第2回マンガノ大賞開催記念! 〜漫画編集者が語る、連載を掴むために必要なこと〜(コミティア150レポート)

漫画編集者座談会「漫画編集者が語る、連載を掴むために必要なこと」(コミティア150レポート)

2024年11月17日(日)、東京ビッグサイトにて開催された「COMITIA(コミティア)150」にマンガノが企業出展しました。ブース内のステージでは第2回マンガノ大賞の募集開始にあわせて2部構成のトークセッションを開催しました。

この記事では「第2回マンガノ大賞開催記念! 〜漫画編集者が語る、連載を掴むために必要なこと〜」の模様をお伝えします。


トークセッション「第2回マンガノ大賞開催記念! 〜漫画編集者が語る、連載を掴むために必要なこと〜」では、「第2回マンガノ大賞」の審査を務める5編集部の方々をお招きして、商業連載デビューのプロセスや連載を掴むためのアドバイスなどを深く語っていただきました。その貴重なお話をご紹介します。進行は「少年ジャンプ+」モミーです。

【ゲスト・編集部プロフィール】

「月刊コミックガーデン」コクバ(マッグガーデン)

「月刊コミックガーデン」では、ジャンルや読者さんの想定年齢、性別などは特に絞らず、色々な作品を載せています。直近でアニメ化した作品では「はめつのおうこく」や、連載中では「戦国妖狐」といった作品が掲載されている媒体です。他にも「王太子に婚約破棄されたので、もうバカのふりはやめようと思います」などの女性向けのコミカライズもあります。お持ち込みの際や漫画賞応募の際は、ジャンル絞っていない出版社なんだなと思ってもらえればと思います。

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「花とゆめ」黒川(白泉社)

「花とゆめ」は、毎月5日と20日の月2回発行している少女まんが雑誌です。「花とゆめ」の大きな特徴は、他の少女まんが誌と比べたときに、少女まんがの枠組みにとらわれずに「面白ければ何でもOK」という自由な風潮があるところだと思っています。
現在は、「春の嵐とモンスター」や「顔だけじゃ好きになりません」「多聞くん今どっち!?」みたいな現代ラブコメはもちろん、「暁のヨナ」や「神さま学校の落ちこぼれ」といった幅広いジャンルの作品も連載しています。もし興味がありましたらぜひ読んでいただけると幸いです。

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「コミックバンチKai」バンチKaiの隅野。(新潮社)

「コミックバンチKai」は2024年4月26日にオープンしたサイトです。もともとは「月刊コミックバンチ」という雑誌がウェブに移行した形になります。サイトのコンセプトとして「雑誌らしさ」を意識しており、ウェブ雑誌の作品では珍しくデザインページやアオリが入っているなどの特徴があります。また、雑誌の名残として、毎月の漫画の終わりにコラムやイラストなど作家さんが自由に使えるおまけページの文化を、今も引き継いでいる作品もあります。
「コミックバンチKai」の代表作には、ドラマ化もされた「死役所」という作品や、宝塚で舞台化された「応天の門」、そして「極主夫道」があります。また、「雑誌らしさ」という面では、漫画以外にも「JKハルは異世界で娼婦になった Autumn」という小説の連載もあります。雑誌に載っていてもおかしくない企画だったら、漫画に限らず何でも載せられる媒体です。

Xアカウント:@Bunch_Shincho

「FEEL YOUNG」K成(株式会社シュークリーム)

「FEEL YOUNG」は祥伝社から刊行している雑誌で、編集を弊社シュークリームが担っています。「女の園の星」「こっち向いてよ向井くん」「ジーンブライド」などの作品を私は担当しております。
「FEEL YOUNG」は、毎月8日発売の女性向け月刊漫画誌です。テーマに「あなたの心はどこまでも自由」を掲げており、恋愛・コメディ・フェミニズム・推し活など、ジャンルを限定せずに、現代を生きる女性に向けた作品群を掲載しています。また、近年のメディア化作品ですと「違国日記」「こっち向いてよ向井くん」「やわ男とカタ子」「アヤメくんののんびり肉食日誌」「いいね!光源氏くん」などがあります。読者も大人の女性の方が多いため、その方々に一番届くドラマや映画などのメディア化が多い傾向です。また、代表作品には、「女の園の星」や安野モヨコ先生の「後ハッピーマニア」などがあります。ぜひぜひ、ご投稿などお待ちしています。

Xアカウント:@FEELYOUNG_ed

「マンガUP!」廣瀬光塁(スクウェア・エニックス)

「マンガUP!」はスクウェア・エニックス各誌の人気作品が読める漫画アプリです。主な掲載作品は「凶乱令嬢ニア・リストン 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録」や「貴族転生~恵まれた生まれから最強の力を得る~」、「転生賢者の異世界ライフ~第二の職業を得て、世界最強になりました~」など異世界漫画を中心に揃えています。また、女性向けには「悪役令嬢の矜持~婚約者を奪い取って義姉を追い出した私は、どうやら今から破滅するようです。~」など、男女問わず愛される漫画アプリとなっています。
「求めている連載作品は異世界ものだけなんだ」と少々誤解されてしまうのですが、スポーツ・ラブコメ・お仕事ものなど、異世界漫画以外の作品も積極的に取り入れる姿勢です。どんなジャンルでも幅広く載せたいと考えていますので、「自分が描きたい作品は異世界じゃないんだけど…」と思っている方は特にお持ち込みいただければと思います。

Xアカウント:@mangaup_PR / @YUMENOHATEmanga

連載作家さんは、どのような出身の方が多い?

「少年ジャンプ+」モミー(以下、モミー):
今回は「商業連載デビュー」がテーマということで、各編集部にお話をうかがっていきます。
まず、各誌・各媒体で連載している作家の方々についてですが、漫画賞や持ち込みなど、それぞれに編集部との出会いのきっかけがあるかと思います。各媒体では、どのような経歴や出身の作家が多いのかをお聞きします。「月刊コミックガーデン」のコクバさんからお願いします。

「月刊コミックガーデン」コクバ(以下、コクバ):
正確に数えたわけではないので間違っているかもしれませんが、肌感覚として、特に最近ではコミティアさんやコミックシティさんといった出張編集部での出会いが増えてきていると感じています。他社様も同様かと思いますが、そうした場でご縁が生まれ、連載デビューにつながるケースが増えている印象です。
弊社の例でいえば、ビールをテーマにした漫画「琥珀の夢で酔いましょう」という作品がありますが、これは記憶違いでしたら申し訳ないのですが、たしかコミティアの出張編集部で初めてお会いして、そこから連載につながったと思います。これまでは漫画賞出身の作家が多かったと思いますが、最近では出張編集部での出会いが増えてきていると感じています。

モミー:
「花とゆめ」では、黒川さん、いかがでしょうか?

「花とゆめ」黒川(以下、黒川):
「花とゆめ」では、まんが賞や弊社のマッチングサイト「マンガラボ!」出身の方がほとんどになります。「花とゆめ」には、生え抜きの方を丁寧に育てていく文化があるので、そこから一緒にヒット作を目指していきます。
おかげさまで「花とゆめ」は50周年を迎えており、そのような「花とゆめ」のブランドに憧れて持ち込みや漫画賞への応募をしてくださる方も多くいらっしゃいます。そうした作家様たちが育って連載作家様になっている形です。


モミー:
「コミックバンチKai」は新しい媒体だと思いますが、隅野さん、いかがでしょうか?

「コミックバンチKai」バンチKaiの隅野。(以下、隅野):
新しく連載が始まった作品はまだ少なく、実際には「月刊コミックバンチ」から引き継いだ作品が多い状況です。そのため、現状ではスカウトした作家さんが大半を占めていますが、そのような中で「連載経験のある方による持ち込み」から連載につながった例もあります。
例えば、バンチで連載している「ディノサン」という恐竜の漫画があります。この作家さんは過去に他誌さんで別の恐竜の漫画を連載していましたが、もう一度恐竜作品の連載に挑戦したいと考え、その企画をどうしても実現させたいという想いで弊誌に持ち込んでくださいました。それが瞬く間に会議を通り、すぐに連載が始まって重版もかかり、と人気作品へと成長した例もあります。また、「極主夫道」の、おおのこうすけ先生も新潮社の漫画賞出身です。このように、メインはスカウトの方が多いものの、持ち込みや漫画賞からの作家さんも大きな存在感を発揮している媒体でもあります。

モミー:
次に「FEEL YOUNG」のK成さん、いかがでしょうか?

「FEEL YOUNG」K成(以下、K成):
弊社は定期的に漫画賞を開催しているわけではありません。ですので、投稿やお持ち込みは随時お待ちしている形となっています。現在活躍している作家さんですと、体感としては8対2から7対3くらいの割合で、各編集担当からお声をかけて連載を始めさせていただいている方が多いと思います。
一方で、投稿作家さんや出張編集部でお会いした方々も2割ほどいらっしゃって、その中には現在ではベテラン作家になられている、ねむようこさんや町麻衣さんも投稿のご出身です。出身のところに垣根はなく、本当に面白い漫画であればどんどん連載していきたい姿勢の編集部です。

モミー:
ちなみに、お声がけする場所は、pixivやコミティア、あるいはX(Twitter)など、どういったところからでしょうか?

K成:
そうですね、「どこにでも見に行きます」という感じで(笑)。Xやpixivや出張編集部といった場所だけでなく、コミティアさんやコミックシティさんで本を買いに行って、こちらからお声がけすることもたくさんあります。

モミー:
なるほど。ありがとうございます。では次に「マンガUP!」の廣瀬さん、いかがでしょうか?

「マンガUP!」廣瀬光塁(以下、廣瀬):
他のみなさんとも重なってしまいますが、コミティアさん、Xでのスカウト、漫画賞出身など、どれかが特に多いということはなく、本当にバラバラですね。具体例を挙げると、連載6周年を迎えた「モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います」の漫画家さんは東京コミティアで出会いました。「貴族転生~恵まれた生まれから最強の力を得る~」の漫画家さんは、Xでスカウトした方々です。2024年12月29日に連載開始の「採用の仮面 天才リクルーター馬道透の〝本音が視える〟採用活動」の漫画家さんは一緒に草野球をやりながら関係を構築しましたね(笑)。このように本当に様々な出身の方々がいらっしゃいます。

モミー:
ちなみに、私が所属する「少年ジャンプ+」では、出身は幅広く様々ですが、その中で「ジャンプルーキー!」という投稿サイトがあり、今年人気が出ている「ふつうの軽音部」という作品は、その「ジャンプルーキー!」への投稿作品でした。あとは、コミティアさんの出張編集部からの連載作家さんも非常に多い、という状況です。

持ち込みや賞の応募作のチェックで重視するポイント

モミー:
次の質問に移りたいと思います。持ち込みや漫画賞の応募作をチェックするとき、重視しているポイントを教えてください。

コクバ:
「月刊コミックガーデン」では、特にジャンルやコンセプトが定まった雑誌というよりは、オールジャンルの雑誌となっています。そのため見るポイントが細かくは決まってはいませんが、どちらかといえば編集部員・編集者それぞれが作品を見て「この方のこういった作品をぜひ読んでみたい」「この方とぜひ一緒にお仕事してみたい」と思える要素を感じられるかどうかを重視しています。それをもとに、それぞれが担当編集を希望する傾向があります。「月刊コミックガーデン」では「こういう作品が欲しい」という点よりも、作家さんの個性やカラーがしっかりと作品に載せきれているかどうかを見ています。

黒川:
「花とゆめ」でもジャンルを絞ってはおらず、それぞれの編集者が「良いと思ったポイントがある方」を採用しております。ですので、これは個人的な指標にはなってしまいますが、私は特に作家性のところを一番見させていただいています。賞レースなどでも、綺麗にまとまったお話というよりは、「このキャラクターが印象に残ってるな」「この方はこれを伝えたかったんだな」と感じられるような、やはり、その作家さんが本当に描きたいと思っているものや、その作家さんならではの何かを感じ取れる作品が、個人的にはすごく面白いと思っています。つまり、平均点の作品よりも、ご自身の長所を伸ばされた作品の方を、私は評価して見ています。

隅野:
バンチの漫画賞も基本的にキャリアなどは一切関係なく、どのような方の応募も歓迎している漫画賞です。応募作の中で注目するのは、自分が好きなものを描くことは大前提ですが「自分はこれが好きだ」「これを自分は楽しんでる」だけに留まらず、「好きだから、読者にも楽しんでほしい」という思いで、自分が好きなものの沼に読者を引き込む工夫や気持ちが溢れている作品です。それがやっぱり、色々な人が読んで楽しいと感じ、どんどん輪が広がっていくタイプの作品になっていくと考えています。
もう一点、個人的に重視しているのは仕上げの丁寧さです。例えば、枠線の角はつながっているか、集中線がコマから変にはみ出していないか、といった部分をご自身で細かくチェックできる人は、自分の作品が読者からどう思われるかを意識できている人だと思います。その点が、ひいては自分の表現がどのように伝わるのかという部分にもつながるので、そうした丁寧さや配慮の部分を大事に見ています。


K成:
皆さまと大体同じ意見で、基本的には「面白ければ何でもOK」というところですが、分解すると「絵の上手さ」「話の面白さ」「ネームの読みやすさ」「原稿の仕上げの丁寧さ」、そして「誌風に合っているか」という5つの軸で見ていることが多いです。どれも伸ばしていただくのがもちろん良いのですが、さきほど黒川さんもおっしゃっていたように、どれか一つがズバ抜けて良いというのもすごく強いと思っています。
その強さは、ご自身が「ここを評価してほしい」と思っている部分ではなく、他人から自然に褒められるものや評価されるもの。例えば、自分では話の構成が得意だと思っていても、実際には絵をものすごく褒められたりすることもあるかもしれませんし、その逆もあるかもしれません。また、セリフ運びが面白いから、他の部分は足りないけれど読ませるネームになっているとか、何かしら一つの武器があれば、「この人はここを伸ばしていけば、他もどんどん上がっていくだろう」といったことがあります。まずは自分の長所を見つけていただくといいのかなと思います。
個人的には、「この人にしか描けないもの」に出会えたときが、一番うれしいです。セリフ一個でもいいので、「この人の作家性が載っているな」「この人の実体験や人生に基づいて描いているんだろうな」と感じられる作品に出会えると、得したな〜、という気持ちになります。

廣瀬:
もう他の4名の方々と全部同じ意見なのですが(笑)、一言で言うと「良いところ探し」ですね。絵や構成、演出といった項目ごとに点数をつけているわけではありません。その作家さんにしか本当に描けないものや、見たことのないキャラクター、一コマでも目を引く特別なものがあれば、その作品は漫画賞を獲る可能性が高いと思います。また、「次作は面白い作品を期待できそう」と思えた作品・作家さんには、ぜひ担当につきたいなと考えてしまいます。これ以上は言うことがなく、他の皆さんに先に全部言われてしまいました(笑)。

新人作家の連載デビューはどのようなプロセスで決まる?

モミー:
次は「連載デビューまでのプロセス」についてもうかがってみたいと思います。新人作家さんの連載デビューは、どのようなプロセスを経て決まっていくのでしょうか?これも雑誌・媒体によって差があるかもしれませんが、まずは「月刊コミックガーデン」のコクバさんからよろしくお願いします。

コクバ:
すみません、「差があるかも」とのことでしたが、まず最初に一般的な内容を言わせていただきます。
多くの方がご想像されているかもしれませんが、ネーム会議というものがあります。作品のネームを1話や2話分、場合によっては3話分ほど作っていただき、それを編集部全員で読んで「通す・通さない」を決める会議。これがまず一つです。
それとは別に、アニメや小説のコミカライズの企画が存在しています。その企画に、例えば漫画賞出身の作家さんや、我々が同人誌を読ませていただいて「ぜひ一緒にお仕事したい」と感じた作家さんにお声がけして参加していただく、という流れもあります。
その他にも、作品がインターネット上でバズった作家さんに、すぐにでも連載をお願いしたいと判断したら、通常の手続きを飛び越えてトントン拍子で進むこともあります。ただ、基本的にはほとんどの連載が会議を通して決まっています。

モミー:
連載会議のようなものがありますか?

コクバ:
連載会議というよりは、月に2回ネームを誰かが提出し、それをみんなで読んで感想を出し合う形になっています。その感想を取りまとめて連載するかどうかを決めています。

モミー:
ネームの3話分とか、もしくは1話のみとか、提出には決まったルールがあるのでしょうか?

コクバ:
本当は3話あると嬉しいのですが、やはり重要なのは作品の本質となる「この作品の面白さはここだよね」と感じられる部分が載っているネームや企画部分が見えることです。ですので、1話でも通すことがあります。

モミー:
最後は編集長が決める形ですか?または多数決で決めることも多いのでしょうか?

コクバ:
一応、全員の意見を参考にしつつ、最終的にはデスクやチーフが「これは連載すべきだ」と推奨する形が多いです。反対意見があったとしても連載が通ることもよくあります。

モミー:
なるほど、色々ありがとうございます。次に「花とゆめ」の黒川さん、お願いします。

黒川:
「花とゆめ」では、基本的に「連載提案」という形で連載が決まることが多いです。「花とゆめ」はデビュー以上の新人作家さん向けに、定期的に読み切りや連載のネーム提案を募集していまして、その中から掲載する作品をいくつか編集部で選ばせていただく、という形になります。
ただ、例えばアンケートの結果が非常に好調だった読み切りなどが、そのまま連載に繋がることも結構あります。「花とゆめ」は新人作家さんにとってチャンスが多い媒体かなと思っております。

モミー:
ありがとうございます。「コミックバンチKai」の隅野さん、お願いいたします。

隅野:
バンチKaiでも、他の編集部と同様にネーム会議がもちろんございます。ただ少し特殊で、ネーム会議の一つ上に連載会議というものがあります。ネーム会議自体では、何かが決定するわけではありません。この場では編集部員全員が作品を読み、「この作品ならこういったことをしてもいいんじゃないか」といった意見を集める場となっています。このネーム会議を通った作品は、次に編集長や副編集長が集まって随時開催される会議で、正式に連載が決まるプロセスになります。
今回の質問である「新人作家さんの連載デビュー」についてですが、バンチでは2種類の漫画賞がありまして、1つ目は毎月開催の「BBGP(バンチボーダーレスグランプリ)」、もう1つは年4回開催している「大波賞」という大型の漫画賞の2つがあります。これらの漫画賞で受賞し掲載されるプロセスを踏んだ方から、ネーム会議への提出ができるようになる流れです。そのため、バンチに関しては、まずは漫画賞で掲載される賞を獲っていただくことが最初のルートになります。

モミー:
ネーム会議で通らなければ、連席会議には回せませんか?

隅野:
通る・通らないという概念はあまりなく、例えば、会議の場で「さすがにこのテーマは難しいのでは?」といった意見などが出るので、それを踏まえて作家さんと担当編集で相談して「ちょっと今回この題材はやめておこうか」などを決めるといった形です。

モミー:
最終的に正式に連載会議に回す前に、色々な編集者とか編集部に一回意見を聞けるみたいな、そういうことですか?

隅野:
そうです、そうです。

モミー:
なるほど、面白そうですね。ありがとうございます。
次に、「FEEL YOUNG」のK成さん、お願いいたします。

K成:
はい、それで言うと「FEEL YOUNG」には連載会議がありません(笑)。あまりオープンにしていませんが、実は「無い」です。担当編集がそれぞれ作家さんを見つけてきて「この方と一緒にやりたいです」と上長に提案し、担当と上長の間で合意が取れて「やりたい」「いいじゃん」となったら連載が決まる、というスタイルでやっています。
新人の方、特に未デビューの方の場合は、基本的に「代理原稿」と呼ばれる読み切りを描いていただくことが多いです。「この月に掲載しましょう」と決めるわけではなく、雑誌のページ数が少し足りないときにすぐに差し込める形で原稿を準備しておいて、掲載できるタイミングで載せる、という形をとっています。何作か作っていただく中で「コンスタントに作品を作れる方だな」「単行本にできそうだな」と判断できる方から連載をお願いする流れです。    
ただ、最初から顕著に実力があると分かっている方は、すぐに連載をお願いすることもあります。最近では甘井最鹿さんという作家さんが非常に上手な方で、すぐに投稿作を掲載した上で、読み切りも経ずに連載の準備へ進んでいただき、そしてこのたび連載が始まった、というケースもあります。
また、「FEEL YOUNG」には兼業作家さんも多くいらっしゃいます。それぞれの方々のペースに合わせて進める形をとっています。

モミー:
「連載会議が無い」というのは、すごく……。

K成:
びっくりされているのが、すごく伝わっております(笑)。

モミー:
ハードルが低くて連載できやすい、ということですか?

K成:
その通りです! 「その通りです」と大きな声で言うのも少しあれなんですが(笑)。ただ、ハードルが低いと言っても、連載中のラインナップは非常に強力な作品が揃っているので、その中で連載できる実力を持った方でないと難しく、上長である私と担当編集との間でそもそも通らないこともあります。
ですが、基本的に「FEEL YOUNG」では担当編集の個性も大切にしたいと思っています。担当から「この作家さんのこういった部分を伸ばせば連載できるはず、ファンがつくはず」といった「どうしても」という思いを受けたら「じゃあ、やってみな」とすぐ言ってしまいますね。

モミー:
雑誌がどんどん分厚くなっていきませんか?

K成:
はい、なることもあります。毎号の背幅も、ちょっとガタガタに。

モミー:
それでも、枠が決まっているわけではなく、面白いと思うものがあったらどんどん載せていくと。

K成:
ただ、ページ数の上限はさすがに決まっていて(笑)。その上限の中で、「ここなら載せられそうだから載せよう」という感じで進めています。

モミー:
わかりました。ありがとうございます。
次に「マンガUP!」の廣瀬さん、お願いします。

廣瀬:
「マンガUP!」では、新人作家さんやベテラン作家さんに関係なく、連載会議一つで連載が決まります。連載会議への提出物としては、ネーム1話分とキャラ表の計2つです。キャラ表は履歴書のように詳しい情報ではなく、主人公やヒロインなどの絵の方向性が伝われば十分です。
連載会議は常時受け付けていて、会議の結果は提出日から1週間~最大10日以内には出ます。詳しいプロセスは、提出されたネーム1話分とキャラ表を編集部員全員が確認してコメントを共有します。会議内で共有されたコメントを踏まえて、意見を出し合いながら連載可否を決めていきます。一部の編集者の評価が悪くても、担当編集者による「連載を推す理由や意気込み」で決まる場合もあります。
もう一つはコミカライズ案件の連載ですね。他社さんからの依頼や弊社ノベル編集部からのコンペで連載が決まります。コンペの提出物は案件によって変わります。「ネーム1話分とキャラ表」の場合もあれば、「ペン入れしたキャラ表と過去作品」の場合もございます。それらの提出物を関係者がチェックし、OKが出たら連載決定です。
連載決定までの道のりは主にこの二つです。提出物を踏まえると比較的ハードルが低く、連載可否の結果は早い方だと考えます。


モミー:
読み切りを経て連載という流れではなく、いきなり連載ということが多いのですか?

廣瀬:
微妙ですね。多くもなく少なくもない印象です。他社さんと同じように読み切りで評価を得て、その読み切りの内容の方向性のまま連載ということももちろんあります。ただ、「絶対に読み切りを経験しないといけない」とか、「漫画賞で受賞してないといけない」ということはないです。面白ければ載ります。

モミー:
わかりました。ありがとうございます。
私の所属する「少年ジャンプ+」についても少しだけ紹介させていただきます。「少年ジャンプ+」にも漫画賞があります。ただ、いま廣瀬さんがおっしゃった「マンガUP!」に近い部分があるかもしれませんが、漫画賞というステップを踏むことはそれほど必須ではなく、また実際にはそこまで多くはありません。その代わりに「少年ジャンプ+」は読み切りが非常に多く掲載される媒体です。年間で200本から300本ほどの読み切りが掲載されており、多くの作家さんにはまず読み切りを掲載していただき、その後に連載会議に進む、という流れが多いですね。

商業連載に求められるスキルや要素

モミー:
次は「商業連載に求められるスキルや要素は、どのようなものがあると思われますでしょうか?」という質問です。

コクバ:
連載作品の第1話で「この作品の面白さはここだ」「特徴はここだ」というポイントを提示するかと思いますが、そのポイントが2話、3話にもしっかり含まれていることが、連載を続けていく上で大事だと考えます。連載は読み切りとは異なり話を続けていくものですので、物語が長く続くほど、そうした面白さや特徴が忘れがちになってしまうこともありますが、それらのポイントを意識し続けることが大切です。    
1話を読んだ人が2話を読みたくなり、さらに3話を読みたくなり、その流れでコミックスも購入したくなるような仕組みを作ることが、連載においてすごく重要だと思います。

黒川:
連載していくにあたって、先ほどコクバさんがおっしゃっていた、2話、3話のところは私も大事だと思います。その上で連載作を立ち上げるにあたって、まず重要だと個人的に感じているのは、「読者さんにどこを楽しんで読んでもらえる作品なのか」をしっかり意識できているかどうかです。
まんが賞とは違って、やはり商業連載では「お金を払ってまで買いたい」と思わせる面白さが必要になります。そのため、自分がやりたいことや伝えたいことだけを描くのではなく、読者目線に寄り添った上で、それをどのように伝えるのかを意識して作品に落とし込むことが、最も重要かなと思っております。

隅野:
商業連載に求められるスキルについては、先ほどの「持ち込みや漫画賞でどのような点をチェックするか」という質問とも被りますが、これにおいてもやはり、自分の好きなものを好きなように描くだけではなく、「どのように描けば、誰かにこれを好きになってもらえるだろうか」という見方が備わっているかが一番大事かなと思っています。やはり商業連載となると、少ないパイに投げてしまうと商売が成立しない場合もあります。ですから広いパイに投げていきたいというところは大前提だと思います。広いパイがあるかは分からないけれども、そのパイを作り出していこうという意識で、最初から読者を絞り込みすぎず、自分の好きなものを多くの人にも楽しんでもらえるための工夫や問いかけをできることが一番大事だと考えます。

K成:
もう、お三方がおっしゃられたようなことが大事、と思うのですけれども。先ほども申し上げたとおり「FEEL YOUNG」には連載会議がないため連載はスッと通るのですが、ただ、その後が厳しいといえば、すごく厳しいんですね。
「FEEL YOUNG」では、連載作品はほとんど単行本化される流れとなっています。ですので、単行本化を見据えて「お金を払ってもらえるのか」「単行本になって大丈夫なのか」といったことが、連載を始める上での大きなハードルの一つになっています。そのため、担当と著者と編集部の全体が、読者がその作品に何を求め、何にお金を払うかを分かっている必要があります。美麗な絵、先が気になるストーリー展開、心を癒すような胸キュン展開など、読者の購買意欲につながる「武器」。これがなければ連載を立ち上げるのは大変だろうと思っています。
連載においては「先が気になる」か「この作家さんの漫画をもっと読みたい」と思わせられるか。具体的にはキャラクターの魅力やストーリーの個性といった作品の要素もあります。
それらとは別に、技術的な問題として「コンスタントに原稿をアップできる力」も、とても重要です。そのペースは作家さんによって異なります。月に32ページを描ける方もいれば、はたまた60ページを描ける方、あるいは2カ月で24ページしか描けないけれど、単行本化すれば買ってくれる人がいるとか。それぞれご自身のペースでいいのですが、自分自身のペースを見つけて把握していただくことはとても大事だと思っております。

廣瀬:
他の方と重なる部分もありますが、私からは「単行本」について。1話目だけで満足してしまわないことが重要です。連載会議で聞かれる可能性の高い質問は「1巻の最終話ってどういう引きになるの? それで読者が2巻を買いたくなるの?」です。そのため、連載会議提出前の段階で、必ず単行本1巻までのプロセスや構想をお互い考えましょうと作家さんに相談しています。また、これは軽視されがちなのですが「健康的な体」。

K成:
大事!

廣瀬:
これ、本っ当に大事なんですよ。連載準備する前に「どうやったら健康な体を保てるのか」をしっかりと考える必要があります。せっかく人気が出ているのに、ずっとお休みになってしまうのは、作家さんにとっても編集部にとっても、お互いに悲しい。特に読者が悲しむ。
「心技体」という言葉がございますが、連載時は「体技心」、つまり「体→技→心」の順番で考えた方が良いかと。メンタルも技術もとても大事ですが、連載という年単位での仕事はメンタルと技術だけではしんどくなります。人間は体が資本なので、体に不調があると技術にも影響し、心が乱れていきます。「健康的な体だから漫画を描き続けられ、技術も上達していき、心が安定する」。漫画賞や読み切り、連載会議提出前など連載開始前に健康維持を改めて考えることが大事だと思います。

連載デビューを目指す方々へのアドバイス

モミー:
それでは、次の質問です。本日会場には、連載デビューを目指されている方々、関心があるという方がたくさんいらっしゃると思います。これまでの質問と少し被るかもしれませんが、連載デビューを目指す漫画家の方々に向けて「これを知っておいた方が良いよ」「この作品を読むのがおすすめ」「こういった研究をした方が良い」など、何かアドバイスをいただけたらと思います。

コクバ:
アドバイスというよりは、自分の体験を踏まえた反省のようなものになるのですが、特に自分が若かった頃は、連載デビューがゴールのように感じてしまい、そこから先のことをあまり考えられないまま始めた担当作品もありました。そうした作品では、コミックスを出す時にデザインで悩んだり、コンセプトがしっかり固まっていないために、どう打ち出していくか決められなかったりと、いろいろな課題がありました。
ですから、連載が始まる前に、例えば「帯のキャッチはこういう風に言えるような作品を作ろう」「この作品の良さはこれだから、コミックスのカバーイラストは、ちゃんとこういう風に描けるようにしましょう」といったことが、あらかじめ決まっていると良いのかなと思います。


黒川:
私からはこれまでお話しした内容と重なるので、精神論にはなってしまいますが、やはり「気持ち」の部分が一番大事だと考えています。
編集者からすれば、「漫画を描いている」というだけで、本当にすごい才能だなと感じています。うまくいかずに悩んでしまう方もいるかもしれませんが、連載提案は、多くの場合は時間がかかるものです。その中で、やはり「どうしても自分は連載デビューするんだ」という強い気持ちを持ち続けて頑張ること、そこを曲げないことが一番大事なのではないかと思っています。

隅野:
デビューに向けて意識して欲しいことに「なんとなくやらない」があります。一番「なんとなく」してしまいがちなのが「持ち込み」です。持ち込みは、自分が描き上げた作品に、初めて他人からしっかりした評価や意見を聞ける貴重な機会です。その機会を、ただ「なんとなく聞いてみる場」にしてしまったら、すごくもったいないです。
例えば、「この決めシーン。自分はめちゃくちゃかっこいいと思って描きましたけど、どう思いましたか?」といった具体的な質問を編集者に投げかけるだけで、編集者から「いや、あまりかっこよくは感じませんでした。前のシーンでもっと目立つ場面があって、このシーンは目立っていませんでした。」といった具体的なフィードバックを得られます。しかし、持ち込みに来られる多くの方は「見てください」と作品を渡すだけで、そのあと編集者に言われるがままになってしまうことが多いです。「こう思ったんですが、どうですか?」と自分から質問される方は少ないのが現状です。やはりこれは非常にもったいないことです。
せっかく描き上げた作品なのですから、人が見てどう思ったか、その意見まで踏まえて初めて経験値になると思います。なんとなく描き上げて「よっしゃ、これでレベルアップした」と満足してしまう方もいるかもしれません。ですが、やはり人が自分の漫画を見てどう思ったかを知ることが大切です。「ここはちょっとどうかな?」と自分でも思いつつ「まあいいや、描いちゃえ」とそのまま描いてしまうところもあるでしょう。そうした箇所を実際に人が見てどう思ったのか、意識することはあまりないと思います。持ち込みの場では「どうでしたか?」と質問を投げかけたら、答えが返ってきます。ですから、持ち込みを「しゃぶり尽くす」ぐらい最大限に使ってほしいと思います。ぜひ持ち込みを「使って」ください。

K成:
読み切りでデビューはされたけれど、連載がなかなか決まらない方へのコメントになりますが、先ほど申し上げたとおり、一本描き上げるのにどれくらいの時間がかかるか、ご自身の執筆ペースを把握していることはすごく大事かなと思っています。また、連載となると、ご自身が長期間にわたって描き続けられるキャラクターや設定を作ることも重要です。外側の要因として「今こういうものが受けているから、これをやってみよう」という考え方も一つの要素としては大事ですが、自分がずっと愛し続けられるキャラクターや、描き続けられる背景などを設定することが大事です。そのあたりを難しく設定してしまうと行き詰まってしまうことが多いと思いますので、「このキャラとだったら一緒に走っていけるぜ」と思えるキャラクターを作れた方が良いだろうなと考えております。
あとは、先ほどお話しした通り、雑誌によって連載までに用意するものや過程が違いますので、もし一つの編集部でずっと何年も挑戦しているのに結果が出ないという状況がもしあれば、他の編集部にもお持ち込みに行くのが良いと思います。これは雑誌がどうかというだけでなく、編集者も人間なので「相性」も絶対にあります。一つの編集部でうまくいかないからといって、「私の漫画家人生はもう終わりだ」とは絶対に思わないでほしいです。もう漫画を描き上げているだけで偉いのですから、他の編集部に見てもらってください、という気持ちがあります。


廣瀬:
私が考える重要な点としては、「描きたいもの」と「描ける中で売れるもの」の二つをしっかり考える必要があるということです。描きたいものを描けて、それが連載になれば最高なのですが、私や他の編集者さんの経験則も含めて、うまくいくケースはなかなか少ない印象です。
やはり読者さんの心を満たしてあげないといけない。では、「描ける中で売れるもの」を考えるというのは、自分の人生でこれまでどういうことをしてきたのか、といった過去の掘り下げをもとに、編集者さんと相談しながら自分にしか描けないものを見つけていけば、連載デビューに近づけると経験上思っています。具体的な例を挙げると、「鋼の錬金術師」のようなダークバトルファンタジーを描きたかったけど、上手くいかなかった作家さんが、「自分の2番目に好きなものは何か?」を考えた結果、「可愛い女の子を描くのが好き」ということに気づいてラブコメを描いてみたところ、それが読者に受けてヒット作になった、というケースがありました。
もうひとつの例として、野球漫画を描きたくて上手くいかなかった方がいて、その方の過去の経験を掘り下げてみると、実はサラリーマン時代に人事部にいて、その経験を活かし「人事」をテーマにした漫画を描いたところ、「この人にしか描けないキャラクター」や「この人にしか出せないキャラクターの言動」が評価され、連載が決まったケースもあります。
作品を一つ描き上げるのは大変ですが、もし行き詰まったときには二つ、もしくは三つ、描いてみることをおすすめします。描きたい作品と描ける作品の範囲の中で二つか三つ描くと、それぞれの作品を客観的に比較検討出来、結果的に良い相乗効果を生むことが出来ます。合わない作品も身をもって理解出来るし、その人にしか出せない武器も見つけやすくなる。変に頭でっかちになって「やらない」ことを選択すると、可能性を狭めるかと。編集者も複数の作品を客観的に見て、作家さんの現在の実力で何が最適なのかを探せます。もし現在あまり良い結果が出てなく苦戦していたら、この方法を取ることも選択肢の一つだと思います。
もし、それでも結果が出なかった場合は、先ほどK成さんがおっしゃっていたとおり、他の編集部に持ち込むことは、すごくアリです。先ほど挙がった「ディノサン」が私は大好きなのですが、この作家さん(木下いたる様)の前作時に声をかければ良かったと今でも後悔しています(笑)。前作は「恐竜が絶滅していない江戸時代を舞台にした、パニックアクション・アドべンチャー」ものでしたので、残酷な描写がありました。前作連載時はこういうのをやりたい方なのかと思っていたのですが、現在連載中の「ディノサン」は恐竜園という恐竜の動物園を舞台にした人間ドラマでして違う路線の作品なんですよね。弊社にも欲しかったな~て…(笑)。

隅野:
他誌で一度描いた題材でももう一度描きたいという想いが叶うこともあるので、やっぱり他の編集部さんに持っていくのもチャンスは広がると思います。

廣瀬:
本当にそうですね。

「第2回マンガノ大賞」への意気込み

モミー:
それでは最後になりますが、本日お話しいただいた皆さまが審査を務める「第2回マンガノ大賞」についても、一言ずつお願いしたいと思います、マンガノ大賞のことや、スカウトする応募者の方々とどんな作品作りたいか、審査への意気込みなどをお願いします。

コクバ:
第1回にも参加させていただきましたが「うちにはご応募いただいていなかったな」と思われる作品とたくさん出会うことができました。第2回でも、複数の出版社が参加する漫画賞ならではの作品との出会いを、すごく楽しみにしています。その上で、そうした出会いから、自分がこれまで担当してこなかった新しいジャンルにも進んでいけると、もっと面白いのかなと思っています。よろしくお願いします。

黒川:
やはり、ここにいる5人だけでも雑誌の色が全然違いますし、さらに他の編集者さんも控えていて、これほどの幅広いジャンルの編集者さんに評価してもらえる場として「マンガノ大賞」はすごく良い場だと思います。ですので、気負わず、どんどん応募してほしいと思います。
また、応募作品は「花とゆめ」編集部で普段目にすることのないような作品ばかりになるのかなと、個人的にワクワクしています。その中で「花とゆめ」でもという作品があれば、ぜひお声掛けさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

隅野:
色々な出版社の編集者が作品を見るということが、すごく利点だと思います。なぜならば、普段の自分が属している編集部の漫画賞で言えば、「こういったイメージあるよね」という作品が集まり、その中から「うちに合っているよね」となる作品が受賞するパターンが多いです。「マンガノ大賞」の方は、全く想定していないジャンルの応募も期待できます。
「マンガUP!」さんが「なろう系中心のイメージを払拭したい」と言われていたように、新たに別ジャンルの作品を求める気持ちもありますし、反対に「なろう系に合いそう」だから求めるパターンもあるでしょう。すべての可能性が受け入れられる場だと思いますので、ぜひぜひ応募して欲しいです。私はチョロいので「皆さんが好きなもの」を「私も好きになる」ように描いてもらえたら、すぐなびくと思いますので、ぜひぜひ待っています。

K成:
「FEEL YOUNG」は2回目から初めて参加させていただきました。錚々たる編集部の中で呼んでいただき、とても光栄です。様々な特色や視点を持った編集部が一つの作品を一気に拝見させていただくので、本当に「編集者によって言うことが違う!」とダイレクトに感じていただけるのではないかなと思っております。それが、投稿される方にとってのメリットだろうな、と感じております。私は、基本的には女性向けの作品を探させていただこうと考えておりますが「面白い漫画は全部読みたい」という意気込みがありますので、ぜひどんな作品でも読ませていただけたら、うれしいです。よろしくお願いいたします。

廣瀬:
一つの漫画賞で12媒体12編集者が作品を見るというのは、投稿者さんにとって可能性が広がります。一部の編集者がダメだと判断しても、他の編集者が投稿者さんがまだ気づいていない良いところを発見してくれるかもしれません。
ぜひ全能感で挑んでもらえたらと私は考えています。根拠のない自信とか、一番良いですね。言語化された根拠のある自信も大事ですが、実は「なんとなく大丈夫でしょ!」といった感じで全能感のある方が描く作品は面白いものが多いように思います。「マンガUP!」で、もしご一緒になれましたら、その際はよろしくお願いします。

モミー:
皆さまありがとうございます。
「少年ジャンプ+」も審査に参加させていただいています。これだけ本当にたくさんの漫画雑誌・媒体の編集者の方々が一気に読む漫画賞はほとんどないと思います。作家さんご自身が「自分はこういう雑誌に向いているな」「こういうところを伸ばしたいな」と思っている武器の部分以外に、実は客観的に見ると、ご自身が全く想像していなかった部分で、読者や編集者が「ここめちゃくちゃ才能ある、すごい」と感じていることってたくさんあります。
この会場に貼ってある第2回マンガノ大賞のポスターにも「隠れた才能に、もっと光を。」とありますが、本日お話いただいた編集者の方々も参加する12の編集部によって、ご自身では気づいていない才能、良い部分がきっと見つかる漫画賞になっていると思います。ぜひお気軽に応募していただければ大変ありがたいです。

以上、「第2回マンガノ大賞開催記念! 〜漫画編集者が語る、連載を掴むために必要なこと〜」の模様をご紹介いたしました。

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