マンガ家座談会「チャンスを広げるアクションについて」(コミティア150レポート)

「マンガ家座談会!〜チャンスを広げるアクションについて〜」(コミティア150レポート)

2024年11月17日(日)、東京ビッグサイトにて開催された「COMITIA(コミティア)150」にマンガノが企業出展しました。ブース内のステージでは第2回マンガノ大賞の募集開始にあわせて2部構成のトークセッションを開催しました。

この記事では「マンガ家座談会!〜チャンスを広げるアクションについて〜」の模様をお伝えします。


トークセッション「マンガ家座談会!〜チャンスを広げるアクションについて〜」では、プロとして活躍されている3名のマンガ家の先生方をゲストにお招きして、マンガフォリオの活用や、チャンスを広げるための様々な取り組みに関するアドバイスを存分に語っていただきました。その貴重なお話をご紹介します。

【ゲスト・プロフィール】

朝日 夜

朝日 夜(あさひ よる)です!
代表作は「ギャルとぼっち」「風音先生は飛騨くんがわからない」その他読切などなど!
イベントで出したオリジナル作品を自費出版などしております。

マンガフォリオ:@asahi_yoru
Xアカウント:@asahi_yoru9
びっけ

ファンタジー漫画を多く描いています。少年少女が頑張る話とねこが好き。

マンガフォリオ:@bikke0418
Xアカウント:@BK0418
るぅ1mm

少年少女のかわいい漫画を描いています!BLと百合と人外ばっかり!でっかい𝐋𝐎𝐕𝐄が好き

マンガフォリオ:@Ruuwanmm
Xアカウント:@ruu_neptune

司会:
ただいまより、スペシャル・トークセッション「マンガ家座談会!〜チャンスを広げるアクションについて〜」を始めます。本日お話をしていただくゲストは、マンガ家の朝日 夜先生、びっけ先生、るぅ1mm先生です。本日はどうぞよろしくお願いします。まずは一言ずつ自己紹介をお願いいたします。

朝日 夜:
朝日 夜です。「ギャルとぼっち」「風音先生は飛騨くんがわからない」などを連載していました。出版社で連載したり、読み切りを書いたり、コミティアやコミケのイベントで出した本を自費出版したりしています。よろしくお願いいたします。

びっけ:
マンガ家のびっけと申します。新書館から発売されている雑誌「ウィングス」さんで「極彩の家」という作品を連載しています。また、秋田書店さんで連載していた「エイラと外つ国の王」というファンタジー作品が夏頃に完結いたしました。コミティアでは、仕事では描けないような自由なマンガを描いて出すなどしています。

るぅ1mm:
るぅ1mmと申します。コミティアさんには7年前ぐらいからお世話になっております。びっけ先生と同じく、私も夏頃までKADOKAWA「月刊コミックビーム」さんで「終末、君と」というゾンビBLグルメマンガを連載させていただいてました。また、12月19日からbamB!さんで新連載『何千回もつたえるよ!』が始まるので、よかったら見てください。よろしくお願いします。

作品公開や情報発信に活用しているサービスは?

司会:
それでは最初の質問です。作品の公開や、読者の方々に向けて情報発信を行う際に、活用されているツールやサービスについてお聞きしたいと思います。朝日 夜先生からお願いいたします。

朝日 夜:
X(旧Twitter)やInstagram、pixivをメインに使っています。オリジナルで出版した作品やコミティアで出した本などは、その後、BOOTHやメロンブックスさんなどで販売しています。電子書籍の方はKindleダイレクトやナンバーナインさんのサービスを利用するなど、幅広いサイトで出版していただいています。

びっけ:
SNSは、XとBluesky、Instagramを活用しています。作品の投稿についてはpixivとマンガノです。基本的には同じ作品をどちらにも投稿しています。SNSの方には、あまりマンガの作品は投稿していません。近況報告や、お仕事の告知が主になりますね。
色々なサービスを利用しているため、情報がバラけてしまう点は少し良くないかもしれません。XとBlueskyは、ほとんど同じ投稿内容を投稿しています。Instagramは写真がメインになるため、どうしても私が食べたものや我が家の猫の投稿が中心になります(笑)。

るぅ1mm:
私は、X、Instagram、TikTokです。あと最近Blueskyを始めました。ご連絡用にホームページもあります。作品ついてはマンガフォリオさんにまとめさせていただいてます。使っているのはそれくらいかなー。

司会:
ともに皆さま、Instagramを活用されているのが特徴的ですね。

びっけ:
私は、Instagramには単行本の表紙をアップするくらいですが、朝日先生、るぅ1mm先生のお二人はInstagramにも作品を上げていらっしゃいますか?

朝日 夜:
私は、1ページを2つに分割するなどして作品をInstagramに上げています。Instagramのために新たに画像を用意はせず、ちょうど良さそうなところで頑張って原稿をトリミングしています(笑)

るぅ1mm:
私は、お仕事の発表用としてInstagramを使っています。

マンガノ・マンガフォリオの活用について

司会:
ゲストの先生方には、マンガ投稿プラットフォーム「マンガノ」や、マンガ家向けのポートフォリオ作成サービス「マンガフォリオ」をご活用いただいております。マンガノやマンガフォリオを始められたきっかけや活用方法について、皆さんにうかがえたらと思います。良い点や、欲しい機能なども、ぜひお聞かせください。

朝日 夜:
私はマンガフォリオを使っていますが、すごく見やすくて。これまで他のポートフォリオのサイトも使ってきましたが、それらのサイトでは作品の情報がタイトルしか分からなかったり、あるいは表紙しか表示されなかったりして、「この表紙のタイトルは何だろう?」と思うことも多くありました。マンガフォリオさんは情報が見やすく、載せた作品がどのサイトで販売されているかの情報も一目で分かるのも特徴です。こんなに分かりやすくてマンガに特化したサイトは他に無いなと思って、ずっと使わせていただいています。

朝日 夜先生のマンガフォリオ
朝日 夜先生のマンガフォリオ:@asahi_yoru

司会:
情報が見やすいということで大変光栄です。ありがとうございます。

びっけ先生には、マンガ作品の投稿先としてマンガノを利用していただいております。マンガノを選んでいただいた理由などをお聞かせいただけたらと思います。

びっけ:
マンガノがサービスを開始した頃、SNSを通じて「こんなサービスが始まったよ」という情報を目にして興味を抱き、試しに使ってみたくなったのがきっかけです。それから今まで続けている理由は、朝日先生もおっしゃっていましたが、マンガがすごく読みやすい点ですね。マンガをシリーズごとにまとめられて、その先にある各話の一覧情報も見やすくて。そこからマンガを読むときも電子書籍のような読みやすさで。それが作品を投稿していても、なんだか嬉しいんですね。その点が、今も続けている理由だと思います。

びっけ先生のマンガフォリオ
びっけ先生のマンガノ(マンガページ):@bikke0418

司会:
びっけ先生からも「見やすい」という大変嬉しいコメントをありがとうございます。

それでは、るぅ1mm先生、お願いいたします。

るぅ1mm:
まずは、マンガフォリオが良いなと思った理由は、マンガの情報を一括でまとめられる点です。マンガに関する情報って、「単行本が出たよ」「連載中だよ」「読み切りが載ったよ」など、すごく色々な情報があるんですよね。情報を作品ごとにまとめたい、単行本ごとにまとめたい、という気持ちがすごくあって、それをできるのが便利だと感じてマンガフォリオさんに登録しました。マンガフォリオとマンガノは少し異なるサービスで、びっけ先生も使われているマンガノの方では作品を読めるかたちになっていて、マンガフォリオからマンガノに飛んで作品を読めるみたいな。そういったかたちで情報がちゃんと完結しているところがすごく良いなと思って使わせていただいています。

るぅ1mm先生のマンガフォリオ
るぅ1mm先生のマンガフォリオ:@Ruuwanmm

司会
まさにそのようなことを考えて作りましたので、そう言っていただけて、とてもありがたく感じます。

より多くの読者に作品を届ける工夫について

司会:
続いての質問になります。より多くの読者の方々に作品を届けるため「マンガ制作以外に工夫していること」について先生方に聞いてみたいと思います。まずは、朝日先生からお願いします。

朝日 夜:
とにかくSNSを更新することが大事かなと思っています。さきほど挙げた様々なサイトも活用していますし、また今は作品が溢れている時代なので、これは工夫に入るかは分かりませんが、たくさんSNSの更新を増やしていくようにしています。

司会:
以前、別の作家さんから「過去に投稿した作品を、時間を置いてもう一度投稿することもある」というお話をお聞きしたことがあります。朝日先生は、そのあたりはいかがでしょうか?

朝日 夜:
はい、再掲もします。1回目の投稿は何も反応がなかったけれど、2回目に再掲したら読んでもらえた、ということも全然あります。ですので、一度投稿したマンガでも、何回も「見て見て」ってアピールするのが大切かなと思いますね。

司会:
ありがとうございます。
続いて、びっけ先生、よろしくお願いします。

びっけ:
私も、朝日 夜先生と同じように、できるだけSNSに投稿して告知をするようにしています。ですが、少々面倒に感じることもあります(笑)。だから「マメになること」が必要かなと思いますね。例えば、「新しい作品が出ました」と言うだけであれば簡単ですが、やはりリンクをちゃんと貼るといったマメさが必要になってくると思います。
一方で、リンクを貼って告知したとしても、どれくらいの人が実際にそこからアクセスしてくれるかというと……私自身がとても面倒くさがりな性格なので、リンクを踏むのが手間だと感じてアクセスしない方々の気持ちも分かります。ですから、色々な場所で何度も「見てね」と言うように心がけています。
それに関連して、マンガをすぐに読めないリンクの貼り方は、あまり良くないのかなと思っています。作品のページではなく、ホーム画面や別の場所に読者が誘導されてしまうと「よくわからないから、もういい」となって、作品を読まずじまいになってしまう人もいるのかなと思います。その点ではマンガノは、例えばXからアクセスしたときに、すぐに作品を読める点が良いなと思います。
また、Instagramでは、ストーリー機能にイラストを挙げつつ「こんなマンガを描きました」と告知して作品へのリンクを貼ると、必ずしもマンガに興味がない方にも読んでもらえる実感があります。ストーリーがきっかけで「読んだよ」と直接言ってくださることも。作品へすぐにアクセスできることが告知では大事だと思いますので、このような活用方法も良いと感じています。

司会:
ありがとうございます。Instagramの活用方法についても、お聞きできてよかったです。

びっけ:
Instagramは、通常の投稿の方にはリンクが貼れないんですよね。URLを記入することはできても、そこから直接アクセスできる仕組みシステムはなく、リンクできるのはストーリーだけですね。ストーリーは24時間で消えてしまいますが、ちょっと軽く告知するスタイルで活用できると思います。

司会:
ありがとうございます。それでは、るぅ1mm先生、お願いします。

るぅ1mm:
私も、マンガ制作以外での取り組みでは、SNSで作品を読んでもらったり、友達に知らせたりなどです。メインで使っているのはXですが、意外とXを利用していない方もいらっしゃいますよね。さきほど挙げたTikTokなどのように、Xだけに投稿を集中させてしまわずに、できれば新しいプラットフォームで、新しい出会いもあればいいなと思いながら、色々なSNSを活用しています。

司会:
ありがとうございます。ちなみにTikTokは、どのような使い方をされていますか?

るぅ1mm:
マンガ家ですが動画も作ってるんですよ(笑)。ただ、最近で、写真を上げるだけで横スクロールで読めるような形式もTikTokにはあって。そのようなスライドショー的な機能を使ったりします。また、アナログで作品を描いているので、アナログの線を描いている様子を動画で撮って載せるなどもしています。

ステップアップするために取り組んだアクションは?

司会:
それでは、次の質問に移らせていただきます。マンガ家としてステップアップするために、これまで取り組んだアクションなどあれば、うかがいたいと思います。

朝日 夜:
私は、同じ作品を何度も繰り返し見てしまうタイプで、ついつい好きなものばかりずっと見てしまう傾向があります。その点を意識して、人に勧められた作品はすぐに見るように心がけています。見るものを自分が好きなものだけで固めないようにしよう、と。人が紹介するのには理由があると思って、「なぜ紹介してくれたんだろう?」というところまで考えながら、勧められた映画やマンガを見るようにしています。

びっけ:
私も、新しいものをできるだけ拒否せず「やってみる」「興味を持つ」「見てみる」といった姿勢を心がけています。そして、色々なものを見たり、色々なところを訪れてみたりと、様々なものに接する機会を大切にしています。それらを通じて、ふと作品のお話が浮かぶこともよくあります。また、映画をたくさん観ることもおすすめだと思います。映画をきっかけに行ってみたいところが増えたり。何度も同じ話になってしまいますが、それくらいおすすめです。

るぅ1mm:
びっけ先生のおすすめの映画、聞いてもいいですか?

びっけ:
映画をきっかけに行ってみたい場所が増えると言いつつ(笑)、私が一番好きなのは、アニメーションの「銀河鉄道の夜」という、ますむらひろし先生の、猫ちゃんが出てくるアニメーションですね。古い作品で、ご存知の方はいらっしゃるかどうかですが、音楽を細野晴臣さんが担当されていて、すごく美しいアニメです。よろしければご覧ください。また、昔は暗いヨーロッパ映画ばっかり見ていたので、そこからの影響が作品にあるかもしれません。

司会:
ありがとうございます。
それでは、るぅ1mm先生お願いします。

るぅ1mm:
そうですね、私からはインプットのお話ではなくアウトプットに関する話をしようと思います。私は同人活動をしていた期間が結構長くて、そのときはかなり自由に描いていたんですね。商業のお仕事もさせていただくようになってから、「自分も楽しんで読めるマンガを描きたい」と思うようになって。「じゃあ、自分の好きなマンガって何だろう?」と考えたときに、「共感しながら読めるマンガ」というものが、私にとって好きなマンガのラインナップに当てはまると感じました。それから、実体験に近い要素や、キャラクターからの目線といったものをすごく意識して、キャラクターと同じ目線で「このキャラクターはどう考えているのかなー」みたいなことを想像しながら描くようになりました。

ちなみに、朝日先生も最近は映画をご覧になりますか?あるいは本を読まれることの方が多いですか?、よければ、おすすめの映画を聞かせてください。インプットが全然足りていないので(笑)。

朝日 夜:
おすすめとは少し違いますが、もっとも最近では「テルマ&ルイーズ」を観ました。けっこう昔の映画です。この映画を観て「あの作品のあの部分ってこの映画のパロディだったんだ?」「この作品が元ネタだったんだ」といったことに初めて気づきました。

読者の反応をどう受けとめているか

司会:
続いての質問になります。読者の方々の反応など、作品への手応えを分析して、作品作りとか作者としての活動に反映することはありますか?もし分析されている場合は、どういう部分をチェックしているか、どういうアクションにつなげているかなどお話しいただければと思います。

朝日 夜:
Xでリポストやコメント数が多いと「多くの人に認められたんだな」と感じます。あまりそれに振り回されてはいけないと思いつつも、やはりリポストが多いときには「続き、描いてみようかな」と思うことがあります。ですから、作家に続きを描いてほしい場合は、たくさんコメントを寄せていただけたらと思います。そうすれば、作家も気づけば机に向かっていると思います(笑)。反応に振り回されないようにと思いつつ、やはり多くの反響があれば、もっと描いてしまいますね。

びっけ:
朝日先生がおっしゃったように、数字で見える反応というのは、やはり励みになりますね。先ほどもお話ししましたが、私は本当に面倒くさがりなので、投稿した後の一週間くらいは「閲覧者が増えているな」とか「リポストしてもらえているな」とかチェックするんですけれども、だんだんとあまり気にしなくなっていきます。
読者の反応やコメントによって、作品の方向性を変えるということは全くありません。例えば、「この先のお話は、できればこうなっていってほしい」といったご意見をいただくのは、本当にとても嬉しいですし、「こんな展開になってほしいけど、どうなるか楽しみです」といったコメントをいただくのも大変励みになります。「期待する方向にはならないけれども、ぜひ楽しみに読んでほしい」と、ニヤニヤと喜びながらコメントを読んでいます。ですから、読者の皆さんには、あまり怖がらずに感想を言っていただけたら私はすごく嬉しいですね。こんな感想を抱いていただけたのだなと分かって、とても励みになります。

るぅ1mm:
私も、引用リポストやリプライ、コメントなどをいただけると、やはりとても励みになります。読み切りを描くことが多いので「続きはどうなるの?」といったことを言われることは多くありません。でもコメントしていただけたらすごく嬉しいですね。

この場をお借りして、観客の皆さまにお聞きしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?皆さまがXなどで作家の投稿を引用リポストされた際に、その作家からリプライなどのコメントが来るのを「嬉しい」と感じる方はいらっしゃいますか?(挙手を確認して)作家からコメントが来ても大丈夫なんですね!では逆に、作家からコメントが返ってくるのがあまり嬉しくないと感じる方は?(再び挙手を確認して)あぁ、そうですよね。嬉しくない方もいらっしゃいますよね。
少し煩わしいのかなと思いつつも、引用リプライしていただけることが嬉しいので、私もお返事したいなという気持ちもありまして。皆さま手を挙げていただいて、ありがとうございました。

以上、「マンガ家座談会!〜チャンスを広げるアクションについて〜」の模様をご紹介いたしました。

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