ボーイズ・ビー
- 作者: 桂望実
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/03
- メディア: 単行本
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頑固で偏屈ながら腕は確かな70歳の靴職人と母親を亡くしたばかりの12歳の少年の話。
これはやべえー。そんなにうまい事いくわけねーだろって言う人もいそうですけど老人と少年の話はこうでなくちゃなあ!爺さんの発想が子供みたいで少年の発想がすごく大人だったり、かといってそればっかりじゃなくちゃんと自分らのポジションに戻ったりすごく楽しめました。
少年には弟がいて弟は母親の死を受け止められていなくていつまでも引きずっている。それを少年は兄としてどうにかしてやりたいと悩むわけですが12歳だって子供だもんでそこら辺の感情は無意識に押し殺して頑張っていたわけだ。お父さんは消防士で夜勤もある。だから兄に弟を頼むぞと言って出かける。それがプレッシャーになっているとも知らずに。これを爺さんがうまいこと解決してあげてその後に恩返しじゃないけれど少年が爺さんを救う。なんという持ちつ持たれつ!
で思ったんだけど手のかかる子っているじゃない。普通に考えると子育てが大変そうだよね。でも手がかかる子の方が実際は子育てがラクなんじゃねえかなって。この少年は明らかに手のかからない子。物分りが良くて自分で色々と考える事が出来る子。一見すると子育てがラクそうに思える。けれど爺さんがいなかったら父親に対してエマージェンシーコールをしないまま潰されてしまっていたかもしれない。心の痛みに対して耐性が強過ぎるのも問題だよね。人間じゃピンと来ないけど警告メッセージを出してくれないサーバとか管理しろって言われたら絶対に嫌だからそういう事なんだろうな、と。