LinuCレベル2 201試験の例題と解説
2.06.1コンテナの仕組み
LinuCレベル2 201試験の出題範囲から「2.06.1 コンテナの仕組み」についての例題を解いてみます。
このテーマは、コンテナ環境に関する技術の概念や仕組みが含まれます。アプリケーションを稼働させる選択肢としてコンテナを用いる場合に必要となる内容が含まれますので、しっかりと理解しておきましょう。
例題
Overlay Filesystemについて、正しいものはどれか。
- ジャーナルと呼ばれるデータを記録するファイルシステムである
- プロセスなどのリソースの論理的な分離を行うLinuxカーネルの機能である
- イメージのレイヤーを重ねて構成されるファイルシステムである
- 物理マシン・仮想マシン・コンテナで共通して利用されるファイルシステムである
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「3.イメージのレイヤーを重ねて構成されるファイルシステムである」です。
Overlay Filesystemはコンテナ環境においてコンテナイメージを構成するために使われるファイルシステムです。土台となるベースイメージの上にいくつかのレイヤーを追加し、目的に合わせたイメージを作り上げます。
例えばnginx(Webサーバ)のイメージを作る場合、以下のようになります。
レイヤ4:サーバの起動(systemctl start nginx)
レイヤ3:コンテンツファイルの配置(vi index.html)
レイヤ2:設定ファイルの変更(vi nginx.conf)
レイヤ1:パッケージのインストール(apt install nginx)
ベースレイヤ:ベースイメージ(公開されているUbuntuなど)
ベースイメージはDockerHubなどのコンテナレポジトリから取得し、レイヤ1以上を追加し、自チーム内の共通イメージと利用するなどします。
なお、Overlay Filesystemの詳細については、以下で確認ができます。
https://docs.kernel.org/filesystems/overlayfs.html
例題作成者
鯨井 貴博 (LinuCエヴァンジェリスト/登録インストラクター、LPI-Japanアカデミック認定校 ゼウスITトレーニングセンター)