双の猛者たちが「洛中無双」の栄誉を賭けて熾烈な熱戦を繰り広げた。

(4)実機フリースペース

 SVを参加者に貸し出してサークル員と対戦する企画であった。3日間全部で開催した。主に幼小中学生に大人気であった。これを見越して全てのパーティに伝説ポケモンを採用(コライドン・ミライドン・テラパゴス・黒いレックウザ)かつアニポケ意識のパーティ(パルデア御三家とリザードンピカチュウとテラパゴス、レックウザ等六英雄)を準備したのも、人気の一因だっただろう。


(5)ポケカフリースペース

 ポケカのデッキを準備してこれを参加者に貸し出してサークル員と対戦する企画であった。これも3日間行った。これは幼稚園児から大人まで幅広い人気があった。ルールを知らない人でも楽しめるように、60枚デッキを36枚にも改造できるようになっていた。最初4卓ほど準備していたが普通に足りず、2日目以降は6卓に増設した。しかしそれでも3日目は足りず、OBの方にも対応を依頼するほど大人気だった。ダメカンも足りず、覚えてもらって対処した机もあるらしい、申し訳ないね。ポケポケの人気具合もその人気の一因であったろう。

(6)塗り絵コーナー

 ポケモンの塗り絵をを孤独なガチグマ(アカツキのすがた)の周囲に貼って、ガチグマにお友達を作るというコンセプトの企画であった。小さい子や大人でも女性の方に人気だった。色々なポケモンがいたが、塗り絵制作班の中で誰が何を描くか決めていなかったため、オーガポンが2種類あったり(これは別に誰も困らないから問題ないのだが)、あわやピカチュウやパルデア御三家の絵が一枚もないという状況になりかけたりした(急遽描いてくれる人がいたので助かった)。最終的に2日目の途中でガチグマ2匹目を導入することになるほど大人気だった。シンプルな教室内の人数の多さや色鉛筆などの数が足りなかったことなどが原因で貼られた枚数(九十余枚)よりも持ち帰られた枚数(百三十余枚)の方が多いなど、これもまた大人気であった。

笑顔のガチグマが見られたのは弊サークルだけ!

(7)会誌販売

 弊サークルが毎年2回発行する会誌「ねごと」のNF号と昨年度のそれを販売していた。本年度版は驚異の150ページ。印刷も製本作業も大変だったがこれは後述しよう。

 本年度版は100部準備していたが3日目の午前中には完売していた。主に大人に売れていた。表紙の絵が美麗だったので大勢が買って行ったが、普通に蓋を開けてみたら構築記事や風林火山論とかいう独自理論の記事があるのでどう思われたのだろうかとシンプルに気になってはいる。入口付近で売っていたのだが、販売係の人が呼び込みを頑張ってくれたお陰でサークル自体に足を踏み入れる人も増えたので非常にグレイトフル。

(8)第3世代体験

 GBAやGAMECUBEなどを用いた対戦企画であった。当時の世代を知っている大人が多かったが、小さい子でも体験したいという人も多く、興味深かった。

(9)ペーパークイズ

3日間行っていた企画。20点満点で「かんたん」「むずかしい」「すさまじい」の3パターンあった。「むずかしい」を一定程度得点した者のみに「すさまじい」の問題が配られたが、2、3点しか取れない人もザラにいて、最高得点でも10点となっていた。子供から大学生まで幅広く人気だった。以下にURLを貼っておくので、興味のある方はぜひどうぞ。

kyotounivpoke.blog91.fc2.com

 

(10)トリプルバトル体験会

 最終日のみ行っていた企画。3DSの懐かしさからか中学生辺りも参加していた。

(11)展示

 紙粘土で作ったウパーやサークル員のぬいぐるみを大量に置いたりしていた。これも入口付近に置いておくと来訪者の目を引いてサークルに入りやすくなっていたので非常に良かった。

(12)ゆびをふる1on1、じわれ1on1、エビワラーじゃんけん

 当日突如始まった大人気企画。カイリュー1匹同士が全ての技からランダムで出る「ゆびをふる」のみで戦う「ゆびをふる1on1」、ヘイラッシャで一撃必殺技である「じわれ」を撃ち合う「じわれ1on1」、「きあいパンチ」「マッハパンチ」「はやてがえし」の3つで戦うエビワラーじゃんけん、この3つをローテーションにして前のスクリーンで配信していた。入口のドアを開けた上でスクリーンに常に音や映像を流していた方が人が入って来やすかろうということで初日の最初は普通にサークル員のランクバトルを配信していた。午後になると配信にも企画にも疲れた人々がじわれ1on1をやり始めた。これは運ゲーだし話も分かりやすいので呼び込みに使えるのではないかということになり、2日目からは常にこれを配信することにした。するとゆびをふるの方も大人気となり、参加者を募ったり多様な技やここでの使用ポケモンであるカイリューについて実況をしたりすることで、初心者プレイヤーも観客も分かりやすく楽しいダイナミックな企画となった。子供から大学生カップルまで幅広い人間が楽しんでいた。

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これは自爆するカイリュー

3、日ごとの流れ

・-1日目(19日、NF前日)

 この日は、会誌とそこに掲載されているクイズ記事の回答用紙を印刷していた。前述の通り150頁もあったので運搬でさえ死ぬほど重かった。恥ずかしいことに数日筋肉痛になった。教室に運んだは良いとしても、ここから折る作業が必要だった。紙1枚当たり4頁分載っているから三十余枚と雖も100部あるから折る数は膨大であった。その日サークルに来た人を捕まえては折らせた。折れども折れども紙は尽きず、残りの入った段ボールを見て崩れ落ちるサークル員もいた。それを見て我々は爆笑していたが、実際長い道のりではあった。昼からやって全て終わったのは19時頃。先輩がランクマ配信(しかもドーブルバトン)をしてくださっていたのでだいぶ楽しく折れた。

・0日目(20日、NF1日目)

 我らがサークルは3日間のみの開催だったので既に周囲はお祭りムードであったがこの日はまだ準備日であった。機材を持ってきて前のスクリーンに繋ぐ機材テストの後、ひたすら会誌の製本作業をしていた。三十余枚もの紙を止めるのはホッチキスと雖も一苦労で、ここがまた大変であった。塗り絵のガチグマやポケカの対戦用マット等を準備して、解散した。

・1日目(21日(木)、NF2日目)

 10時にスタートした本企画。朝のうちは人は来ないものだが、スクリーンで私がランクマ配信をした。音を流すと人は来るもので、やはり12時頃からは人が増えた。実機フリースペースサークル員の配置人数が多すぎて寧ろポケカの方が人が足りなくなった。その結果、翌日からはポケカ用スペースを増設したのだった。

 クイズ大会もつつがなく開催され、非常にハイレベルな戦いが繰り広げられた。平日であったので人の入りの少ないことも危惧されたが20人ほどいたので非常に嬉しかった。またポケモンクイズ無双みたいな人も来場して下さったらしく、作問者が「これじゃ全問正解されちゃうよ~汗」と言っていた。

・2日目(22日(金)、NF3日目)

 ポケカゾーンは増設してもなお足りなくなってきていたがもう臨機応変にやってもらっていた。また朝からゆびをふったり地割れうったりしていたが配信するとやはり人は来るもので非常にたくさんの方に来ていただいて、ゆびをふって地面を割ってじゃんけんしていただけた。ポケカ大会も事前申込みが1人だけだったのでハラハラしていたが12人もの方が参加して下さり、つつがなく進んだので安心した。

・3日目(23日(土・祝)、NF4日目)

 最終日。もう朝からずっと指を振っていたが、さすが土曜日かつ祝日と言ったところで親子連れのみならず全体的に多かった。もう午前の時点でだいぶ教室が狭くなっていた。クイズや塗り絵など恒常企画が後ろの方の机で大会用に前の方の机は空けていたのだが前の方の机を使っていただくほど人が多かった。また土曜日だったのでOBの方も多く来場して下さって懐かしい顔ぶれに再会できた。

 京大カップは33人もの参加があり、机が足りるかどうかさえも危ぶまれるほど大勢が参加して下さって、嬉しい悲鳴をあげた。これと並行してやっていたポケカコーナーやクイズ・塗り絵は本当に机が足りず、塗り絵を持って帰っていただいたり壁に紙を当てて回答してもらうほどであった。ポケカもOBや他大学から遊びに来たポケサーの方にまで協力を仰いだらしい。本当にありがとうございました。

 京大カップも半ばで会誌は全て売り切れた。YATTA!

 京大カップはOBの方々で準決勝が埋まるという神展開だった。弊サークルの3・4回生で予選落ちする人もいた中でまだまだ強さを見せつけられた。一方で一回生でも決勝トーナメントに進出した人もいて、新たなる才能の萌芽も見た思いである。

 京大カップの終わった後も1時間ほどゆびをふったり地面を割ったりしていた。京大カップ出場者の方も割と観戦してくださっていて、アツい展開の時には会場全体で拍手が沸き起こるなど皆様のご協力によってなおのこと盛り上がったのであった。

4、おわりに

 有難いほどの大勢の方に来てくださって非常に嬉しくまたやりがいのあるNFだったように思う。来場者の方々も色々な媒体でポケモンを楽しんでいただけたのではないかと思う。

 一方で想定より大勢が来てくださった結果一部のサークル員に負担が寄ったり来場者の方も我慢していただくことが多かったので、そういうところの改善点はしっかり来年に引き継いでいきたい。

 繰り返しになりますが、来場してくださった皆様、協力して下さったサークル員・幹部・OBや他大学の方、僕に役職を引き継いで下さったしほピさん、場所を提供して下さったNF運営局の皆様、本当にありがとうございました。もしよければぜひ来年もよろしくお願いします!