日本沈没
シネコン「シネマサンシャイン」で「日本沈没」を観てきました。
ここ何年かずっと清水か小田原まで1時間くらいかけて観に行っていたのですが、
地元に出来た新しい映画館と言うこともあり、
ちょっと様子見にと言うことで行ってみました。
映画館自体は、他のシネコンにはない明るいロビー、モダンな装飾で、
なかなか良かったのですが、劇場の広さは、それ程でもないですね。
座席はふかふかしていて座りやすかったですが、
席の前後が狭く、前の座席に何度か足が当たってしまいました。
で、肝心の映画の方ですが、開巻、いきなり「沼津」が舞台で大ウケ!!
柴咲コウの登場シーンも格好良くて、これはいいかもーーーーぉと
思いながら見始めたのですが、
なんだかキャラに共感出来ないうちに終わってしまいました。
草なぎくんは、思っていたより良い演技をしているのですが、
朋友の及川ミッチとの友情など全てが中途半端。
柴咲コウとのラブシーンも安っぽくて、ドラマの部分は
いろいろなエピソードを描くものの全てが消化不良で
表面的な展開にノレず仕舞いでした。
でも特撮は!!と期待していたのですが、
北海道や六本木、渋谷など「おぉ!」と思えるシーンもあるのですが、
期待していた「清水寺」や「奈良の大仏」の崩壊シーンが見事になくて、ガッカリ。
やはり阪神大震災の事もあり震災された方への配慮があったのでしょうか。
それに富士山がなあ…。
興奮したシーンが冒頭の柴咲コウの登場シーンと
大地真央が新聞を引っ張るシーンだけだった(笑)のが、
ちょっと淋しかったですかねえ。
まあ、個人的にはガンダムの富野さんのお顔が
拝見できて楽屋落ちとしては楽しめましたが、
もうちょっと面白くても良かったのでは…と思った1作でした。
(監督)の樋口さんには、もうちょっとドラマを撮れるよう
頑張って貰いたいですね。
市民の生活、主人公の愛と成長、そして大災害と一通りは
描いている(つもり)のだが、そのどれもが心には迫ってこない。
すでに日本列島のあちこちで大災害が起きているというのに、
主人公が実家に帰ったり、東京に戻ったりと移動しているが、
いったい何を使って移動していたのか
(自家用車?列車?飛行機?
すべて機能は麻痺していそうだったが)疑問に感じた。
田所博士とも連絡を取っていたようだが、
携帯電話は機能していたのか?
こういった細かい部分の描写がしっかりなされているようには思えず、
日本がとんでもないことになっているはずなのに臨場感、危機感がない。
スペクタクル映像(実際、これを楽しみに行ったのだが)も、
「観たい」という画はほとんどいって無かった。
予告にある国会議事堂、大仏、清水寺などは、災害に遭う映像はなく、
すでに崩壊、浸水した(予告にあった)映像だけ・・・。
しかもそれらの災害に主人公達が巻き込まれない。
これでは盛り上がろうにも盛り上がらない。
そして、最も気になったのは作品の根底にあるテーマである。
総理大臣(石坂浩二)が言う「(日本が沈没するに当たって)
何もしないことが、心情的には一番しっくり来る」とか、
主人公の母も「脱出せずにここで死ぬ」という事を言うのである。
そして主人公は「愛する人を守るため」に自らを犠牲にする。
これは「特攻」の思想ではないだろうか。
私は「お話」である以上、自己犠牲を美化して感動を得ようとすることを
否定するつもりはないが、本作では主人公の行動に説得力がなく、
お題目のように(セリフだけで)「愛する人を守る」などと言っているから
「特攻」シーンに違和感を覚えるのだろう。
結局、「愛」も「人間」も描けていないのに、
安易に「お涙ちょうだい作品」に走ってしまった作者の力不足ばかりを感じた。
日本沈没(2006)
メディア 映画
上映時間 135分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(東宝)
初公開年月 2006/07/15
ジャンル SF/パニック/ドラマ
いのちよりも大切なひとがいる。
1億2000万人、すべての日本人に捧ぐ――
監督:樋口真嗣
エグゼクティブプロデューサー:濱名一哉
プロデューサー:中沢敏明
原作:小松左京
脚本:加藤正人
美術:原田恭明
撮影監督:河津太郎
編集:奥田浩史
音楽:岩代太郎
VFXスーパーバイザー:佐藤敦紀 田中貴志 道木伸隆
VFXプロデューサー:大屋哲男
スクリプター:河島順子
制作プロダクション:セディックインターナショナル
製作統括: 近藤邦勝
特技監督: 神谷誠
録音:中村淳
助監督:足立公良
特技統括: 尾上克郎
出演:草なぎ剛 小野寺俊夫
柴咲コウ 阿部玲子
豊川悦司 田所雄介
大地真央 鷹森沙織
及川光博 結城慎司
福田麻由子 倉木美咲
吉田日出子 田野倉珠江
柄本明 福原教授
國村隼 野崎亨介
石坂浩二 山本尚之
(特別出演)
六平直政
手塚とおる
大倉孝二
花原照子
和久井映見
(友情出演)
長山藍子
(友情出演)
遠藤憲一
村杉蝉之介
加藤武
北村和夫
矢島健一
大口広司
石田太郎
並樹史朗
松尾貴史
ピエール瀧
佐藤江梨子
津田寛治
池田成志
木村多江
前田愛
山田辰夫
福井晴敏
安野モヨコ
庵野秀明
富野由悠季
丹波哲郎
(特別出演)
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