小説、読んでる? あの、なんか文字がいっぱい書いてあるやつ。読むと物語になってるやつ。小説にも色々なジャンルがあって、中には映画に関係した小説もあるわけよ。知っているだろうけど。
映画の原作になったもの、映画のストーリーをそのままノベライズしたもの、映画のノベライズ版だけど映画とは別のストーリーを辿るもの、映画の前日譚、または映画の続編であるものなど。
ヨッシャー!! 今回はそんな映画系ノベルから5冊紹介するからな!! 覚悟しろ!!
アニゴジ前日譚小説『GODZILLA 怪獣黙示録』『GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』
脚本に虚淵玄氏を据えて話題を呼んだアニゴジ3部作を覚えているだろうか。内容に関しては賛否両論あったが、あのアニゴジには前日譚にあたる小説が2冊ある。これが2冊ともド名作だ。
まず1作目『GODZILLA 怪獣黙示録』を紹介したい。
あの世界に怪獣が現れ始めて文明が蹂躙されていく様を、その場に居合わせた人へのインタビューという形式で綴っている小説だ。ワールドウォーZの原作小説みたいな形式だ。
怪獣という存在の恐ろしさ、そしてその怪獣たちの王たるゴジラのこんなの勝てるわけねえだろという絶望感を「助けてくれ」と言いたくなるほど味わえる。
何よりも見どころは最初から最後まで散りばめられた東宝怪獣への愛。
第1章からカマキラス、ドゴラ、ヘドラ、ガバラ、ダガーラとオタクが頭を机に打ちつけて喜びたくなるラインナップだ。「そんな怪獣知らん……怖……」という人もいいから読んでくれ、超面白いから。
そして2作目『GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』
これは先の『怪獣黙示録』の直接の続編でありながらアニゴジ2章の鍵となるメカゴジラに焦点を当てた作品だ。
本作の見どころはなんと言ってもガイガンだ。ゴジラシリーズの名悪役、ガイガンが登場する。
本作のガイガンは冬眠しているところをとっ捕まって人類にコントロールされる人類側の兵器として登場する。ガイガンが人類の味方として登場するのは驚きだが、ガイガンが洗脳されずに自分の意思で戦ったことなんてほとんどないのでそう言った意味では「わかってんなあ!」と言いたくなってしまう。
何度もゴジラにボコボコにされるたび体の一部をメカに置換してガイガンの二つ名「サイボーグ怪獣」となっていく熱すぎる展開。動くかどうかもわからないメカゴジラよりずっと兵士たちに愛されていたガイガン。
俺はガイガンに泣かされることになるとはこの小説を読むまで思いもしなかった。
2冊とも「俺はアニゴジ嫌いじゃないぜ」という人はもちろん「俺はアニゴジあんまり楽しめなかったんだよな」という人も、頼むから読んでほしい。
モンスターバース2作目『キングコング 髑髏島の巨神』
ゴジラの次はコングだ。あのモンスターバース2作目『キングコング 髑髏島の巨神』のノベライズでほとんど本編をなぞる内容だが、映画にはないシーンがちょいちょいある。
映画『キングコング 髑髏等の巨神』を見たときにあなたは思ったはずだ。
「ああ、グンペイとマーロウのエピソードもっと見てえなあ」と。
まあこの小説版にも二人のエピソードがそれほどあるわけではない。だが、最後の最後にほんの少しだけ差し込まれているグンペイとマーロウの会話シーン。二人が「これまでの人生で一番怖かったこと」を語らうシーン。
これが本当に美しい。ほんの少しの会話で二人の友情がどんなものであったか十分すぎるほど伝わってきて「ありがとうグンペイ……ありがとうマーロウ……」と暖かい気持ちで本を閉じることができる。
「ああ、グンペイとマーロウのエピソードもっと見てえなあ」と思ったあなたはぜひ読んで欲しい。この数行のためにも読む価値があるノベライズだ。
ゲーム原作映画のやつ『サイレン FORBIDDEN SIREN』
PS2の名作ホラーゲーム、サイレンシリーズの映画版、『サイレン FORBIDDEN SIREN』のノベライズ版だ。
映画自体はこれもかなり賛否両論あるが、このノベライズ版は特徴的な書き方をされていて面白い。
小説は大抵一人称、もしくは三人称で書かれることが多い。ところがこの小説は「二人称」で書かれているのだ。
この「二人称視点」「他者から見た自分の行動を見る」という視点が原作ゲームのサイレンのキモである「他人の視界を盗み見る能力」「視界ジャック」を思わせて見事な上に、この書き方自体が物語の上でもしっかりキーとして生きてくるのでクライマックスはかなり興奮する。
原作ゲーム、映画要素抜きにしても「二人称視点の面白い小説」としてオススメできる一冊だ。
名作キノコ映画の続編『マタンゴ 最後の逆襲』
キノコ映画の金字塔。無人島に漂着した男女が出会うキノコ人間の恐怖を描いた名作東宝特撮ホラー映画、マタンゴ。あれの続編小説が存在する。それがこの『マタンゴ 最後の逆襲』だ。
人間がキノコ人間に変貌するマタンゴの恐怖はそのままに、宇宙やバイオテロなど話のスケールがとにかくデカい。
原作映画の「この後どうなっちゃうんだよ」というラストのその後をしっかりやりつつ、SFサスペンスホラーとして原作映画とは違ったタイプの面白さをめちゃめちゃ大ボリュームで書いておりかなり読み応えがある。
本作に関してはガッツリ続編なのでまず『マタンゴ』を視聴したあと「この後どうなっちゃうんだよ」という気持ちのまま一気に読んで欲しい。
以上映画系ノベル5作品を紹介してきた。映画で忙しくて小説なんか読む暇ないんですけどというあなたも、外出が厳しい今こそ好きな映画に関連した小説を手に取ってみるというのもいいと思うぜ!!
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