Shibuya.pm Tech Talks #14でPerlの歴史について話しました

LL Tigerのスタッフ打上げの帰途、駅まで歩いているとき、id:takesakoさんから「今度Shibuya.pmがあるんですが、Perlの歴史について話しませんか」と声をかけていただきました。昨年のYokohama.pmの懇親会でも、初めて使ったPerlが5.8だっていう人が結構いて、「Perl4.000の定義」とかを話すと意外とウケたので、いつかこのネタはやろうと思っていたのです。

そんなわけで10分の時間をいただいてしゃべってきました。

年寄りの昔話なんてものは、まあ若い人にはあまり面白くもなく、
「知っておるかの。昔、メールアドレスはjpでなくjunetで終っておったんじゃ」
みたいな話に終始してしまうものなんですが、まあ今回わりと確信犯的にそういう話にしました(笑)。結果として、おっさんホイホイなトークになったようですが、それはそれでOKでしょう。

で、以下そのメイキング的なむだ話を書いてみます。

今回のトークを準備するにあたって、インターネット以前の国内Perl界ってどうだったんだということを調べようと思ったのですが、これがなかなかうまくいかない。fj.lang.miscの過去記事を見ようと思っても、当然インターネットにはなくてGoogleで検索してもなかなか引っかかってこない。自分で保存した古いアーカイブは1/2インチオープンリールテープとか1/4インチストリーミングテープとかに入っているはずなんだけど、例えメディアが見つかったとしても読めるドライブが会社にもないと思う。

パソコン通信のログならと思って押入のダンボールをあさってみると、当時使っていたX68kと大量のフロッピーディスクが出てきました。5.25インチは読めないなーとあきらめ、3.5インチフロッピーを開けてみます。1994年〜96年くらいのメールアーカイブあり。「新Perlの国へようこそ」執筆時の著者MLが入っていたディスクが読めました。執筆中に5.002が出てサブルーチンプロトタイプが使えるようになってたり、XSの使い方とか、斎藤靖くんが手さぐりでPerlの仕様を調べながら、jperl5.002を作ってしまったり、そんな感じのメールログでした。

さて、junk.testのログはないものか。X68k本体がよしんば動いたとしても、表示できるディスプレイがないようです。31kHzにシンクロできるモノはあるんだろうか? 最終的に、同じ箱から出てきた120MのSCSI HDDが読めました。MacBookにつないでddで吸い出し、X68kエミュレータでのぞいてみましたが、肝心のパソ通ログがない。当時の自分、マメにフロッピーにアーカイブして、HDDからは消していたようです。なんとかperl -vのスクリーンショットだけを取りました(スライドp.13)。

当時のPerl関連出版物もたくさん持ってたはず。それらはドイツに行っている間に会社の本棚を整理しろとの命が来て、着払いで実家に送ってもらったきりでした。実家に連絡して現住所に送ってもらった箱を開けると出るわ出るわ古文書の山。赤Camelの原書、和訳とも初版、Perlの国へようこその新旧初版、Learning Perl, Perl Cookbook、Perl Resource Kit UNIX版(これは後にオライリーの見本をもらってきたもの)。そしてPerl Conference 2.0のチュートリアルノートやPerl Conference Japanのプロシーディングス、The Perl Journalなどを発見。残念ながらCマガジンやComputer Todayの記事、UNIXマガジンなどは出てきませんでした。

これだけの資料を集めて活動開始です。さあ年表を作ろう、Mosaic出現やWin95について書こう。まずはperldoc perlhistを元に手書きで年表っぽいものを下書きします。そうしたらなんと発見してしまいました。history.perl.com/PerlTimeline.htmlに書きたいもののほぼ完成形があります! あー、もっとまじめにサーベイをやってればよかった! でもまあ、年表作りの作業はずっと楽になったので、国内の状況を思い出しながら追記してまとめます。

JPerlの歴史についてはPerl Conf Japanのわたなべひろふみさん・木村浩一さんの発表資料が、CPANについてはid:charsbarさんのモダンPerl連載が大変参考になりました。

こうして、思ったより準備に時間がかかってしまったトークでした。10分もらった時間を大きくオーバーしつつも、Perlの歴史についてちょっと昔話をさせてもらって楽しかったです。

P.S.
X68kの5インチフロッピー、なんとか読めないかなあ。5インチドライブなんて、入手できるとしたら今年がそろそろ最後のチャンスですよね。