なんだなんだ、そうだったのか

娘が発達障害だった、と思ったら私もでした!人生半ばで気づいたよ。まったく新しく見える世界を、観察していきます。

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【発達ブログだけど今日は漫画の話】

なんか、全然ここに書くようなことじゃないかもしれないんですけど。

 

最近読んだ漫画が、めっちゃくちゃ良くてですね。

 

とりあえずそれを紹介したくて仕方がない!っていうのが

この記事の主旨なわけですが。

 

これです↓

 

『子供はわかってあげない』田島列島

 

これ、宝島社「このマンガがすごい!2015」 第3位、

マンガ大賞2015 第2位

の作品なんですが、本当、素晴らしかったです。

 

好みの創作物をさらすのは恥ずかしいですが、とにかく傑作です!

いろんな評を見ても、「甘酸っぱ過ぎる青春ボーイ・ミーツ・ガールもの」って感じになっていますが、はい全くそのとおりです。

高校生の男の子と女の子の、ひと夏の冒険物語。かつ、探偵とか新興宗教とかいろんな事情のいろんな家族の話とか、要素もりもりテンコ盛りなんです。だけど、全部が見事に溶けあって、なんとも苦しくなるばかりに切なく、それでいて元気になる世界が広がっているのです。

 

とにかく、キャラクターがみんなものすごく魅力的です。もうこれは読んでもらわないとわかりません。主人公の二人が、悶絶するほど可愛いです。書道部男子のもじくんはとりあえず私の好きな二次元男子の中で暫定1位に躍り出ました。少なくとも文系ヒーロー部門No.1です。

ということでもうキュン死必至なこの作品ですが、これ、一瞬「ユルくてふわっとした」感じにだまされますけど、実は作者の物語構成のうまさとか独特の言語感覚の妙とかに支えられて、実に周到に織りなされているんですよ。だから、わかりやすいエンタメなのに浅くない。後半から最後に向かっての重低音感と疾走感もすごい。

 

興奮して書きなぐりました。

 

そういうわけで、この『子供はわかってあげない』、

久々に来た!これキター!!ってなってたわけですが、

こんな、青春漫画にかき乱されてる私、っていうのは我ながらとても意外なのです。

 

私はそもそもあんまり「恋愛」とかいうワードに反応しないたちです。

昔から、いわゆるオンナノコが夢見る恋愛の話とかに全然興味も持てなかったし、

なんでこの世にある歌という歌の大部分が男女の愛について歌われているのか

まったくもってよくわからないのです。

 

誰かとつき合うときも、「かっこいい♡」とか、「いつも一緒にいたい♡」

みたいな感覚はなかったし、束縛やら嫉妬やら全部めんどくさいしわからないし。

とにかくヒトとして面白い人と、面白い話がしたい、ということしかなかったです。

 

なので、私っていわゆる恋愛感情とか、恋愛じゃなくても友情やら学園青春ものやらに心が動くってことが、ない人なんだ、と長いこと思ってたわけです。

 

が。

 

ちょっとここのところ雲行きが・・・。

 

これまでブログにも書いてきている壮絶な娘との関係が少しずつ落ち着いてきて、人間らしく好きなことの追求などできる余裕が出てきたここ数年で、私はこれまでの人生になかった「アニメや映画や漫画を味わう」という楽しみを覚えました。

 

それも、いちいち結構なハマり方をしています。

ハマったらとりあえず映像なら恐ろしい勢いで軽く3周くらい観てはさらに深読みして喜び、製作陣の他の作品や歴史など周辺情報をあさり、外出時は常にiPhoneで、オープニング・エンディング・BGMをエンドレスリピートです。(当然家でも音楽を流しているので3歳児がアニメOPフルコーラスとかしてます。)

挙げ句の果てには設定資料集を買ったりキャラクターの写し絵をしたりしています。

 

さすがにもう一人の自分は引きまくっています(もちろん夫も、あ、娘も・・・)が、とにかくこういう、たぶん思春期や青年期に普通は通るであろう独特の感じが、はじめてやって来ているのです(汗)

 

ここから、「なんでこんな話をこのブログに書いているのか」ということなんですが。

 

この「情緒の発達の遅れ」は、私の発達障害、主に多分アスペルガー部分に由来することなんじゃないかと思うのです。これ、昔ガンダムについて書いた記事でも触れたんですけどね。

アスペルガーの人は人の心の機微がわからない、みたいなイメージがありますが、おそらくある部分、それは真実でしょう。

ただし、私の実感としては「わからない」のではなく、「そういう部分が育つのに、膨大な時間と経験を要する」という方が近い気がするのです。それは私のアスペ度?がそれほど重くないからかもしれませんが、みんなが10代、20代の頃にわあわあ盛り上がったり夢中になっていたことが、今、遅ればせながらわかる・・・という感じなのです。

 

「発達障害者の精神年齢は定型者の3分の2」という、出所がよくわからないフレーズを何度か目にしましたが、それ、わかるな、という気がします。

 

私は自分の子供時代や若いころを思い出すと、いつも透明のシャボン玉のような膜に周りを覆われていたようなイメージが出てくるのです。

そして、いわゆるみんなが言うような「青春」みたいな時代ってなかったなあと。

みんなと、心地よい過ごし方も好きなことも違っていたし。なんかすごく冷めていたし。

けれども、20代半ばまで続いた井戸の底のような鬱を抜け、ケッコンして子供を産んでまた壮絶な育児地獄の数年を抜けて、今、来た道を振り返ってみると。何というか今は若い頃にぼんやり膜に覆われてやり残してきたこと、感じて来なかったことを、改めて取り戻そうとし始めた、そういう時期なのかなあ、と思っています。

 

そして、アスペルガーで感情も人の心の機微も行間もよく分からなかった私でも、さすがにちょっとはいろいろ経験したので、やっと少しずつそのへんも分かる基礎筋力がついてきたのかな、と。

 

そんなわけで、年甲斐もなく幼稚な揺らぎにでも、これからしばらく気が済むまでは身を委ねてしまえ、とそんなことを考えている41歳の初夏です。

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